実時間の経過によって進行する、いわゆる「放置系」や「たまごっち系」と呼ばれるタイプのビル建設ゲーム「Tiny Tower」。
世界的なヒットとなったその Tiny Tower を開発したメーカー NimbleBit が、航空会社を運営する新しいゲームを公開しました。
「Pocket Planes」です。
前作同様、背景やキャラクターはコミカルなドットグラフィックで描かれており、「無課金でも十分遊べる」「放置系でありながらプレイヤーが介入する部分が多い」といった、前作のヒット要因と言える部分もそのまま継承しています。
今作もすでに世界的なヒットとなっているようですね。
最初にゲームをする時は簡単なチュートリアルを行い、その後に開始する地域を選びます。
アメリカ西海岸や東海岸、ヨーロッパや南米、そして日本などを選択可能です。
日本が含まれているのは嬉しいですね。
日本の場合、最初に利用できる空港は大阪・仙台・札幌の3つのみ。
他に国内には長崎と東京が存在しますが、これらは後で利用契約をしなければ発着できません。
航空機は最初は4つ所持しています。
待機中の航空機を選択し、一番左下の搭載ボタンを押すと、航空機が停まっている空港のお客さんと貨物の一覧が表示されます。
航空機ごとに乗客と貨物の搭載量が決まっていて、乗客のみ、貨物のみしか積めない飛行機も存在します。
「LOAD」のボタンを押すとそのお客さんや貨物の積み込みを行い、その後に発進のボタンを押すと地図画面が表示されます。
ここで行き先を選択すると、飛行機はその場所に飛び立ちます。
札幌行きのお客さんを乗せた場合は、札幌に向かえば良い訳ですね。
※飛行機の搭載量表示の「P」は乗客、「C」は貨物を表します。 上の画像の場合は 2P なので、乗客を2人乗せられますね。 1C 1P の場合は貨物1つ、乗客1人です。
その時にお客さんがいなくても、右上の JOBS の横の時間が経過するとリストが更新されます。 M というのは「分」で、3M なら3分後に更新されます。
搭載量が2以上あって、同じ行き先の乗客や貨物をまとめて積み込むと、報酬にボーナスが付きます。
基本的にはこれを繰り返して、お金と経験値を稼いでいけば OK です。
経験値が貯まると航空会社のレベルが上がり、BUX(お札)が貰え、新しい飛行機が登場するようになり、さらに新たな空港と契約できるようになります。
ただし空港と契約するには規模に応じたお金も必要で、東京や北京などの大都市だと多額の費用が必要になります。
まずは小さめの空港と契約し、移動先を増やすようにした方が良いでしょう。
乗客や貨物は遠くに運ぶほど運賃が高くなりますが、飛行機には「航続距離」があって、あまり遠くには飛べません。
しかし飛行ルートは複数の飛行場を経由して設定する事が可能で、例えば東京からフィリピンのマニラに一発で行けなくても、東京→長崎→台北→マニラ という形で移動する事ができます。
ただしこの場合、途中の長崎と台北が利用可能である必要があります。
経由を利用すれば、長崎で大阪と札幌行きのお客さんを乗せて、長崎→大阪→札幌と移動し全てのお客さんを運ぶことも可能です。
また小まめにログイン出来るなら、上記の状況でとりあえず大阪まで行き、そこで1人降ろして、改めて札幌行きのお客さんを追加するという事も可能です。
※フライトプランの設定画面。 経由を利用すれば複数の目的地のお客さんを降ろせるし、遠くに飛ぶことも出来ます。
緑色の円弧の表示が飛行機の航続距離。 マップ画面は左下のボタンで拡大/縮小可能です。
なお、残念ながらこの世界は平坦なようで、日本の東側は途切れています。 日本からハワイやアメリカへの航路を伸ばすことは出来ないので悪しからず。
日本の場合、南平(ナンピン)か、出来れば台北を足がかりにして、南の方に延ばして行くのがオススメです。
航空機の保有数は、まず資金でスロットを増やした後、メニューの Market(マーケット)で売りに出されている飛行機を BUX(お札)を使って買わなければなりません。
BUX はなかなか手に入らないので、航空機はそう簡単には増やせませんが・・・
乗客や貨物の中には BUX が報酬になっているものがあるし、レベルアップで少し貰えるし、飛んでいる飛行機を眺めているとたまーに前から BUX が飛んで来ることがあります。
課金すればまとめて手に入りますが、Tiny Tower の時のように無課金でも少しずつ増えていくので、課金が必須と言うほどではありません。
また、飛行機は会社のレベルアップによって新型が登場します。
もちろん後に出るものほど高性能で、搭載量も多くなります。
