※このアプリは出版社側の都合により、公開が停止されてしまいました。 現在は iTunes でダウンロードすることは出来ません。
1980 年代に流行した、書籍形式のテキストアドベンチャーゲーム「ゲームブック」。
紙の本でありながら、読者自身の選択によって読むページが変わり、必然的にストーリーも変化するという、ちょっと変わったタイプの小説です。
プレイヤーのステータスを書き込むシートや、サイコロを振って行う「戦闘」が用意されているのも特徴でした。
そんなゲームブックを「電子書籍」にして復刻したアプリは海外では数多く登場していますが、日本語のものはまだ未登場でした。
しかし先日、遂に完全日本語のゲームブックの電子書籍が登場しています。
「iグレイルクエストⅠ・Ⅱ」です。
アイルランド原作の作品で、日本では「ドラゴンファンタジー」という名前で 1985 年に発刊されていました。
アーサー王時代のイギリスを舞台としており、独特な「欧米的ユーモア」の語り口調や物語が特徴です。
アプリ自体はゲームと言うより電子書籍なのですが、戦闘シーンではちゃんとサイコロが転がり、攻撃や魔法の演出が発生し、結果に応じたストーリー分岐が自動で行われるなど、ちゃんとコンピューターゲーム的な表現が盛り込まれています。
基本的には「電子書籍」なので、ページをめくりながら読み進めていくことで進行します。
今風に言うとノベルゲームですが、むしろ「ノベルそのもの」ですね。
電子書籍としての操作性は快適で、ページめくりのアニメーションもあり、タップでもドラッグでもめくれます。
設定画面で文字サイズなどを調整することも可能で、文字は見やすく、このページの画像は iPad のものですが iPhone でも読みやすいレイアウトで表示されます。
選択が必要な場面になると、文中に数字の書かれたボタンが表示されます。
このボタンを押すと、その選択に応じた章(パラグラフ)にページが自動的に移動します。
その際には選んだ選択の内容とボタンだけを残して文章がスーッと消えていき、その後にページがめくれるといった演出も行われます。
戦闘が発生する場面になると、サイコロを振って行う戦闘シーンに移行します。
ここでは「攻撃」「アイテム」「魔法」のコマンドを選択し、攻撃する際には本体を振ってサイコロを転がし、出た目に応じて相手の生命点を減らしていきます。
その後、相手もサイコロを振って、その結果に応じてこちらの生命点が減り、これを繰り返します。
本来のゲームブックは生命点の増減を読者が自分でシートに書いていく必要がありましたが、電子版ですからそれらの処理はすべて自動で行われます。
※当然ですが、自分のペースで読めるので快適に進められます。 のちの「ノベルゲーム」や「サウンドノベル」の原型と言えますね。
右はプレイヤーのステータスや所持品が記されているシートで、画面上部をタップするか、上にスライドすると表示されます。
当たり前ですが鉛筆と消しゴムを用意して、そのつど書き替えるとかいう手間は要りません。
※敵が出現する際にページが燃えたり、与えたダメージに応じて挿絵が破れていくという演出があります。
サイコロは本体を振って転がしますが、振るのが面倒な人はタップだけで止められる「スロット」に変えることも出来ます。
サウンドはありませんが、単なる電子書籍ではなく、こうした演出があるのが良いですね。
またこのアプリの機能として、好きなページに4つまで「しおり」を挟むことが出来ます。
