セガのマスコットキャラクター「ソニック」が活躍する、高速ジャンプアクションゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。
一昨年(2010年10月)にその新作「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅠ」が iPhone でも公開され、その高クオリティーで話題になりましたが、さらにクオリティーを増した続編が先日公開されました。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ」です。

今回は地形もキャラクターも 3D で表現されており、ゲーム自体は 2D ですが、グラフィックは前にも増して綺麗になっています。
ソニックならではの疾走感も増しており、ボリュームも見た目も完全に「据え置きゲーム機」のレベルと言えますね。
前作の問題点だった「どっちに行けば良いのか解らない」「走っていると突発的に死ぬ」「落ちて良い場所と悪い場所の区別が付かない」と言った部分も改善されています。

しかし「じゃあ簡単になったのか?」と言うとそんな事はなく、前作も難しいゲームでしたが、今作はそれ以上の難易度で、ハッキリ言って「死にながら進み方を学ぶゲーム」です。
良くも悪くも昔のソニックやロックマンの頃の難易度で、「難しさの点でも原点回帰した」という感じがします。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ

いわゆるスーパーマリオ型の横スクロール・ジャンプアクションゲームです。
画面左下の仮想スティックで移動し、画面右下のボタンでジャンプ。 敵や障害物をかわしながらゴールに向かいます。

ジャンプ中は「回転アタック」になり、体当たりで敵を倒すことが出来ます。
さらにジャンプ中、敵に照準が付いた状態でボタンを押すと敵の方に突っ込んで行く「ホーミングアタック」を出す事ができ、またしゃがんでボタンを連打するとその場でスピンし、その状態で方向キーを離すと高速で転がって敵を突き抜けていくことが出来ます。

iTunes のレビューを始め、巷では「操作性が悪い」という意見が多いようですが、私的にはそこまで言われるほど操作性が悪いようには思いません。
しゃがむ時に若干やり辛さがありますが、普通に走ったりジャンプコントロールをしたりするうえで、操作が気になる事はありません。
最高に良いという訳ではありませんが、特に悪いという程でもないですね。

ソニックの特徴は「ハイスピード」と「上下左右に行き交う広いマップ」で、ダッシュし続けると凄い速さで疾走し、壁面を駆け上がり、ループを一回転し、水面を駆け抜け、各所にあるバネで縦横無尽に飛び回ります。
前作「エピソードⅠ」は気持ちよく走れるのは最初のワールドぐらいで、ワールド2からは高速で走っているとすぐ敵や障害物にぶつかってしまったのですが、今作は中盤以降のワールドでも気持ちよく疾走できるステージ構成になっています。
また、マップが迷いにくい形に改められており、前作のように「ゴールへの道が解らない」という事もなくなりました。
とりあえず進める方に進んで行けば、自然とゴールに向かうようになっています。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※落ちたら死ぬ場所には画像のような赤い看板が表示されるようになっていて、落ちたらダメなこと、下には通り道がないことが解るようになっています。
また、どのステージにも1ヶ所は高速疾走できるシーンが用意されていて、「気持ちよく走ってたら針に刺さった」みたいなガッカリなしかけも減っています。


今作の特徴は、ソニックの相棒である尾が二本のキツネ「テイルス」がついて来ること。
テイルスは自動で動き、ソニックと同じく敵を攻撃したりリングを取ったりします。
そしてジャンプボタンの横にある「タッグボタン」を押すことで、ソニックと協力する「タッグアクション」を実行することが出来ます。

タッグアクションにはソニックをつかんで空を飛ぶ「フライト」、水中を自由に動ける「サブマリン」、2人で地面を転がる「ローリング」があり、どのアクションも攻略する上で必須となります。
特に「フライト」はジャンプをミスって落ちそうになっても素早く発動すれば助かるので、ゲーム的にかなり重要です。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※テイルスは二本の尻尾をプロペラのように回して空を飛んだり、水中を高速移動できたりします。
特に空を飛べるのは便利ですが、いくらでも飛べる訳ではなく、『空中で飛び上がれるのは7回まで』です。
これは攻略上重要なので覚えておきましょう。
一方、水中移動はダッシュの回数に制限がなく、ボタンを連打するほど早く泳げます。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※テイルスと言えば複葉機。 今回はこの複葉機を直接操縦して進むステージも存在します。
他にも雪崩が起きたりとか、オイルで滑るシーンとか、ステージ構成はかなりバラエティーに富んでいます。


グラフィックやサウンドなど、全体的なクオリティーは非常に高く、iPhone のスーパーマリオ型のゲームとしては間違いなく NO.1 ですね。
しかし「じゃあスーパーマリオのように万人にお勧めできるゲームなのか」と言われると・・・ かなり微妙。
むしろ、ゲーマーにしかオススメできない難易度です。