既存の飛行機も BUX でアップグレードできるのですが、強化できるのは航続距離・スピード・重さ(飛行経費)の3つのみで、搭載量は増やせません。
つまり、課金して BUX を大量ゲットしても、レベルが上がってないと優秀な航空機は得られない訳で、基本的には日々のプレイで徐々に拡張して行く必要があります。
なお、マーケットでは「パーツ」も売られています。
パーツはエンジン・ボディ・操縦室の3種類があり、同じ飛行機のパーツを3種類集めると、その飛行機の組立を行え、普通より割安で飛行機をゲット出来ます。
しかしマーケットに並ぶ品ぞろえはランダムなので、狙ったパーツがなかなか出てこない事も多く、そうこうしているうちにレベルが上がって上位の飛行機が登場し、集めていたパーツの飛行機が旧式化したりするので、あまりパーツの組み立てを狙うのはオススメできませんね。
※飛行機の性能詳細。 やはり一番重要なのは搭載量ですね。
重量はちょっと解りにくいのですが、飛行時にかかる経費に関係し、重いほど費用が高くなります。
改良は BUX を使うので、下位の航空機に行うのはオススメできません。
「クラス」は飛行機のサイズで、クラス2は中規模空港(青い空港)、クラス3は大規模空港(赤い空港)しか発着できません。
撤去はハンガー(格納庫)に飛行機を入れるものですが、ハンガーの飛行機を元に戻すには BUX が必要になるので、不用意に実行しないようにしましょう。
※マーケットの画面。 品ぞろえは 12 分ごとに更新されます。
コインではなく BUX で買うので、そうそう買いまくることは出来ません。 レベルを上げて、出来るだけ上位のものを買いたいところですね。
機体名の後の記号は、P が旅客機、C が貨物機、M が両用です。
パーツは飛行場と契約した時にもオマケで貰えます。
最初は空港の距離が近いので、5分ぐらいで目的地に到着できます。
それが4機ぶんありますから、放置系のゲームではありますが、常にプレイし続ける事も可能です。
ただ距離が近いと収入は少ないので、忙しい割にはなかなかお金は貯まりませんね。
でも、プレイ意欲の高い序盤にやることが多く、遠距離の空港が増えるとだんだん必要な待ち時間が長くなり、一方で収入の効率は良くなっていくという、このゲームバランスはこの手のゲームとして優れていると思います。
Tiny Tower で培った経験が生かされている印象ですね。
ただゲーム性が増した反面、やや複雑になっており、おまけにメッセージが全文英語ですから、この手のゲームのターゲット層であるライトユーザーにとっては、前作と比べるとやや解り辛さがあると思います。
そんなにややこしい程ではなく、むしろ全体としてはシンプルにまとまっているのですが、前より慣れるまで時間がかかるかも?
あと、起動時の立ち上がりが遅いのも気になります。
アプリを起動した直後は画面がしばらく硬直し、操作がまともに受け付けられない状態が十数秒続きます。
これは頻繁に起動と終了を繰り返す放置系のゲームとしてはかなりマイナスです。
もうちょっと起動時の処理は改善して欲しいところで、どうせ動かないのなら、安定するまで「計算中」みたいな画面を表示してくれた方がマシな気がしますね。
追加課金も、高額課金ほどお得になっているのは良いとして、85 円の上が急に 450 円っていうのは課金し辛いですね。 でも 85 円で得られる BUX は大した量ではないので、これも買えない。
基本は無課金でのプレイですが、日本の場合は早く東京と契約したくなるので、どうしても課金したくなってしまいます。 でも、これでは辛いですね・・・
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
Tiny Tower と同じく、アプリ本体は無料。 フリーミアム(本体無料+追加課金型)ではありますが、無課金でも十分進められます。
また、課金しないと利用できないアイテムや施設はありません。
この手のゲームとしては良心的なスタイルと言え、この点は前作と同様ですね。
フリーミアム系、放置系のゲームとしては、かなりレベルの高いアプリと言えます。
また、今回はやや本格的になっている分、ゲーマーの方でも相応に楽しめると思います。
Tiny Tower が好きだった方や、開発ゲームが好きな方には、かなりオススメできますね。
・Pocket Planes (iTunes が起動します)
しかも、各空港都市の情報が意外と(?)ためになって面白いです。
東京の空港が
TOKYO IS ROUTINELY DESTROYED BY GIANT MONSTERS SUCH AS GODZILLA.
と説明されているのには、気づかれましたか?