携帯アプリらしい、手軽に楽しめるファミコン風グラフィックのアクション RPG が登場し人気になっています。
魔女と勇者」です。

iTunes の★5評価率が異様に高いゲームですが、やってみるとそれも頷けます。
テンポの良いゲーム展開と、行き詰まりにくい手軽な難易度、中盤からは多数のモンスターを一掃する爽快感もあり、そして1時間ほどの適度な時間で遊びきることが出来ます。
つまり短時間で評価されやすい iTunes レビューに、非常にマッチした内容だと言えます。

そのぶんボリュームはない訳ですが、「作り方のセンスの良さ」みたいなものを感じますね。

魔女と勇者

2スティックで操作するゲームで、左側のスティックで「勇者」を動かします。
中央にはメデューサによって石にされてしまった「魔女」がいて、画面の外側から次々とモンスターが現れ、中央の魔女に向かって進んで行きます。

勇者はモンスターに体当たりしてダメージを与えることができ、さらに押し戻すことが出来ます。
中央の魔女がやられないように勇者でモンスターを撃退し続ける、ディフェンスゲームと言える内容ですね。
モンスターは後ろから攻撃すると大きなダメージを与えられますが、後ろから押すと言うことは、そのぶん魔女に近づけてしまう事になります。
魔女を守るには正面から押し返した方が良いので、この2つの使い分けもポイントになります。

モンスターを撃退していると最後にボスが登場し、これを倒すとステージクリア。
モンスターを倒していると経験値やお金になる宝石が出現し、これを拾い集めることでレベルアップしたり、装備を買って強くなることが出来ます。

そしてステージ4からは、モンスターを倒すと「魔物の血」が手に入るようになります。
これを集めて魔女のところに持って行くと一定時間だけ魔女が復活、画面全体を旋回する「竜巻の魔法」や、威力の強い「火球の魔法」でモンスターを撃退することが出来ます。
魔女の魔法の攻撃方向は右のスティックで操作可能。

魔法が強力になると多数の敵を一網打尽にすることができ、画面中に大量の宝石や宝箱が散らばります
そのアイテムのバラ撒かれっぷりはなかなか派手で、大量のアイテムを拾い集める面白さと爽快感がありますね。
最終的には攻撃のメインは魔女になり、勇者は防御とアイテム拾い係になります。

魔女と勇者
※最初は結構地味な展開ですが、それがあるからこそ中盤からの魔法攻撃による派手な展開が引き立っている感じです。
右の画像は後半に使えるパワーアップシーン。 背景が宇宙のようになって、魔法が強化され、勇者も無敵になります。
後半になるほど強さのインフレで簡単になっていくシステムは、爽快感を出すために敢えてそうしているのでしょうね。


魔女が何度もダメージを受けてやられてしまうとゲームオーバーになりますが、勇者はやられても一定時間で復活します。
状況によっては、「安全なときにワザとやられて回復しておく」ということも必要です。

もしゲームオーバーになっても、そのステージ内で手に入れた経験値やお金は半分獲得できます。
戦いが辛くなっても、前のステージに戻ってお金や経験値を稼いでくる事が出来るので、行き詰まることがなく、遊びやすいシステムになっていますね

1つのステージは2~3分ほどで終了し、テンポ良く楽しむことが出来ます。
1ステージが短いおかげで経験値稼ぎやお金稼ぎも苦にならず、強くなるのも早いので、ストレスなくプレイ出来ます

魔女と勇者
※グリグリするとグリグリうごく。 メッセージがほんわか系(?)で良いです。
右の画像はオープニング。 いきなり勇者がやられる出オチスタート。 全体的にユニークですが、ラスボス戦はなかなか本格的で、作るべきところはキッチリ作られています。


難点は、1時間ほどで終わってしまうボリュームの無さでしょう。
しかし私的には、これがこのゲームの高評価に繋がっている気もします。
相応に手強いラスボス戦の後、腹八分目ぐらいの手頃な時間でスカッとハッピーエンドになってくれるので、「あー面白かった!」「もうちょっとあっても良かったなー」ぐらいの感想で終われるのです。

面倒くささが出てこないうちに終わるので、楽しかった思い出だけで終結する、そんな感じですね。
結局のところ、ゲームと言うのは「うまく行くから面白い」という大前提があるので、誰でも楽しめてラストまで行ける難易度と長さでうまくまとめているのが、このゲームの最大のポイントかもしれません。

まあこう思えるのは安価なアプリだからであって、これで高めのアプリだったら「○○円のゲームなのにもう終わりかよ!」みたいな話になってしまうだろうけど。

定価は 85 円。(夏休み中は「無料セール」が行われています)
この価格なら手軽に楽しめて良いです。

スマートフォンのゲームの作り方の、1つの見本になるアプリではないでしょうか。
ゲームには色々なタイプがありますが、こういう短編的な作り方も1つの手なのだと思います。

魔女と勇者 (iTunes が起動します)