最初はゲームボーイアドバンスで発売された、弁護士の主人公が法廷で被告人の無罪を勝ち取る法廷バトル推理アドベンチャー「逆転裁判」
Nintendo DS や携帯アプリなど様々なものに移植され、ミュージカルにもなったこの作品は、2009年末に iPhone / iPod touch 用アプリとしても発売されました。
(初期版のレビューは こちら をご覧下さい)

その iOS 版の逆転裁判が Retina ディスプレイや iPad の高解像度に合わせた画像に全面的に描き直され、さらに「逆転裁判2」「逆転裁判3」の内容も追加したリニューアル版として再公開されました。
逆転裁判 123HD」です。

初期バージョンをダウンロードしていた人は、そのアップデートを行うことで「逆転裁判123HD」に変更されます。
アプリ本体は無料ですが、追加課金を行わないと「逆転裁判(1)」の1章と2章しかプレイできません。
しかしこの2つだけでも相応のボリュームがあります。
価格は1が 720 円、2と3は 840 円、123の一括購入は 2000 円です。

逆転裁判123HD

上記の画像を見て解るように、今作は横画面でも縦画面でもプレイ出来るようになりました
初期バージョンは DS 版の移植だったため、画面を縦に2分割し、上半分にゲーム画像、下半分にボタンなどを配置していたのですが、今作は本体を横向きにすれば画面全体にゲーム画像を表示する事が出来ます。
横画面でもウィンドウやアイコンは使いやすい形に配置され、メッセージは画面のどこをタップしても読み進めることが出来ます。

逆転裁判は(ゲームボーイアドバンスで)1が発売された後、その続編として2が発売され、さらにその続編であり1より前の物語も語られる3が発売されました。
さらに DS に1が移植される際、新しいエピソードの「蘇る逆転」が追加されています。

今回の iOS 版「逆転裁判123HD」はこれらが全て同梱されたソフトで、かなりお得と言えるでしょう。
ゲームソフト3つ分もあるのですから、ボリュームはかなりのもので、全部終えるには数十時間が必要です。

なお、無料でプレイできる第1章はチュートリアル的な内容のため、短時間で終わります。
初期バージョンは無料だとこの1章しかプレイできなかったため、『ボリュームが無い』と言われる事が多くありました。
しかし実際にはゲームの本番は2章以降からなので、1章だけで判断しないようにして下さい。

そして今作の最大のウリ、「画像のリマスタリング」(原画を元にしてグラフィックの作成をやり直すこと)については・・・ オリジナルとは比べものにならないぐらい高画質になっています。
ただ、そのために絵のタッチが変わっており、キャラクターに若干の違和感を覚える部分もあります

これは実際に見てみないと解らないと思うので、以下の画像を参考にして下さい。

逆転裁判123HD

逆転裁判123HD

差は歴然ですね。 これでも 123HD の画像はサイズを 1/2 に縮小しています。
少し専門的な話になりますが、原画をドローソフトで読み込んで、着色を全てやり直した、と言った感じでしょうか。

原画がそこまで高解像度用ではなかったのか、引き延ばした絵の線をソフトウェアで滑らかに処理したようなタッチになっています。
また、オリジナルではドットの荒さのために潰れていた細かい部分が新たに書き加えられているようで、例えば原作では点の羅列にしか見えなかった小さな文字が、123HD ではちゃんと文字として書かれており、細部まで高解像度用に直しているのが伺えます

着色や陰影については全てやり直しているようで、例えば上の画像の女性の髪の毛を見ても解るように、グラデーションの大きさや光源の位置が変わっています。
これらの画像の描き直しはかなり手間が(つまり時間とお金が)かかるので、単なる流用ではない、相応に力を入れて作られたアプリなのが解ります。

ただ、これらの修正の影響で・・・ 全体的にリアル系になっていて、顔がゴツくなった印象もありますね。
男性キャラはまだ凛々しくなっているので良いのですが、女性キャラは可愛くなくなった気がします
この辺は荒いドットだと「ごまかし」が利いていた部分なので、それがなくなった弊害かもしれません・・・

ゲームシステム的には、1の5章で「カガク捜査」が登場し、2以降に相手の秘密を暴く「サイコロック」が加わったのが特徴です。
カガク捜査は「逆転裁判4」や「えどたん」にも登場していたもので、証拠品を色々な角度から調べたり、拭き取られた血痕を薬品を使って探すといった捜査です。

「サイコロック」は言わば「裁判シーン以外で発生する推理モード」で、適切な証拠品を突き付けて相手の秘密を自白させるものです。
サイコロックは結構難しいものもあり、推理の難易度は1よりも2や3の方が高いですね。

逆転裁判123HD
※カガク捜査は1の5章にのみ登場。 2や3では存在しない。 なぜなら1の5章が登場したのは、2や3が発売された後だから。
1の5章に登場するカガク捜査のお姉さんは4でも登場し、つまり123と4を繋ぐ役割とも言えます。
ただ、4の主人公は123の主人公より人気がありません・・・
私的にも開発が発表された5の主人公は、なるほど君の方がいいですね・・・ 4も決して嫌いではないけど。


逆転裁判123HD
※2と3に登場するサイコロック。 画像では鍵が1つですが、3つも4つもある場合があり、突き付ける証拠品を間違うとゲージが減ってゲームオーバーになる可能性があります。
サイコロックの難しい点は、その時点で所持している証拠品で全てのロックを解除できるかどうか解らないこと。
つまり行き詰まったときに、ロックを解除する方法が解らないから進めないのか、ロックを解除する証拠品を見つけてないから進めないのかが解りません。


ゲームは好きな章から始める事が出来ますが、ストーリーは基本的に1章から順番に続いていて、途中でいくつかの伏線が張られ、それらが最終章で解決するという形なので、各章が独立しているとは言え、途中の章から始めるのはオススメできません。
また、1→2→3 と時系列で進むので、1をやってないのに2や3をやるのもオススメしません。
普通に1の1章から順番にプレイしていきましょう。

難点は、それぞれの章、さらに1つの章の各パートを個別に毎回ダウンロードしなければならないこと。
各ファイルはそれぞれ 15MB 程に抑えられていて、つまり Wi-Fi 環境ない場所でも(3G 回線で)ダウンロード出来るようになっているのですが、逆に Wi-Fi 環境にある場合は手間がかかるだけです
Wi-Fi 環境ならダウンロードは短時間で終わりますが、外出して出先でプレイする場合、事前に Wi-Fi 環境で一括ダウンロードしておくことが出来ないため、3G 回線で時間のかかるダウンロードを行わなければなりません。

※現在はアップデートで、一括ダウンロード出来るようになりました。

また、やや動作に引っかかる部分が多いのも少し気になります。
アドベンチャーゲームとしては既読文章の早送りや巻き戻しがないのも、今見ると不便かも。

とは言え、やはり逆転裁判の1~3がまとめて、しかも高画質でプレイできるのは、やはり嬉しいですね。
もう何年も前のゲームなので私も忘れていた部分が多く、改めてやっても十分に楽しめます。
発売から 10 年経った今になって映画化されるぐらいですから、その面白さは改めて説明する必要はないでしょう
やったことがない方はもちろん、かつてプレイしていた方にもオススメできます。

2章までは無料で出来るので、課金するかどうかは別として、とりあえずそこまで試してみるのがいいでしょう。
経験者でない方は逆転裁判の面白さが、経験者の方は画質の向上っぷりが解ると思います。

逆転裁判123HD (iTunes が起動します)