本日は注目&話題作のソーシャルゲーム系アプリを3種類、まとめてご紹介したいと思います。
これらは分類するとソーシャルゲームになりますが、アクションがメインとか、課金が(現時点で)ないとか、自動進行型とか、一般的なグリー&モバゲー型のソーシャルとは異なる性質を持っています

ガラケーからスマーフォンに舞台が移り始め、ソーシャル系のゲームもそろそろ多様なタイプに分かれ始めているのかもしれません。

※タイトル名のリンクは iTunes が起動します。 すべて本体無料+追加課金型のゲームです。

--------

【 Infinity Blade Cross 】 

※このゲームは2013年3月、運営を終了しました。

「あのインフィニティブレードがモバゲーから出る」「インフィティブレードがソーシャルゲーム化した」と、全国の iPhone ユーザーに激しい衝撃とガッカリ感を与えた、色々な意味で注目の作品
それが「Infinity Blade Cross」です。

私はこのタイトルのことを最初に聞いたとき、「ああ、Android でインブレを出すためのアプリなのかな」と思ったのですが、現時点では iOS 版しか登場していません。
iPhone には普通のインブレがあるし、Infinity Blade 2 まで発売されているというのに、今さらこんなのを出す必要があるのか?」と思う人が多いと思いますが・・・ ぶっちゃけ、その通りです。

実は私はプレイする前は「JRPG 的な楽しみをうまくインブレに持ち込んでいるのかも」と密かに期待していたのですが、やってみたら前述の疑問をそのまま感じる内容でした。
一体、何をどう勘違いしてこれを開発したのやら・・・

Infinity Blade Cross

「クエスト」を受け、クエストごとに用意されている敵と一戦し、倒したら経験値とアイテムが貰えるというのを繰り返すシステムです。
アイテムは武器に取り付ける事で攻撃力をアップさせたり、攻撃に属性を与える事ができ、アイテム同士を合成して強化する事もできます。
クエストを進行させるとボスステージになり、倒すと次のワールドへ。
強敵と繰り返し戦って、少しずつ体力を減らしていく「マルチクエスト」というものも存在します。

しかし戦闘シーンはオリジナルのインブレの流用なので、ステージが進んでも大して変化がないし、インブレの特徴である移動シーンの「独特の間」やストーリー性もなくなっています
倒した後の「めった斬り」も経験値が入らなくなっていて意味が無いものになりました。
戦闘も簡単になっていて、敵の攻撃がワンパターン化しています。 ソーシャルゲームであるためプレイしやすくしているのだと思われますが、インブレ経験者には物足りません。

戦闘ごとに「エネルギー」を消費し、4回戦ったらしばらく待たないと再プレイできません
「装備ごとの経験値」もなくなっていて、武器にアイテムを装着できますが、かなりゲームが進まないと色々なアイテムを活用する事は出来ません。
アイテムを強化してもパワーアップは微々たるものです。

要するに、インブレの良かったところの大半を潰しています
インブレはアクションとグラフィックだけのゲームではありません。 武器の変更と強化による成長、独特なストーリーと雰囲気、1時間ほどでループするゲーム性などもヒットした要因だったはずです。

それらを無視して「アクションとグラフィックだけ流用」し、ソーシャル特有の「ガチャ」と「プレイ時間の制約」を付け加えても、楽しいはずがありません。
強敵と戦う「マルチクエスト」も、まだソーシャル部分が導入されていないため、単に「ソロで何度も戦って倒す」というものになっていて、ハッキリ言って面倒なだけ

メニュー画面は非常に良くできています。 グラフィックも綺麗だし、演出も良く、BGM やサウンドも悪くありません。 「ガチャ」という単語が色々台無しにしていますが、インブレの世界観に沿ったメニューだと言えます。
しかしこれをやるなら間違いなく、オリジナルのインブレインブレ2をやった方が良いです。

無料で出来るという利点はあるので、オリジナルの体験版的な感じで遊んでもいいと思うけど・・・
でも1回 300 コインのガチャを2回やったら、オリジナルの価格を越えますね。
とにかく、「なにか色々勘違いしているアプリ」という印象です。
アップデートを相当がんばらないと、オリジナルとは違う面白さは得られない気がしますね・・・


【 ダークサマナー 】

あの「麻雀 雷神 -Rising-」を開発し、スマートフォンの麻雀アプリ市場に価格破壊を引き起こしたメーカー Ateam が、今度はソーシャルゲームに殴り込み(?)をかけました。
ダークサマナー」です。

内容としては「カイブツクロニクル」の世界観とシステムに、「ドラゴンコレクション」のカード合成を合わせたような感じですが・・・ 大きく違うのはサウンドと演出でしょう。

基本的にはブラウザベースのゲームのため、アプリとして作られているものより動きは劣るのですが、サウンドや BGM があり、召還シーンや合成シーンなどでは高画質なムービーが表示され、まるで普通のアプリのような演出が行われます。
カイブツクロニクル以上に徹底した「ダーク」な世界観も特徴で、モンスターのグラフィックも迫力があります。

ダークサマナー

ゲーム自体は「よくあるシンプルなソーシャルゲーム」「ポチポチゲー」に過ぎません
ボタンをポチポチ押していればエネルギーが減る代わりにミッションの進行度が進んでいくパターンです。
いわゆる「怪盗ロワイヤル系」ですね。

