2010 年、タッチパネルでも快適に戦える操作性で世界の iPhone ユーザーを驚かせた「ストリートファイター IV」が発売され、2011 年にはスマホでオンライン対戦が出来る夢の機能を備えた「ストリートファイターIV Volt」が登場しました。
そして 2012 年の先日・・・ 春から予告されていた待望の iPhone 版ストリートファイターシリーズの最新作が公開されています。
「ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE」です。
「X」の部分は「クロス」と読みます。 よって略称は「ストクロ」。
タイトル名の通り、カプコンの「ストリートファイター」シリーズのキャラクターと、ナムコの「鉄拳」シリーズのキャラクターが一堂に会して戦う、お祭り的なバージョンです。
ゲーム性は 2D(平面)ですが、グラフィックは完全な 3D になり、Retina 画質に対応してより綺麗になりました。
そのため iPhone 3GS やiPod touch(第4世代以前)、初代 iPad は非対応となりましたが、iPhone 4 は十分に楽しむ事が可能です。
※ iPod touch 第4世代 は対応していました。 iPod touch 第3世代以前が非対応です。
ただやっていて思うのは、このゲームは格闘ゲームマニア向けに作られた『スト3』に近い内容であり、スト2への原点回帰を目指して作られた『スト4』のタイプではないということ。
初心者向けに調整されている部分もありますが、スト4とは別の格ゲーと言え、そのため「iOS 版スト4の続編」だと思ってプレイすると違和感があります。 もちろん戦い方もかなり違いますね。
仮想スティックと4つのボタンで操作し、ボタンは「パンチ」「キック」「必殺技(SP)」の3つと、パートナーと交代する「クロス(X)」のボタンになっています。
必殺技はコマンド(レバー操作+ボタン)を入力しても出せますが、必殺技ボタン1つで簡単に出すことも可能です。
例えば、SP ボタンを押すだけで「波動拳」が出て、下+SP ボタンだけで「昇竜拳」が出ます。
この辺りは iPhone の格ゲーおなじみの操作方法ですね。
ガード可能な状態なら自動でガードしてくれる「オートガード」も用意されており、この「カンタン必殺技」と「オートガード」によって格闘ゲーム初心者の方でもプレイ出来るようになっています。
冒頭で「マニア向けになった」と書きましたが、コンピューターと戦うだけなら(スト4ほどではありませんが)格闘ゲームを普段やらない方でも遊ぶことが出来るでしょう。
今回は2人のキャラクターを選択し、「タッグ」で戦う形式になっています。
しかし順番に登場するのではなく、1人目が「メイン」、2人目は「サブキャラクター」になっていて、ゲーム中に任意に交代できます。
パートナーとの交代は「X」ボタンを押すか、「前+Xボタン」で交代攻撃を当てると行われます。
サブキャラクターは体力ゲージが別に用意されていますが、このゲージはサブキャラクターを使っていると時間と共にどんどん減っていき、ダメージを受けるとさらに減少、なくなってからダメージを受けると強制交代となります。
ただ、サブキャラクターのゲージは引っ込めていればどんどん回復していくので、1回の勝負で何度か呼び出すことが可能です。
勝敗は「メイン」のキャラの体力のみで判定され、メインがやられたらサブの体力は無関係で決着が付きます。
もちろん昨今の格闘ゲームでおなじみの「超必殺技」も用意されています。
戦っていると徐々に「SPゲージ」というものが貯まっていき、ゲージが2目盛り分たまってからゲージをタップすると超必殺技が発動します。
「コマンド入力+SPボタン」で通常より強い「EX必殺技」を出すことも可能です。
この辺りは ストIV Volt や KOF 2012 などと同様なので、既存の格ゲー経験者なら違和感なく使うことが出来るでしょう。
ちなみに、「鉄拳」らしい操作は何もありません。
鉄拳の要素はキャラクターだけで、ゲームシステムは完全に「ストリートファイター」そのものです。
※超必殺技で KO するとド派手な演出が。 この辺も最近の格ゲーではおなじみですね。
超必殺技を撃つ時にはキャラクターのアニメーションが一瞬表示されます。
そして今作の特有のシステムについてですが・・・
