アメリカンコミックの代名詞「マーヴル・コミック」の作品に登場するヒーロー達と、カプコンの様々なゲームのキャラクターが一堂に会して戦う派手な 2D 格闘アクションゲームが iPhone で登場しました。
マーヴル VS. カプコン 2」(Marvel vs. Capcom 2)です。

このゲームは対戦格闘ゲームの大ブームの終わり頃である 2000 年に登場したもので、X-MEN のキャラクターが戦う対戦格闘ゲーム、及び当時のカプコンの 2D 格闘ゲームの集大成と言えます。
(なお、近年になってこのゲームの 3 も登場しています)

iTunes のランキングでも、あの ストIV Volt を世に送り出したカプコンの新作格闘ゲームという事で、登場と同時に1位となる大ヒットぶりを見せています。
しかし肝心のプレイヤーの評価は・・・ 見事にバラバラ!!
iTunes の評価も★5から★1までが均等に分かれていて、賛否両論になっているのが伺えます。
なお、アプリは家庭用ゲーム機で発売されていたものを iPhone に移植したもののようです。

マーヴル VS. カプコン 2

3人1組でチームを組んで戦う対戦格闘ゲームで、カプコン側からはリュウやガイルなどの スト2 や スト4 でおなじみのキャラクターの他に、バイオハザードのジルや、ストライダー飛竜、懐かしのソンソンなど、様々なゲームのキャラがごった煮的に参戦しています。
マーベルコミック側からは、X-MEN のサイクロプスやウルヴァリンの他に、キャプテンアメリカや、日本でもおなじみのスパイダーマンなどが登場します。
またゲーム内で得られるポイントで、ロックマンやアイアンマンなどの様々な追加キャラクターをアンロックしていくことが可能です。

3 vs 3 でチームを組んで戦う点や、ゲージを消費してハデな超必殺技を使える点、様々なゲームのキャラが登場する点など、システムについては「THE KING OF FIGHTERS」(KOF)に似ている部分が多いですね。

しかしこのゲームは他のゲームでは見られないほどの「ハデな展開」が特徴で、マーベル側の登場人物が「超人」や「ヒーロー」ばかりのためか、カプコン側のキャラもそれに合わせた強力な技を多く持っており、大技や連続技が高速で飛び交う、まさに「超人対決」になっています。
ヘンな例えですが、格闘技と言うよりはドラゴンボールと言った感じですね。

操作はオリジナルは6ボタンで、弱パンチ・弱キック・強パンチ・強キック・パートナーボタン A と B の6つ。
パートナーボタンは控えキャラクターに「アシスト攻撃」をしてもらうためのボタンです。
攻撃ボタンは弱と強の2つですが、弱攻撃を連続で当てると2発目は「中攻撃」になります。
必殺技はコマンド入力+ボタン操作が必要で、メンバー交代は弱か強の攻撃ボタンの同時押しになります。

ただ、iPhone 版はこれとは別の操作スタイルが用意されていて、こちらはパンチとキックのボタンが1つずつと、パートナーボタン、必殺技(SP)ボタンが1つの4ボタン操作
こちらはパートナーボタンと必殺技ボタンが「スライド式」になっていて、指をスライドさせた方向に応じてアシスト攻撃や必殺技が変化します
必殺技を出すのにコマンドを入力する必要がなく、同時押しも必要ないため、こちらの方がプレイしやすいのですが、どちらの操作にも長所・短所があります。

マーヴル VS. カプコン 2
※ iPhone 用操作のパートナーボタンと SP ボタンはスライド入力式になっています。
iPhone らしい操作ですが、素早い対応が必要な対戦格闘ゲームでは、スライド入力はどうしてもミスを誘発しやすく、あまり操作しやすいとは言えません。
とは言え上の図を見ても解るように、このゲームはシステムや操作が豊富「過ぎる」ので、スライド入力にしないとボタンの数を抑えられないのも確かです・・・