今回は「高速疾走中にいきなり敵にぶつかった」みたいな死に方は減ったのですが、一度死なないと突破方法が解らないような「即死トラップ」が各所に存在し、死にながら先に進む方法を見つけていく「死にゲー」になっています。
例えば水中シーンだと、あるところでは水泡を確実に取っていかないと息が続かず、一方あるところでは高速で泳いでいかないと道が塞がれて死亡確定、みたいな場面があって、一回はそこで死なないと解りません。
テクニック云々ではどうしようもないトラップも多いので、納得できないことも間々ありますね。

ボスの倒し方も今回は解り辛いものが多く、おまけにゲームオーバーになるとステージの最初から残機2でやり直す事になるので、死んで覚える場面が多いこのゲームではかなり厳しいです。
だからといって序盤のステージで残機を増やしてくるのも面倒だし・・・ なにか妙にマゾくなった印象です。

まあ前作もどちらかと言うとマゾいゲームではあったし、ソニックは元々「覚えゲー」でもあるのですが、その部分がより強くなっている気がします。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※マップが砂で埋もれていき、急いで上へ上へと上がっていかなければならないシーン。 的確な操作が要求され、ちょっとでも遅れるとアウトになる、まさに「何度も死んでクリア方法を覚えていく場面」の典型です。
しかしそんな死にゲーで「残機2」は厳しい。 ゲームオーバーになるとステージの最初からやり直し。
他にも「壁が迫ってくるので早く抜けないと死ぬ」みたいな場面が結構あって、大抵一度死なないと気付けません。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※エリア1のボス。 最初のボスなのに倒し方が非常に解り辛い。 難しいとかじゃなくて、どうすればいいのか理解し辛い。
2度攻撃すると弱点がジャンプしても届かない位置まで上がるので、タッグアクションのフライトを使って空を飛び、上から攻撃しなければなりませんが、普通に真上から狙っても有効打にはなりません。
真横のやや上辺りでフライト状態を解除すると相手に照準が出るので、すかさず「ホーミングアタック」をすればダメージを与えられますが、上すぎても下すぎても遠すぎてもダメで、フライトを解除する位置がかなり微妙。
また、相手が花びらに包まれている時はダメージを与えられません。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※ライバルのメタルソニックがロケットに乗って登場! でもここも解り辛い場面。
メタルソニックは上空から電撃のようなものを出す攻撃と、突進でレールを破壊する攻撃を行います。
電撃は前に出すぎないようにしてジャンプでかわせば良いのですが、突進でレールを破壊する攻撃は、その時にジャンプしておかないと落下してしまいます。 しかし相手の突進を見てからジャンプでかわそうとしても早すぎて無理。
相手が攻撃しそうなタイミングでタッグアクションのフライトを使い、空を飛んでかわす方が無難。
いずれにせよ、そのタイミングを何度も死にながら覚える必要があります。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ
※ボーナスステージはチューブ状のコースを走りながらコインを集めていくゲームに。
ここは前作よりも簡単。 前作のボーナスゲームはあまりにもマゾくて、クリアすると得られる「カオスエメラルド」を集めるのは早々にあきらめたのですが、今回はまだ集める気になれます。
もちろん後半は難しくなりますが、それでも前作のボーナスゲームよりは何倍もマシ。


価格は 600 円。 クオリティー自体は家庭用ゲーム機のソフトにも劣りません。 もはや携帯アプリのレベルではないですね。
それが 600 円で手に入るのですから、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。

前作「エピソードⅠ」を持っている人だと、前作のステージを流用した「メタルソニック」が主人公の特別エピソードを遊ぶ事が出来るのですが、現在(5/18 時点)このメタルソニックステージは最初の面で必ず落ちてしまう不具合があって、まともに遊ぶことが出来ません。
でも、前作のアレンジステージも遊べるというのは(バグが治れば)かなりお得で、双方を合わせて考えるとボリュームもかなりのものです。

今回は iPhone と iPad の双方に対応したユニバーサルアプリで、Retina 解像度にも対応。
iPad 3rd の Retina 表示には対応していないようですが、スクリーンショットを拡大して確認しないとそれが区別できないぐらい iPad で見た画面は綺麗です。
ただ、iPhone 4 でプレイしていると若干カク付くのがやや気になります。

「ソニックの最新作のゲームソフト」ですから、旧来のソニックファンの方や、ゲーマーの方にはもちろんオススメ出来ます。
しかし普段あまりゲームをしないライトユーザーの方だと・・・ 途中で投げ出す可能性も高い難易度です。
ただ難しいだけでなく、突破する方法が解りにくい場面が多いと言うのが、ゲーマー以外にはオススメし辛い点ですね・・・
ゲーマーにとってはこのぐらいの方が、攻略しがいがあると思いますが・・・

元々「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」というゲームは解りやすさや遊びやすさを犠牲にして、スピード感と派手なアクションを優先していた印象があるので、その点で言うとソニックらしいとは言えます。
でも、これだと何らかの初心者救済があった方が良い気もするかなぁ。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードⅡ (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



上記のトレーラーはタッグアクション編です。 砂漠編は こちら、大空編は こちら です。