※このアプリは iOS8 によって動作不能となり、ストアからも削除されています。

何らかの分野で「超高校級」の才能を持つ高校生ばかりが集まった学園で、「誰かを殺さなければ卒業できない」「誰かが殺されると『学級裁判』が起こる」というルールの下、個性的な面々が奇妙な共同生活を送るアドベンチャーゲームが登場しています。
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」です。

2010 年末に PSP で発売されたゲームで、口コミでその評判が広まっていったゲームです。
iOS 版はその移植であり、iPhone と iPad の双方に対応、また画像を Retina 画質にする高画質モードも用意されています
(高画質モードは iPhone 4S か iPad 3 以上推奨で、iPhone 4 は高画質にしない事を勧められています。 ちなみに通常画質は PSP と同等です)
Android 版の発売も予定されていますが、実データ量が約 720 MB あるためご注意下さい。

「超高校級が集まる学園もの」「学級裁判で殺人事件を推理する」といった内容から、「ライトノベル風の逆転裁判」かと思っていたのですが、ちょっと違いました。
このゲームの雰囲気を一言で表すと「殺人ライアーゲーム」ですね。

個性的な面々が人生を左右する大金を賭けて様々なゲームで勝負する「ライアーゲーム」は、テレビドラマがヒットし映画にもなったので、ご存じの方が多いと思います。
そのライアーゲームの雰囲気を、バトルロワイヤル系の生き残り殺人ゲームに取り込んだような内容・演出と言えます。

ただし、このゲームには悪趣味系の残虐表現があります
かわいい感じのキャラクターが残酷な行為をするムービーがあり、こういう「ゆるキャラが残虐」みたいなナンセンスホラーは扱いたくないのですが・・・
このゲームはそれが演出の一部になっているので、それがダメな方はご注意を。
(ただ残虐表現を抑えるためか、血の色は赤ではなく明るい紫で表現されています)

なお、このゲームを発売したのは Spike(スパイク)というメーカーで、「侍道」や「忍道」シリーズで有名なところですが、今年の春にサウンドノベルや不思議のダンジョンで知られる「チュンソフト」と合併しました。
そのため iOS 版の発売メーカー名は Spike-Chunsoft(スパイク・チュンソフト)になっています。
これに伴い、428忌火起草 などもスパイク・チュンソフト名義に変わっています。

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

前置きが長くなりましたが・・・ ゲームは殺人事件が物語の中心となるミステリー・アドベンチャーゲームです。
再度言いますが、「アドベンチャーゲーム」です。
「ノベルゲーム」や「サウンドノベル」ではありません

最近のアドベンチャーゲームは実質ノベルゲームが多く、たまに出てくる選択肢を選ぶ以外は文章を読み進めていくことのみで進行するものが多いのですが、このゲームは自分で移動場所を選択し、任意に聞き込みや部屋の調査などを行います。

移動範囲は学園内のみとなっており、廊下では 3D グラフィックで表現された通路を移動、部屋に入るとトゥーンレンダリング(3D モデルを 2D イラスト風にアレンジして表現する技法)で部屋の様子が描かれます。
部屋の画像はパッと表示されるのではなく、構成する部品が各所から飛んで来て組み立てられていく形になっており、さすが PSP の市販ソフトだっただけあって、そこいらの簡易アドベンチャーゲームより凝った作りになっていますね。

部屋の中ではタップで調査を行い、人物をタップすると会話をします。
「SEARCH」のボタンを押すと反応する場所に丸印が表示されるため、調査できる場所が解らないという事はありません。

物語は、超個性的な 15 人の高校生が学園内に監禁され、学園長を名乗るクマのぬいぐるみ(モノクマ)から、以下のような「校則」を突き付けられます。

・誰かの死体が(3人以上に)発見されると、一定時間後に「学級裁判」が起こる
・学級裁判での討論の末、投票で正しい犯人が指摘されると犯人が「おしおき」される
・学級裁判で正しい犯人が指摘されなかった場合、犯人は「卒業」し、それ以外の全員は「おしおき」される

