「アニメ絵+ファンタジーRPG+タクティクス・オウガ」という感じの、PS2 で展開されていたシミュレーション RPG 「スペクトラルソウルズ」。
その二作目を PSP に移植したもの「新紀幻想 スペクトラルソウルズ II ~アンリミテッドサイド~」が iOS に移植されています。
アプリ名は単なる「スペクトラルソウルズ」になっています。
原作は 2005 年に発売されていて、PSP 初期の作品になります。
よって今のレベルで見ると、演出やグラフィックなどで見劣りするのは否めません。
ドットグラフィックのレトロゲームという訳ではなく、初期の 3D のゲームなので、返って今のスマホのゲームと比較すると古くさく見えてしまうのが難点です。
キャラクターの絵柄も「10年前のアニメの絵」という感じですね。
基本的には PSP 版をそのまんま移植して、操作の部分だけ変えた感じなので、解像度の違いの影響で文字なども粗いです。
ただ、PSP の市販ソフトだっただけあってボリュームは十分、容量も 1GB ある大作で、価格は 1200 円と高額ですが、シミュレーション RPG としてのゲーム性はなかなか作り込まれています。
前述したようにアプリ名は「スペクトラルソウルズ」ですが、実際にはシリーズ2作目です。
1作目はいかにもアニメっぽいストーリーだったようですが、2作目は戦争の末に魔族が支配する世界で、謎の「魔族による人間虐殺」が起こり、人間たちが各地で蜂起、一方で魔族の王も事態の鎮圧と調査を開始する、という歴史物語的なストーリーになっています。
このためゲームは人間側のパーティーと、魔族側のパーティーを交互に使用して進めます。
それぞれの視点から物語を見られるのは面白いですが、操作するチームや主人公がストーリーの進行に合わせてコロコロ変わるのは良し悪しといえますね。
町で買い物をする場面もありますが、基本的にはストーリーシーンと戦闘シーンを交互に繰り返して進めます。
戦闘シーンは 3D グラフィックで描かれており、「タクティクス・オウガ」や「ファイナルファンタジータクティクス」と同じような感じです。
操作はカーソルとボタンを使って行い、基本部分は PSP そのままなので、ボタンは A B C D の4つに加え、START ボタン、SELECT ボタン、L R ボタンがある8ボタン操作。
ボタンやカーソルは iPhone や iPod touch でやるには小さめです。
タッチパネルに最適化されていない操作ですが、ピンチ操作でのズームや、画面スライドでの視点変更などは可能で、操作性もそんなに悪いと言う程ではありません。
十字キーでのカーソル操作なので、少なくとも初期の FFT よりはマシですね。
また画面上部には各ユニットの行動順を確認できる表示があり、遊びやすい画面にはなっています。
ゲームの大きな特徴は、AP というポイントがあれば複数の行動を行える事と、複数のスキルをまとめて使う「ホールド」、複数のキャラで連係攻撃を行う「チャージ」があること。
各キャラは自分の番に移動と攻撃を行えますが、攻撃は1回とは決まっておらず、AP の範囲内で連続行動が可能です。
例えば敵が目の前にいて、AP が 14 ある場合、AP を 3 消費する「アタック」を2回、さらに AP を 4 消費する「スラッシュ」を2回、合計4回の攻撃を行ったり出来ます。
ただし移動は AP を 6 消費するので、移動して攻撃する場合は AP 8 の行動しか行えません。
もちろんこれは敵も同様なので、同じ敵が3回連続攻撃を繰り出してくる場合もあります。
「ホールド」は AP の範囲内で行動を組み合わせられるもので、例えば「スラッシュ」を2回連続で使用すると「トリプルスラッシュ」などの大技に変わったりします。
「ファイア」と「アタック」を連続すると「ファイアアタック」に変わるなどの合成技もあります。
「チャージ」は攻撃の予約で、A のキャラが B のキャラにチャージで「アタック」を入力した後、C のキャラが B のキャラを攻撃すると、その攻撃と同時に A のキャラが予約していたアタックが連続で発動します。
連携技を決めると通常より威力が高くなりますが、攻撃する相手が先に動いたり、チャージ中のキャラがダメージを受けると失敗になります。
これらの大技でオーバーキル的な大ダメージを与えられる場合もあり、色々な攻撃パターンを考えられるのがこのゲームの面白いところですね。
