モンスターを召還して対戦相手とバトルするトレーディングカードゲーム(TCG)を、パソコンやスマートフォンでも手軽に楽しめるようにアレンジしたアプリが発売されています。
Spectromancer」です。

このゲームは既存のアプリで言うと、「Orions 2」に非常によく似ています。
おそらく Orions シリーズを元にしていると思われ、それをさらに簡略化し、遊びやすくした感じですね。
Orions は MtG(マジック・ザ・ギャザリング)を簡略化したものと言えるので、つまり TCG を簡略化したゲームを、また簡略化したという感じです。

こう言うと TCG のゲーム性が損なわれているように思われそうですが、ちゃんとゲームの核となる部分は維持されており、その面白さをうまく残したまま、プレイしやすい形にまとめられています

なお、このアプリは iPhone / iPod touch 版と iPad 版の2つが公開されていて、画面のレイアウトがかなり異なります
下の画像の上半分が iPhone / iPod touch 版、下半分が iPad 版ですが、以後は iPad 版の画像を中心に解説しますのでご了承下さい。(内容はもちろん変わりません)

Spectromancer

マナを消費してモンスター(クリーチャー)のカードを出し、たまに魔法(スペル)のカードを使用しながら、相手モンスターや敵マスターにダメージを与えていくカードゲームです。
ただしこのゲームに「手札」や「デッキ」(山札)というものは存在しません。
カードは 火・水・風・土・特殊 の5つに分かれていて、召還する(使用する)のに必要なマナがあれば、好きな時に出すことが出来ます。

各マナは毎ターン1ずつ自然回復していきます。
また、モンスターには コスト(必要マナ)・攻撃力・体力・特技 の4つのステータスがあります。
モンスターの特技は様々で、「マナの回復力を増加させる」「敵全員に攻撃する」「体力が自然回復する」などモンスターごとに個別のものが用意されています。
特技のないモンスターは存在しません。

フィールドに出したモンスターは次のターンから正面の敵モンスターを攻撃し、正面に敵がいない場合は相手オーナーに攻撃を行います。
攻撃されてモンスターの体力がなくなったら取り除かれ、オーナーの体力がなくなったら決着ですね。

オーナーには Illusionist(幻術師)、Chaosmaster(カオス術士)、Dominator(蛮族の支配者)、Mechanician(機械術士)、Necromancer(死霊術士)、Cleric(司祭)がいて、さらにゲームが進まないと利用できない追加職も6つ用意されています。
それぞれ固有の特殊カードを持っていて、その使い方がゲームの鍵となります。

難しい「フェイズ」の区切りはなく、攻撃相手の指定、防御指定、装備アイテムなども存在しません。
デッキの構築もなく、使用するカードはゲームごとにランダムに選ばれるので、事前のデッキ作成や、それに伴うルールの把握なども必要ありません。
特技も複雑なものは存在しておらず、あえて解りやすい効果に絞られている形です。
「Start 」のボタンを押すだけでゲームを始められるお手軽さ、解りやすさが最大のポイントですね。

Spectromancer
※ゲームのメインは、このマップ画面がある「キャンペーンモード」。
最初のマップは大陸の南半分に過ぎず、全てのマスターを打倒すると北半分のマップが出現します。
ステージによっては「火山」「沼地」「防御兵器」などのキャンペーン用地形カードが配置されている場合もあります。


Spectromancer
※キャンペーンで勝利すると、「アップグレード」を選択することが出来ます。
これによってカードの攻撃力やライフ、特技などが強化されていきます。
ただしこのルールが適用されるのはキャンペーンのみで、強化したカードを他のモードで使うことは出来ません。
勝利により、特殊な効果を持つ宝石アイテムが手に入ることもあります。

画面も綺麗で、素朴な感じのサウンドも良く、全体的にクオリティーの高いアプリです。
ただ難点は、解りやすさ・お手軽さを優先しているために、トレーディングカードゲームとしての「深み」のようなものが低いところ。

火・水・土・風 の各属性には 12 種類ずつのカードが用意されているのですが、使えるのはランダムで選ばれた4種類のみ。
このシステムのおかげでデッキ構築をしなくても手軽に始められる反面、どのカードを使えるかは「運次第」で、場合によっては「ムリだろコレ」と言うような組み合わせになってしまうこともあります。
通常のトレーディングカードゲームも「どのカードを引けるか」という運の要素がありますが、このゲームの場合は「後から欲しいカードが来る」みたいな可能性がないため、最初のカードが悪いと苦戦必至。
キャンペーンの場合、負けてもペナルティーはなく、すぐにリトライ出来ますが、そのため「カードが悪すぎる場合はすぐ降伏してやり直し」みたいな攻略になってしまいます。

また全体的にシンプルにまとめられているため、それがこのゲームの良さですが、やはり「戦略性」という点で見ると Orions や一般のトレーディングカードゲームには劣りますね

でも、初心者がいきなりプレイするには敷居が高すぎる MtG(マジック・ザ・ギャザリング)よりはずっとプレイしやすく、「TCG の入門用」としては非常に良いアプリだと思います。
それにこのぐらいシンプルな方が、スマホやパソコンでやるにはサクサク感があって良いですね。

