タイトーの横スクロールシューティングゲーム「ダライアス」の最新シリーズ「ダライアスバースト」が、美しい画面と独特な BGM はそのままに、スマートフォン用に新たに作り直されて iPhone に登場しました。
ダライアスバーストSP」です。

「ダライアス」は 1980 年代からある横スクロールのシューティングゲームで、3画面分の大型ディスプレイなど、際立った特徴を持つゲームとして知られているシリーズです。
「ダライアスバースト」は 2009 年末に PSP 用のソフトとして発売されたもので、2010 年末にはアーケード(ゲームセンター)用にアレンジされた「ダライアスバースト アナザークロニクル」も登場。
「ダライアスバーストSP」は、そのバーストシリーズでは3作目となります。

基本的には PSP 用のダライアスバーストの移植ですが、iOS 版オリジナルのステージ構成になっている「SPモード」が加えられ、BGM も SP モードはすべて刷新、操作方法や基本システムも見直されており、新しいダライアスバーストに変わっています。
ゲームキャストさんの開発者インタビューによると、名前の「SP」は Second Prologue(セカンドプロローグ)の他に、スマートフォン(Smart Phone)の意味もあるようですね。

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とにかくグラフィックとサウンドが素晴らしいです
3D グラフィックで立体的に描かれた美しい背景と、画面を彩る鮮やかな光の効果が Retina ディスプレイの高解像度でより綺麗になっていて、PSP を大きく越える画質になっています。
シューティングゲームとしては、グラフィックの質は現時点の NO.1 ですね。

加えて BGM が独特で、サウンドの完成度もさることながら、曲自体がもう「イッてます」
「なんだよそれ」と思われそうですが、ダライアス外伝の BGM を知っている人だと、この説明でなんとなく解るかも?
オリエンタルな雰囲気を加味した、主旋律がコーラスになってるロック、と表現すれば良いでしょうか・・・
外伝から続く独特な ZUNTATA サウンドがさらにエスカレートしています。

肝心のゲームシステムですが、ダライアスというゲームは基本的に「アーム(バリア)の耐久力とパターン化で攻略するゲーム」で、この点は最新のダライアスバーストでも変わっていません。
最近流行りの弾幕シューティングではなく、自機は1発ではやられない反面、当たり判定はアーム(バリア)のおかげで常に大きめ、敵弾の間をかいくぐるような弾避けはあまり行いません。
この点は最近シューティングを始めた人だと、好みが分かれる部分でしょう。

操作方法は指の位置に関わらず、その動きに合わせて自機が移動する「相対移動」。
操作性は良好で、初期設定ではスクリーンが画面いっぱいに表示されていますが、設定を変更することでスクリーンサイズと位置を変更することができ、外周に指置き場となる外枠を作ることも出来ます
こう言っては何ですが「ケイブシューのスタイル」ですね。

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※画面サイズを縮小して、やや右側に配置し、ボタンを左下に置いてプレイしているところ。
私的にはこのスタイルが一番プレイしやすいです。 操作性はケイブシュー並みに良好。
と言うか、シューティングゲームの相対移動というのは「スペースインベーダー インフィニティジーン」が最初ですから、本来はタイトーが元祖ですね。


自機は前方に発射される「ショット」と、ナナメ前などに発射されるサブ武器の「ミサイル」を持っていて、パワーアップアイテムを取ることで強化されていきます。この2つは自動で連射されます。
バリアとなる「アーム」もパワーアップすることでノーマル→シルバー→ゴールドと強化されていき、耐弾数が増していきます。

前述したようにダライアスはアーム頼みのゲームで、アームがとれたらゲームオーバーと隣合わせです。
ただこのゲームは死んでもパワーダウンは一切なく、弾1発分のアームが付いた状態で復活するので、従来のダライアスよりは復帰しやすくなっています。
とは言えアーム1発分ではまたすぐ死んでしまう可能性も高く、相変わらず「最初の一機が死んだら残機もまとめてなくなってゲームオーバー」になりやすいゲームではありますが。

ダライアスバーストの最大の特徴は「バースト攻撃」でしょう。
これはゲージを消費して発射する強力なビーム攻撃で、高威力かつ敵を貫通します。
PSP 版のダライアスバーストはゲージが貯まりにくく、必殺技的な扱いだったようですが、SP では敵に弾を当てているとどんどんゲージが回復していくので、バーストも多用する事が出来ます
バーストは敵弾を消してくれるのでボムの変わりにもなり、バーストで敵を倒すと通常の数倍の点数が加算されるため、点稼ぎにも重要です。