※「ホールド」攻撃をするには、「スキル」を選択し、右にある「R」ボタンを押して、それからカーソルで対象を選びボタンで決定後、使用するスキルを(使用する順番で)選択し、最後にスタートボタンを押して発動します。
操作手順は面倒ですが、基本的にはホールドで戦うのが基本ですね。
上記のように同じ技が2つ用意されている場合、それを連続で使うことで上位技になります。
※こちらは「チャージ攻撃」をしているシーン。 チャージ攻撃でも、1人目がファイア、2人目がアタックを使うと、「ファイアアタック」のチャージ攻撃になります。
行動力に余裕がある時は、攻撃1回分の AP を残してホールド攻撃し、それから残りの AP でチャージを入力しておくのが良いです。
ただしチャージは先に相手の番が回ってくると不発に終わるので、順番をよく確認しましょう。
戦闘システムはやや複雑ながら戦略性もあってかなり良いと思うのですが、難点は・・・
全体に漂う「B級」的な雰囲気でしょうか。
冒頭でも述べたように、フィールドのグラフィックは初期の PSP の 3D グラフィックであるため、垢抜けない感じが否めません。
キャラクターも総じて面長で、一世代前というか、韓国風というか、そんな感じのアニメ絵です。
さらに解像度の低い PSP のグラフィックにアンチエイリアス(ぼかし)をかけたような画質のため、iPhone で見た場合はまだマシなのですが、iPad の画面で見るとかなり粗く、文字フォントもガクガクです。
(操作は十字キーやボタンが大きくなる iPad の方がやりやすいのですが・・・)
戦闘時のキャラクターの声もイマイチで、数が少なく、しかも音割れしているようなチープな声。
2005 年のゲームですからそこまで古い訳ではないのですが、妙に「古くささ」のようなものを感じてしまいます。
レトロ風と言うより、「ヤボったい」という感じですね。
さらに iPhone のゲームなのに戦闘中のセーブがなく、オートセーブもなし。
一応マルチタスクにゲームは保持されますが、何かの影響でマルチタスクのデータが消えたらマップ画面の手動セーブの時点まで戻されてしまいます。
ゲーム中の解説も「×ボタン」などの PSP のボタン名がそのままになっていて、要するに操作以外に iPhone に合わせて改良している部分はありません。
ゲームシステムが良くても、これではちょっとなぁ・・・ と言うのが否めませんね。
※キャラクターが死んだ場合は魂のようなものになり、カウントダウンが行われ、0 になるとフィールド上から消えてしまいます。
しかしそのままキャラクターが消滅してしまう訳ではなく、戦闘終了後に復帰します。 そのままいなくなるタクティクスオウガやファイナルファンタジータクティクスほど厳しくはありません。
ただし復活者がいた場合、武器強化にも使用する「EP」というポイントが減らされます。
※キャラデザインはなんというか、一昔前という感じ。 まあ、実際に一昔前のゲームなんですが・・・
iPad でやると文字がガタガタで、キャラのドット絵も凄く簡素に見えるので、それのせいでチープさが倍増してしまいます。
このゲームに関しては、小さな画面のおかげで粗が目立たない iPhone / iPod touch の方が良いですね。
※フォントはアップにするとこんな感じです。
iPhone なら画面が小さいので気になりませんが、iPad の場合はかなり雑に見えます。
アプリ本体は無料で公開されていますが、無料のままでは体験版に過ぎず、3度目の戦闘までしかプレイできません。
それ以上プレイするには 1200 円で完全版にする必要があります。
このゲームで 1200 円は・・・ ボリュームは十分にあるし、ゲームシステムは悪くなく、PSP のソフトだったことを考えると、安いと言えるかもしれませんが・・・
しかしスマホでこれでは厳しいのは否めず、値段的にももうちょっと iOS への最適化を頑張って欲しかったのが本音です。
でも PSP にあった読み込み時間がなくなっていて、動作もオリジナルより速いようなので、原作のファンなら損はないかも。
グラフィックなどはやってるうちに慣れるので、シミュレーション RPG をやりたい人には悪くないですね。
捨てるには勿体ないゲームですが、色々な意味で「B級」です。
・スペクトラルソウルズ (iTunes が起動します)
