iTunes で「スタッフのおすすめ」に選ばれており、海外でベストモバイルゲーム賞などの表彰も受けたという、コミカルなグラフィックの「パズルボブルの亜種」のゲームが登場しています。
Supermagical」(スーパーマジカル)です。

このゲームは「パズルボブル」を横向きにしたような内容で、魔法でピンチを打開できる要素があるものの、あまりオリジナリティーがある内容とは言えません
よって、そんなゲームで「ベストモバイルゲーム賞」とか言われても、なにか納得できないものがあるのですが・・・
しかしグラフィックや演出、サウンドや世界観などは高水準で、表彰されるに相応しい完成度であることも確かです

開発は「Super Awesome Hyper Dimensional Mega Team」という海外の中二病必殺技的な名前の小メーカーですが、イマイチ詳細は不明です。

Supermagical

画面の右から迫ってくるモンスター(ミニックス)に魔法の弾を発射し、同じ色を3つ以上繋げると消すことが出来ます。
弾は指定した角度で飛んでいき、慎重に狙いを付ける必要があります。
また、プレイヤーが放った魔法の弾はそのままモンスターに変化します。
モンスターは右端から連なっていて、途中のモンスターを消して分断すると、切れた部分のモンスターをまとめて撃退することが出来ます。

魔法の弾を一定数発射するごとにモンスターが1歩ずつ迫って来て、モンスターを消しきれずこちらの陣地まで到達してしまうとゲームオーバーです。

システムは前述したように「パズルボブル」のまんまですね。
ぶっちゃけ、パクリとまでは言わないけど、パズルボブルのクローンゲームです。

このゲームの(画面の向き以外の)オリジナルな点は、ゲームの進行に合わせて「賢者」が救出され、その力で強力な「魔法」を使えること。
賢者は2人まで連れていけるので、つまり2種類の魔法を装備できることになります。

魔法には指定の色のモンスターを全滅させたり、モンスター全体を押し戻したりする効果がありますが、「魔法の薬」の数しか使用できません。
これはステージ開始時に1つ持っていて、モンスターを消した際に追加で入手できる場合があり、最大5つまでストックできます。
ただしいくら貯め込んでも次のステージに持ち越すことは出来ません。(残った薬はコインに換金されます)

ステージをクリアする事で「チョココイン」を入手でき、さらにその場所のショップがオープンします。
ショップでは次に発射する弾の色を変えられる「キャンディ」や、様々な効果を持つ「ペット」と「装備」、大魔法の材料となる「魔法素材」、さらにゲーム進行に必要な「キーアイテム」の購入を行えます。

ステージを移動する際にはワールドマップが表示されます。
ワールドマップは結構綺麗で、ゲーム中の演出やサウンドも良いですね
メッセージも全て日本語化されており、丸文字のフォントも可愛らしい雰囲気を出しています。
冒頭でも述べたように、アプリの完成度はかなり高いです。

ステージが進むとボムの爆発のみでモンスターを撃退する「ボムステージ」や、指定された魔法弾で敵を全滅する「パズルステージ」、発射数ではなく時間制で敵が迫ってくる「タイムステージ」なども登場します。

Supermagical
※ボムは弾を当てるだけで周囲のモンスターを巻き込んで爆発します!
ボムはかなり頻繁に登場し、ボムでなければ破壊できない灰色のモンスターも多く登場するため、ボム狙いによる灰色モンスターの処理が重要です。 この点はちょっとパズルボブルとは違う点ですね。


Supermagical
※ワールドマップは結構綺麗。 ちょっとジブリ的な雰囲気の絵ですね。
ステージごとに付属のショップがあり、売り物が異なります。
前のステージのショップで買い物をしたい場合は1マスずつ戻って行く必要があるので、その点はちょっと面倒。
神経衰弱のミニゲームをやるイベントマスもあります。


Supermagical
※主人公の目的は異世界に封印されていた姉たちを元に戻すことですが、その方法はバトルではなく説得。
姉との会話では3つの選択肢が出てきて、間違うとモンスターをけしかけられてパズルステージになりますが、選択を間違わなければバトルすることなくクリアになります。
全体的にホノボノ系です。