まず、連続技がパンチボタン連打、キックボタン連打で簡単に出せます。
オリジナルのストクロは弱・中・強のパンチ・キックのボタンがありましたが、iOS 版はパンチとキックが1つずつしかないので、通常技の使い分けはレバー操作と併用して行います。
しかしそれでは連続技は難しいので、敵の近くで連打するだけで複数の攻撃を組み合わせた1セット攻撃を入れてくれるようになっています。
見た目もカッコイイ連続技が簡単に出せるので入るので、お手軽でいいですね。
しかしお手軽なのはここまで。
残りは良く言えばゲームに深みと戦略を与え、悪く言えば難解で取っ付き辛く、初心者フルボッコの要因になっています。
まず重要なのは、前+Xボタンで出る交代攻撃の「ランチアタック」。
これは単体で出しても隙が大きく使い辛いのですが、連続技から繋げる事で隙なく実行でき、さらに交代直後のキャラが敵に追い打ちをかけることが可能です。
さらにランチアタックを決めるとランダムで「ジェム」を獲得でき、攻撃力や防御力などが上がります。
交代は単にXボタンを押すだけでも行えるのですが、かなり隙が大きいため、ランチアタックへの繋ぎ、さらにそこからの連続攻撃が重要になります。
またサブキャラクターのゲージが無くなって「強制交代」になった時も隙が大きいため、この対処も必要になります。
なお、画面端の「顔」をタップすると SP ゲージを全部使って交代しながら連続攻撃を行う合体技を繰り出せます。
また、サブキャラクターのゲージがなくなって、あと1発食らうと強制交代という状態の時には「パンドラ」というボタンが現れます。
これを押すとサブキャラクターが使用できなくなりますが、メインキャラクターが強化され、さらに体力も回復、見た目もブラックに変貌します。
しかしパンドラ状態は一定時間で解除され、解除後はどんどん体力が減少していきます。
一発逆転に使うものと言えますね。
他に、ガード中にXボタンを押すと SP ゲージを1つ消費しますが、「ガードキャンセル攻撃」という反撃を行えます。
また、起き上がり時に前にスティックを入れておくと前転起き上がりになり、ダウン時にタイミング良く下かボタンを押すと素早く起き上がる「クイックスタンディング」になります。
このゲームはダウンからの脱出が難しい場合があるので、それの回避に必要になります。
一部の必殺技は「タメ攻撃」も可能です。
そしてもっとも重要なのは、様々な攻撃から連続技が派生することで、多彩な連続技を繋げられるように調整されているようです。
よって相手の隙を突いて連続攻撃を叩き込むことが重要で、さらに状況によってランチアタックに繋ぐかどうかの判断も必要になります。
この辺の連続技の要素は他の格闘ゲームにもありますが、このゲームは特にその要素が強いようで、そのため格闘ゲームマニアならかなりやり甲斐があり、研究しがいのあるシステムに仕上がっているようです。
一方で、それらを習得していない人は、慣れるまでかなり辛い戦いを強いられます。
さらにシステムを理解していない人だと単なるサンドバッグです。
ストIV Volt の時はそこまでではなかったので、マニアな人から「実力が反映されにくい」「手軽すぎる」みたいな批判があったのですが、逆に初心者でもなんとかなりました。
しかし今作は非常に深みがある反面、初心者が対戦に参加するのは厳しいゲームになっている印象ですね。
※交代攻撃「ランチアタック」。 ここにうまく繋げられる連続技や攻撃パターンを習得しておかないとかなり厳しい印象。 事前に練習しとかないとダメですね。
これを当てるとスロットが回り、攻撃力や防御力アップが得られるのですが、これは iPhone 版オリジナルの要素のようです。
サブキャラクターには積極的に交代しましょう。 メインキャラクターの体力が少し回復しますし、ボコボコにされてもメインキャラの体力には無関係です。
※サブキャラクターを犠牲にする「パンドラ化」でブラックな状態に。
ライフが回復して能力も上がりますが、解除されると体力がどんどん低下するため勝負を急がないといけません。
使うにはサブキャラクター使用中、そのゲージが尽きている必要があるので、使いたくてもチャンスがないこともあります。
パンドラ化した時の能力や、ランチアタックの時に出るジェムは、「パンドラボックス」というものを購入/強化することでパワーアップできます。
そして注目の「オンライン対戦」ですが・・・ ここが iTunes レビューで批判される元になっています。