機体は4種類で、新登場(と言うかゲーセン版からの出張)の、バーストがゆっくり前に進む光球になっている「アサルト」、バーストが普通のビームになっている「レジェンド」、バーストが発射位置から動かずに固定される「ネクスト」、バーストなし(そのぶん通常攻撃が強力)な「オリジン」の4つです。

バーストを多用できるため PSP 版より爽快さやプレイしやすさが増しており、従来より易しくなっています。
難易度も EASY・NORMAL・HARD の3つが用意されていますが、初期設定は EASY
一般ユーザーも多いスマートフォン向けの調整のようですね。
よって設定を変更せずにプレイすると、シューティングに慣れた人だと容易にクリア出来て、ちょっと簡単すぎるかも。

スコアシステムは、敵を倒していると徐々に得点倍率が上がっていき、逆にアーム(バリア)に被弾すると倍率が下がる形。
倍率は最大で 16 倍で、16 倍の状態でバースト(4倍)で敵を倒すと 16x4 で 64 倍になります。
ダライアスはアームがある限り被弾しても死なないのですが、このスコアシステムのため多く被弾していると倍率が下がり、得点効率は低くなるようになっています。

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※ボスもバースト攻撃を撃つ場合があり、相手のバーストにこちらのバーストを当てると「バーストカウンター」が発生!
そのまま相手のバーストを吸収しつつ押し返し、強力な攻撃を叩き込むことが出来ます。
解る人にしか解らない説明ですが、要するにバースト攻撃は「メタルブラック」のビームです。
このバーストカウンターがあるため、ボスがバーストしてくるパターンを知っておくことが重要です。


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※ダライアスおなじみのルート分岐。 今回は1面と2面は固定で、3面から分岐します。
ステージが変われば敵もボスも、そしてエンディングも変化します。 基本的に上ほど簡単な模様。
初期設定が EASY なので、シューティングに慣れた人が EASY のままで上のルートを通っていくと、簡単過ぎるかもしれません。
なお、このゲームは「地形にぶつかる」シューティングなので、ステージによってはご注意を。


特に欠点と思える部分はなく、グラフィック・演出・サウンドなどのすべてがハイクオリティーです。
ただ、ダライアスのゲーム性自体は好き嫌いがありそう。

ボスの攻撃は結構トリッキーなものが多く、知ってないとかわせないような攻撃も多いので、EASY はともかく NORMAL 以上だとパターンを知らないと攻略は困難です。
ダライアスはアームのおかげでいきなり攻撃を受けても1発ではミスにならないので、トリッキーな攻撃が来てもある程度は粘れますが、弾幕シューティングの「実力で避け続ける」という内容とはちょっと違います。
細かい弾避けが苦手でも攻略法を見つけることでクリア可能なので、こちらの方が好きな方も多いと思われますが、同じシューティングでも弾幕型とは違うのは承知しておきましょう。

ゲームモードには iOS 版専用の「SP モード」、PSP 版と同じステージ構成&BGM の「オリジナルモード」、特定の条件(ボスラッシュなど)の「ミッションモード」の3つが用意されています。
慣れてくるとミッションモードもなかなか手強くて面白いですね。
クリア数やミッション攻略数を増やすことで、閲覧できるイラストが増えて行くなどの要素もあります。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 1200 円と高め。 しかし十分にそのクオリティーはあります。
PSP 用ソフトの上位移植、さらにスマートフォン用の調整と新モードが加えられた新作ソフトですから、それを考えるとこの値段も妥当でしょう。
比較するのもアレですが、昔のゲームをそのまま再現したレイフォースとは違います。

色々な意味で独特なシューティングであり、iPhone のパワーも感じられる作品です。
ただし iPhone 4 以上、及び iPod touch 第4世代以降用なのでご注意下さい。
iPhone 3GS や iPod touch 第3世代は対象外です。 iPad は初期型でも OK。

こういうゲームが出てくると、改めて「iPhone はゲーム機になったな」と感じますね。

ダライアスバーストSP (iTunes が起動します)