領地の取り合いを行う戦略シミュレーションゲームの面白さを手軽に楽しめる、ミニボードゲーム風のアプリ。
それが「New World Colony」です。
結構前から公開されている秀作のアプリで、各所で紹介されているためご存じの方も多いでしょう。
当サイト/ブログではまだ扱っていなかったので、今回取り上げておきたいと思います。

領地を広げ、そこから得られる資源で施設や街を作り、他国の領地へ攻め込んで全領土の制覇を目指す内容ですが、軍事ユニットのようなものはありません。
内政部分はシヴィライゼーションにやや似ていますが、戦争は戦争と言うよりポイントを消費して相手の領地を取ると言った感じで、簡略化されています。
しかし城壁の建設による防衛の要素もあり、十分な戦略性があります
マップがランダム生成なので、毎回違う展開が楽しめるのも良い所ですね。

なお、このゲームはアップデートによってルールが細かく変わっています。
ここで解説するのは2012年6月時点のものですのでご了承下さい。

New World Colony

各プレイヤーが初期の領地を1つずつ選んでゲームスタート。
まずは近くの空白地(誰もいない領地)を占領していきます。 誰もいない土地の占領には食料と木材が必要で、領地の占領に必要な物資は画面左下に表示されます。
また、画面左上には選択した土地から得られる資源が表示されています。

最初は「行動力」が2しかないので、2ヶ所占領したらターン終了。
再び自分の番になったら、占領している土地から収益が得られます。
収益は、草原からは食料が、森からは木材が、山からは石材が得られ、ザラザラした山(金山)からは金収入も得られます。
他に食料が多く貰えるや、食料と木材の双方が貰える果樹園が存在します。

New World Colony

空いた土地は早い者勝ちですから、どんどん領地を広げていけば良いのですが、自分の領土をタップして「施設」を建設することも出来ます。

施設は土地ごとに建てられるものが決まっていて、平原は Granary(穀物庫)、森や果樹園は Sawmill(製材所)、山や金山は Mine(鉱山)になり、それぞれ食料・木材・石材の生産量を増やします。
Trading Post(市場)はどこでも作れ、そこから金収入を得られるようになりますが、その土地本来の生産力はなくなります。
また、海岸には Shipyard(港)を建設でき、これを作ると食料 10、木材 10 で海に領地を広げる事もできます
海からは食料と金収入が得られます。

なお、陸上の各土地の生産力は固定ですが、施設と海の生産力はターンごとに変動し、時にはかなり多くの収益を得られる事もあります。
この施設の生産力の変動は、アップデートによって後から加えられた要素です。

領土を広げていくとすぐに他国と接することになりますが、最初は他国に攻め込むことは出来ません
他国を攻めるには Town(町)を作り、さらにそれを改築して Fort (陣地)にしなければなりません。
Town や Fort を作るとターンごとに CP というポイントを得られます。 これは要するに「軍事力」ですね。
他国に攻め込むには陣地以上の軍事拠点と、必要量の CP、さらに食料とお金が必要ですが、町や陣地を作るには多めの資源が必要なので、まずは領地の拡大と施設の建設で生産力を高めなければなりません。
なお、町を作ることで行動力も増加していきます

画面下の資源表示をタップするとマーケットのウィンドウが表示され、資源の売買が行えます
必要な物資が足りない時は、ここで売り買いしてまかなうことが出来るのですが、それぞれの物資には「相場」があります
これは誰かが物資を売ると下がり、買うと上がります。 相場は基本的にどんどん下がっていくので、余りそうな物資は相場が高いうちに早めに売っておくのも1つの手ですね。

New World Colony
※左は施設の建設画面。 施設を作るのにも資源がいるので、ゲーム開始時にバランス良く資源が得られるように領地を取っていくのが重要です。
右は資源を売買するマーケット。 資源マークの上にあるバーグラフがその時点の相場です。
ちなみに、軍事力はお金では買えません。


軍事施設である Town や Fort は、どこにでも作れる訳ではありません。
土地は「同じ種類の土地が繋がっているエリア」は、1つの地域とみなされます。
例えば草原が3マス繋がっていれば、その3マスは同じエリアです。 森が1マスだけある場合も、その1マスが1つのエリアとなります。
そして、Town や Fort は1つのエリアに1つしか作れません