「おしおき」は要するに処刑で、結構残酷な表現もあります
登場人物は主人公以外、アクの強い人ばっかりで、個性が強すぎて引くかもしれませんが・・・
この手の設定は人物の個性が強い方が面白いというのは、ライアーゲームを見たことがある方なら解ると思います。
ずっとシリアスな訳ではなく、裁判の合間にユニークな会話も織り交ぜられる点は「逆転裁判」に似ていますね。

「学級裁判」のシステムも逆転裁判によく似ているのですが、弁護士と検事が1対1で争っていた逆転裁判とは違い、多人数による討論の形式で進行します。
さらに内容が「犯人さがし」「裏切り者さがし」みたいな感じであるため、前述したように逆転裁判よりはライアーゲームや人狼系の雰囲気です。
また、裁判では以下のようなミニゲームが出現し、ゲームにアクセントを与えています。

・ノンストップ議論
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
※学級裁判のメインとなるゲームで、いわゆる「逆転裁判」のシステム。
相手の発言の弱点(黄色表示)に、反論できる証拠をタップで撃ち込みます。
ゲームが進むと選択できる証拠、ダミーの弱点、撃ち込む際に邪魔になる「雑音」などが出現します。
また、有効な証拠がない時に、他人の発言を記憶して、それを反論に使うというケースも出て来ます。


・閃きアナグラム / マシンガントークバトル
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
※思い出す時などに出てくる「閃きアナグラム」(左画像)は、抜けているキーワードの穴埋めをするもので、飛んで来る文字をタップで撃ち落とします。
言い争いになると出現する「マシンガントークバトル」(右画像)は、リズムに合わせて飛んで来る文字をタップし、ショットボタンで撃ち落とします。
タッチパネル操作の影響だと思われますが、閃きアナグラムはすごく簡単で、逆にマシンガントークバトルは画面下のリズム表示を見ながら飛んで来る文字を同時に見つつ、さらに画面下のショットボタンやリロードボタンも併用しないといけないので、妙に難しいです・・・


・クライマックス推理
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
※討論の最終的なまとめを行うもの。 マンガ形式になっていて、抜けているコマに候補となるコマを当てはめていきます。 抜けている部分をタップすると、当てはめるべき絵のヒントが表示されます。
完成後は、各コマがアニメーションしながら進行する「再現」が行われます。
最終的にどういう事だったのか、これのおかげで解りやすく把握できます。


推理の難易度はそれほど高くありません。
それぞれの事件はかなり意外な展開を見せるものもあり、推理のロジックとしてはとても面白く、ストーリー後半には複雑なトリックも出てくるのですが、各ミニゲームでプレイヤーが行わなければならない推理の難度はあえて抑えられている印象です。

例えば三択の中から正解を選ぶ場合、正解以外の選択肢は明らかにおかしい内容で、普通に考えれば間違いようがないという場合が多いです。
(iOS 版は難易度が調整されているようなので、オリジナルより簡単になっているのかもしれません)

また、誤答やミニゲームのミスを起こし発言力(ライフ)がなくなっても、すぐに少し前の場面から「リトライ」することが出来るため、「解答が解らなくて行き詰まる」といったことがないように作られています

全体の展開は、すぐに殺人事件が起こって裁判になる訳ではありません。
大筋のストーリーが展開されるシーンと、他のキャラクターと過ごして友好度を高められる「自由時間」があり、さらに殺人事件が起こるとそのいきさつが語られ、証拠を集める「捜査時間」をプレイし、「学級裁判」になるのはそれからです。

上記の流れが1つの章になっており、1章だけでも4時間ほどのボリュームがあります
エンディングまでは 20~30 時間ほど必要で、全体のボリュームはかなりのものですね。