ただ、誤解している人もかなり多いようなので注意して下さい。
オンライン対戦には「公式試合」と「模擬試合」、Bluetooth 対戦があります。
このうち「公式試合」はメニューの「みんなと対戦」から実行するもので、1ゲームに1クレジットが必要です。
ただし試合に勝った場合、クレジットは消費されません。
このクレジットは最大3つまでしか貯まらず、全部なくなると6時間ほど待たないと回復しません。
課金通貨のゴールドで回復させる事も出来ますが・・・ そのために「今回は対戦が課金かよ!」という批判が多く上がっています。
ただし通常の乱入対戦は、この「公式試合」ではありません。
1人プレイ時に乱入対戦を ON にしておくと、ゲームをプレイしながらマッチングを待つ事ができ、他のプレイヤーが見つかれば自動的に対戦に移行しますが、この乱入対戦は「模擬試合」となっていてクレジットは消費されません。
つまり旧来の乱入対戦に制限はありません。
この区別が出来ていない人が多いようで、iTunes レビューでも「対戦は全部クレジット制」みたいな書き方をしているものが目立つのですが、そうではないので間違わないようにして下さい。
しかし今作のオンライン対戦は、色々と難点が多いのも確かです・・・
まず、乱入対戦は1セットマッチになっていて、通常の2セットマッチではありません。
乱入対戦でも通信待ちをしてキャラを選択し、ステージを選んで、それから始まるのに、1回だけですぐに終わるため、すごくテンポが悪い印象です。
おまけに同じ人と何度もマッチングされる場合があり、対戦の可否とキャラの選択、ステージ選択をして1セットだけの対戦をした後、再び対戦して各項目を選んでゲームが始まったらまた前と同じ対戦だと、「だったら連続でやらせろよ」と言いたくなります。
そしてそんなことが3回ぐらい繰り返されると「どうにかならないのかこのシステム」と思いますね。
さらに乱入対戦はあくまで「模擬試合」なので、戦績は残りません。
それはそれで勝敗を気にせずに色々なキャラを試せる利点はありますが、なんの記録も残らないのはやっぱり寂しい。
一方、「公式試合」は乱入対戦ではないので、マッチングされるまで何もせずにボーっと待たないといけません。
ゲームをやりながらマッチングを待てるのが最大の利点のはずだったのに、その利点をここに来てぶち壊しにする謎仕様。
しかもクレジットが限られていますから、それがなくなった人は当然対戦しない訳で、そのぶんプレイヤーが減ってマッチングに時間がかかります。
それでなくても何もせずに待たないといけないのにマッチングも遅くするという二重苦。
ストIV Volt の何がプレイヤーに支持されたのか、開発側は理解できていなかったんですかね・・・?
ただ、今回から対戦相手の地域を選べるようになっていて、このため海外の人とマッチングされて回線が最悪、という事態を防げるようになっています。
対戦相手のレベルも選択可能で、まだ開始直後なので初心者が他機種版の経験者と思われるやたら強い人とマッチングされたりしますが、徐々に初心者が上級者に当たることは減っていくと思われます。
ただ、このシステムだとランク分けが進んだら進んだで、マッチング相手が減って余計に対戦が始まらなくなっていく気もしますが・・・
個人的に気になるのは、1人用が簡素なことですね。
1人用をクリアすると、そのキャラのトレーニングモード(連続技を練習できるモード)が解禁されますが、キャラ別のエンディングとか、そういったものはありません。
KOF 2012 にはチームごとのエンディングムービーがあったし、カードの収集要素などもあり、1人プレイでも楽しめるようになっていました。
しかしこちらは対戦がメインだからか、1人用は「練習用」と割り切ったような作りです。
でも初心者が対戦に挑んでもフルボッコになるだけだし、もうちょっと格ゲーマニア以外でも楽しめる内容が欲しかったところです。
また、iPad で見るとちょっと画質の粗が目立つのも難点でしょうか・・・
iPhone だと非常に綺麗でハイクオリティーな画質なのですが、結構キャラがアップになるので、iPad でアップになるとポリゴンやテクスチャの粗さが目立ちますね。
