少し前にパチンコ業界ソーシャルゲーム業界のユーザーの取り合いを「底辺狩り」や「低級狩り」と表現した方がいて、炎上したという話がありました。
確かにこの表現は差別的ですが、しかし携帯電話に多機能携帯とカンタンケータイがあって、双方に個別のシェアがあるように、複雑なものを好む人とシンプルなものを好む人の「ユーザー層」は間違いなく分かれています

ゲーマーである私はパチンコやパチスロもゲームの1つだと見ていて、よってゲームセンターとパチンコ屋は利用するユーザー層が異なるものの、同じ「ゲーム屋」だと思っています。
ゲーセンにもメダルゲームがありますが、比較的複雑なゲームをやる場所がゲームセンターで、簡単でシンプルなゲームをやる場所がパチンコ屋ですね。
「金を賭けている・いない」という大きな違いはありますが、パチンコ/パチスロとソーシャルゲームのユーザーがかぶっていると言うことは、実は「ギャンブル性」はゲームの一要素に過ぎないのではないかと思います。

ただ 2009 年までは、ゲーセンにあるタイプのゲームには「家庭用のゲーム」もありましたが、パチンコ・パチスロには家庭用のものはありませんでした。
パチンコ・パチスロのゲームも一応ありましたが、パチンコ・パチスロはゲーム性の乏しさをギャンブルの興奮という点で補っていると思うので、家庭用ではその点を再現できません。
しかしそこにソーシャルゲームが出て来て、パチンコ・パチスロ並のシンプルさを持ちつつ、ギャンブル性を補える他の要素を加えていたため、それがヒットに繋がったのではないかと思います。
つまりソーシャルゲームは「これまで空いていた部分に入り込んだもの」と言えます。

こう考えると、ゲーセンとパチンコ屋が明確に分割されていて、利用する層も分かれているように、既存のゲームとソーシャルゲームも明確に分割されているはずです。
しかし双方が交わらなかったゲーセンとパチンコとは違い、既存のゲームとソーシャルゲームは(開発側において)交わりまくっています。
あまりにもソーシャルゲームの利益率が良いため、ゲームメーカーはこぞってソーシャルゲームばかりを作るようになり、既存のゲームは減りました。
それはつまりユーザー視点で見ると、ゲームを作っていたメーカーが、パチンコを作るメーカーに変わったという事に近いと思います。
(実際に両方作っている会社もありますが、考え方の話なのでとりあえずそれは置いときます)

もちろんメーカーは利益が出なければ倒産するしかないので、儲けのある方に傾くのは道理ですが、ソーシャルゲームの是非は別として、ソーシャルゲームばかり作っているメーカーは、もうゲームメーカーと呼ぶべきではないのではないか?
そんなことを開催されている東京ゲームショウのレポートを見て思う今日この頃です。

あと、私も「ゲーマーでも楽しめる高度なソーシャルゲーム」の登場を期待していましたが、そもそもそれは前述の話に当てはめると、異なる分野の中間のものを作ろうという話に近く、どちらのユーザーも喜ばない代物にしかならない気もしています。
その辺はグリーやモバゲーは解っているので、だからボタンをポチポチ押すだけの「ポチポチゲー」のみを作るよう促していて、それを好むユーザーのみに的を絞っているのだと思われます。
だから我々ゲーマーがそのやり方に文句を言うのは、ゲーマーがパチンコに文句を言うかの如く、お門違いというか、全然別のジャンルについて批判しているようなものである気も最近しています。

しかしだからこそ、ゲームメーカーがソーシャルゲームにどんどん移行していく以上、「ゲーム」の未来は厳しいんだろうなと思わずにいられません。
それでも我々 iPhone ユーザーは、インディーズや海外のゲームも手軽にプレイできるので、その点では恵まれていると思いますが。
あと、この流れでもビクともしない任天堂は、やっぱりハンパじゃないなぁと。


と言う訳で、前置きがやたら長くなりましたが、アンケートの結果をお知らせしたいと思います。
前回のアンケートは「求めている iPhone のゲームのジャンルは?」です。
アンケート開始が6月だったので、3ヶ月以上の投票期間になってしまいました・・・

