真上から見た視点の、グラフィックの書き込みが非常にリアルな、しかしゲーム自体はとてもシンプルなレースゲームが登場し、ずっとランキングの上位になっています。
VS. Racing 2」です。

昔 ATARI(アタリ)が公開していた Super Sprint(スーパースプリント。リンクは Youtube 動画へ)というゲームによく似ていて、特に iPad でプレイするとほぼコース全景が表示されるため、似たような画面構成&ゲーム展開になります。
ただ、この VS. Racing 2 はかなり慣性が働くドリフトしまくりな挙動になっており、リアルに砂ぼこりが舞ったりもするため、見た目は Reckless Racing シリーズによく似ていますね。
しかし Reckless Racing 2 ほどコントロールが難しい訳ではないのでご安心を。

こうしたトップビューのレーシングゲームは日本でも欧米でも昔から一定の人気がありますが、最近のものはやや複雑化していた印象もあります。
このゲームはそんなトップビューのレースゲームをあえてシンプルに仕上げていて、これは狙ってそうしているのだと思われます。
開発メーカーは Maciek Drejak Labs というところですが詳細不明。 スウェーデンの小メーカーのようですが・・・ この手のトップビューのレースゲームは、みんなスウェーデン製ですね。

VS. Racing 2

コースを選んだらすぐにレース開始。
画面右下のハンドルを指で回転させてハンドリングを行います。
アクセルは自動ですが、ハンドルから指を離すと減速します。
ゴールすると順位に応じて賞金が貰え、次のレースに進めます。
基本はそれだけで、内容としては本当にシンプルですね。

しかしグラフィックの書き込みはかなり細かく、ドリフト時のタイヤの煙や、道路に付くタイヤの跡、コースアウトした時の砂ぼこりの表現などは非常にリアルです。

賞金で新車を買ったり、車を強化する要素もありますが、強化できるのは「最高スピード」「加速」「オフロード」の3項目のみで、それぞれ1~2段階しか強化できません。
車の数も初期のもの以外はまだ2つしかありません。

コースには「トロピカル」と「ジャングル」のテーマがあり、それぞれ9コース18レースが用意されています。
合計で 36 レースと、ボリュームは相応ですね。
トロピカルのコースは割と普通なのですが、ジャングルのコースには崖があったり脇道があったりして、ちょっと Reckless Racing 的になっています。

1位でなくても先に進めるのでオールクリアは早期に出来ますが、それぞれのコースで最高評価(指定の車種で1位+タイム一定以上)を取ろうと思うと、相応のやり込みが必要になります。

VS. Racing 2
※車はまだ3種類しかありません。 強化ポイントも3つのみ。
トロピカルのコースは最初の車でないと★3評価を得られないので、新車を買うより初期の車を強化していきましょう。
オフロード性能はジャングルコースで、オフロードに強いマシンのみで必要なものと言え、他のケースではムリに必要ありません。


VS. Racing 2
※ライバルとの性能差はあまりないので、勝って良いタイムを出すにはコース取りが重要になります。
S字で滑らかにインを突くことが大切ですね。 アウトインアウトはドリフトした方が速い場合も多いのでケースバイケースです。

このゲーム、多くのゲームをやって来た私にとっては、シンプル過ぎて物足りなさが否めません。
グラフィックや演出は綺麗ですが、やっぱり内容は単調で、もっとゲームシステム面でのボリュームが欲しいのが本音です。

でも、このゲームがランキングの上位に定着しているのは、この「シンプルさ」がウケているためだとも思います
ヘンに難しい要素がないので誰でもルールを理解でき、手軽に始められます。
車も非常にコントロールしやすく、それでいてドリフトする楽しさも味わえます
ムリに1位にならなくても先に進めるので、途中でハマることもありません。
煩わしいドライバーズポイントとか、チューンナップとか、クラス制限とか、そんなものもありません。
しっかりとしたレースを、ライトユーザーでも楽しめる形にまとめています

ここに色々な要素を詰め込もうと思えば出来るはずですが、これはあえてそうしていないのだと思います。
こういう作り方も iPhone では1つの正解なのかもしれませんね。

しかしこのゲーム、他にも色々と気になるところが多く、正直言って「未完成」な印象も拭えません

現時点(2012/9)では車種は合計9つ見えているのですが、そのうち6つは「Coming Soon」。
コースも「ダート」は開発中。(タップすると評価を促すウィンドウが開きますが、評価してもプレイ可能になる訳ではありません。 あくまで「開発のためにご意見をお寄せ下さい」というものです)
それでなくてもシンプルなのに、これではますます物足りない。

加えて各ステージの読み込み時間が iPhone とは思えないほど長く、iPhone 4 だとステージを開始するのに 30 秒ほど待たされたりします。
しかもこれでもマシな方。 なんと iPad 3rd だと1分半以上待たされる場合もあります。(もはやフリーズしたのかと思うレベル)
ここまで待ち時間があるのは異常なので、プログラム的に洗練されていないのか、なにか環境による問題でも起こっているのか、とにかくまだβテストな感じを受けます。

今の段階でも遊べるので、とりあえず先に公開して開発資金を確保し、後から完成を目指すという手法なのかもしれませんが・・・ (そう言うケースは間々あります。 某メーカーは特に)
でも、もうちょっと作っておいて欲しかったかな、というのも本音ですね。

以下は touchgameplay により Youtube で公開されているプレイ動画です。
この動画は iPad 版になります。(iPhone 版だともっと車周辺がアップになります)



価格は 85 円。 この値段ならお得なゲームだと思います。
とにかく遊びやすいレースゲームで、片手でもプレイできるので、移動中の暇つぶしにも良さそうですね。

ゲーマーにはシンプル過ぎると思いますが、私も Reckless Racing 2 を見た時は、車の挙動やシステムなどがマニアックになり過ぎていて、「これなら1の方が良かったかなぁ」という印象を受けました。
つまりプレイヤーそれぞれに「適した範囲」がある訳で、このゲームはより幅広い、ライトユーザー側の人を対象にしているのでしょうね。

私的には、「昔ながらのレースゲームを現代のグラフィックと演出で表現したもの」という印象も受けます。

VS. Racing 2 (iTunes が起動します)