※あと、これはアップデートですぐに修正されるとは思いますが、iPad でプレイすると画面反転が働かず(iPhone だと働く)、しかも電源ボタンが右手の手のひらの場所に来てしまうため、プレイ中に誤って電源ボタンが押されてしまう問題が多発します。 これは通信対戦ではかなり致命的です。
キャラクターが少ないという批判も多いようですが、私的には 10 人いれば「少ない」ってことはないんじゃない? と思います。
今回は連続技などが作り込まれているので 10 人でも十分に奥深い印象で、文句を言っている人には「お前この 10 人使いこなせるのかよ」と言いたくなります。
とは言え「自分のメインキャラがいない!」という人も多いでしょうから、それに対する批判は否定できませんが。
以下は Youtube で公開されている(海外版の)ゲームのプレイ動画です。
定価は 450 円。(2012/9 現在は発売セールで 250 円)
これだけのクオリティーのゲームが 450 円というのはかなりリーズナブルだと思います。
iTunes では割と賛否両論なのですが、このゲームがこの値段で賛否両論になるって、厳しい市場だなぁ、と今更ながら思います・・・
まあ スト4 Volt と比べると、確かに批判されやすい内容なのですが。
価格が安めなのはオンライン対戦の課金を見越しているからかもしれませんが、もしそうだとすると課金に対するユーザーの反感を甘く見ている気もしますね。
この辺は最近のメーカーに全般的に見られる傾向な気がします。
(なお、課金は 450 円で 50 G。 最低 450 円という所が厳しいですが、1G で1クレジットなので、1回が約 10 円です)
ともあれ、格闘ゲームとしての完成度は、やはり流石だと思います。
移植版というより iOS 用に再調整したオリジナルバージョンに近いようですし、色々と見える「粗」も今後修正されていくと思います。
ライトユーザー向けとは言い辛いですが、ゲーマーにとっては必携タイトルの1つと言って良いでしょう。
・ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE (iTunes が起動します)
そして 2012 年の先日・・・ 春から予告されていた待望の iPhone 版ストリートファイターシリーズの最新作が公開されています。
「ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE」です。
「X」の部分は「クロス」と読みます。 よって略称は「ストクロ」。
タイトル名の通り、カプコンの「ストリートファイター」シリーズのキャラクターと、ナムコの「鉄拳」シリーズのキャラクターが一堂に会して戦う、お祭り的なバージョンです。
ゲーム性は 2D(平面)ですが、グラフィックは完全な 3D になり、Retina 画質に対応してより綺麗になりました。
そのため iPhone 3GS や
※ iPod touch 第4世代 は対応していました。 iPod touch 第3世代以前が非対応です。
ただやっていて思うのは、このゲームは格闘ゲームマニア向けに作られた『スト3』に近い内容であり、スト2への原点回帰を目指して作られた『スト4』のタイプではないということ。
初心者向けに調整されている部分もありますが、スト4とは別の格ゲーと言え、そのため「iOS 版スト4の続編」だと思ってプレイすると違和感があります。 もちろん戦い方もかなり違いますね。
仮想スティックと4つのボタンで操作し、ボタンは「パンチ」「キック」「必殺技(SP)」の3つと、パートナーと交代する「クロス(X)」のボタンになっています。
必殺技はコマンド(レバー操作+ボタン)を入力しても出せますが、必殺技ボタン1つで簡単に出すことも可能です。
例えば、SP ボタンを押すだけで「波動拳」が出て、下+SP ボタンだけで「昇竜拳」が出ます。
この辺りは iPhone の格ゲーおなじみの操作方法ですね。
ガード可能な状態なら自動でガードしてくれる「オートガード」も用意されており、この「カンタン必殺技」と「オートガード」によって格闘ゲーム初心者の方でもプレイ出来るようになっています。
冒頭で「マニア向けになった」と書きましたが、コンピューターと戦うだけなら(スト4ほどではありませんが)格闘ゲームを普段やらない方でも遊ぶことが出来るでしょう。
今回は2人のキャラクターを選択し、「タッグ」で戦う形式になっています。
