ほぼ個人作成でありながら、派手で美しい弾幕と、光の効果が綺麗なセンスあるグラフィックで人気となった縦スクロールシューティングゲーム「Danmaku Unlimited(弾幕無限)」。
その弾幕無限を作った方による、新しいシューティングゲームが先日公開されました。
Storm Strikers」です。

今回も綺麗なボスの弾幕や優れた操作性はそのままで、独特な光の演出はますますハデになっています
今回からは DRAGON というチーム名での開発になっており、BGM は日本の同人作曲サークルに依頼されたものが使われています。

メーカー製ではないシューティングゲームとしては、かなり完成度が高いのですが・・・
ゲームシステムや難易度がマニア向けになり、個人的には好きじゃないタイプのシューティングに変わってしまった印象です。
もちろん、これが好きな方もいるでしょうから、一概に悪くなったという訳ではないかもしれませんが・・・

stormstrikers

ショットはオート、移動は「相対移動」(指の位置に関わらず、指を動かした方向と速度に従って自機が移動するタイプ)の縦スクロールシューティングです。
操作性はかなり良好で、オプションでタッチ感度やスクリーンサイズを細かく調整することも可能です。

ボムはボタンで使用する事も出来ますが、被弾しても「オートボム」が発動し、ボムがある限りミスになりません
ただしオートボムが発動すると、後述する「得点倍率」がリセットされてしまいます。

見た目以外の大きな特徴はスコアシステムで、前作 Danmaku Unlimited は敵弾に「かする」ことで倍率が増えていきましたが、今作は「敵を間近で倒す」ことで倍率が増えるようになりました
自機の周囲にはサークル(円)が表示されており、このサークルの中で敵を倒すと、その敵が撃っていた弾が金色のコインに変わって自動的に回収され、それにより得点倍率が上昇していきます。

また、敵を倒していると緑色のアイテムがボロボロ落ちてきて、近づくと自動的に吸い込みます。
これを集めると「オーバーチャージゲージ」というものが増えていき、最大になるとオーバーチャージを発動可能、使用するとサークル内の敵弾を全て倍率アップのコインに変化させ、さらに数秒間攻撃が強化されます。
緑色のアイテムはサークルの中で敵を倒した方が多く得られます

要するに、敵に近づいて倒すことがスコアアップの近道になる訳です。
このゲームはこれを無視して普通にプレイすると、スコアを全然稼げません。

stormstrikers2
※敵に近づいて倒さなければならないため、どうしても画面上部でプレイしなければならなくなる。
右はオーバーチャージ発動時の画面。 独特なネガポジ反転の演出は今回も健在。
発動することで敵弾が消え、パワーアップする効果もありますが、パワーアップ時間は非常に短いです。


しかしこの得点システムが、自由にプレイできない「パターン化必須」なゲーム性を生み出しており、完全な「覚えゲー」になってしまっています。
敵に近づくと言う事はそれだけ危険な訳で、間近で撃たれる弾や急に出てくる敵に反応することは困難なため、敵の出現順や攻撃パターンを暗記しないとどうしようもありません。

しかも今作はゲームの難易度が大幅に増しており、全体的に弾速も敵の速度も速くなっていて、それでなくても素早い反応が求められます。
ハッキリ言って、常に自機を見ていないと不意打ち的に被弾しまくります
EASY でも前作の NORMAL 以上の難易度ではないでしょうか。

さらに最悪なのがいきなり撃たれるレーザー。
レーザーが撃たれる前には前兆となる線が表示されるのですが、敵によってはこの前兆が非常に短く、ボス戦では覚えていないとかわせない「初見殺し」なレーザーが連発されます
おかげでますます「覚えゲー」になっていて、スコアを稼がずに普通にプレイする場合でも、ボスの攻撃パターンを記憶する事が必須です。
ハッキリ言って、実力や気合い避けでどうにかなるゲームではありません

stormstrikers3
※左は1面のボスのレーザー。 左右交互に三連レーザーを4回出し、こちらを中央に寄せた後、前兆の短いレーザーをいきなり中央に撃ってくる。 もう殺す気マンマン。
右は2面ボスの太レーザー。 前兆がほとんどないうえに画面をなぎ払うように撃ってくる。 しかも2面ボスはレーザー出しっぱなしで左右に動いたりする。 もう見てかわすゲームではなく、覚えてかわすゲーム。


こんな状況なので慣れるまで被弾しまくる訳で、オートボムがあるからすぐにやられることはないのですが、なんだかオートボムを頼りに突き進む「ゴリ押しシューティング」をやっている気分になります。
また、倍率を高めるには危険行為が必須なのに、被弾する度に倍率がリセットされるため、上げても上げてもリセットされてだんだんストレスになって来ます。

ハッキリ言って、私は極端な「覚えゲー」は嫌いです。
そしてこのゲームはかなり極端な「覚えゲー」です。(難易度が高いのでさらに実力も必要です)
Danmaku Unlimited も「敵弾にかする」という危険行為がスコアアップには必須でしたが、ちゃんと見てかわせる難易度やゲーム性になっていました。
しかし今回はあまりにもプレイヤーを殺しに来すぎていて、まるで好きになれません。

もちろんこのタイプのゲームが嫌いじゃない方もいると思いますし、怒首領蜂のコンボシステムだってパターン化が必須のスコアシステムです。
だからそう言ったものが悪いとは言う訳ではないのですが・・・ この内容が好きな方は、正直少ないと思いますね。

また、前作はゲージが貯まるとしばらく攻撃が大幅に強化され、その間は大量の得点アイテムが雨のように降ってきて爽快感があったのですが、今回はゲージが貯まっても周辺の弾をコインに変えるのみで、強化も数秒のみ。
爽快感がかなり減り、この点も残念になった部分と言えます。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 170 円。 冒頭でも述べたように、メーカー製以外のシューティングゲームとしては、かなりの高レベルです。
その点は間違いなく、価格も安めなので、シューティング好きにはオススメできない訳ではありません。
派手すぎてちょっと敵弾が見辛い場合もあるけどグラフィックは綺麗で、サウンドも前より良くなっています。

ただ、Danmaku Unlimited(弾幕無限)のファンだった私としては・・・
大好きだったゲームの続編は、一転して大嫌いなゲームになってしまったな・・・」という印象です。
実は結構前から期待していたゲームだったので、余計に残念に思えます。

個人でゲームを作ると、そのゲームのことを知り尽くしている自分を中心に調整しちゃうので、知らず知らずのうちにやたら難しかったり、不親切な内容になったりするんですよね。
コレもそのパターンなのかなぁ、なんて思ってしまいます。

Storm Strikers (iTunes が起動します)