交差点に車を突っ込ませ、そのままやって来る車を次々と事故らせて破壊の限りを尽くす、派手な演出の大事故ショートゲームが EA より登場しています。
Burnout CRASH!」です。

「Burnout」(バーンアウト)はライバルをクラッシュさせる事を目的とした プレステ/XBOX のレースゲームで、わざと危険行為をすることでブーストゲージが貯まり、ブースト中は周囲の車を次々はね飛ばせるという、派手な演出がウリのカーチェイスゲームです。
既存の iPhone のゲームでは、アスファルト6: Adrenaline にやや似ていますね。

そしてこの「Burnout CRASH!」は、元は PS3 や XBOX360 のダウンロード用ソフトとして公開された、バーンアウトの名を冠するゲームなのですが・・・
本来のバーンアウトシリーズが 3D 視点のレースゲームだったのに対し、このゲームは上空見下ろし型のショートゲーム(短時間で終わるゲーム)に変わっています。
おかげで世界中で「コレジャナイ」という意見が続発!

ただ、これはこれで楽しめるゲームになっていて、内容的にも家庭用ゲーム機より、iPhone や iPad に向いたゲームだと言えますね。

Burnout CRASH!

ゲームシステムはかなりシンプル
最初に車を交差点に突っ込ませ、1度事故ったら、後は後続の車を次々と巻き込むように、画面をフリックして車を動かします。
事故った後の車は走るのではなく、フリックした方向に跳ねるように動くので、ややコントロールが難しいのですが、これがゲーム性になっていると言えますね。

画面左下には「CRASH BREAKER」(クラッシュブレーカー)というゲージがあって、停止していたり事故が発生したりすると増加していきます。
そしてこれが最大の時にフリックすると車が爆炎を出しながら大きく跳ね飛び、広範囲の車に被害を与えつつ、周囲の車などを炎上させます。
火が付いた車は一定時間後に爆発、それによって誘爆が起こり、さらなる大破壊に繋がったりします。
もちろん一度に大きな被害が出るほど高得点が得られます。

グラフィックは見てのようにかなり細かく、爆発や事故の表現も非常にリアル。
車はウィンカーを出して他の車を避けようとするし、スリップすればタイヤの跡が付き、爆発すれば破片が飛び散ります。
またサウンドも過剰と思えるぐらい派手で、場面に合わせて歓声やボーカル付きの様々な BGM が流れます。
ゲーム自体は割とシンプルなので、この過剰演出で派手に見せている、と言った感じもありますね。

Burnout CRASH!
※事故の様子はかなり細かい! 炎や煙もリアルです。
何かを破壊したときのスコアは「被害額」なので、小さな車よりバスやトラックなどの大型車や、建築物の方が高得点です。
まとめて破壊するとボーナスが得られるのですが、状況やゲームモードによっては車をヘタにぶっ飛ばさない方が良いケースも・・・


ゲームモードはマップごとに3つ、「RUSH HOUR」(ラッシュアワー)、「PILE UP」(パイルアップ)、「ROAD BLOCK」(ロードブロック)が用意されています。

RUSH HOUR」は 90 秒のスコアを競う、とにかくガンガン壊しまくるゲーム。
途中でピザ宅配車が現れ、これを破壊すると様々な効果が得られるルーレットを回す事が出来ます。
また、タイムが 0 になると自分の車が爆発! それによっても大きな被害を発生させることができます。

PILE UP」は最初に決められた台数だけ車が走ってきます。
これを出来るだけ逃がさないように破壊していき、車がすべて出現し終わると「INFERNO!」(インフェルノ!)と表示され、ボーナスゲーム開始。
インフェルノ中は得点に倍率がかかりますが、火災が発生していない状態が5秒間続くとその時点でゲームは終わってしまいます。
インフェルノ前に出来るだけ車を逃がさないことと、後で燃やす分の車を確保して、継続して火災を起こす事が必要になります。