しかし順番に登場するのではなく、1人目が「メイン」、2人目は「サブキャラクター」になっていて、ゲーム中に任意に交代できます。
パートナーとの交代は「X」ボタンを押すか、「前+Xボタン」で交代攻撃を当てると行われます。
サブキャラクターは体力ゲージが別に用意されていますが、このゲージはサブキャラクターを使っていると時間と共にどんどん減っていき、ダメージを受けるとさらに減少、なくなってからダメージを受けると強制交代となります。
ただ、サブキャラクターのゲージは引っ込めていればどんどん回復していくので、1回の勝負で何度か呼び出すことが可能です。
勝敗は「メイン」のキャラの体力のみで判定され、メインがやられたらサブの体力は無関係で決着が付きます。
もちろん昨今の格闘ゲームでおなじみの「超必殺技」も用意されています。
戦っていると徐々に「SPゲージ」というものが貯まっていき、ゲージが2目盛り分たまってからゲージをタップすると超必殺技が発動します。
「コマンド入力+SPボタン」で通常より強い「EX必殺技」を出すことも可能です。
この辺りは ストIV Volt や KOF 2012 などと同様なので、既存の格ゲー経験者なら違和感なく使うことが出来るでしょう。
ちなみに、「鉄拳」らしい操作は何もありません。
鉄拳の要素はキャラクターだけで、ゲームシステムは完全に「ストリートファイター」そのものです。
※超必殺技で KO するとド派手な演出が。 この辺も最近の格ゲーではおなじみですね。
超必殺技を撃つ時にはキャラクターのアニメーションが一瞬表示されます。
そして今作の特有のシステムについてですが・・・
まず、連続技がパンチボタン連打、キックボタン連打で簡単に出せます。
オリジナルのストクロは弱・中・強のパンチ・キックのボタンがありましたが、iOS 版はパンチとキックが1つずつしかないので、通常技の使い分けはレバー操作と併用して行います。
しかしそれでは連続技は難しいので、敵の近くで連打するだけで複数の攻撃を組み合わせた1セット攻撃を入れてくれるようになっています。
見た目もカッコイイ連続技が簡単に出せるので入るので、お手軽でいいですね。
しかしお手軽なのはここまで。
残りは良く言えばゲームに深みと戦略を与え、悪く言えば難解で取っ付き辛く、初心者フルボッコの要因になっています。
まず重要なのは、前+Xボタンで出る交代攻撃の「ランチアタック」。
これは単体で出しても隙が大きく使い辛いのですが、連続技から繋げる事で隙なく実行でき、さらに交代直後のキャラが敵に追い打ちをかけることが可能です。
さらにランチアタックを決めるとランダムで「ジェム」を獲得でき、攻撃力や防御力などが上がります。
交代は単にXボタンを押すだけでも行えるのですが、かなり隙が大きいため、ランチアタックへの繋ぎ、さらにそこからの連続攻撃が重要になります。
またサブキャラクターのゲージが無くなって「強制交代」になった時も隙が大きいため、この対処も必要になります。
なお、画面端の「顔」をタップすると SP ゲージを全部使って交代しながら連続攻撃を行う合体技を繰り出せます。
また、サブキャラクターのゲージがなくなって、あと1発食らうと強制交代という状態の時には「パンドラ」というボタンが現れます。
これを押すとサブキャラクターが使用できなくなりますが、メインキャラクターが強化され、さらに体力も回復、見た目もブラックに変貌します。
しかしパンドラ状態は一定時間で解除され、解除後はどんどん体力が減少していきます。
一発逆転に使うものと言えますね。
他に、ガード中にXボタンを押すと SP ゲージを1つ消費しますが、「ガードキャンセル攻撃」という反撃を行えます。
また、起き上がり時に前にスティックを入れておくと前転起き上がりになり、ダウン時にタイミング良く下かボタンを押すと素早く起き上がる「クイックスタンディング」になります。
このゲームはダウンからの脱出が難しい場合があるので、それの回避に必要になります。
一部の必殺技は「タメ攻撃」も可能です。
そしてもっとも重要なのは、様々な攻撃から連続技が派生することで、多彩な連続技を繋げられるように調整されているようです。
よって相手の隙を突いて連続攻撃を叩き込むことが重要で、さらに状況によってランチアタックに繋ぐかどうかの判断も必要になります。
この辺の連続技の要素は他の格闘ゲームにもありますが、このゲームは特にその要素が強いようで、そのため格闘ゲームマニアならかなりやり甲斐があり、研究しがいのあるシステムに仕上がっているようです。