このゲームの難点は、追加課金でしょう。
アプリ本体の定価は 85 円。 これはかなり安く、ボリュームや完成度を考えるとリーズナブルです。

しかし各地のショップで買い物をしているとコインがどんどん減っていき、さらにゲームを進行させるために必要な「キーアイテム」もコインを払って購入する必要があります
最初からまとまった量のコインを持っていますが、ステージクリアで得られるコインはそれほど多くないため、たとえアイテムの購入を控えても、キーアイテムの購入でコインはどんどんなくなっていきます。

1ステージで得られるコインは通常 400 前後ですが、弾の色を変えるキャンデーは1つ 200 、装備アイテムは 8000~10000 、ペットも同じぐらいの値段で、キーアイテムは最初は安いのですがどんどん値上がりし、中盤からは 3000 とか 8000 とかになっていきます。
つまり、コインがない時に 8000 のキーアイテムを買おうと思ったら、同じステージを 20 回ほど繰り返しクリアする必要がある訳で、無課金ではかなり大変です。

そんなゲームで、85 円で 5000 コインとか、170 円で 10000 コインとかの課金が用意されている訳で・・・
ぶっちゃけ、中盤からは課金前提のバランスになっていると思った方が良いでしょう。
ペットや装備も課金しないと利用困難なレベルですね。

このゲームをスムーズに楽しみたいのなら、思いきって最初に 500 円課金して、50000 コインほど獲得してしまった方が良いと思います。
そうすると 585 円になりますが、アプリとしてはそれでも見合うだけのボリュームとクオリティーはあると思います
しかしこんな最終的に必要になる課金額が解らないようなバランスは、やはり難点と言わざるを得ません。
装備とかペットをフル活用して楽しみたい場合は 500 円じゃ足りませんし。


そしてもう1つ、難点というか個人的にちょっと、と思う点は・・・ アイテムや魔法で切り抜けることが前提のシーンが多いこと。
パズルボブル」は完全に囲われているバブルの色は、手玉として出現しないという仕様がありました。
ちょっと説明し辛いのですが、赤いバブルが他のバブルで完全に閉じ込められている場合、赤いバブルが手玉に来てもそれは無駄撃ちするしかありません。
こういう状況を防ぐため、パズルボブルでは出てくるバブルの色が状況に合わせて制限されていたのですが、このゲームにはそんな配慮がないため、絶対に無駄撃ちするしかない色が手玉になるケースが多発します

これに対処できるようにするためか、手玉の色を変える「キャンデー」というアイテムが用意されているのですが、逆に言うとキャンデーの使用が前提になっていると言えます。
また、ステージによっては絶対に特定の魔法を使わないと切り抜けられない場合も存在します。

つまり、パズルとしてのゲーム性よりも、魔法やアイテムで突破する性質の方が強い訳ですね。
このシステムは、ちょっとパズルゲームとしては安易かなぁ、という印象が拭えません。
もちろんアイテムや魔法で切り抜けられるようにした方が、初心者の方でもプレイしやすいし、それはそれでゲームの面白さとも言えるのですが・・・

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は前述したように 85 円。 中盤からは課金しないとコイン稼ぎが大変になりますが、85 円だけでもかなり遊べるので、試してみても悪くないと思います。
全体のクオリティーの高さは iTunes の App Store で「おすすめ」になっている事からも解ると思います。
なお、iPhone / iPod touch と iPad の双方に対応したユニバーサルアプリで、iPad 3rd の大画面 Retina にも対応。

パズルボブルが好きだった方は、こちらも同じように楽しめるでしょう。
この手をプレイした事のない方も、こちらの方が遊びやすいと思いますが、パズルボブル と ニューパズルボブル が 450 円なので、課金も含めて考えるとどちらが良いのかは難しいところかなぁ。

私的には、もうちょっとオリジナルのゲーム性を追求して欲しかったところですが、でもヘタにオリジナリティーを出そうとして失敗してるゲームも多いので、この辺は微妙ですね。

Supermagical (iTunes が起動します)