その分 500 票以上の投票を頂いています。 参加して下さった皆さん、ありがとうございます。<(_ _)>
今回の結果は以下の通りです。

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正直、意外な結果でした。 「ボード / カードゲーム」の票数が圧倒的です。
実は昨年のゲーム大賞の時、ボード / カードゲーム部門の投票数が一番少なかったので、このジャンルが好きな私はショボーンだったのですが、実際には需要が多いようです。

実は今回のアンケートを始めた直後は ボード / カードゲームの伸びはそれほどでもなかったのですが、「6時間経ったら再投票可能」にしていたためか、2日目以降からどんどん伸び始め、そのまま1位になりました。
このジャンルって嫌いな人はまずいないので、みんな1番好きなジャンルが他にあったとしても、2番目・3番目はやっぱりボードゲームやカードゲームになるのかもしれませんね。

2位はちょっと置いといて、3位は「RPG」。
やっぱり RPG は人気ですね。 この点は家庭用ゲーム機だろうと携帯ゲーム機だろうとスマートフォンだろうと変わらないのかもしれません。
iPhone は意外と面白い RPG が多いので、この点も影響しているかも?

2位は「戦略/戦術 SLG」、4位は「開発/経営 SLG」で、上位2つはシミュレーションゲームになっています。
1位のカード / ボードゲームを含め、ここから言えるのは、多くの人が「思考性のあるゲーム」を求めていると言うこと。
思考性があると言っても、パズルゲームの順位は高くないので、「戦略」や「開発」「育成」などを楽しむゲームが求められている、という感じでしょうか。
これは日本人だからなのか、それともスマートフォンだからなのか、はたまた世界的にそうなのか・・・ その辺はちょっと興味がありますね。

5位は「シューティング」。 アクション性のあるゲームがようやく登場です。
シューティングに関しては、ます スペースインベーダーIG が「相対移動」というタッチパネルに適した操作スタイルを確立させ、さらに エスプガルーダ や 怒首領蜂 大復活 が「外周の指置き場」により指で画面が隠れる問題を解決したことで、「実はタッチパネルとシューティングは相性が良い」という結論に辿り着いたのが大きいと思います。
相性が良いのが解った以上、更なる発展を望みたいところですが・・・ しばらく秀作は出辛い状況になっている気もしますね・・・

6位は「アドベンチャー」、7位は「パズル」。 票はほぼ同数。
アドベンチャーはタブレットはもちろん、スマートフォンとも親和性があると思います。 「凄い電子書籍」って感じですからね。
まあなんと言ってもシュタインズゲート428 など、秀作がそろったのが大きいでしょう。
7位のパズルも iPhone には秀作が多く、一定の人気を集めているという点で、妥当なところかなと言う感じでしょうか。

8位は「格闘ゲーム」、9位は「アクション」、10 位は「ショートゲーム」。
やはりタッチパネルは操作性に難があるので、アクション要素があるゲームは低いです。
格闘ゲームに関しては ストIV Volt 以降、「手軽にオンライン対戦が出来る」という大きな利点が出来ましたが。
ショートゲームの順位が低いのは、スマートフォンだからと言ってショートゲームが求められている訳ではないということなのか、単にこのブログのアンケートだからこうなったのか・・・

他は少数意見。 レーススポーツ系は、あまり人気がないですね。
レースには秀作が多いのですが、それと「人気のジャンルかどうか」は別と言ったところでしょうか。
最下位はソーシャルゲームです。 まあ・・・ さもあらん。


と言う訳で、長々と書いてしまいましたが、やっぱり多くの人は、スマホにはじっくりプレイできるゲームを求めているようです。
じっくりプレイできてユーザー層も広いゲームは何かと考えると・・・ やっぱりカードゲーム、ボードゲームという事になるのかもしれないですね。
作る方にとっては意外とアクションゲームの方がラクで、カードゲームやボードゲームは「バランスの良いルール作りや AI のアルゴリズム作りが大変」というのがあるので、数は多くないのですが。

次回のアンケートは、一旦お休みしたいと思います。
しかしまた何かお聞きしたいことがあれば実施しようと思いますので、その際はどうかよろしくお願い致します。
改めて、ご協力頂いた皆さんありがとうございました。

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