Flash ゲームのようなポップでユニークな絵柄と、その見た目に反してなかなか本格的なゲーム性を持つ、横スクロールの無料シューティングゲームが登場しています。
Toon Shooters」です。

このゲーム、見た目からは想像できませんが、1980 年代後半に流行した有名な横スクロールシューティングをリスペクトした作品で、R-TYPE を中心に、グラディウスシリーズやエリア 88 などを元にしたと思われるステージ&ボスが多数登場します。
やっていて「このゲームの作者はシューティングが好きなんだろうな」というのを感じられる内容ですね。

開発したのは Mooff Games という香港のメーカーで、元は Flash のゲームだったのですが、それを iOS アプリ用にグレードアップしたものです。

Toon Shooters

自機の移動は俗に言う「相対移動」で、指の位置に関わらず、指を動かした方向と速度で動きます。
操作性は良好ですが、ゲーム性の問題で後半ステージになると操作し辛くなる場面も多くなります。 これについては後述します。

ショットは自動ですが、自機は「飛行機型」と「360度型」に分かれていて、飛行機型の場合はショットは前方のみに発射されます。 また、画面右下の「Aボタン」を押しっぱなしにするとタメ撃ちが出来ます。
360度型はスティックを入れた方向の逆向きにショットが発射され、Aボタンの押しっぱなしで発射方向を固定できます。
サブ武器として、飛行機型はミサイルが下方向に投下され、360度型は 3WAY の貫通レーザーが発射されます。

自機は耐久力制で、被弾すると HP が減っていき、なくなるとゲームオーバー。
クリア評価はありますがスコアはなく、ステージをクリアするごとにステージ選択画面に戻ります。
もちろん先のステージをプレイするには、その前のステージをクリアしておかなければなりません。

ゲーム中に資金を獲得でき、それでステージ開始前にパワーアップを購入できます
パワーアップには自機を強化するものと、オプションを追加するものがあり、オプションは2つまで付ける事が可能で、ホーミングミサイルを撃つものやレーザーを撃つもの、徐々に HP を回復してくれるものなど様々です。
ただしオプションはやられてしまった場合、1つ失ってしまいます

資金を多く貯めれば新しい自機を購入する事も出来ますが・・・ かなりの資金が必要ですし、必須という訳ではないので、やり込み(及び課金用)要素と言えますね。
なお、各自機には経験値とレベルもあり、レベルアップすることで強力になっていきます。

Toon Shooters
※オプションは左から「レーザー」「ミサイル」「ホーミング」「バックレーザー」「回復」「自機の周囲を回転」「連射」です。
ハンバーガーと支援機のマークは使い捨ての強化で、ハンバーガーは最大ライフアップ、支援機は一緒に戦ってくれます。
ただしやられるとオプションはなくなるし、ステージ中に獲得できる場合もあるので、先に基本のパワーアップの方を獲得していきましょう。
なお、各ステージのクリア評価は、各自機で獲得した最大評価(勲章)の合計になります。


Toon Shooters
※この機体(と言うか人)は 360 度攻撃の自機。 発射方向の固定が便利です。
このゲームは後半ステージになると上下や後ろから敵が来る事が多いので、こちらの方が攻略しやすいです。
ちなみにこのステージは見ての通り、R-TYPE の巨大戦艦ステージのリスペクトですね。
このゲームをやると「やっぱり R-TYPE って凄かったんだな」と実感します。


ステージは変化に富んでいて、海や砂漠、空や火山などバラエティーに富んでいます。
ステージ構成もかなり多様で、巨大ロボットが出現するステージもあれば、要塞列車や巨大戦艦なども出現し、ユニークな攻撃を行うボスも登場します。

まあぶっちゃけ、これらは全部既存のシューティングのオマージュ、悪く言えば「パクリ」であり、知っている人が見れば「ああ、これはあのゲームのあの場面が元なんだな」と解るものばかりなのですが、それはそれで昔のシューティングを知っている人には懐かしく、オリジナルを知らない人には斬新なので、どちらの人も楽しめる内容になっていると言えます。
名場面ばかりが集められていて、それがポップにアレンジされているので見応えのあるシーンが多く、完成度は高いですね。 BGM や効果音も良い感じです。

ただ、R-TYPE をベースにしたステージが多く、その R-TYPE は超高難度シューティングとして知られていましたから・・・ このゲームも中盤から後半にかけて、かなり難しくなります
後半はリトライを繰り返しながら攻略を見つけていく必要があり、場合によってはクリア済みのステージを繰り返して資金を貯め、パワーアップしてくる必要もあるかもしれません。
まあその分、やり応えのある難易度とも言えますね。

Toon Shooters
※うろ覚えなんですが、このステージは MSX のグラディウスシリーズを元にしている気がします・・・
もしそうだとすると、MSX のグラディウスを知っているとは、なかなかの通ですね。 香港なのに。


Toon Shooters
※このステージはどう見ても R-TYPE のステージ6・・・ 雑魚が出現する位置もオリジナルを模していて、知っている人だと思わずニヤッとしてしまいます。
しかしこのステージ6はかなり難しかったので、このゲームでも難関です。
ただオリジナルを知っている人だとコツが解るから、割とすんなりクリア出来るかも?


難点は、特に後半ステージで操作し辛い場面が多くなること。
例えば上の画像の R-TYPE を模したステージ。 ここは画面中を大きく動き回らなければなりませんが、そうすると必然的に指の置き直しが何度も必要になります
操作性の良い相対移動とは言え、外周に指置き場のようなものもなく、場面によってはやり辛さを感じることは否めません

また、このゲームは後方から敵が出てくる場合もあります。
前半ステージはまだ解りやすい位置から出てくるので良いのですが、後半ステージだと四方八方から出て来たりするので、指で敵が見えなくなるケースも良くあります

これらの問題のため、iPhone や iPod touch ではやり難さもあります。
iPad だとこれらの問題は緩和されるので、iPad がある人はそちらでのプレイをオススメします
操作性自体は悪くないので、iPhone でも遊べるレベルではありますが・・・

もう1つの難点は、Aボタンが発射方向の固定やタメ撃ちのボタンになっているのに、これを短く押すと数に限りがある特殊攻撃が発動すること。
これでは特殊攻撃の誤爆が発生しやすい事この上なく、特に 360 度攻撃の機体はAボタンを多用するため、特殊攻撃はほとんど誤爆でなくなってしまいます。
ここはもう1つボタンを用意して欲しかったですね・・・

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は無料! 課金要素はありますが無料のままでも十分遊べますし、腕前があれば無課金でもオールクリアは可能です。
また、「20K($ 20,000)+ステージクリア時に表示される広告を非表示+レーザーのオプションを常時使用可能」というちょっとお得な課金が 85 円で用意されているので、寄付しても良いかなと思う人はこの課金がオススメです。

タッチパネルと横スクロールシューティングは相性がイマイチで、それはこのゲームでも感じるのですが、それでもこのゲームはかなり出来が良く、十分に楽しめる内容です。
スマホの横シューとしてはトップクラスのアプリと言っても良いでしょう

ともかくこのクオリティーでタダなので、落としておいて損はありません!
シューティングはややニッチなジャンルですが、無料アプリの定番になってもおかしくないゲームだと思います。

Toon Shooters (iTunes が起動します)