拡散性ミリオンアーサー」でソーシャルゲームへの参入を、グリーやモバゲーのプラットフォームではなく「自社ブランドで」開始したスクウェア・エニックス
賛否ありながらもミリオンアーサーは好調なセールスを記録している模様ですが、ミリオンアーサーと平行して開発されていた、もう1つのスクエニブランドのソーシャルゲーム。
それが「ガーディアンクルス」です。

ファイナルファンタジーシリーズを手がけたメンバーと、グリーのプラットフォームでソーシャルゲームの開発経験を積んだメンバーが共同で作り上げたゲームらしく、「脱ガチャ」や「新しいソーシャルゲームの面白さ」を目指して開発されたという、以前から話題になっていたアプリですね。
確かにそのゲーム内容はグラフィックもゲーム性も、従来型のソーシャルゲームの延長である「ミリオンアーサー」とは異なっています。

ただ、先に個人的な感想を言うと、「言われているほど脱ガチャでも新システムでもないような・・・」というのが正直なところですね。

ガーディアンクルス

基本的には良くある「グリー / モバゲー型のソーシャルゲーム」です。
ミッションを受けてワールドマップ上にある街や洞窟に向かうと、モンスターや住人のアイコンが散らばっているフィールド画面になり、アイコンをタップすると「エネルギー」が減ってカードバトルが行われます。
バトルで全ての敵を倒すと次の階に進め、エネルギーがなくなったら回復するまで待たなければなりません。
エネルギーは3分で1回復し、1回のバトルで5消費。 最大は 50 なので 0 になったら全快まで 150 分の実時間の経過が必要です。

ミッションを得る時やダンジョンで最後の階に到達した時には、登場キャラクターの会話シーンになります。
また街の探索時には戦闘ごとに会話が発生します。
この会話シーンがあるおかげで、単に先に進むだけのゲームではない、ちょっとした RPG っぽさがありますね。

カードバトルは最大 10 枚のモンスター(ガーディアン)カードを並べて行います
戦いは常に1対1で、まずは互いの1枚目が戦闘を行い、1枚目を倒したら HP はそのままで2枚目との戦いになります。
いわゆる勝ち抜き戦方式で、パーティーバトル(多数同時戦闘)ではありません。 先にカードが全て敗れた方が負けになります。

モンスターはそれぞれ「スキル」や「属性」を持っていて、スキルは主に魔法攻撃が多いのですが、自身の能力を上げるものや相手の能力を下げるもの、回復を行うものも存在します。
しかし前述したようにパーティーバトルではなく常に1対1なので、複数を対象にしたスキルはなく、回復スキルを使用しても相手に殴られる一方になります。
特殊な効果のスキルもあまりありません。
ただ、回復で粘っていれば相手の MP を減らせますし、能力低下のスキルを使っておけば次の戦闘で有利になりますから、「自身を捨て駒にして次の戦いを有利にする」という形の使い方は出来ます。

属性は「雷は水や機械に強いが、土や光に弱い」というような強弱の関係があって、苦手な属性の攻撃を受けると「クリティカル」のダメージを受けてしまいます。
逆に得意な属性の攻撃は「ブロック」が出てダメージを半減できます。 同属性の場合はどちらもブロックが発生します。

ガーディアンクルス
※ グラフィックは劇画調というか、青年漫画風というか・・・ ちょっとソーシャルゲームでは見ないタイプです。
好き嫌いがあるタイプの絵柄で、私はあまり好みではないのですが、萌え絵ではない絵柄で勝負しようという姿勢は好きですね。
モンスターのグラフィックも迫力のある絵が多く、最近の萌えキャラばっかなソーシャルゲームとは一線を画しています。


ガーディアンクルス
※モンスターの属性によって有利不利が生じますが、相手がどんな属性かは戦ってみないと解りませんから、そこはある意味「ジャンケン」であり、戦略性と言うよりは運に近いですね。
雷と火はどちらも光に弱いので、相手が光である事を警戒してこの2つは続けて並べない、と言った事も考えられますが・・・ まあ、それよりもモンスターのレベルの方が影響は大きいです。
スキルはあまり複雑なものはなく、全体的にシンプルにまとめられている印象です。


