「1990 年代の日本のアーケードゲーム風シューティング」を目指したという、ちょっと変わった縦スクロールの弾幕シューティングゲームが登場しています。
Shogun」です。

開発したのはフランスのメーカーで、確かにグラフィックや道中の雰囲気は平成初期のシューティングを彷彿とさせますね。
ただ、弾幕シューティングは 1997 年の怒首領蜂の辺りから広まったものなので、時代としては 2000 年代のものであり、またボスの弾幕はケイブ系や昔のシューティング風ではなく、東方系に近いです。
1990 年代のシューティングというと「雷電」が有名ですが・・・ それとはちょっと違う感じでしょうか。
さらに「敵弾にかする事でシールドが増えていく」「そのシールドを減らしてパワーアップを行う」という独特なシステムがあるため、むしろ新しいオリジナルなゲームの印象を受けます

このアプリは無料で公開されていますが、無料のままで遊べるのは1面だけで、2面以降は各ステージごとに 85 円の課金を行うか、2~4面を一括 170 円で購入しなければなりません。
実質 170 円の有料アプリなのでご注意下さい。

shogun

自機の操作は俗に言う「相対移動」です。 指を置いた位置に関わらず、指を動かした方向・速度に合わせて自機が移動します。
怒首領蜂エスプガルーダなどのケイブのシューティングゲームと同じ操作ですね。

しかし画面がフルに使われていて、外周に「指置き場」となるスペースがないため、どうしても端に追い詰められた時や最下部に移動しようとした時、画面から指が外れてしまうことがあります。
外側に指がはみ出ると指の位置がズレるため、指の真下に自機が来て見にくくなってしまう事も多く、最近のケイブシューに慣れているとやり辛さを感じてしまいます。
操作性は悪くはないけど、良くもない、といった感じでしょうか。

ただ、キャラクターは全体的に小さく、自機の当たり判定も非常に小さいため、弾幕シューティングらしく敵弾は避けやすくなっています

自機は「ショット」「レーザー」「ホーミング」の3つの攻撃を持っていて自由に切り替えられるのですが、この切り替え方法がちょっと変わっています。
画面から指を離すと全体が暗くなってゲームがスローになり、自機の周囲にボタンが現れます。 このボタンを押すことで武器の変更を行います。
つまり普段は画面内に「切り替えボタン」が表示されておらず、これならタッチパネルにありがちな「押しミス」が起こる事はありませんね。

しかし全体がスローになっても完全に止まる訳ではないので、攻撃が激しい場面では切り替えがし辛く、また敵弾を消すボム(EMP)も「指を離す→EMP を選択する」という2段階での使用になるため、緊急回避には使い辛くなっています。

shogun
※左の画像は指を離してボタンを出したところ。 このように自機の周囲にボタンが現れるため、押しミスは起こりません。 日本語のフリック入力みたいなシステムで、私的にはこの入力方法はなかなか気に入っています。
右は武器の1つ「ホーミング」を使って敵を攻撃しつつ、画面右端で避けに徹しているところ。 ホーミングはボス戦でかなり強いです。


そしてこのゲーム最大の特徴が、画面右上にあるシールドゲージでしょう。
これは敵弾にかすることで増えていき、攻撃を受ける事で減少します。 減少量は弾によって違うようですが、通常弾に当たると 70 %ほど減少します。
シールドゲージは 0 % ~ 150 %まであり、150 %まで増えるとシールドストックが1つ増えて、ゲージは 100 %に戻ります。
被弾してシールドゲージが 0 になるとシールドストックが減少、シールドストックがない状態で 0 になるとゲームオーバーですが、シールドストックがあればそれを消費してゲージは 100 %まで回復、さらにしばらく無敵になります。
シールドストックは最大で 6 つまで増加します
このルールのため連続で被弾しない限り挽回することが可能で、何度か被弾してもその後にうまくかわせていると、いつの間にかシールドが回復しています

さらにパワーアップも、このシールドストックを消費して行います
画面から指を離した時に表示される「+」ボタンを押すとストックが1つ減り、パワーが1段階アップ、最大3回(4段階目)まで強化でき、その状態でさらに強化すると数秒間強力な攻撃が行えます。
ただしパワーアップは被弾してシールドストックが減少すると1段階落ちてしまうので、連続でミスっているとあっという間に初期状態まで戻ってしまいます。
ストックがある時にパワーアップを選ぶか、安全のために保持しておくか、その判断がゲームのポイントになりますね。

敵弾にかすっているとシールドゲージだけでなく得点倍率も上がっていき、最大で 16 倍になります
しかしこの倍率は一度被弾すると(シールドゲージが 0 まで落ちなくても)1倍に戻ってしまいます。
倍率の増加は早いので、1倍に戻っても積極的にかすりに行けばすぐ 16 倍に戻すことが出来ますが、ハイスコアを狙うなら出来るだけ被弾は避ける必要があります。

shogun
※敵弾が画面を埋め尽くしている状態。 まさに大ピンチ!! ・・・のように見えるが、実はこの敵弾は速度が遅い。 そしてこのゲームは敵弾にかすっているとシールドゲージが増えるので、遅い弾がこんなにバラまかれていると、自然とかすりまくれてゲージはどんどん回復する。
つまり左の画像のシーンは実はピンチどころか回復&パワーアップチャンスだったりする。
右の画像は3面ボスの最後の攻撃。 自機がどこにいるか解るかな? 実は安地が・・・


iPhone 4 でプレイした限りでは、画面中に弾幕が出現しても処理落ちすることはなく、動きも滑らかです。
サウンドも良く、それほど派手な演出はありませんが、綺麗にまとめられていて完成度は高いですね。

ただ、個人的に気に入らなかった点は・・・ 後ろから攻撃してくるボスがいること。
タッチパネルの画面下部には指が置かれているので、当然そこは見えません。 この見えない部分から攻撃してくる敵がいるというのは、タッチパネルの縦スクロールシューティングではタブーだと思っています。
このゲームは画面から指を離すとスローがかかるので指の置き直しがしやすく、後ろから攻撃されても対処はしやすいのですが、それでもやはり「指がある位置から敵が出てくる」というのは「うーん」と思ってしまいます。

また、4面しかないのでボリュームが今ひとつなのも難点でしょうか。
iPhone / iPod touch のシューティングはこのぐらいの方が遊びやすいかな、とも思うのですが、既存のシューティングと比べると短いのは否めませんね。
一応、4面クリア時点でスコアが一定以上だと撃ち返し弾がある2週目に突入するので、慣れた方なら長いスコアアタックを楽しむ事もできますが・・・

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は冒頭で述べたように、本体は無料ですが、全部遊ぶには追加課金が必要で、実質 170 円です。
ただこのクオリティーを考えると、170 円はむしろ安いぐらいでしょう

敵の攻撃が激しく、ボスの攻撃も攻略を見出していないと回避し辛いので、難易度は高めなのですが、敵の攻撃を回避することでシールドが回復するシステムのおかげで、慣れれば慣れるほどラクになっていくゲームです。
その意味では上達を実感しやすいゲームと言えるかもしれません。

懸念の操作性については、画面が広い iPad だと問題なくなります。
よって iPad を持っている方は、そちらでプレイする事をお勧めします
ちなみに筐体型 iPad コントローラー「iCade」にも地味に対応しています。

弾幕シューティングが好きな方には、十分にオススメできるアプリですね。
シューティングが苦手な方だと・・・ 2面や3面ですでに辛いかも・・・?

Shogun (iTunes が起動します)