ROAD BLOCK」は出来るだけ車を逃がさないようにするゲームです。
1台逃がすごとに「×」マークが付いていき、× が5つになるとゲームオーバー
ゲームオーバーにならずに一定数の車を破壊すると、様々な特殊効果やボーナスの車が出現します。
3度目の特殊効果はマップ全体に被害を及ぼす大災害となり、そのパワーは × が少ないほど強化され、これが発生するとステージクリアとなります。

どのモードも2分ほどで終了する、短いゲームです。
制限時間の間にどれだけスコアを稼げるかを競う内容で、評価によって「★」が得られ、これを集める事が上位ステージのアンロック条件となります。

Burnout CRASH!
※RUSH HOUR はやたら軽快な音と共に現れるピザ屋の車を破壊する事でルーレットを回せます。
様々な特殊効果が得られますが、この間はゲームが止まるので、ちょっとテンポが悪くなるのが難。
RUSH HOUR は最後に自分の車が爆発するので、それもうまく活用して点を稼ぎましょう。


Burnout CRASH!
※ PILE UP はインフェルノになってからが本番! どこかで火災が発生している状態を維持し続ければ、ボーナスゲームは終わらずに続きます。
よって他の車を逃がさないようにしつつ、爆発させないように貯めておき、インフェルノ中にその車を壊してスコアを稼ぎつつ、火災を発生させ続けていきましょう。
建物や停車中の車をうまく使うことも必要な攻略要素の強いモードです。


Burnout CRASH!
※ RUSH HOUR は車を逃がさないようにするゲーム。 最後まで進むと竜巻やら飛行機事故やら UFO やらの大災害が街を襲い、全てのものをなぎ払います!
このモードは車を逃がしてはダメなので、他の車を爆発させず、それをバリケードのようにして道路を塞ぐ戦法が有効になります。
ある程度車が貯まったら安全そうな時にまとめてふっ飛ばしてスコアを稼ぎたいところですが、バリケードがなくなると車の通行を許してしまいやすいので、そこが難しいところですね。
なお、このモードでは「救急車」が出現。 これだけは破壊しない方が良く、無事通過させるとミスが回復します。


各モードの説明が乏しく、モードごとのルールを把握しにくいのが難点ですが、それ以外には(ゲーム自体には)欠点と思えるところはありません。
ステージ数も多く、とにかくシンプルに「破壊すること」を楽しめるゲームです。
慣れてくると「ある程度車を貯めてからまとめて吹っ飛ばす」と言ったスコア狙いも可能になります。

正直、ゲームシステムは「画面にあるものを制限時間内に壊しまくる」という、アイデアの欠片もないありきたりな内容なのですが、それを高クオリティーなグラフィックとリアルな表現と派手な演出と高品質なサウンドで作り込んだゲームと言えます。
これはあえてそういう作りにして、「シンプルな爽快感」を追求したんでしょうね。

以下は iGameView により Youtube で公開されているプレイ動画です。



このゲームの微妙な点は価格。 定価 450 円です。
グラフィックやサウンドなどのクオリティーを考えると 450 円は決して高い値段ではなく、PS3 や XBOX360 版は 1000 円で販売されていたので、それを考えるとお得と言えます。
ただ、ゲーム内容が1プレイ2分程度のシンプルなショートゲームですから、それに 450 円だと、ちょっと高く感じる人も多い気はします。
ステージ数は多いので、全体のプレイ時間は十分な長さではあるのですが・・・

こうしたシンプルなショートゲームは人によって好き嫌いが分かれるので、そうしたゲームが嫌いな人は、このアプリは避けた方が無難です。
逆にショートゲームも好きな人には、ここまで演出やグラフィックが作り込まれたショートゲームはそうそうないので、オススメと言えますね。

私的には、こうした「マジメ(?)なバカゲー」は好きです。
正直、もうちょっとゲーム性が欲しかった気もするのですが、シンプルだからこそ誰でも楽しめるというのもあるのでしょう。
どちらかと言うとライトユーザー向けのアプリかもしれませんね。

Burnout™ CRASH! (iTunes が起動、iPhone / iPad 共用です)