ガーディアンクルス
※属性相関図。 ちょっと複雑な相関関係なので、簡単な図には出来ませんでした。
ちなみにこの相関関係はゲーム中には説明がないので、クリティカル表示などを見て把握するしかありません。
ハロウィンのようなものは死属性(アンデッド)、ドクロマークは毒属性(ポイズン)なのでお間違えなく。
どの属性も2つの有利属性と2つの不利属性を持ちます。
※追記:上記の相関図は Wiki とかブログとか、好きなところに転載なり何なりして構いません。 必要でしたらご自由にお使い下さい。

このゲームの大きな特徴は、モンスターカードを得るのに「ハント」というミニゲームを行う必要があること。
ハントは1日1回無料で行え、さらにミッションを進行させて「チケット」を入手する事でも実行できます。
チケットは結構手に入るので、1日5回ぐらい実行することが出来ますね。

ハントは「狙撃ゲーム」になっていて、画面をドラッグしてモンスターの姿を探し、射撃ボタンで銃を撃って捕獲します。 制限時間は1分間。
モンスターは2~5発当てないと捕獲できず、1発撃つと逃げ始めるので、うまく逃げる先に照準を合わせて撃つ必要があります。 モンスターがいきなり方向転換する場合もあり、ちょっと慣れが必要ですね。
また5発撃つごとにリロードが行われます。

モンスターを倒すとその場でカードが表示されます。 モンスターの姿である程度の種族は解りますが、基本的には何が出るかはランダムで、要するに「ガチャ」と同じですね。
モンスターを1撃で倒せるチャンスが発生したり、制限時間が増えるモンスターが出現することもあり、うまく行けば1回のハントで 10 体前後のモンスター(ガーディアン)をゲットすることが出来ます

ガーディアンクルス
※ハントは結構難しい。 5発でリロードになり数秒間のタイムロスとなるので、ミスりまくっているとすぐ時間がなくなってしまいます。
モンスターが移動する少し先を狙うことと、モンスターを捕獲した後に残弾が1発の時はワザと空撃ちしてリロードしておくのがコツ。
当たる範囲にターゲットが合うと照準が小さくなるので、それを目安に狙いましょう。


モンスターのカードは「合成」させることでレベルアップし、強くなっていきます。
同じカードや同属性のカードを合成するとより多くの経験値を獲得できますが、合成素材にしたカードはなくなってしまいます。
どのモンスターも最初は1つしかスキルを持っていませんが、レベル 15 で2つ目、レベル 30 で3つ目のスキルがオープンされます。

モンスターの編成は「フィールド用」と「コロシアム用」で別々に設定できます。
コロシアム」は他のプレイヤーと戦うモードで、一定期間の獲得ポイントを競う大会が実施されており、1回の入場で3戦する事ができます。
同じぐらいの順位のプレイヤーが対戦者のリストに並び、こちらが挑まれるという事はないので、初心者が上級者にフルボッコにされるようなことはありません
(他のプレイヤーに自分が倒されているかもしれませんが、そうした挑まれた結果のレポートはありません)

コロシアムに入るためのチケットはミッションの進行によって獲得でき、ゲームはフィールドでミッションを進行させつつ、チケットが手に入ったらハントやコロシアムを行う、といった形になります。

ガーディアンクルス
※カードの編成画面。 フィールドでの戦いは基本的にレベルの高いモンスターを先頭に置いてガスガス攻撃しまくれば良いのですが、コロシアムの戦いではレベルの高い主力モンスターを何番目に配置するかが重要になります。
あと、高レベルキャラは低レベルキャラにほとんどノーダメージで勝利できるため、一点集中でレベルアップしている人が多いのですが、合成に必要な GP はベースのモンスターのレベルが高いほど高額になるので、一点集中しすぎるとすぐに金欠に陥ります。
実際、コロシアムで一点集中しすぎて、主力以外はスカスカで全体としては弱いって人をよく見かけるので、メインで強化するモンスターを決めつつ収支バランスを考えながらレベルアップしましょう。


ソーシャルゲームとしては明らかにクオリティーが高く、グリーやモバゲーのブラウザベースのソーシャルゲームとは比較になりません。
ちゃんと「ゲームメーカーがスマホ用に開発したアプリ」で、その点はスクエニの実力を感じられます。

