コレっぽいペーパークラフト風の主人公が活躍する、見た目も難易度もゆるゆる系のスーパーマリオ型アクションゲームが登場しています。
Paper Monsters」です。

開発したのは Crescent Moon Games というメーカーで、ここは Aralon や Pocket RPG などの高評価なゲームを開発している一方、GearsSiegecraft などゲームとして今ひとつなアプリも多く、技術力は誰もが認める所でありながら、当たり外れが大きいメーカーという印象があります。

そしてこの Paper Monsers は・・・ 非常に遊びやすいスーパーマリオ型のゲームでありながら、ゲーマーとしては物足りない内容で、iTunes でも否定的なレビューが多く見られます。
しかし一般ユーザーにとっては、遊びやすい難易度と解りやすくて馴染みのあるゲーム性、ほのぼのした見た目と変化に富んだステージのおかげで、高い評価を受けているようです。
プレイヤーのタイプによって評価が分かれるゲームと言えるかもしれません。

なお、iPad 3rd の Retina ディスプレイに対応しており、Apple が選ぶ「今週の iPad ゲーム」にも選出されています。

Paper Monsters

左右移動とジャンプで障害物や敵をかわしながら進んで行くスーパーマリオのようなゲームで、各所にスーパーマリオをリスペクトしていると思われるしかけが見受けられます。
「土管に入るとシーン移動」というところなんか、まさに「そのまんま」ですね。

Bダッシュはありませんが、ジャンプは二段ジャンプが可能です。
スティックは画面を触った場所に出る形式で、ボタンはなく画面右側のどこかをタップすればジャンプになります。
操作性は良く、スムーズな移動が可能で、難しい操作が要求される場面もありません。
移動はそれほど早くないので、素早いアクションは出来ないのですが、プレイはしやすいですね。

ステージごとに様々な特色があり、ソリやコンドルなどの乗り物も多く、潜水艦に乗って進む水中ステージや列車内のステージなどもあり、変化に富んでいます
残機はなく、やられたり下に落ちたりすると1発でゲームオーバーになりますが、リトライは何度でもできるので、実質残機は無限と言えます。
ステージの途中には風車のようなチェックポイントがあり、やられてもそこから再開できます。

Paper Monsters
※水中では潜水艦になり、魚雷で敵を攻撃できます。 画像では解りませんが、光源の揺らめきが綺麗。
他にも色々なシーンがあって、変化のある展開が楽しめます。
やっぱりこの手のゲームは場面の豊富さが大切ですね。


Paper Monsters
※観覧車のようなものに乗っているシーンですが、奧にもコースがあるのに注目。
特定の土管に入ることで、この奥側の通路に移動できる場合があります。
どのステージにも複数のルートや隠し通路などが用意されています。


ステージ内にはスーパーマリオのコインのように「(服の)ボタン」が配置されていますが、残機がないゲームなので集めても 1UP はしません。
その代わり、ボタンを集めてクリアすると最後に「金のボタン」が貰えます。
また、ステージ内に隠されているプレゼントボックスを開けることでも金のボタンは獲得できます。

金のボタンは主人公の「衣装」を買うのに使用でき、衣装を変えても特に強くなったり有利になったりはしないのですが、ちょっとした収集要素になっていると言えます。
他にも各ステージには隠し通路が多くあり、その先にはクリア評価がアップする「金のクリップ」や実績の条件となる「パネル」が隠されていて、スーパーマリオらしい隠し要素が用意されています。

ワールドは全部で4つあり、1つのワールドは4ステージで構成されていて、全 16 ステージ。
各ワールドの最終ステージにはボス戦もあり、オールクリアした後には追加ステージ(6ステージ)を遊ぶ事もできます。
またこれとは別に、常に主人公が走り続けていてジャンプのみで障害物をかわし、どこまで進めるかを競うミニゲームも用意されています。

Paper Monsters
※ボタンを集めて衣装を買える、アバター的な要素があります。
オールクリアしても衣装は3つか4つぐらいしか買えないので、衣装集めはやり込み要素に近いと言えますね。
なお、ボタンは課金で購入する事も出来ますが、衣装を変えてもパワーアップしたりする訳ではないので、課金が必須な訳ではありません。


Paper Monsters
※ステージ3のボス、テンガロンハットをかぶったクモとの戦い。
ボス戦の戦い方はステージごとに異なっていて、スイッチを押して大砲を撃ちダメージを与えるものや、潜水艦で機雷を撃ってボスを爆発に巻き込むものなどがあります。


全体的に良く作られているのですが、やや淡々としているのが難点でしょうか。
このゲームをやって解ったのですが、スーパーマリオから B ダッシュを抜くと、素早い動作が出来なくなるため、単調なゲーム展開になってしまいますね。
とは言えタッチパネルでは「B ボタンを押しっぱなしのまま A ボタンでジャンプ」という操作は困難なため、やはりこのタイプのゲームは物理コントローラーがない欠点が生じやすいのかもしれません。

後は、かなり難易度が簡単で、ゲームに慣れている人だと何の問題もなく進行できるため、派手なアクションがない事もあり、やや物足りない展開が続くこと。 苦戦するのは最終面ぐらいでしょう。
とは言え普段ゲームをしない人だとこちらの方がやりやすいと言えるので、この辺は一概に欠点とは言えない部分でしょうか。 良くも悪くも「ライトユーザー向け」ですね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 85 円と、かなり安い値段です。
前述したようにコアゲーマーだと物足りない内容ですが、85 円という価格とクオリティーを考えると、コストパフォーマンスは非常に高いです。
ライトユーザーにとってはかなりお買い得ですね。

iOS のスーパーマリオ型のゲームは、やはり「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4」のエピソード1 / エピソード2 が一番良いのですが、ソニックは玄人向けのゲームなので、普段あまりゲームをしないけどスーパーマリオ型のゲームがやりたいと思っている人には、こちらの方が良いかもしれません。

少なくとも、最近よく見られる悪質なパクりスーパーマリオとかをやるぐらいなら、こちらの方が遥かにマシですね。

Paper Monsters (iTunes が起動します)