しおりを挟めること自体は電子書籍としては一般的な機能ですが、これはゲームブックですから「4つまでしおりを挟める」というのは「4ヶ所までセーブ可能」という事になります。
「しおり」にはその時点のステータスも記録され、いらないしおりの削除も可能で、そしていつでもしおりを挟んだところに戻ることが出来ます。
こう言うと「じゃあ選択をミスっても、いくらでも戻ってやり直せてしまうじゃないか!」と思うかもしれませが・・・
そもそもゲームブックというのは、そう言うものです(笑
iTunes の解説文にも「こんな人にオススメ : 指を挟んでズルした経験がある人」とか書かれているので、これはもう折り込み済みということですね。
またこのゲームブックには「地図」が付属されていたのですが、それも閲覧可能になっていて、しかも通った道筋が自動的に追記されていきます。
プレイヤーはこの地図を見ながら行き先の選択が可能で、これも特徴の1つと言えるでしょうか。
※「時間を巻き戻す魔法の指」の代わりになる「しおり」。 このゲームブックは即死が多いので、このシステムは必須でもありますね。
なお、しおりを付けると、しおりというか、ページの端が折られます。 そしてそこにいつでも戻れるという・・・ うん、何というか、経験者にはよく解る演出ですw
右の画像は原作にも付属されていた地図。 行き先の目安になるけど、実際にそこで何が起こるかは行ってみないと解りません。
アプリとしての難点は(電子書籍として考えると)特にないのですが、作品自体の難点は・・・
とにかく「即死トラップ」が多すぎるということでしょう。
4つの選択のうち3つが移動先で被害を受け、しかもサイコロの判定をミスると即死なんてことがあり、他にも致命的な被害をうける罠が各所にバラまかれていて、戦闘でも「相手が毒を持っていて、攻撃を3回受けると毒が回って死亡」とか当たり前のようにあります。
このゲームブックシリーズは死ぬ度に「ナンバー14」の章に移動して、死んだ際の説明を受けるのが定番になっているようで、またトラップにも「一度死んで二度目に来ている場合は無条件で回避できる」といったものがあるので、何度も死にながら進行するのが基本になっているようです。
言わば「スペランカー的ゲームブック」なようですが・・・ でも、やはりこの即死トラップの多さはゲームブックとして(すなわちアドベンチャーゲームとして)どうなんだ、と思ってしまいます。
内容も独特なユーモアのある文体はよいのですが、中盤は迷宮探索に終始していてストーリー的な変化が乏しく、装備やアイテムが豊富な訳でもなく、ちょっとゲームブックとして今ひとつかなー、という印象はあります・・・
まあ私がやった事があるゲームブックは、ソーサリー四部作とか、ドルアーガ三部作とか、大作・名作として知られているものばかりなので、それと比べるのは酷かもしれませんが。
このグレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)シリーズも最終的には8作目まで発刊された大作になったようで、巷の評価は高いようですね。
※死んだら14。 なにか定番らしいです。 死んでも経験点による「永久成長値」を継承できるなど、死亡前提のシステムが盛り込まれています。
右はシリーズ二巻のタイトルで、今作は一巻と二巻が含まれており、一巻をクリアした際に持っていたアイテムの一部は二巻に引き継ぐことが可能です。
定価は 1000 円と高め。 (5/9 現在は発売セールで 600 円になっています)
ただ一巻と二巻の2つが入っているので、1冊 500 円ということでしょうか?
