近年最大のヒット作とまで言われるようになった Angry Birds
その大ヒット以後、派生型と言える物理シミュレートの投射系ゲームがゴマンと登場していますが、先日大手パブリッシャーの Chillingo からも同型のゲームが登場しました。
Catapult King」です。

Angry Birds が真横視点だったのに対し、Catapult King は 3D 視点で 3D グラフィックのゲームです。
3D 視点の投射ゲームは Siege Hero など他にも存在するため、決して目新しい訳ではありませんが、このゲームはクオリティの高い綺麗な 3D グラフィックで表現されているため、その見栄えと「壊れっぷり」は最初に見たときは「おおっ」と思えるものがありますね。
開発はオーストラリアのメーカーのようです。

Catapult King

はっきり言ってゲーム内容は、「3D の Angry Birds です」の一言で片付きます。
カタパルトにセットされている砲弾を後ろに引き、離すとその向きと強さで弾が飛んでいきます。
横の方角は弾を引く方向で調整でき、上下の高さはカタパルトの横に付いている「つまみ」で調整します。
建物に砲弾をぶつけて壊し、そこにいる敵兵士を全滅させればクリア。 敵が全滅する前に砲弾がなくなってしまうとリトライですね。

ステージが進むと石のブロックも破壊できる鉄球や、タップすると3つに分裂する機械じかけの砲弾、タップしたり着弾すると大爆発するボム砲弾なども登場しますが、これらもすべて Angry Birds に登場するものと同じです。
高評価でクリアすると魔法のポイントを得られ、これを消費してメテオや地震の効果を持つ特殊攻撃を行えますが、これでステージをクリアしても本来の評価は得られません。

アイデアは他のゲームの模倣とは言え、3D 空間のステージ構成は変化に富んでいて、ピタゴラスイッチのような連鎖で作動するしかけがあったり、転がる巨大鉄球を利用するステージがあったり、川が流れていたりと、ユニークなものが多いです。
また夜のステージがあり、火薬ボックスに火をつけると花火が上がるなど、視覚的な演出も豊富ですね。

Catapult King
※ 左はおもいっきりドミノ倒しなステージ。 右はどう見てもピタゴラスイッチ。
ちゃんとした 3D 空間での物理シミュレートが行われるため、こんなリアルなしかけを再現することも可能になっています。
よってステージ構成は 2D の物理シミュレートのゲームより面白いものが多いですね。 距離感もリアルに感じられます。


ゲームの難易度は低めで、一部に妙に難しいステージもありますが、全体としては「壊す楽しさ」を優先している印象があります。
ただ、クリア評価のシステムはこのゲームオリジナルの独特なものになっていて、ここはかなり「やりこみ」を意識したものとなっています。

クリア時のスコアによって銅・銀・金の3種類の王冠を得られるのですが、それとは別に王冠にはめられる「宝石」があり、これは特定の条件を満たさなければ入手できません。
宝石の種類は8種類で、以下のようになっています。

四角いピンクの宝石:砲弾を残してクリア
六角形の緑の宝石:敵兵士をまとめて倒す
ダイヤモンド:多くのスコアをまとめて取得
三角形の水色の宝石:砲弾を敵兵士に直撃させる
四角い緑の宝石:地面に一回着弾させてリバウンドで当てる
八角形の青い宝石:まとめてブロックを破壊
赤い宝石:時間をかけて建物を崩す
コイン:ステージ内のどこかにあるコインを探して砲弾を当てる

ステージごとに取得できる宝石は決められていて、その中に水色(敵兵士に直撃)がない場合、敵兵士に砲弾を直撃させても宝石は得られません。
よって、各ステージの最高評価(金の王冠+宝石3つ)を得たい場合は、まずポーズしてそのステージで得られる宝石の種類を確認しておく必要があります。
1発で金の王冠と全宝石のゲットをするのは困難ですが、段階的に取得していくことも可能で、「まず金の王冠、次に1つ目の宝石、次に2つ目の宝石」という形で埋めていくこともできます。
ただし条件を満たしても、ステージクリアしないと取得は無効になります。

Catapult King
※ 王冠の色だけでなく、宝石も埋めていこうとすると結構大変。 しかも(コイン以外の)宝石は評価が3段階目まであります。 やり込もうと思えばいくらでも出来る評価システムにはなってますね。
クリア時には評価に応じて魔法ポイントを得られます。 右の画像はそれを使って発動させたメテオの着弾シーン。
でも魔法攻撃は強力ではありますが、範囲が意外に狭いうえに砲弾の数が少なくなるため、「使えば楽勝」というほどではありません。 おまけに使ってクリアできなくてもポイントは減ったままなので、この点は結構シビア。


価格は 85 円とかなり安め。 アップデートによるステージの追加も予定されています。
難易度が低めでサクサク進むこともあり、クリアを優先してやると割と短時間で終わってしまいますが、それでも 64 ステージあるのでボリューム不足というほどではないですね。
価格を考えるとコストパフォーマンスは非常に高いです。

ゲームとしては、システムはほぼ Angry Birds であり、Siege Hero のようなパズル性もありません。
しかしこの手のゲームで一番重要なのは「ぶっ壊す面白さ」であり、その壊れっぷりは間違いなく物理投射系のゲームの中では一番で、「最も肝心なところに焦点を当てて作っている」と考えると、シンプルではありますが、これが正解なのではないでしょうか。
実際、私は Angry Birds は飽き気味ですが、このゲームはやってて面白いです。

解りやすいゲームで万人にお勧めできますし、スマホらしいグラフィックも楽しめるので、今後の新しい定番になり得るのではないでしょうか。

Catapult King (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。