また、作った後に得られる CP は、そのエリアを独占していると増加します
例えば、Town は CP+1、Fort は CP+2、更にその上の Stronghold(砦)は CP+3 なのですが、そこが3マスのエリアで独占している場合、Town は CP+3、Fort で CP+6、Stronghold で CP+9 となります。
5マスの独占エリアだと、CP は +4、+8、+12 になります。

ただしエリアが広いほど独占は難しくなりますし、敵に攻め込まれて独占を崩されやすくなるので、リスクも伴います。
8マスの広大なエリアで、1マスだけ取られた場合でも、独占でなくなるとエリアからのボーナスは一切なくなります。
逆にこちらが攻めるときも、独占を崩すように攻めた方が有利ということになりますね。

攻め込む際に必要な CP(軍事力)は、進攻先の「防衛力」によって変化します
普通の土地に攻め込む場合は CP 5 で良いのですが、間に「木の壁」があると必要な CP が +5 されます。
さらに「石の壁」だと +10 され、町に攻め込む場合も +10 、陣地や砦ならそれ以上必要です。
また、山に攻め込む場合も必要 CP は通常より 5 多くなります。
なお、進攻時には行動力を2消費します。

壁は自分のターンに木や石を使って建設することができ、その際に行動力は消費しません。
このゲームは攻めるだけでは攻め返されてシーソーゲームになるだけなので、守るべきところは防壁でキッチリ守ることが重要になります。

New World Colony
※進攻に必要な物資は左下に表示されます。 相手が山の上で、軍事拠点で、防壁まであると、必要な CP はかなり大量に。
こういう場合は防壁のない方向から攻められないか考えてみましょう。
右の画像は双方が石壁でガチガチに固めている状態。
軍事拠点はそれ自体が防衛の要になるので、最前線に置いておくのが有効です。 攻め落とされるとピンチになりますが、どのみち前線が崩されると独占が崩れて CP が貯まらなくなりピンチってことになりやすいです。


ゲームルールは細かく設定が可能で、プレイヤーは2~4人、マップサイズは3種類+自作マップ、ゲームモードは4種類から選べます。
モードはノーマルの他に、木の壁の効果が2倍で石の壁は突破できない「Defensive」、進攻が出来ない「Pacifist」、最初から戦闘が可能な「Warlord」が用意されています。
進攻が出来なくなるルールの場合は、CP が勝利点(Colony Point Maximum)に到達することで勝利となります。

さらにこのゲームは本来ターン制ですが、リアルタイム制にする特殊ルールで遊ぶ事も可能です
リアルタイム制の場合、資源と行動力は一定時間が経過するごとに一斉に増加・回復します。

ゆっくり考えているヒマがなくなるのでゲームの難易度は大幅に上がり、しかもコンピューターは操作や建設などをタイムラグなしで行えるので、プレイヤーはかなり不利になります
リアルタイムモードにはややバグもあるし、あまりお勧めできるモードではないのですが、かなり難しくなるため、通常モードが楽勝になった人はチャレンジしてみるのも良いでしょう。

New World Colony
※ルール設定の「Colony Point Maximum」(勝利点)はノーマルルールでも有効で、この点数を稼ぐとコンピューターが残っていても勝利となります。
ただしルールが戦闘メインの「Warlord」の場合は無効です。
マップサイズは3種類ですが、以外と小さい方が難しいかも。 大きいほど十分な準備を整えられますからね。
右の画像はリアルタイム制でプレイしていて、エリアの独占と独占崩しの応酬になっているところ。 このような連戦になる状況だとコンピューターの方が絶対有利。
ちょっとでも操作ミスをしてまごまごしてるとその間に攻められるし、リアルタイムで人間が勝つのは大変です。


価格は 170 円。 手軽に買える値段ですね。
全文英語ですが解りにくい部分はなく、特に欠点と思える点はありません。
派手さはありませんが、素朴な BGM と見やすいグラフィックも良い感じです。 最近のアップデートでちょこっと 3D っぽくなりました。

じっくりと繰り返し遊べるゲームで、この手のゲームとしては1プレイにかかる時間も短めなので、場所を問わず楽しめます。
少し頭を使う、戦略系のゲームが好きな方にはオススメです。

New World Colony (iTunes が起動します)