一方で、それらを習得していない人は、慣れるまでかなり辛い戦いを強いられます。
さらにシステムを理解していない人だと単なるサンドバッグです。
ストIV Volt の時はそこまでではなかったので、マニアな人から「実力が反映されにくい」「手軽すぎる」みたいな批判があったのですが、逆に初心者でもなんとかなりました。
しかし今作は非常に深みがある反面、初心者が対戦に参加するのは厳しいゲームになっている印象ですね。
※交代攻撃「ランチアタック」。 ここにうまく繋げられる連続技や攻撃パターンを習得しておかないとかなり厳しい印象。 事前に練習しとかないとダメですね。
これを当てるとスロットが回り、攻撃力や防御力アップが得られるのですが、これは iPhone 版オリジナルの要素のようです。
サブキャラクターには積極的に交代しましょう。 メインキャラクターの体力が少し回復しますし、ボコボコにされてもメインキャラの体力には無関係です。
※サブキャラクターを犠牲にする「パンドラ化」でブラックな状態に。
ライフが回復して能力も上がりますが、解除されると体力がどんどん低下するため勝負を急がないといけません。
使うにはサブキャラクター使用中、そのゲージが尽きている必要があるので、使いたくてもチャンスがないこともあります。
パンドラ化した時の能力や、ランチアタックの時に出るジェムは、「パンドラボックス」というものを購入/強化することでパワーアップできます。
そして注目の「オンライン対戦」ですが・・・ ここが iTunes レビューで批判される元になっています。
ただ、誤解している人もかなり多いようなので注意して下さい。
オンライン対戦には「公式試合」と「模擬試合」、Bluetooth 対戦があります。
このうち「公式試合」はメニューの「みんなと対戦」から実行するもので、1ゲームに1クレジットが必要です。
ただし試合に勝った場合、クレジットは消費されません。
このクレジットは最大3つまでしか貯まらず、全部なくなると6時間ほど待たないと回復しません。
課金通貨のゴールドで回復させる事も出来ますが・・・ そのために「今回は対戦が課金かよ!」という批判が多く上がっています。
ただし通常の乱入対戦は、この「公式試合」ではありません。
1人プレイ時に乱入対戦を ON にしておくと、ゲームをプレイしながらマッチングを待つ事ができ、他のプレイヤーが見つかれば自動的に対戦に移行しますが、この乱入対戦は「模擬試合」となっていてクレジットは消費されません。
つまり旧来の乱入対戦に制限はありません。
この区別が出来ていない人が多いようで、iTunes レビューでも「対戦は全部クレジット制」みたいな書き方をしているものが目立つのですが、そうではないので間違わないようにして下さい。
しかし今作のオンライン対戦は、色々と難点が多いのも確かです・・・
まず、乱入対戦は1セットマッチになっていて、通常の2セットマッチではありません。
乱入対戦でも通信待ちをしてキャラを選択し、ステージを選んで、それから始まるのに、1回だけですぐに終わるため、すごくテンポが悪い印象です。
おまけに同じ人と何度もマッチングされる場合があり、対戦の可否とキャラの選択、ステージ選択をして1セットだけの対戦をした後、再び対戦して各項目を選んでゲームが始まったらまた前と同じ対戦だと、「だったら連続でやらせろよ」と言いたくなります。
そしてそんなことが3回ぐらい繰り返されると「どうにかならないのかこのシステム」と思いますね。
さらに乱入対戦はあくまで「模擬試合」なので、戦績は残りません。
それはそれで勝敗を気にせずに色々なキャラを試せる利点はありますが、なんの記録も残らないのはやっぱり寂しい。
一方、「公式試合」は乱入対戦ではないので、マッチングされるまで何もせずにボーっと待たないといけません。
ゲームをやりながらマッチングを待てるのが最大の利点のはずだったのに、その利点をここに来てぶち壊しにする謎仕様。
しかもクレジットが限られていますから、それがなくなった人は当然対戦しない訳で、そのぶんプレイヤーが減ってマッチングに時間がかかります。
それでなくても何もせずに待たないといけないのにマッチングも遅くするという二重苦。
ストIV Volt の何がプレイヤーに支持されたのか、開発側は理解できていなかったんですかね・・・?
