今年(2012年)の4月に発売されたケイブの縦スクロールシューティングゲーム「虫姫さま ふたり」。
このゲームの改修バージョンが早くも登場しています。
虫姫さまふたり ブラックレーベル」です。

ブラックレーベル」とはケイブのシューティングの新バージョンに付けられる名前ですが、続編ではなくあくまでバージョン違いに過ぎないので、ゲームの内容はほぼ初期のものと同じです。
ただ、ゲームバランスの調整や一部のシステムの改良、難易度の変更、モードの追加などが行われています。

こう言うと、「じゃあ前作を持っている場合は必要ないの?」と聞きたくなる方もいると思いますが・・・
ぶっちゃけ、その通りです。
ただ改修バージョンだけあって、ゲームはこちらの方が面白くなっています。

こう言うと、「前作を買ったのに、またお金を出して買い直さないといけないの?」と言いたくなる方もいると思いますが・・・
それもぶっちゃけ、その通りです。 この辺は、なんとも微妙なところです・・・

虫姫さまふたり ブラックレーベル

縦スクロールのシューティングゲームで、画面を埋め尽くすほどの強力な攻撃で、大量に出てくる雑魚をバリバリ倒しまくり、滝のように流れてくる得点アイテムをジャラジャラと集めまくる、爽快感抜群の「ケイブシュー」です。

基本的には前作というか、ノーマルバージョンの「虫姫さま ふたり」と変わらないので、そちらの解説も見て頂ければと思います。
ここではノーマルバージョンとの違いを中心に説明いたします。

まず自機の性能と種類の変化
ノーマルバージョンには「レコ」と「パルム」の2人のキャラクターがいて、それぞれに「ノーマル」と「アブノーマル」という2種類の攻撃パターンが用意されていましたが、今回はノーマルとアブノーマルはなくなり、キャラの違いだけになりました

そして各キャラクターの攻撃はノーマルとアブノーマルが合わさったものになり、特にレコは大幅パワーアップ!
初期バージョンのレコは攻撃力が低く、明らかにパルムより弱かったのですが、今作はやたら攻撃力が上がっています。
パルムの方も初期版より強化されていますが、レコの強化っぷりが凄いので、それと比べると控えめ。
ブラックレーベルでは両者の差は少なくなっています。

またオリジナルにあった、敵や弾が大量に出て来たときの「処理落ち」が追加されました
これはアップデートでノーマルバージョンにも追加されていたため、ブラックレーベルだけの機能ではないのですが、今回は最初から備わっています。

この「キャラが強化された」「処理落ちが追加された」の2点によって、ブラックレーベルはノーマルバージョンより難易度が下がっています
ブラックレーベル(黒札)という名前から「すごく難しいんじゃないか」という印象を受けますが、実際には逆でプレイしやすく調整されています

虫姫さまふたり ブラックレーベル
※左はレコ。 ワイドショット+多連装ビームに加えて、オプションが自機のいない位置をカバー。
加えてレーザーの威力がやたらアップしています。 「虫姫さま」なのに虫姫さまが弱い、というのはもう過去の話。
右のパルムは、初期版のノーマルレーザーとアブノーマルサンダーの複合攻撃。 これはこれで強いです。


続いてゲームモードと、スコアシステムの変化
ノーマルは「オリジナル」「マニアック」「ウルトラ」の3つでしたが、今回は「ウルトラ」がなく、代わりに「ゴッドモード」が付いています。
最初はオリジナルしかプレイできず、クリアしないと上位のモードが解禁されないのは前作と同じです。

オリジナル」は敵弾が少ないけど弾速が速めのモードで、このモードは画面左上に表示されている「琥珀カウンター」の数字が緑の時はショットで、青の時はレーザーで敵を倒すことで、高得点のアイテム(大きな琥珀)が落ちてきます。

ノーマルバージョンの場合、このカウンターの色は 500 ごとに変化していて、カウンターを気にしながら頻繁にショットとレーザーを切り替えないといけなかったのですが、ブラックレーベルではそれが 3000 ごとの変化に変わりました。
これにより、以前より忙しい切り替えをしなくて済むようになっています

マニアック」は弾速は遅めだけど敵弾がすごく多いモードで、このモードはショットで敵を倒すと「琥珀ゲージ」が上がり、ゲージが最大に近い状態で敵を倒すと大きな琥珀が出て「琥珀カウンター」が増え、逆にゲージが全くない状態でレーザーで敵を倒すと集めた「琥珀カウンター」の分だけ琥珀に倍率がかかり高得点を得られる、というシステムになっています。

ノーマルバージョンの場合はゲージの増減が速かったため、単に「ショットで敵を倒しまくればカウンターが増え、レーザーで敵を倒せば琥珀に倍率がかかる」という形になっていたのですが、ブラックレーベルはゲージの増減が遅くなりました
単にレーザーに変えただけではゲージがなくなる前に敵を倒してしまうので、少し早めの切り替えが必要で、「ゲージがない状態で敵を倒して琥珀に倍率をかける」というのが難しくなっています。