キャラクターのセリフは、探索中は「侍道」のように一部の音声だけが聞こえる形で、フルボイスで流れる訳ではありません。
一方、裁判中のセリフはすべてフルボイスになっています。
探索中の会話までフルボイスにすると容量が大変な事になってしまうでしょうから、これはこれで良い形だと思います。

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
※これが殺人ゲームの進行を行う「モノクマ」。 なんとボイスは「ドラえもん」でおなじみの大山のぶ代さん。
ドラえもんから引退後、5年を休止を経ての声優復帰第一作目がこのゲームだったそうで(しかも初めての悪役)、ハッキリ言ってその声はドラえもんにしか聞こえません。(そのパロディーなセリフも多い)
ただ残酷な「おしおき」をしたりするので、悪趣味なドラえもん MAD を見ているような雰囲気もあります。 他の声優陣も豪華ですね。


ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生
※学級裁判が始まるまでは、普通に(?)アドベンチャーゲームとして進行します。
突然 15 人が学園に閉じ込められたという設定なので、学園の探索を行うパートもあり、ずっと殺人事件の捜査をやっている訳ではありません。
自由時間に他のキャラクターとの親好を深めると、裁判で有利になる「スキル」を獲得できますが、難易度が抑えられているためスキルの獲得は必須ではなく、どちらかと言うとやり込み要素に近いです。


ただし、このゲームにはいくつか難点も見られます。
まず iTunes でも批判が多いのが、学園内を移動する 3D シーン。
なぜか画面右側をスライドして移動、画面左側をスライドして視点変更になっているのです。

ほとんどのゲームは左側で移動し、右側で視点変更なので、それが逆になっている形であり、もの凄く違和感あってやり辛い!
変更するオプション設定なんてものもありません。
何を思ってこうしたのか(それとも単なるミスなのか)解りませんが、慣れるまで時間がかかりますね。

※現在はアップデートで操作設定が出来るようになっています。

アドベンチャーゲームとしての操作性も良いとは言えず、移動シーンで各階にワープできたり、読み飛ばしたメッセージを確認する機能はあるのですが、それを利用するためにメニューを表示して「電子生徒手帳」を選択、そこから任意の機能を選ばなければならず、めんどくささがあります。
iOS のアドベンチャーゲーム(ノベルゲーム)の多くは画面をスライドするだけでログやセーブ機能を呼び出せるものが多いので、まだ PSP の操作を引きずっている印象がありますね。

あと、これは使用機種にもよりますが、「落ちる」「重い」といった意見も見られます。
実際 iPad 3rd でプレイしていても(高画質設定だと)移動中に重くなることがあり、たまにですが落ちたこともありました。
オートセーブなので落ちても直前から復帰できるのですが、そんなに重そうなグラフィックじゃないところでも妙に重かったりするので、まだ最適化が十分でないのかもしれません。
旧機種や iPod touch ではちょっと心配になりますね。

以下は Youtube で公開されている PSP 版の(体験版の)プロモーションムービーです。
ゲーム内容は iOS 版と変わりません。



本体は無料ですが、無料のままでは1章しかプレイできず、2章以降は1つ 500 円、もしくは全章セットで 2000 円の課金が必要です。
俗に言う「フリーミアム」の形式ですね。
iOS アプリとしては高額ですが、元は 5000 円のソフトであり、それだけのボリュームはあります。

1章だけは無料でプレイ可能で、その1章だけでもかなり長時間遊べるので、そこだけでも体験してみるのをオススメします。
始めて早々に 3D 移動シーンのスティック操作の問題にぶつかるため、そこでやり辛さを感じて辞めてしまう人も多いようですが、それだけで辞めるのは勿体ないゲームです

ただ、この「学園モノのナンセンスホラー」の雰囲気は好き嫌いがあると思うので、ちょっと人を選ぶゲームであることも確かでしょうね。

しかし久々の、ノベルゲームではない本格推理アドベンチャーです。
私的には「ゴーストトリック」のように、iOS 版の登場でさらに知名度が上がり、飛躍していくゲームなのではないかと思います

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 (iTunes が起動します)