旧ソ連の全域で広くプレイされている、しかしソ連(ロシア)以外の地域ではほとんど知られていない、トランプを使ったカードゲーム。
それが「Durak」(デュラック)です。

Durak の iPhone / iPod touch アプリはかなり早くから登場していて、渋いグラフィックと見やすいカード、さらに iPhone でいち早くオンライン対戦を導入したアプリであったのですが・・・ 今まで取り上げてきませんでした。
その理由は、とにかくルールが理解し辛い

決して難しいルールではなく、むしろトランプらしいシンプルなルールなのですが、日本で知られている他のトランプゲームとは全く異なるものであるため、日本人には把握し辛いのです。
しかし理解してしまえば手軽にプレイでき、それでいて深い戦略性もある、ソ連全域でポピュラーになったのも頷けるゲームです。
先日のアップデートで Retina ディスプレイにも対応したので、今回ご紹介したいと思います。

durak

ページワンやダウト、UNO のような、いわゆる「手札を無くせば勝ち」のゲームです。
この手のトランプゲームにはローカルルールが付きもので、Durak も地域ごとに異なる様々なルールがあるようですが、ここで説明するのはあくまで iOS 版の Durak のルールですのでご了承下さい。

まず2人用のルールから説明します。
使用するのは2~5の数字とジョーカーを抜いた、残りのカードです。
ゲームが始まると各プレイヤーに6枚のカードが配られます。
また、山札の一番下のカードは見えるように表向きにされます。 この表向きのカードと同じマークのカードは、すべて「切り札」となります。

このゲームは一方が「攻撃側」、一方が「防御側」となります。
攻撃側になったプレイヤーは、場に手札を1枚出します。
防御側は、攻撃側が出したカードより数字が高い、同じマークのカードを出さなければなりません。
(数字はAが一番強いです。 カードはドラッグで出すことができます)

防御側がカードを出した場合、攻撃側は再び手札を1枚出しますが、次以降に出すカードは場に出ているカードと同じ数字でなければなりません。(マークは何でも良い)
例えば、最初に攻撃側が7を出し、防御側が8を出した場合、攻撃側が次に出すカードは7か8でなければなりません。

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※自分は攻撃側。 しかし場に出ているカードは 7 と 10 と Q 。
手札はいっぱいあるけど、それらの数字のカードは持っていないので攻撃を続行できない!
なお、攻撃側の時は「ATTACKING」、防御側の時は「DEFENDING AGAINST」と表示されるので、これを目安にしよう。


攻撃側がカードを出せない場合(もしくは出さない場合)は、画面をダブルタップして下さい。
これで攻撃は終了し、攻守が入れ替わります
この時、場に出ているカードは全て破棄されます。

防御側がカードを出せない場合(もしくは出さない場合)は、場に出ているカードを手札の方にドラッグして下さい。
これで場のカードが全て回収され、手札に加わります。
このゲームは手札を無くすゲームなので、場のカードを回収すると言う事は、そのぶん不利になります。
また、防御側がカードを回収しても攻守は入れ替わりません。

ただ、防御側は出せるカードがなくても「切り札」のカード(表になっている山札のカードと同じマークのカード)を持っている場合、それを代わりに出す事ができます。
切り札のカードは、違うマークならどんな数字に対しても使う事ができます。 ただし同じマークの場合は、そのカードより高い数字でなければ出せません。
(例えばスペードが切り札の場合、スペードの6はハートのKにもダイヤのAにも勝てますが、スペードの7には出せません)

1回の攻撃が終わると、手札が6枚以下のプレイヤーは6枚になるまで山札からカードを補充します
つまり山札がある限り、手札がなくなることはありません。

山札がなくなった後に、手札を使い切ったプレイヤーが勝利となります。

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※右上の山札がなくなっている状態。 もう手札は補充されない。 マークは「切り札」を示す目印で、山札がなくなると代わりに表示されます。
上記の画像は防御側で、手札に「切り札」が2枚ある状態。 こうなるとどんなカードが来てもほぼ返せるので、勝利は確定的。
山札があるうちは手札を6枚以下にしてもすぐに補充する事になりますが、それによって切り札が来る可能性があるため、基本的にはどんどん減らして補充していった方が良いです。


以上が Durak の基本ルールですが、以下の様な拡張ルール(ローカルルール?)も導入されています。

まず、攻撃側が最初に出したカードと同じ数字のカードを防御側が出すと、「ターンオーバー」(Turnovers、攻守交代)が発生し、その時点で攻守が入れ替わります
これにより、攻撃側だったプレイヤーは場に出ている2枚のカードの双方に対して、防御のカードを出さなければなりません。 出せなかった場合は防御失敗となり場のカードを回収することになります。
ただ、同じ数字をさらにもう1枚持っている場合、それを出してさらにターンオーバーを返す事ができます

もう一つは「スローイン」(Throwing、Throw in、投げ込み)。
防御側がカードを出せなくなって、攻撃側がさらにカードを出せる状況の時は、防御側がカードを回収する際、攻撃側は出せるカードを追加で取らせることができます
例えば、場に8と9が出ていて、これを防御側が回収し、攻撃側がまだ手札に8を持っている時、攻撃側は手持ちの8をさらに取らせることが出来ます。

durak
※自分が防御側で、攻撃側が最初に K を出してきたが、こちらも K を持っている。 これを出せばターンオーバー!
その直後から自分が攻撃側となり、相手は防御側となります。
相手がこの2枚に対して両方とも防御できなかった場合、自分はさらに K を持っているので、それを追加で取らせることもできます。(スローイン)
スローインは1対1ではそれほど重要ではありませんが、多人数戦では結構ポイントになります。
粘るだけ粘って色々なカードが出た末に防御に失敗すると、スローインでカードを取らされまくって悲惨な事に・・・