ミッションの進行に合わせて様々なモンスターが手に入り、それを合成してモンスターを強化できます。
ミッションの最後にはバトルがあり、他プレイヤーとのバトルも可能。
ただバトルシーンは「ドリランド」のようにキャラの絵が動いて HP が減っていくシンプルな物で、演出としてはイマイチです。
バトルシーンの詳細を「マジモン」のように確認でき、モンスターのスキルも存在するので、ゲームが進めば相応の戦略性はあるかもしれませんが・・・ 序盤はほとんど戦略らしいものは見受けられません。

ゲーム自体はゲーマーが楽しめるようなものではありません
ソーシャルゲームユーザー向けとしてはシンプルな方が良いようですが、一般のゲームをしている人には物足りないですね。

ただ、このゲームが特徴的なのは、今の時点では課金要素が見当たらないこと。
そのうち導入されると思いますが、今は課金ポイントにあたるものは、フレンドを増やしたり、ツイッターで毎日ツイートすることで得られるようになっています
ツイッタースパムを誘発するシステムと言えるし、今後どうなるか解りませんが、なにせ雷神で麻雀アプリに価格破壊を起こしたメーカーだけに、ソーシャルゲーム界にも革命を起こしそうで、その点で注目です。
これからどういう運営を行っていくのか・・・ それを見守っていきたいですね。

※2013 年の夏現在、RMT 対策のためかオークションが廃止され、トレード機能に制限が付き、課金要素が強くなるなど、運営スタイルが変わりつつあるようです。


【 戦国テンカトリガー 】

「パズル&ドラゴンズ」がヒット中のガンホーが送る、放置型のバトル進行ゲーム。
実はパズル&ドラゴンズと同時公開だったのですが、パズドラのヒットの陰に隠れてしまいました。
でも、これはこれで注目作です。 なぜならあの「ゆけ!勇者」のような「任意に途中経過を確認できる自動進行の放置型ゲーム」だからです。

内容としては、「ゆけ!勇者」のシステムに、ユーザー対戦と「ドリランド」のようなカード要素を加え、さらに意外とヘビーな戦国の世界観を足した感じですね。

戦国テンカトリガー

3枚のカードで部隊を編成し、それを任意の戦場に送り込みます。 やることはそれだけ
あとは結果報告を待つだけですが、帰還するまで待たなくても、「ゆけ!勇者」のように好きなときにその時点の進軍状況や、これまでの経過、詳細な戦闘の模様などを確認する事が出来ます。

作業はシンプルで短時間に終わり、自分に合ったタイミングで確認を行える、この手軽さが良いですね。
最初やったときはサウンドがないのが寂しかったのですが、出先でちょこちょこやるアプリとして考えると、サウンドはむしろない方が良いのかも。

もう1つの特徴は、戦国武将や戦場の解説の詳しさがハンパじゃないこと。
ビックリマンやドリランドのようなチャラチャラした見た目からは想像できないほど戦国武将や各地の戦場の詳しい解説が付属されており、普通に「戦国辞典アプリ」として成り立つぐらいです。
これは戦国好きな私としては、かなり気に入っている点ですね。
最初の戦場も尾張・織田家の家督相続争いで、稲生の戦いで織田信行を相手にするとか、もうシブ過ぎる!
まあ、大半の人には解らないだろうけど・・・ でも「読み物」としても良いアプリです。

同じ階級の他プレイヤーとランダム対戦できる「オンライン対戦」もあって、ソロの戦場とは別に進行することができ、勝っても負けても資金が貰えるので気軽に楽しめます。

難点はカード周りのシステムでドリランドを模倣しているためか、課金が高い
戦国武将くじ1枚 250 円。 さらに10枚使ってクジを11回引くという、いかにもグリーな課金が用意されていて、敵武将を捕虜に出来ることがあるのですが、捕虜を仲間にするアイテムも 250 円で販売。
まあ無理に課金しなくても楽しめるのですが、いかにもドリランドガチャな感じがイヤですね
※イベント中は捕虜を仲間にするアイテムが戦場で見つかる場合があります。

あと、メインのゲーム進行が一般向けのためかかなり簡単で、前半は「ゆけ!勇者」のような「今の装備とアイテムでどのダンジョンまで挑戦できるか?」といった戦略性に乏しいです。
ゲーム中盤からは戦いが長くなり、弱くても「兵糧」を多く持った武将を用意する必要があるため、戦力と兵糧のバランスを考えなければならなくなりますが・・・ そこまで結構時間がかかります。

さらに「装備を得て帰還する」「経験値でレベルアップする」という要素がないので、戦力を強化できるかどうかはカード運次第であり、強いカードが引けないと(もしくは課金しないと)どうしようもない印象です。
(そして未課金でレアが出る確率は極限に低い)

カードを合成してレベルアップさせる事も出来ますが、それほど大きく強化されないし、弱いカードを強化してもレアカードには敵わないですね。 (武将によっては兵糧はよく増えますが・・・)
また、高レベルになると合成成功率も 10 %とかになり、おまけに成功率 を 20 %上げる使い捨てアイテムが、なんと 500 円!
ここまで高いと、さすがに課金する気を妨げるように思うのですが・・・

しかし難点もありますが、(オンラインで俺ツエーしたいとか考えない限り)基本的には無料で遊べます
ゆけ!勇者」や「なめこ栽培キット」のような、「プレイヤーが好きなタイミングで確認・介入できる」というシステムは、課金に繋げ辛いためか意外にソーシャルゲームには導入されて来なかったのですが・・・
ついに「ゆけ勇者系」のメーカー製ゲームが登場しました

このタイプが新しいトレンドになって行くのかどうか、注目ですね。