このゲームの良し悪しな点は、必殺技やコンボ攻撃が多すぎるため、マニアだと多彩な戦法を使える反面、マニア以外にはシステムが煩雑で非常に解り辛い点です。

メンバー交代だけでも、普通に呼び出す「ヴァリアブルアタック」、ガードキャンセルして呼び出す「ヴァリアブルカウンター」、超必殺技中に交代する「ディレイドハイパーコンボ」があり、さらにみんなで超必殺技を撃つ「ヴァリアブルコンビネーション」が存在します。
さらにアシスト攻撃はキャラクター選択時に選ぶ「アシストタイプ」によって3つに分かれており、もうこれだけで初見ユーザーには何がなにやら解りません

通常技も弱連打で中攻撃に移行し、弱・弱・強 と押す事で連続技となり、さらに敵を打ち上げる攻撃を出して空中で前述の連続技を出す事で「エリアルレイヴ」という空中技に繋げられるのですが、もうこの辺のシステムなんかマニアックすぎて普通の人は付いて行けないでしょう

このゲームは冒頭で述べたように、対戦格闘ゲームブームの終期に登場したもので、つまり当時の格闘ゲームマニア向けに作られています。
そのため非常に幅広い選択肢や戦法を取れるシステムになっているのですが、逆にここまで来ると、もう初心者お断りな領域になっていることは否めません。
まあそんなゲームだからこそ、アメリカでは今でも大会が開催されるほどのロングセラーゲームになっている訳だし、EASY でプレイすればテキトーにやっても勝てない事はないので、これらを全部マスターしなければならない訳ではないのですが・・・

マーヴル VS. カプコン 2
※キャラ選択時にタイプを決定しますが、これはアシスト攻撃のみに関係するもので、そのキャラの強さが変わる訳ではありません。
例えばリュウのアシストタイプを「シューティング」にすると呼び出した時に波動拳を撃ち、「対空迎撃」にすると昇竜拳を出します。
ガイルで戦っている時にシューティングのリュウを呼び出して、同時にソニックブームを撃つとソニックと波動拳が同時に飛んでいきます。 一方、対空迎撃なら相手がジャンプした時に呼び出せばリュウに撃墜してもらえます。


マーヴル VS. カプコン 2
※ちょっと解りにくいけど交代超必殺技「ディレイドハイパーコンボ」を使っているシーン。
ディレイドハイパーコンボは「超必殺技を撃つ」→「交代する」→「2人目が超必殺技を撃つ」というコンビネーションになります。
普通に超必殺技を撃つのはコマンドを入力するか、画面左上のキャラクターの顔をタップ。
そしてこの超必殺技中に(iPhone 操作だと)パートナーボタンを上にスライドすれば、2人目が乱入+超必殺発動+そのまま交代となります。
もちろん超必殺を2回撃つのでゲージは2本必要。 さらに3人目に交代することも可能です。
普通に交代する場合はパートナーボタンを「前に」スライド。 位置が左右逆になるとスライド方向も逆です。


マーヴル VS. カプコン 2
※エリアルレイヴを出すには敵を打ち上げられる技を覚えないといけない。
その技をヒットさせた後に上を入力するとハイジャンプになるので、すかさず空中で連続攻撃を行います。
この時、弱弱強と押すと弱中強の連続技が決まり、他にも各キャラ固有の様々な連続技が存在します。
ただ、iPhone 操作だと中攻撃がなく、打ち上げ技も少ないので使い辛いです。
前方ナナメ下+パンチを出せば必ず打ち上げ攻撃が出るので、iPhone 操作の場合はそこから空中で弱攻撃を何発か入れて、必殺技に繋げましょう。
まあ、口で言うのは簡単ですが、実際にやったらムズイです。 iPhone の操作では特に。