基本操作はドラッグでカードを出し入れし、テーブルのダブルタップでパス。
カード回収時に場のカードがたくさんある時は、画面をしばらく押しっぱなしにすると1つにまとまるので、その後に手前にドラッグして下さい。

※現バージョン(2012/2)には1人プレイで多数のカードを回収する時、場のカードをダブルタップすると操作が利かなくなるバグがあります。 カードはダブルタップしないようにして下さい

2人用の基本ルールは以上ですが、3人や4人でやる場合は少し変わってきます。
まず、攻撃側の攻撃対象は時計回りの次のプレイヤーです。 つまり攻撃側の左隣が防御側です。

そして攻撃側の攻撃が終わっても、残りのプレイヤーがさらに防御側に攻撃を行えます。
(追加で攻撃するプレイヤーの攻撃時には「THROWING IN TO」と表示されます)
追加で攻撃するプレイヤーの行動が一通り終わっても、攻撃側の人がさらにカードを出せる状況の時は、再び攻撃が可能です。
要するに多人数でやる時は、防御する人は全員が攻撃しなくなるまで防御し続けなくてはなりません

防御側の防御が最後まで成功した場合、次の攻撃側はその防御していた人になります。
なお、防御側の手札がすべてなくなった時や、5回防御に成功した場合は、無条件で防御成功となります。
(ただしターンオーバー発生時はこの限りではない模様?)

防御側の人がカードを回収した場合、次の攻撃側は防御していた人の左隣(時計回り。前の回で攻撃側でも防御側でもなかった人)になります。
つまり3人以上いる場合、防御側がカードを回収しても、次の番に再び防御側にならずにすみます。
ターンオーバー発生時は、発生させた人(防御側だった人)が攻撃側になりますが、防御側はその次のプレイヤー(左隣)に変わります。

残りのルールは2人用と同じです。

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※多人数プレイで勝利した後も戦局を見守ることができます。 抜けるときは右下の MENU のボタン。
ゲーム名の「Durak」は「愚か者」という意味で、敗者を表す言葉のようです。(だからピエロの帽子がマークになっている)
そのためか、このゲームは多人数でプレイした時でも順位はなく、最下位だけが敗者(Durak)となり、他の人はみんな勝者となります。


トランプのゲームなので運も絡みますが、なかなか奥深いゲームです。
例えば防御側の時、自分が出したカードが攻撃側の出せるカードの条件になるため、何も考えずに出せるカードを出していると守りきれなくなります。
逆に自分が同じ数字を3~4枚持っている場合、それを出し続けていけばほぼ防御は成功します。

また、トランプのカードの約半分しか使わないため残りカードの枚数を把握しやすく、さらに防御失敗時に場に出ているカードを回収すると言う事は、白日の下に晒されているカードを回収することになるので、手札を予測されやすくなります。

つまり実力が反映されやすいゲームで、私もこの辺が解っていないうちにオンライン対戦に挑戦し、負けまくりました。
シンプルなゲームですが、慣れれば慣れるほど強くなるゲームと言えますね。

なお、そのオンライン対戦ですが、MULTIPLAYER(マルチプレイヤー)を選んで ONLINE を選択し、JOIN GAME を選ぶだけで気軽に始められます。
アカウント登録をしておけばアイコンの写真やプレイヤーランクも表示されます。
(登録していない場合はゲストプレイヤーとなり、名前はデバイス名となります)

1ゲームが短時間で終わるゲームですし、対戦時のレスポンスも悪くなく、プレイヤーも多いので遊びやすいです。
ただ急に落ちたり回線が切れることもあり、やや不安定なのがたまにキズでしょうか・・・
また1手ごとの制限時間がないので、長考する人がいるのも難点かも。

旧ソ連圏でメジャーなゲームですから、プレイヤーもその地域の人が多いようで、たまに接続が切れるのはそのためかもしれません。
ただ、回線が切れたメッセージが表示されても、そのまましばらく待っていると再接続してくれます
(完全に落ちたプレイヤーはコンピューターが代打ちします)

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※カードの裏面を写真にするユニークな機能もある。 これを使えば彼女や子供のトランプで遊べる?

価格は 600 円。 正直、通常対戦のみのトランプゲームなので、この価格は少し高く感じますね。
ただ、全体の作りは良いし、たまにセールをすることもあるようです。

トランプのゲームですが、グラフィックも BGM もシックな作りで、大人向けの雰囲気です。
「ロシアのページワンや大富豪のようなゲーム」と言え、もしルールを知っていれば、実際のトランプでやっても楽しいでしょうね。
マルチプレイにハマってしまうと、いつまでもやり続けてしまう面白さがあります。

国と地域が違うとトランプのゲームもかなり違いますね。
日本には類似のメジャーなゲームがないので、なかなか新鮮な感じのするカードゲームです。

Durak (iTunes が起動します)
Durak for iPad (iTunes 起動。 iPhone 版と同じ値段になりました)