定価だとやや高い気はしますが、日本語のゲームブックが読みやすい形で、しかもゲームとしての演出もちゃんと盛り込まれた形で発売されたというのは、かつて楽しんでいた人には大変嬉しいことでしょう。
個人的にも、これを皮切りに他のゲームブックが登場してくれるかも、と期待しています。
基本的には小説なので、通勤通学時に楽しむアプリとしても向いていると思われます。
(オリジナルのゲームブックはシートへの記入が必要なので通勤通学時には遊べず、しかしこちらはいつでも遊べるので、それは電子化の利点と言えます)
ゲームブックには「紙だからのこその良さ」もあると思うのですが、こうしたノベルゲームはスマホやタブレットとの親和性が高く、このアプリは「紙の雰囲気」も醸し出しているので、サウンドノベルとは違う「ゲームブックの電子書籍」としての良さがあると思います。
・iグレイルクエストⅠ・Ⅱ (公開終了)
1980 年代に流行した、書籍形式のテキストアドベンチャーゲーム「ゲームブック」。
紙の本でありながら、読者自身の選択によって読むページが変わり、必然的にストーリーも変化するという、ちょっと変わったタイプの小説です。
プレイヤーのステータスを書き込むシートや、サイコロを振って行う「戦闘」が用意されているのも特徴でした。
そんなゲームブックを「電子書籍」にして復刻したアプリは海外では数多く登場していますが、日本語のものはまだ未登場でした。
しかし先日、遂に完全日本語のゲームブックの電子書籍が登場しています。
「iグレイルクエストⅠ・Ⅱ」です。
アイルランド原作の作品で、日本では「ドラゴンファンタジー」という名前で 1985 年に発刊されていました。
アーサー王時代のイギリスを舞台としており、独特な「欧米的ユーモア」の語り口調や物語が特徴です。
アプリ自体はゲームと言うより電子書籍なのですが、戦闘シーンではちゃんとサイコロが転がり、攻撃や魔法の演出が発生し、結果に応じたストーリー分岐が自動で行われるなど、ちゃんとコンピューターゲーム的な表現が盛り込まれています。
基本的には「電子書籍」なので、ページをめくりながら読み進めていくことで進行します。
今風に言うとノベルゲームですが、むしろ「ノベルそのもの」ですね。
電子書籍としての操作性は快適で、ページめくりのアニメーションもあり、タップでもドラッグでもめくれます。
設定画面で文字サイズなどを調整することも可能で、文字は見やすく、このページの画像は iPad のものですが iPhone でも読みやすいレイアウトで表示されます。
選択が必要な場面になると、文中に数字の書かれたボタンが表示されます。
このボタンを押すと、その選択に応じた章(パラグラフ)にページが自動的に移動します。
その際には選んだ選択の内容とボタンだけを残して文章がスーッと消えていき、その後にページがめくれるといった演出も行われます。
戦闘が発生する場面になると、サイコロを振って行う戦闘シーンに移行します。
ここでは「攻撃」「アイテム」「魔法」のコマンドを選択し、攻撃する際には本体を振ってサイコロを転がし、出た目に応じて相手の生命点を減らしていきます。
その後、相手もサイコロを振って、その結果に応じてこちらの生命点が減り、これを繰り返します。
本来のゲームブックは生命点の増減を読者が自分でシートに書いていく必要がありましたが、電子版ですからそれらの処理はすべて自動で行われます。
※当然ですが、自分のペースで読めるので快適に進められます。 のちの「ノベルゲーム」や「サウンドノベル」の原型と言えますね。
右はプレイヤーのステータスや所持品が記されているシートで、画面上部をタップするか、上にスライドすると表示されます。
当たり前ですが鉛筆と消しゴムを用意して、そのつど書き替えるとかいう手間は要りません。
※敵が出現する際にページが燃えたり、与えたダメージに応じて挿絵が破れていくという演出があります。
サイコロは本体を振って転がしますが、振るのが面倒な人はタップだけで止められる「スロット」に変えることも出来ます。
サウンドはありませんが、単なる電子書籍ではなく、こうした演出があるのが良いですね。
またこのアプリの機能として、好きなページに4つまで「しおり」を挟むことが出来ます。
しおりを挟めること自体は電子書籍としては一般的な機能ですが、これはゲームブックですから「4つまでしおりを挟める」というのは「4ヶ所までセーブ可能」という事になります。
「しおり」にはその時点のステータスも記録され、いらないしおりの削除も可能で、そしていつでもしおりを挟んだところに戻ることが出来ます。