マーヴル VS. カプコン 2
※追加キャラクターはゲーム終了時にもらえるポイントで解除していけます。
ポイントには1人プレイで得られる P-pts と、Bluetooth の対戦プレイで得られる V-pts があって、巷では「Bluetooth 対戦しないとキャラをアンロックできねーのかよ!ふざけんなウギャー!」という意見が見られますが、アンロックに必要なポイントは「P-pts と V-pts の双方」の場合と、「P-pts だけ」の2通りがあり、V-pts がなくても P-pts が多くあれば、P-pts だけの時にアンロックは可能です。
どちらが出るかはランダムですが、ショップに何度も入り直していると変わります。


そして iPhone 版の評価がイマイチ良くない理由が、操作性とグラフィック。

このゲームは 2000 年に登場したゲームであり、iPhone 版はそれを家庭用ゲーム機に移植した物をベースにしています。
もう 10 年ほど昔のゲームなので iPhone や iPad に比べると解像度は低い訳で、そのため今のハードで見るとどうしても画質が荒くなってしまいます。
iPhone なら画面が小さいためまだ綺麗に見えるのですが、それでもドットが目立ち、そして iPad で見ると正直「汚い」と思ってしまう荒さです。
ストIV より後発なのに ストIV より荒いので、批判されるのも仕方がないところでしょう。

操作性も ストIV や ストIV Volt に劣ります。 ボタンが小さくて判定範囲も狭いので、どうしても「押しているつもりなのに反応しない」というケースが多発します
スティックも固定で、かつ反応が ストIV ほど良くありません
iPhone の ストIV は昇竜拳が普通に出せましたが、このゲームは同じコマンドでも昇竜拳は出し辛いですね。

加えて iPhone 用の4ボタン操作だと、中攻撃が出ないとか、アシスト攻撃するキャラを選べないとか、色々と出来ない事が多くあります
中攻撃がないのは初心者向けにゲームを解りやすくするためかもしれませんが、使える連続技などが激減で、これじゃあオリジナルのファンは納得出来ませんね。
しかしオリジナル通りの6ボタン操作にすると、キャラチェンジ時などに「同時押し」が必要なためタッチパネルではプレイし辛いです。
必殺技ボタンもなく
、しかもこのスティックでコマンドは入力し辛い・・・

つまり、どちらの操作も一長一短です。
っていうか「一長」はない。 どちらも必要な何かをあきらめるしかない

このゲームを含め、カプコン USA が販売元に加わっている iPhone アプリの多くは、過去のものも操作や内容がイマイチで、日本のカプコン本社(?)で作られたものと比べると明らかにクオリティーが劣ります。
このゲームはアメリカで大ヒットしたゲームですから、iPhone での発売が待望されていて、それでアメリカ向けに移植が行われたのだと思いますが、最初から ストIV レベルを期待するべきではなかったのでしょうね。

とは言え一般的な格闘ゲームとしては十分なクオリティーであり、決してダメなゲームではありません
欠点もありますが、全体としては高レベルなアプリであることは確かです。

以下は Youtube で公開されている iPod touch でのプレイムービーです。



定価は 600 円。 4月中は発売セールで 350 円で販売されています。
ストIV Volt のようなオンライン対戦はなく、対戦は Bluetooth のみです。

巷の評価が分かれるのも頷ける内容ですが、これだけのクオリティー、ボリューム、ゲーム性のアプリが 600 円とか 350 円で買えるのですから、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
ただ、ストIV をやった後だとどうしても劣化的なものを感じるし、オリジナルのファンの人は価格よりも移植度や原作通りに遊べる操作性を重視するでしょうから、その点の不満が否めない今作は、批判が多くなるのも仕方がないと言えますね。

オススメかどうかで言うと・・・ オリジナルのファンは不満だろうし、とてもライトユーザー向けのゲームではないし、ストIV が好きだった人でもこの複雑すぎるゲームシステムは賛否あるだろうし・・・
でも、これで高かったらオススメしないけど、セール中なら内容を考えるとお得だし・・・
うーん、難しいなぁ。

マーヴル VS. カプコン 2 (iTunes が起動します)