中国系のおじさんが火星でヘンな植物を植えて回るという、ちょっと奇妙な「探検ゲーム」が登場し、欧米で話題になっています。
Waking Mars」です。

現在アメリカではゲーム開発者の祭典「Game Developers Conference」(GDC)が開催されています。
昨年の GDC 期間中に Apple は iPad 2 を発表しており、今年も3月7日に発表会が予定されていて、iPad 3 が公開されると言われています。
また GDC 期間中には「Independent Games Festival」(IGF)というゲームの表彰も行われます。
これは個人や小グループにより開発された「インディーズゲーム」の優秀作品を表彰するもので、iPhone の登場後、iPhone 用アプリも多くノミネートされるようになりました。

Waking Mars はその IGF 2012 の「ベストモバイルゲーム賞」の最終選考に残っている作品であり、また IGF 2009 の最優秀賞に選ばれた Spider : The Secret of Bryce Manor を開発したチームのゲームと言う事で、アメリカでは注目を集めています。

Waking Mars

明確な敵が出てくる訳ではなく、目的も「火星の生物の調査と生態系の構築」という、かなり変わった内容です。
プレイヤーのおじさんは画面をタップした方向に向かって背中のジェットパックを使って移動します。
右をタップすれば右に歩き、左上をタップすれば左上にジェットで飛んでいきます。 下や上に移動するときも画面の上や下を押しっぱなしにします。

キャラクターの動きはかなりリアルで、斜面があったらお尻を付いて滑り、狭い場所だと屈んだりほふく前身で進みます。
操作感はなかなか良いのですが、画面中をタップする必要があるため指をあちこちに動かす必要があり、左下に移動したいときに左下のボタンを誤って押してしまうことも多く、操作し辛さがあるのがやや難点です。

火星の洞窟内部には奇妙な植物が存在しており、それを調査し、増やしていく事が目的となります。
調査は触れたり何かを投げてみたりする事で得られ、データに蓄積されていきます。
中にはダメージを受ける危険な植物もありますが、一度やられる事でそのデータが得られます。

植物の多くは特定の行動によって「種」を生み出します。
例えば、植物に水の玉を投げることで種が飛び出てきて、それをキャッチして草の茂っている場所に投げ込むと、そこに新しい植物が育ちます。
このようにして植物を増やしていくことで「BIOMASS」(生物資源)が増えていき、それが一定量になる事で閉じられていた壁が開いて先に進めるようになります。

Waking Mars
※水分のある草地に種を植えると、植物が種を生み出すと同時に青白い光の粒子を放出します。
この光を吸収するとダメージを回復が出来るので、水の玉と種をセットで持っておけば、任意の場所に体力回復地点を作る事が出来ます。


Waking Mars
※右にいる触手のような植物は敵ではなく、水の玉を放出してくれるありがたい存在。
水の玉が補充できる場所は限られているので、見つけたら確保しておきましょう。
ただし、玉や種はある程度持っていると、それ以上出さなくなります。


Waking Mars
※ブロック状の石が伸びる、不思議な空間。 このような「名所」が各地にあり、それを探検して回るのもこのゲームの目的です。
最初のステージでこの場所に辿り着き、下の方で光っているカメラに触ったら、一旦地上に戻りましょう。


このゲームは言わば「洞窟探検ゲーム」と言えます。
未開の洞窟に潜って行き、見知らぬ生物を調べながら、見たことのない場所を探して奧へ奧へと進んでいく・・・ その行為自体を楽しむゲームと言えます。
最初は変わり映えしない洞窟も、ステージが進むと多様な景色を見せていき、未知の生物の種類も増えていきます。

敵が出て来てバシバシ戦ったりするゲームとは一線を画す内容で、解る人にしか解らない説明ですが、「アクアノートの休日」のような雰囲気がありますね。
場所によっては酸の水滴が落ちてきたり、危険な植物が多数繁殖していたりして、アクションゲーム的な回避が求められる場面もありますが、派手なアクションシーンは少なめです。

よって、このゲームを楽しめるかどうかは人によります
エイリアンや凶悪な植物と戦いまくるようなアクションゲームを期待している人は、このゲームに手を出してはいけません。 間違いなく後悔します。
逆に、植物を増やし、未知の生物を調査し、突然現れる風景に楽しみを感じられる人には、悪くないアプリです。

ただ、ゲーム序盤はあまり大きな変化がないので、そこがやや難点でしょうか。
またゲーム中に表示されるメッセージの量がかなり多く、当然すべて英語なので、その点も日本人にとっては難点と言えます。

あと注意点として、このアプリは現時点(2012/3)では起動し辛い問題があります。
起動してしまえば問題なくプレイ出来るのですが、本体を再起動した直後でも数度試さないと起動しない場合があります。(本体を再起動していない場合は何度やってダメ)
ゲーム中は安定しているのですが、かなりメモリを食うようなので、プレイする際にはご注意下さい。

Waking Mars
にチェックポイントが設定されており、タップして「Travel」のボタンを押すことで、瞬時にその場所まで移動する事が出来ます。 種や水の玉が必要なときに、簡単に取りに戻ったり出来ますね。
ただしイベントなどで入口が塞がれると移動できなくなる場合があります。


Waking Mars
※火星の奥深くに眠る、腐海の底のような場所・・・
他にも様々な、綺麗で少し不気味な雰囲気のシーンが数多く用意されています。

価格は 450 円とやや高めの値段。 しかしアプリのクオリティーはかなり高いです。
ただ前述したように、面白いと感じられるかどうか、人によって分かれる内容です。

ただ、Spider を作った Tiger Style らしい内容であることは確かです。
Spider もキャラクターのリアルな動きと、ちょっともの悲しいシックな雰囲気、派手ではない「虫の営み」をテーマにした内容が特徴でした。
このゲームにもそんな雰囲気が感じられますね。

IGF は「デザイン性」や「アイデア」「雰囲気」を重視する傾向があるので、いかにも「IGF 好み」のゲームだなぁ、という気がします。 最終選考に残っているのもそれが理由かも。

「アクアノートの休日」のようなゲームが好きだった方が、そういう楽しみ方をするゲームなんだと承知したうえでやるのであればオススメできます。
「ゲームをやるぞー!」という感じで集中してやるのではなく、少しずつ気軽に進めていくプレイスタイルがお勧めのアプリですね。

Waking Mars (iTunes が起動します)