ただ、「ゲーマーが楽しめる内容なのか」「本当に新しいソーシャルゲームと言えるのか」「実際に『脱ガチャ』が達成されているのか」と言われると、かなり微妙です。

ゲームの基本的な進行は「アイコンをタップしたらエネルギーが減って、それを繰り返してゴールに向かう」という昔からある方式に過ぎず、バトル中に何かコマンドを入力したりすることもないため、つまり従来のグリー / モバゲー型のソーシャルゲームと何ら変わりません
一応「同じボタンではなく、各所にあるアイコンをタップする」という点が違いますが、その程度の違いしかないし、「マジモン」なども同様のシステムであるため目新しさもありません。

カードバトルもスキルの効果がシンプルで種類も多くなく、カードの属性や順番はジャンケンに近いので、読み合いの要素はあるとは言え、それほど戦略性が高い訳ではありません
長期間ゲームを続けてモンスターのスキルを数多くオープンさせれば色々と考える部分も出来てくるかもしれませんが、少なくとも「キングダムコンクエスト」や「ドラゴンアーク」のような戦略級ゲームや、多対多戦闘で固有スキルの豊富な「マジモン」などには遠く及ばない印象です。

そして「ハント」は脱ガチャを目指して導入したのは解るのですが、所詮はミニゲームに過ぎず、ゲーマーが満足できるような物ではありません
さらにやや難易度が高いので普段ゲームをしないライトユーザーには難しく、またテキトーにやることは出来ないので何度も繰り返すのはちょっと面倒に感じます。
これが「キングダムコンクエスト」や「ドラゴンアーク」のようなアクション RPG や MO(多人数参加型)アクションなら「ゲームとして面白い」という事になったかもしれませんし、「忍者ロワイヤル」のようなもっとシンプルなものならライトユーザーでも「難しい」「面倒」と思う人は少なかったと思うのですが、そのどちらでもない中途半端な印象が拭えませんね。

また、ハントは「モンスターを撃つとランダムにカードが引かれるもの」ですから、それは形を変えた「ガチャ」に過ぎません。
これで「ボタンを押してカードを出す訳じゃないからガチャじゃないぜ~」とか言われても、そんなの「小学生の言い訳かよ」と思ってしまいます。

ただ、これは「落としどころ」をどこにするかの問題でもあって、もっとトレーディングカードゲームの如くスキルを増やして戦略性を高めると、今度はソーシャルゲームの主要ユーザーが付いて来れない「難しいゲーム」になってしまいますし、ハントもゲーム的にすればするほどゲーマー向けになってしまい、逆にシンプルにするほどゲーム性は低下していきます。

この相反する問題の中で、スクエニが「ガーディアンクルス」というゲームに選んだ着地地点が、このゲームシステムであり、カードバトルであり、ハントであったという事なのでしょう。
ただ結果としては、「従来のグリー / モバゲー型のソーシャルゲームの枠内に収まったな」という印象ですね。
無論、それはそれで既存のソーシャルゲームをプレイしてきたユーザーにとっては取っ付きやすいので、その点は長所とも言えますが。

ガーディアンクルス
※属性やスキルもありますが、現時点(7/10)で戦闘で一番重要になるのがモンスターのレベル。 ステータスの影響がスキルや属性の不利をカバー出来るほど大きいため、高レアモンスターのレベルを上げまくれば万能状態になってしまう。 よって早期に★5を取れた人が大幅に有利。
能力ダウンを持つレベルの低いモンスターを捨てキャラとして使う戦術もありますが、そうした特技を持たない★3以下のモンスターは早い段階で使い道がなくなり、合成素材にしかならない状態です。
あえて複雑化しないようにそうしているのかもしれませんが、ちょっとシステムには疑問が残ります。


ソーシャルゲームですから本体は無料。 もちろん課金はありますが、一応無課金でもゲームは進行できます。
コロシアムで上位になりたいとか思わない限り、普通に無料でも楽しめるゲームですね。

色々と批判もしましたが、あくまでこれは「ゲーマー視点」かつ「多くのアプリを見てきた上での意見」です。
そんなにゲームをしない人にとってはこのぐらいのバランスでちょうど良い気もしますし、あまりソーシャルゲームをプレイしていない人にとっては、このゲームで初めて見るシステムもあると思います。
ソーシャルゲームとしては間違いなくレベルの高い作品なので、グリーやモバゲーのガラケーソーシャルゲームやるぐらいであれば、こちらの方をお勧めしたいですね。

個人的には、これよりも(アップデート後の)ミリオンアーサーの方が好きですが、同じソーシャルゲームでもタイプがかなり違うので、棲み分けは出来ていると思います。

ガーディアンクルス (iTunes が起動します)