今年2月、あの「神と悪魔」「一神教と多神教」「秩序と混沌」をテーマにした、ある意味「日本でないと発売できない」伝説的な RPG 「真・女神転生」が公開されました。
しかしその正体は単にゲームボーイアドバンス用のソフトを「そのまんま」 iPhone で動かしているだけのシロモノであり、ユーザーに嬉しさとガッカリ感を同時に与えた微妙なアプリでした。
そして先日、1の公開からまだ4ヶ月しか経っていませんが、早くもその続編が公開されています。
真・女神転生II」です。

今回もその内容は、ゲームボーイアドバンス用の「真・女神転生II」を「そのまんま」流用したものです。
言わばエミュレーター(別のシステム用のソフトを他のシステムでも動かせるようにすること)ですね。
iPhone 用に新しいシステムが追加されている訳でも、iPhone の解像度に合わせてグラフィックが調整されている訳でも、何でもありません。
良くも悪くも昔のまんまです。

ただ、前作で酷評された「iPhone のスクリーンの半分ぐらいしか使っていない極小なゲーム画面」は、横向きのスクリーンに大きめに画面を表示する「横画面モード」が追加された事で解消されています。
この横画面モードはアップデートにより前作「真・女神転生」にも導入されています。

真・女神転生2

真・女神転生II は、前作の数十年後が舞台となります。
ストーリーは前作の続きですが、直接の繋がりはないので前作をプレイしていなくても物語的にはあまり支障はありません。
しかし難易度は明らかに「前作の経験者向け」であり、それでなくても高めの難度だった前作よりさらに難しく、特に序盤は不親切な感じが否めないので、1を全くプレイした事のない人がいきなり2をやるのはお勧めしません

2から新たに加わった要素は、敵が2種類同時に出現すること
他にも自動でダメージを全快してくれるオートリカバー、オート戦闘の改善、漢字表示の追加などが行われているのですが、これらは GBA(ゲームボーイアドバンス)版の場合、真・女神転生(1)の方にも導入されていたため、GBA 版(つまり iPhone 版)に関して言うと2からの新要素という訳ではありません。
細かい点で言うと「合体による魔法継承」や「剣合体の拡張」などがあるのですが、この辺はやり込み要素に近い部分ですね。

GBA 版にあった「悪魔辞典」や、登場人物のサイドストーリーを見られる「ビジョナリー」なども、中身は GBA 版のソフトですからそのまま存在します。
前作がインストールされていると今作に新しい悪魔が追加される「ハロウィンシステム」も GBA 版にあった機能であり、一部の記事で「iPhone 版特有の機能」という感じで紹介されていますが、実際には iPhone 版で新たに追加されたものではありません

真・女神転生2
※とにかく序盤が解りにくい。 最初は上の画面のような「ヴァーチャルトレーナー」でレベル上げをします。 レベルが1つ上がらないと外に出して貰えません。
外に出れるようになったら町の中のヴァーチャルトレーナーに入り、その後も町の中で情報を集めましょう。
町でやることをやったら決勝戦に出れるので、外に出てコロシアムへ。


真・女神転生2
※コロシアム内でマップ中央にある入口に入ると、いきなり上記の試合画面へ。 準備不足だとまず負けますが、入るといきなり戦闘になるうえに、このダンジョン内にはセーブポイントはありません。 不親切極まりない。
レベルが 10 ぐらいあり、コロシアムのダンジョン内で「スライサー」を取っておけば普通に勝てるはず。
勝った後はフィールドの上の方にある「マダムの屋敷」に向い、その後にスラム街に向かうのですが、その過程にボス戦とかもあるのにセーブポイントがありません。 もちろん負けたら前回のセーブまで戻されます。
この段階でのセーブポイントはマップ右下の教会の中にしかありません。 ますます不親切極まりない。


前作「真・女神転生」の iPhone アプリと同様、GBA 版をやったことがない人にとっては「リニューアル版の真メガテン2」なので、グラフィックの解像度が低くて古くさいイメージは拭えませんが、iPhone でプレイできるというのは嬉しいことでしょう。

ただ、これは個人的な好みもあるのですが、私的には真・女神転生2は1と比べると劣る印象があります
現代の東京とその崩壊が舞台であった前作とは違い、今作は未来の話であるため、全体的に SF チックな話になっており、舞台も前半は架空の都市、後半は魔界と、前作のようなリアリティーのある舞台ではありません。
また、前述したように前半の難易度がかなり高く、解りにくい場面も多く、またマグネタイト(仲魔を連れて歩くのに必要な資源)がシビアで、せっかく強い仲魔を合体で作っても連れて歩いているとすぐ枯渇します。

あくまで個人的な意見ですが、私的には真・女神転生(1)の方がお勧めで、今作はあくまで「1をプレイし終わった人のためのゲーム」という印象ですね。

あと、この iPhone 版の真・女神転生II は若干動作が重い時があるのが気になります。
バックで何かが動いていたりすると全体的に動きが重くなり、ダンジョンの移動、戦闘の流れなどが慢性的に遅くなります。 しかし何かの拍子に急に軽くなったりもします。

このアプリは「ポーティング」(他のシステムのプログラムを別のシステムで動かせるようにコンバートするもの)で作られたとのことですが、どうもエミュレーター(他のシステムのプログラムを別のシステムで動かす互換ソフトウェア。その性質上 CPU パワーをかなり必要とする)っぽい動作をしているような気がしますね。
まあ、やる方にとってはポーティングもエミュも同じようなものですが。

真・女神転生2
※フィールドマップはこんな感じ。 巨大施設の中なので、現実の地名はほとんど出て来ません。
ゲーム後半の「魔界」はオカルトに強い人ならピンと来る構造(セフィロート)にはなっていますが、普通の人には「単なる架空世界」に過ぎません。
私的には、全体的に普通の RPG になってしまった感じがあります。(1が「普通ではない」RPG だったので)。


真・女神転生2
※メガテンでは毎度おなじみのケルベロス。 今回も序盤のイベントで味方として登場。
しかしこいつが強さ相応にマグネタイトをバクバク喰うので、連れ回しているとあっという間にマグネタイトが尽きます。 と言うか今回は後半になるまで慢性的にマグネタイトが足りない。
前作を持っていると追加される特典悪魔はメガドライブ(メガCD)版のメガテンで追加されたもので、メガドライブ版の追加悪魔はユーザーアンケートで加えられたものであるため、当時人気の女神や妖怪などが加わっています。
例えば、サザンアイズのタクヒとか、ああっ女神様っのノルン三姉妹などですね。


価格は1と同じく 1200 円
正直、前作同様 GBA のエミュ的なものに 1200 円ってのは高い印象が否めません。
基本的にはメガテニスト(女神転生シリーズのファン)のみに向けた内容・価格設定という感じです。

とは言え前作と同じく、GBA 版そのままの内容と言うことは、つまり(古いとは言え)一般のゲームソフトとしてのボリュームやシステムである訳で、それを携帯電話である iPhone で遊べるというのはファンにとって嬉しい事ではありますね。
さすがに万人にお勧めできるようなものではありませんが、話題性のあるアプリであることは確かでしょう。

インターフェイスやスクリーンサイズも改善されましたし、もしやりたいと思っている場合は、真・女神転生(1)の方からやってみるのをお勧めします。

真・女神転生II (iTunes が起動します)