その二作目を PSP に移植したもの「新紀幻想 スペクトラルソウルズ II ~アンリミテッドサイド~」が iOS に移植されています。
アプリ名は単なる「スペクトラルソウルズ」になっています。
原作は 2005 年に発売されていて、PSP 初期の作品になります。
よって今のレベルで見ると、演出やグラフィックなどで見劣りするのは否めません。
ドットグラフィックのレトロゲームという訳ではなく、初期の 3D のゲームなので、返って今のスマホのゲームと比較すると古くさく見えてしまうのが難点です。
キャラクターの絵柄も「10年前のアニメの絵」という感じですね。
基本的には PSP 版をそのまんま移植して、操作の部分だけ変えた感じなので、解像度の違いの影響で文字なども粗いです。
ただ、PSP の市販ソフトだっただけあってボリュームは十分、容量も 1GB ある大作で、価格は 1200 円と高額ですが、シミュレーション RPG としてのゲーム性はなかなか作り込まれています。
前述したようにアプリ名は「スペクトラルソウルズ」ですが、実際にはシリーズ2作目です。
1作目はいかにもアニメっぽいストーリーだったようですが、2作目は戦争の末に魔族が支配する世界で、謎の「魔族による人間虐殺」が起こり、人間たちが各地で蜂起、一方で魔族の王も事態の鎮圧と調査を開始する、という歴史物語的なストーリーになっています。
このためゲームは人間側のパーティーと、魔族側のパーティーを交互に使用して進めます。
それぞれの視点から物語を見られるのは面白いですが、操作するチームや主人公がストーリーの進行に合わせてコロコロ変わるのは良し悪しといえますね。
町で買い物をする場面もありますが、基本的にはストーリーシーンと戦闘シーンを交互に繰り返して進めます。
戦闘シーンは 3D グラフィックで描かれており、「タクティクス・オウガ」や「ファイナルファンタジータクティクス」と同じような感じです。
操作はカーソルとボタンを使って行い、基本部分は PSP そのままなので、ボタンは A B C D の4つに加え、START ボタン、SELECT ボタン、L R ボタンがある8ボタン操作。
ボタンやカーソルは iPhone や iPod touch でやるには小さめです。
タッチパネルに最適化されていない操作ですが、ピンチ操作でのズームや、画面スライドでの視点変更などは可能で、操作性もそんなに悪いと言う程ではありません。
十字キーでのカーソル操作なので、少なくとも初期の FFT よりはマシですね。
また画面上部には各ユニットの行動順を確認できる表示があり、遊びやすい画面にはなっています。
ゲームの大きな特徴は、AP というポイントがあれば複数の行動を行える事と、複数のスキルをまとめて使う「ホールド」、複数のキャラで連係攻撃を行う「チャージ」があること。
各キャラは自分の番に移動と攻撃を行えますが、攻撃は1回とは決まっておらず、AP の範囲内で連続行動が可能です。
例えば敵が目の前にいて、AP が 14 ある場合、AP を 3 消費する「アタック」を2回、さらに AP を 4 消費する「スラッシュ」を2回、合計4回の攻撃を行ったり出来ます。
ただし移動は AP を 6 消費するので、移動して攻撃する場合は AP 8 の行動しか行えません。
もちろんこれは敵も同様なので、同じ敵が3回連続攻撃を繰り出してくる場合もあります。
「ホールド」は AP の範囲内で行動を組み合わせられるもので、例えば「スラッシュ」を2回連続で使用すると「トリプルスラッシュ」などの大技に変わったりします。
「ファイア」と「アタック」を連続すると「ファイアアタック」に変わるなどの合成技もあります。
「チャージ」は攻撃の予約で、A のキャラが B のキャラにチャージで「アタック」を入力した後、C のキャラが B のキャラを攻撃すると、その攻撃と同時に A のキャラが予約していたアタックが連続で発動します。
連携技を決めると通常より威力が高くなりますが、攻撃する相手が先に動いたり、チャージ中のキャラがダメージを受けると失敗になります。
これらの大技でオーバーキル的な大ダメージを与えられる場合もあり、色々な攻撃パターンを考えられるのがこのゲームの面白いところですね。
