クオリティーの高い 3D グラフィックと、著名なミュージックコンポーザーによる楽曲が融合した、スクエニ製の新しい音楽ゲームが登場しています。
DEMONS' SCORE」です。

ゲーム内容を簡単に表現すると、ゲームシステムは「押忍!闘え!応援団」、グラフィックは「アンリアル・エンジン」、舞台設定や演出は「最近のスクエニ」ですね。
販売はスクエニですが、開発元は「押忍!闘え!応援団」の  iNiS(イニス)。
このメーカーは iOS では アレ を作ってたりするので、若干の不安がありましたが・・・ 今回は得意分野で勝負してきたという所でしょうか。

ジャンルとしては「音ゲー」で、全体的にハイクオリティーなのですが、どちらかと言うと「音楽」よりも、声優をフル活用したムービー的な演出の方がメインです。
ですから純粋な音ゲーをやろうと思っていると「アレ?」となるのでご注意を。

DEMONS' SCORE

ゲームは前述したように、DS で発売されていた「押忍!闘え!応援団」のシステムそのまんまです。
曲に合わせてマークが出るので、それを順番にタップしていきます。
フリックするマークや指でなぞっていくマーク、連打するマークなども出現しますが、そんなにトリッキーな操作のものは存在しません。
ミスするとゲージが減少していき、なくなるとゲームオーバーですが、プレイがうまければゲージは徐々に回復していきます。

譜面はプレイしやすい形になっていて、次のタップ位置がラインで示されており、フリックも次のマークの方向を向いているなど、全体的に違和感なくプレイできる配置になっています。
ただ、最初は「イージー」しか選択できませんが、イージーはちょっと簡単すぎる気も。
音ゲーとして楽しめるのは2週目の「ノーマル」からですが、そのためこのシステムの面白さを実感できるまで、ちょっと時間がかかる印象です。
まあ、この点はプレイヤーにもよるとは思いますが・・・

ゲームの大きな特徴は、Unreal Engine(アンリアル・エンジン)で描かれたハイクオリティーな 3D グラフィックと、それによるムービー、さらに豪華声優陣によるボイス。
見た目はシリアス風ですが、セリフは割とコミカルで、かつアニメ的
おそらく「このデザインと 3D グラフィックなのにこのセリフ」みたいな見た目と内容のギャップを狙っているのだと思います。

ステージの間のシーンはいわゆる「紙芝居」ですが、ゲーム中はバックにリアルな 3D の戦闘シーンが表示されており、キャラクターのセリフも非常に多く、さらに間奏中のムービーやセリフも音ゲーとしてはかなり長めです。
よってもはや「ムービー付き音ゲー」と言うより、「音ゲーが付いたムービー」であり、ゲームをやっていると言うよりは、合間にゲームが入る CG アニメを見ているような印象ですね。

DEMONS' SCORE
※デーモンと一緒にユーロビートで踊る主人公。 シリアスだかコミカルだかよく解らない妙なストーリーです。
基本的に「おバカ」ですが、おバカに徹底している訳でもありません。
アメリカ映画的なコミカルホラーっぽい感じがありますが、後半になるとアニメ的なキャラも増えてきます。


DEMONS' SCORE
※主人公は倒した悪魔と契約して「衣装チェンジ」できます。 衣装を変える際には美少女アニメばりの変身シーンが流れます。 うん、この辺は最近のスクエニ。
ただ、見た目は完全に女性なのに、変身後は契約した悪魔の声になるため、ボイスが男声になったりします。
この見た目で渋い男の声で喋るのは相当違和感。 っていうか誰が喋ってるのか解らなくなってくる。


DEMONS' SCORE
※ステージの合間に入る移動シーン。 ちょっと解りにくいのですが、この画面に出ている弾のようなものはタップで破壊しないとダメージを受けます。
この弾に限っては、マークも何も出ず、曲やリズムにも無関係で飛んで来ますが、単なる演出ではないので要注意。


賛否がありそうなのは、声優を使いまくりの演出。
ゲーム中、音ゲーであるにも関わらず、曲の内容とは関係ない声優のボイスが入りまくります。
相当豪華な声優陣をそろえているだけに、そこを演出の中心にしたいのだと思いますが、そのおかげで曲より声しか耳に入って来ません。

もちろん声優が好きな方もいますから、この点は好みによると思うのですが、もはや曲は単なる BGM に近く、アクションとボイス、間奏中の演出の方がメインです

これは「音ゲーとしてどうなんだろう?」というのを感じざるを得ません。
まあ「音楽がメイン」だと思ってたからこう感じるのであって、最初から「CG がメイン」「声優がメイン」だと考えていれば、違和感はないのかもしれませんが。

同じような音楽ゲームがたくさんあっても意味がないので、スクエニはスクエニらしく、グラフィックとムービー演出とボイスで勝負した、という感じでしょうか。
そもそもゲーム中にこんなにセリフを入れるとボーカル付きの曲は流せない訳で、その点でもボーカルよりセリフ演出を選んだって事でしょうね。

ジャンルは違いますが、やはりノリとしては「ミリオンアーサー」や「星葬ドラグニル」、「乙女ブレイク」などの昨今のスクエニ路線のゲームと言えそうです。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 1500 円。 課金アイテムはありますが、必須なものではありません。
今回は本体無料という訳ではないので、ちょっと買い辛くなっているとは思いますが、私的には「追加課金型」から脱却して、最初の金額だけで全部遊べる「買い切り型」に戻したのは、健全化している印象です。

やや評価の難しいゲームですが、オススメかどうかと言われると、最近のゲームユーザーにはお勧めできますね。
色々思うことはありますが、演出はやはり凄いし、音ゲーとしても(難易度ノーマル以上なら)十分に楽しめるので、やはりそこいらの音ゲーよりクオリティーは高いです

ただ個人的には、音ゲーに声優ボイスは邪魔かなぁ・・・ 歌ってるんなら別ですが・・・
あと意外に(?)アニメっぽさが強いので、それに抵抗のある人は違和感が大きいかも。
少なくとも、シリアスホラー的なゲームだと思って手を出すと「ちがーう!」となりますのでご注意を。

すごく私的な感想ですが、DS の「応援団」を相当やり込んでいた(海外版まで取り寄せた)自分としては、これはこれでも良いんだけど、やっぱり「応援団」がやりたかったと言うか、イニス部分は良いけどスクエニ部分が違うというか、そんな気もしてしまいます。

ともあれ、価格分のクオリティーのあるゲームですし、音ゲー好きなら試して損はないと思います。

DEMONS' SCORE (iTunes が起動します)