一方、「ゲージが最大に近い状態(赤)でレーザーで敵を倒すと琥珀が多く出る」というシステムが追加されたため、うまく活用すると大量の琥珀をジャラジャラ出現させる事ができます。
(ただしレーザーの間はゲージが下がるので頻繁な切り替えが必要)
システムは前より難しくなりましたが、それでなくても大量に出てくる琥珀をさらに増やせるので、(システムを理解していれば)爽快感は増しています

そして今作から追加された「ゴッドモード」は、弾速が速く敵弾も多い「ウルトラ」に似ているのですが、9999 が最高だった琥珀カウンターが 30000 まで上がります
琥珀の出現量やカウンターの増加も大きく、「稼ぎの爽快感」が大幅にアップしていて、スコアラーにとってはかなり面白いですね。

ゴッドモードと言うとすごく難しく思えますが、今回も Novice、Normal、Hard、Hell の4段階の難易度設定が可能で、Novice でプレイすればそこまで難しくありません。
前述したように自機が大幅にパワーアップしているため、前作のウルトラよりよっぽどラクです。
ここでいう「ゴッド」は難しさがゴッドなのではなく、派手さや稼ぎっぷりがゴッドなんだと思えば良いでしょう。

またブラックレーベルには段位認定をしてくれる「ボスラッシュモード」も加わえられています。
虫姫さま(1)」か「虫姫さま ふたり」に出現するボスを倒し続けるモードで、単なるボスモードではなく、段位認定という要素があることと、虫姫さま(1)のボスと戦うことも出来るのが良いですね。

虫姫さまふたり ブラックレーベル
※ゴッドモードなら倍率はなんと最高 30000 倍! よりカウンターアップと倍率獲得が楽しくなっています。
右はボスラッシュモードで、ステージ1~5のボスを1通り倒せば段位が上がります。 結構長丁場のモードですが中断セーブも可能。 ただしセーブは課金者限定・・・


しかし難点は・・・ その販売スタイルでしょう。
4月に 600 円でノーマルバージョンが発売されたばかりなのに、それから3ヶ月も経たないうちに 1200 円でブラックレーベルの販売です。
これではノーマルバージョンを買った人は損した気分になるのは否めません。
内容に大きな変化がないのに価格は2倍も違うのも微妙です。
まあこれについては、前作が安かったとも言えますが。

さらに「ボスラッシュモード」は 600 円の課金(もしくは1か2のボスのみ 350 円)を行わないと、途中経過のセーブが出来ません
ボスラッシュモードは最初は敵がかなり弱く、強くなるペースも遅いため、30 分ぐらいやらないと相応の強さになりませんが、課金しないと毎回最初からなのでやってられません・・・
ですがちゃんとやろうと思ったら本体 1200 円に加えて 600 円が必要になるので、結構高く付きます
そもそもブラックレーベル自体、アップデートによる追加でもおかしくない程度の内容ですし。

さらに残機を増やしたり、ボムやパワーアップを増やしたり、当たり判定を小さくする課金もあります。
これらは使用するとスコアランキングへの登録が出来なくなるので、初心者救済用としてはアリかなとは思いますが。

正直、最近のケイブの動向は、どうかと思う点が多々あります。
怒首領蜂 大往生を「怒首領蜂大往生~人気弾幕シューティングゲームがiPhoneに登場!シューティングゲーム好きにおすすめのアプリ!」とか言う客寄せ小細工 SEO 的な名前に変えたり、明らかに無理やりな感じの追加課金を導入したり・・・
このブラックレーベルもそんなやり口が見える感じがして、イヤラシイ印象も拭えません。

もはやケイブの最新の決算資料にはシューティングのシュの字もなく、「GREE向けビッグタイトルに集中」と書かれてたりするので、もうシューターが好きだったケイブは過去のものになるのかもしれませんね・・・

この流れで言うのもアレですが、以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は前述したように 1200 円。 ボスラッシュモードを解禁する場合は合計で 1800 円になります。

話が逸れましたが、ゲームは本当に面白いので、「虫姫さま ふたり」でスコア稼ぎなどをしている人は購入しておくべきアプリでしょう。
ノーマルバージョンを持ってて、好きではあるけど、スコアアタックしてる程じゃない」と言う人は、ノーマル版だけでも良いと思います。
どちらも持っていない人だと・・・ 値段は2倍違うけど、やはりこちらの方がお勧めです。

ともあれ虫姫さまは、「撃ちまくる、壊しまくる、回収しまくる」というシューティングの原点が追求されているゲームで、幅広くオススメできます。
色々あるようですが、今後もケイブシューが iPhone で発売されることを願いたいですね。

虫姫さまふたり ブラックレーベル (iTunes が起動します)