※「ホールド」攻撃をするには、「スキル」を選択し、右にある「R」ボタンを押して、それからカーソルで対象を選びボタンで決定後、使用するスキルを(使用する順番で)選択し、最後にスタートボタンを押して発動します。
操作手順は面倒ですが、基本的にはホールドで戦うのが基本ですね。
上記のように同じ技が2つ用意されている場合、それを連続で使うことで上位技になります。
※こちらは「チャージ攻撃」をしているシーン。 チャージ攻撃でも、1人目がファイア、2人目がアタックを使うと、「ファイアアタック」のチャージ攻撃になります。
行動力に余裕がある時は、攻撃1回分の AP を残してホールド攻撃し、それから残りの AP でチャージを入力しておくのが良いです。
ただしチャージは先に相手の番が回ってくると不発に終わるので、順番をよく確認しましょう。
戦闘システムはやや複雑ながら戦略性もあってかなり良いと思うのですが、難点は・・・
全体に漂う「B級」的な雰囲気でしょうか。
冒頭でも述べたように、フィールドのグラフィックは初期の PSP の 3D グラフィックであるため、垢抜けない感じが否めません。
キャラクターも総じて面長で、一世代前というか、韓国風というか、そんな感じのアニメ絵です。
さらに解像度の低い PSP のグラフィックにアンチエイリアス(ぼかし)をかけたような画質のため、iPhone で見た場合はまだマシなのですが、iPad の画面で見るとかなり粗く、文字フォントもガクガクです。
(操作は十字キーやボタンが大きくなる iPad の方がやりやすいのですが・・・)
戦闘時のキャラクターの声もイマイチで、数が少なく、しかも音割れしているようなチープな声。
2005 年のゲームですからそこまで古い訳ではないのですが、妙に「古くささ」のようなものを感じてしまいます。
レトロ風と言うより、「ヤボったい」という感じですね。
さらに iPhone のゲームなのに戦闘中のセーブがなく、オートセーブもなし。
一応マルチタスクにゲームは保持されますが、何かの影響でマルチタスクのデータが消えたらマップ画面の手動セーブの時点まで戻されてしまいます。
ゲーム中の解説も「×ボタン」などの PSP のボタン名がそのままになっていて、要するに操作以外に iPhone に合わせて改良している部分はありません。
ゲームシステムが良くても、これではちょっとなぁ・・・ と言うのが否めませんね。
※キャラクターが死んだ場合は魂のようなものになり、カウントダウンが行われ、0 になるとフィールド上から消えてしまいます。
しかしそのままキャラクターが消滅してしまう訳ではなく、戦闘終了後に復帰します。 そのままいなくなるタクティクスオウガやファイナルファンタジータクティクスほど厳しくはありません。
ただし復活者がいた場合、武器強化にも使用する「EP」というポイントが減らされます。
※キャラデザインはなんというか、一昔前という感じ。 まあ、実際に一昔前のゲームなんですが・・・
iPad でやると文字がガタガタで、キャラのドット絵も凄く簡素に見えるので、それのせいでチープさが倍増してしまいます。
このゲームに関しては、小さな画面のおかげで粗が目立たない iPhone / iPod touch の方が良いですね。
※フォントはアップにするとこんな感じです。
iPhone なら画面が小さいので気になりませんが、iPad の場合はかなり雑に見えます。
アプリ本体は無料で公開されていますが、無料のままでは体験版に過ぎず、3度目の戦闘までしかプレイできません。
それ以上プレイするには 1200 円で完全版にする必要があります。
このゲームで 1200 円は・・・ ボリュームは十分にあるし、ゲームシステムは悪くなく、PSP のソフトだったことを考えると、安いと言えるかもしれませんが・・・
しかしスマホでこれでは厳しいのは否めず、値段的にももうちょっと iOS への最適化を頑張って欲しかったのが本音です。
でも PSP にあった読み込み時間がなくなっていて、動作もオリジナルより速いようなので、原作のファンなら損はないかも。
グラフィックなどはやってるうちに慣れるので、シミュレーション RPG をやりたい人には悪くないですね。
捨てるには勿体ないゲームですが、色々な意味で「B級」です。
・スペクトラルソウルズ (iTunes が起動します)
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