タッチパネルならではのゲーム性と、解りやすいシンプルな内容、何度も繰り返してしまうハマり性を持っていた iPhone 初期の大ヒット航空管制ゲーム「Flight Control」。
大人から子供まで楽しめる内容で、特に iPad 版は Apple からの推薦も受けていました。
そんな Flight Control に続編が登場しています。
フライトコントロール ロケット」です。

フライトコントロールは Real RacingSPY mouse なども開発しているオーストラリアのヒットメーカー Firemint が公開したものですが、Firemint は昨年(2011年)に EA に買収されたため、今作は EA からの販売となっています。

フライトコントロールは「指でなぞって移動ルートを指定する」というタイプのゲームの元祖と言え、タッチパネルを使ったゲームの可能性を提示したアプリだと言えますね。

フライトコントロール ロケット

画面の外周からロケットが飛んで来るので、それを指でなぞって誘導し、赤いロケットは赤い滑走路に、黄色のロケットは黄色の滑走路に、緑のロケットは緑の着陸地点に移動させます。
ロケットは指でなぞったルート上を飛んでいきますが、途中でルートを変更することも可能です。
ロケット同士がぶつかてしまうとミスになります。

基本ルールは以上で、内容としてはシンプルですが、今作は異なる性質を持つ多くのロケットが登場します
例えば、滑走路に誘導すると速度アップするもの、編隊を組んで飛んで来るもの、2機に分裂するもの、誘導後に子機をバラまいていくものなど多様です。
そのぶん難易度は上がってそうですが、今回は3ミスするまでゲームオーバーにならないので、その点でバランスが取られています。

プレイ中、たまにコインが出てくる場合があり、これをタップすると資金が増えます。
資金は「ボット」の購入に使用でき、ボットごとに「スコアボーナスアップ」「コイン入手量アップ」「小型機の速度が上がる」などの効果が付いていて、ゲーム開始時に3つまで装備できます。
装備したボットはプレイすることでレベルが上がり、効果がより高まっていきます。
また、コインを貯めれば新しい宇宙船(滑走路の配置が変わる)を購入することも出来ます。

フライトコントロール ロケット
※こんな大型輸送機が出現する事も。 小さなロケットがたくさん積まれていて、全部着陸させるとボーナスを獲得できます。
滑走路に向かっているロケットはぶつかりそうになると自動的に減速し、ロケットの出現警告をドラッグしても出てくるロケットの誘導が可能になっているなど、システムにも細かい調整が加えられています。


フライトコントロール ロケット
※これが「ボット」。 3つ装備できますが、最初は1つしか装備スロットがなく、コインを貯めてアンロックしていく必要があります。
一度使ったボットはバッテリーが減り、実時間が経過しないと回復しませんが、それほど気になるレベルではありません。
こうした育成要素や収集要素があるのは良いですね。


ゲームモードは3種類、従来通りのミスらない限り延々と続く「INFINITY」(インフィニティ)、ステージクリア制でボーナスステージもある「ODYSSEY」(オデッセイ)、漂流している宇宙飛行士を助ける「RESCUE」(レスキュー)。
ただしオデッセイとレスキューは最初はプレイできません。
他にプレイ方法を説明してくれるチュートリアルも用意されています。

今回の大きなポイントとして、ロケット着陸時のスコア倍率がアップしていくボーナスがあります
「インフィニティ」と「レスキュー」では同じロケットを続けて着陸させることでアップしていくため、ハイスコアを狙う場合は「赤の倍率が高いので、黄色と緑のロケットをワザと着陸させず、赤だけを狙っていく」といったプレイも必要になります。
「オデッセイ」は色に関わらず連続で着陸させることで倍率が上がっていきますが、コンボが途切れると倍率は戻ってしまいます。

フライトコントロール ロケット
※オデッセイにはボーナスステージもあり。 大量のロケットを小型船の滑走路に着陸させます。 連続着陸数に応じてコインもゲット可能。
大量に出てくるのでぶつからずに着陸させるのは困難ですが、ぶつかってもその分のスコアが減るだけでミスにはなりません。


そつなくまとまっているゲームで、プレイしやすくてルールも解りやすく、こういう表現はおかしいかもしれませんが優等生的なアプリと言えます。

ただ個人的には、前作と比べるとゲームバランスが今ひとつな印象もありますね。
前作は開始直後は簡単でしたが、すぐに大量の航空機が出て来て忙しくなり、しかも1ミスでアウトなのでかなりシビアでした。
しかしだからこそ高スコアを狙って何度もやり直してしまうハマり性と、テンポの良さがあったと思います。
またゲーム自体はシンプルだったので、パニックに近い状態になっても何とか切り抜けられるゲーム性でした。

しかし今回は難易度の上昇ペースが遅く、おまけに3ミスするまでゲームオーバーにならないので、ダラダラ続いてしまいます。
また前作にあった「倍速モード」が今回はないため、序盤の簡単な時期をノンビリやらなければならず、ゲームのテンポが悪くなっています。
一方でロケットが大量に出て来て忙しくなると、ロケットに複数の種類があってそれぞれが異なる性質を持っているため、一気に難易度が上がり、対処が急に困難になります

加えてステージクリアモードの「オデッセイ」は1ステージのクリアにかかる時間がどんどん増えていき、しかも序盤ステージはかなり簡単なので、30 分以上は平気で続いてしまいます。
こちらはさすがに簡単すぎて、やってられなくなります

まあこのゲームは子供から大人まで、さらにライトユーザーからヘビーユーザーまでの幅広い人を対象にしているでしょうから、どの辺りの難易度が正解なのかの判断は難しいところですが・・・
いずれにせよ、ゲーム速度の調整はアップデートで追加して欲しいところですね。

あと、コインさえあればいくらでもコンティニュー出来るようになっているので、それによってスコアが左右されてしまいます。
コンティニューに必要なコインの量はだんだん高くなっていきますが、それでも「ハイスコアを競うショートゲームでコイン(及び課金)次第でスコアが決まる」というのは、残念な点と言えます・・・

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



定価は 85 円。 前作同様、かなり安めの価格です。
あくまでショートゲームなのでボリュームはありませんが、価格以上のクオリティーはあります。

正直、私は前作の Flight Control をかなりやっていたので、すでに飽きていた感もあるのですが、前作が好きな方や、前作を未プレイの方には十分オススメできます。
タッチパネルを有効に活用したスマートフォン / タブレットならではの内容なので、iPhone や iPad で普段ゲームをしない方にもお勧めしたいアプリですね。

フライトコントロール ロケット (iTunes が起動します)