ただ、今回から対戦相手の地域を選べるようになっていて、このため海外の人とマッチングされて回線が最悪、という事態を防げるようになっています。
対戦相手のレベルも選択可能で、まだ開始直後なので初心者が他機種版の経験者と思われるやたら強い人とマッチングされたりしますが、徐々に初心者が上級者に当たることは減っていくと思われます。
ただ、このシステムだとランク分けが進んだら進んだで、マッチング相手が減って余計に対戦が始まらなくなっていく気もしますが・・・
個人的に気になるのは、1人用が簡素なことですね。
1人用をクリアすると、そのキャラのトレーニングモード(連続技を練習できるモード)が解禁されますが、キャラ別のエンディングとか、そういったものはありません。
KOF 2012 にはチームごとのエンディングムービーがあったし、カードの収集要素などもあり、1人プレイでも楽しめるようになっていました。
しかしこちらは対戦がメインだからか、1人用は「練習用」と割り切ったような作りです。
でも初心者が対戦に挑んでもフルボッコになるだけだし、もうちょっと格ゲーマニア以外でも楽しめる内容が欲しかったところです。
また、iPad で見るとちょっと画質の粗が目立つのも難点でしょうか・・・
iPhone だと非常に綺麗でハイクオリティーな画質なのですが、結構キャラがアップになるので、iPad でアップになるとポリゴンやテクスチャの粗さが目立ちますね。
※あと、これはアップデートですぐに修正されるとは思いますが、iPad でプレイすると画面反転が働かず(iPhone だと働く)、しかも電源ボタンが右手の手のひらの場所に来てしまうため、プレイ中に誤って電源ボタンが押されてしまう問題が多発します。 これは通信対戦ではかなり致命的です。
キャラクターが少ないという批判も多いようですが、私的には 10 人いれば「少ない」ってことはないんじゃない? と思います。
今回は連続技などが作り込まれているので 10 人でも十分に奥深い印象で、文句を言っている人には「お前この 10 人使いこなせるのかよ」と言いたくなります。
とは言え「自分のメインキャラがいない!」という人も多いでしょうから、それに対する批判は否定できませんが。
以下は Youtube で公開されている(海外版の)ゲームのプレイ動画です。
定価は 450 円。(2012/9 現在は発売セールで 250 円)
これだけのクオリティーのゲームが 450 円というのはかなりリーズナブルだと思います。
iTunes では割と賛否両論なのですが、このゲームがこの値段で賛否両論になるって、厳しい市場だなぁ、と今更ながら思います・・・
まあ スト4 Volt と比べると、確かに批判されやすい内容なのですが。
価格が安めなのはオンライン対戦の課金を見越しているからかもしれませんが、もしそうだとすると課金に対するユーザーの反感を甘く見ている気もしますね。
この辺は最近のメーカーに全般的に見られる傾向な気がします。
(なお、課金は 450 円で 50 G。 最低 450 円という所が厳しいですが、1G で1クレジットなので、1回が約 10 円です)
ともあれ、格闘ゲームとしての完成度は、やはり流石だと思います。
移植版というより iOS 用に再調整したオリジナルバージョンに近いようですし、色々と見える「粗」も今後修正されていくと思います。
ライトユーザー向けとは言い辛いですが、ゲーマーにとっては必携タイトルの1つと言って良いでしょう。
・ストリートファイター X 鉄拳 MOBILE (iTunes が起動します)
でもやはりお祭りなんだからキャラ数が10人では少ないでしょう。
完全にタイトル負けしています。
ゲーム自体はかなり楽しいです。公式試合ではずっとフルボッコされていますが、
Voltがお手軽すぎて飽きやすいのも事実でした。今回は奥深さがうれしいです。
といっても本当に一人用が簡素すぎですよね。オン対戦よりも一人で遊ぶ方が好きな
私にとっては物足りないですね。 まぁアプデに期待しておきます。