こう言うと「じゃあ選択をミスっても、いくらでも戻ってやり直せてしまうじゃないか!」と思うかもしれませが・・・
そもそもゲームブックというのは、そう言うものです(笑
iTunes の解説文にも「こんな人にオススメ : 指を挟んでズルした経験がある人」とか書かれているので、これはもう折り込み済みということですね。
またこのゲームブックには「地図」が付属されていたのですが、それも閲覧可能になっていて、しかも通った道筋が自動的に追記されていきます。
プレイヤーはこの地図を見ながら行き先の選択が可能で、これも特徴の1つと言えるでしょうか。
※「時間を巻き戻す魔法の指」の代わりになる「しおり」。 このゲームブックは即死が多いので、このシステムは必須でもありますね。
なお、しおりを付けると、しおりというか、ページの端が折られます。 そしてそこにいつでも戻れるという・・・ うん、何というか、経験者にはよく解る演出ですw
右の画像は原作にも付属されていた地図。 行き先の目安になるけど、実際にそこで何が起こるかは行ってみないと解りません。
アプリとしての難点は(電子書籍として考えると)特にないのですが、作品自体の難点は・・・
とにかく「即死トラップ」が多すぎるということでしょう。
4つの選択のうち3つが移動先で被害を受け、しかもサイコロの判定をミスると即死なんてことがあり、他にも致命的な被害をうける罠が各所にバラまかれていて、戦闘でも「相手が毒を持っていて、攻撃を3回受けると毒が回って死亡」とか当たり前のようにあります。
このゲームブックシリーズは死ぬ度に「ナンバー14」の章に移動して、死んだ際の説明を受けるのが定番になっているようで、またトラップにも「一度死んで二度目に来ている場合は無条件で回避できる」といったものがあるので、何度も死にながら進行するのが基本になっているようです。
言わば「スペランカー的ゲームブック」なようですが・・・ でも、やはりこの即死トラップの多さはゲームブックとして(すなわちアドベンチャーゲームとして)どうなんだ、と思ってしまいます。
内容も独特なユーモアのある文体はよいのですが、中盤は迷宮探索に終始していてストーリー的な変化が乏しく、装備やアイテムが豊富な訳でもなく、ちょっとゲームブックとして今ひとつかなー、という印象はあります・・・
まあ私がやった事があるゲームブックは、ソーサリー四部作とか、ドルアーガ三部作とか、大作・名作として知られているものばかりなので、それと比べるのは酷かもしれませんが。
このグレイルクエスト(ドラゴンファンタジー)シリーズも最終的には8作目まで発刊された大作になったようで、巷の評価は高いようですね。
※死んだら14。 なにか定番らしいです。 死んでも経験点による「永久成長値」を継承できるなど、死亡前提のシステムが盛り込まれています。
右はシリーズ二巻のタイトルで、今作は一巻と二巻が含まれており、一巻をクリアした際に持っていたアイテムの一部は二巻に引き継ぐことが可能です。
定価は 1000 円と高め。 (5/9 現在は発売セールで 600 円になっています)
ただ一巻と二巻の2つが入っているので、1冊 500 円ということでしょうか?
定価だとやや高い気はしますが、日本語のゲームブックが読みやすい形で、しかもゲームとしての演出もちゃんと盛り込まれた形で発売されたというのは、かつて楽しんでいた人には大変嬉しいことでしょう。
個人的にも、これを皮切りに他のゲームブックが登場してくれるかも、と期待しています。
基本的には小説なので、通勤通学時に楽しむアプリとしても向いていると思われます。
(オリジナルのゲームブックはシートへの記入が必要なので通勤通学時には遊べず、しかしこちらはいつでも遊べるので、それは電子化の利点と言えます)
ゲームブックには「紙だからのこその良さ」もあると思うのですが、こうしたノベルゲームはスマホやタブレットとの親和性が高く、このアプリは「紙の雰囲気」も醸し出しているので、サウンドノベルとは違う「ゲームブックの電子書籍」としての良さがあると思います。
・iグレイルクエストⅠ・Ⅱ (公開終了)
本屋では2巻までしかみかけませんでしたが・・
このへんもぜひ電子版にしてほしいですねーーー
マッピングはどうなるんだろう・・
このグレイルクエストは当時ついに読まなかった作品だと思うので、楽しいです
アイフォンとかにすごくマッチしている感じがいいですね
欲を言えばBGMがほしいような・・自分で:音楽流せばいいのかな...