Spectromancer
※カードの中にはアップグレードで性質が大きく変わるものもあります。
例えば「Sea Sprite」は、通常は「強いけど毎ターンマスターがダメージを受ける」という特徴なのに対し、アップグレードすると「弱いけど毎ターン敵マスターにダメージを与える」という正反対の使い方に変わります。


ゲームモードはキャンペーンの他に1回だけプレイする「Single Duel」、リーグ戦をやる「League of Heroes」、ドラフトルールがあるリーグ戦「Draft Tournament」が用意されています。
「ドラフトルール」とはゲーム開始前に使用するカードを候補の中から選んでいくもので、これによって運の要素が低くなりますが・・・ このゲームはドラフトルールがない方が手軽で良いかも。

オンライン対戦も用意されていますが、アカウント登録が必要で、その後にロビーにログインして対戦相手を探す形式なので、ちょっと敷居が高いですね。
ローカルのネットワーク対戦や、本体を手渡しして行う対戦も可能です。

以下は Youtube で公開されているプレイ動画です。



価格は iPhone / iPod touch 版が 170 円、iPad 版(HD 版)が 350 円
iPad 版はやや高めですが、そんなに高すぎる価格ではないし、冒頭で述べたように画面レイアウトがかなり異なるため、iPad を持っている人は iPad 版の方がオススメです。

英語のみなのが日本人にとっては難点ですが、複雑な効果のカードが少ないおかげで解説文は比較的理解しやすく、それなりの英語力でもプレイは可能です。
トレーディングカードゲームの経験者はもちろん、その手のゲームをあまりやったことがない方にも勧められる内容で、このゲームで TCG のシステムに慣れたら、もうちょっとカードが多い Orions 2 に挑戦し、そして本格的 TCG である マジック2013(マジック・ザ・ギャザリング)にステップアップしていくのが良いかなぁ、と思います。

手軽な TCG を作ろう」というコンセプトはとても良いと思います。
カードゲーム、ドイツゲーム好きにオススメできるアプリですね。

Spectromancer (iTunes が起動、iPhone 版)
Spectromancer HD (iPad 専用版です)


【 ちょこっと攻略 】

火・水・土・風 の各属性と、初期選択になっている Illusionist(幻術師)のカードの特技を簡潔に掲載しておくので、プレイ時の参考にしてみて下さい。

● 火
Goblin Berserker:毎ターン隣の味方に2ダメージを与えてしまう
Wall of Fire:召還時に敵全員に5ダメージ
Priest of Fire:火マナ増加量+1
Fire Drake:召還と同時に攻撃が可能
Orc Chieftain:隣の味方の攻撃力+2
Flame Wave:敵全員に9ダメージ
Minotaur Commander:味方全員の攻撃力+1(壁は除く)
Bargul:召還時に敵味方全員に4ダメージ、毎ターン攻撃力+1
Inferno:対象の敵に18ダメージ、他の敵全員に10ダメージ
Fire Elemental:召還時敵全員に3ダメージ。火マナ増加+1、攻撃力=火マナ
Armageddon:敵味方全員と敵オーナーに火マナ+8のダメージ
Dragon:呪文の威力が1.5倍

● 水
Meditation:火・風・土マナ+1
Sea Sprite:召還中、毎ターン味方オーナーが2ダメージを受けてしまう
Merfolk Apostate:召還時に火マナ+2
Ice Golem:呪文や特技のダメージを受けない
Merfolk Elder:風マナ増加量+1
Ice Guard:オーナーが受けるダメージ半減
Glant Turtle:受けるダメージを5軽減
Acidic Rain:敵味方全員15ダメージ、敵の全マナ-1
Merfolk Overlord:隣に召還された味方は召還と同時に攻撃可能
Water Elemental:召還時味方オーナー10回復、水マナ増加+1、攻撃力=水マナ
Mind Master:全マナの増加量+1
Astral Guard:敵の全マナの増加量-1

● 風
Faerie Apprentice:呪文のダメージ+1
Griffin:召還時に風マナが5以上なら敵オーナーに5ダメージ
Call to Thunder:対象の敵と敵オーナーに6ダメージ
Faerie Sage:召還時に土マナと同じ量だけオーナー回復、ただし最大10
Wall of Lightnings:敵オーナーに毎ターン4ダメージ
Lightning bolt:敵オーナーに風マナ+5のダメージ
Phoenix:火マナ10以上だとやられても復活する
Chain Lightning:敵全員と敵オーナーに9ダメージ
Lightning Cloud:攻撃が敵全員と敵オーナーに及ぶ
Tornado:指定した敵を消去する
Air Elemental:召還時敵オーナーに8ダメ、風マナ増加+1、攻撃力=風マナ
Titan:召還時、正面の敵に15ダメージ

● 土
Elven Healer:毎ターン味方オーナーを3回復
Nature Ritual:指定した味方とオーナーを8回復
Forest Sprite:攻撃が敵全員と敵オーナーに及ぶ
Rejuvenation:土マナの2倍の量だけオーナーが回復
Elf Hermit:土マナの増加量+2
Natural Fury:攻撃力が高い味方2体が敵を攻撃
Giant Spider:召還時、隣が空いていればそこに子蜘蛛が出現
Troll:毎ターン自身が4回復
Stone Rain:敵味方全員に25ダメージ
Earth Elemental:土マナ増加量+1、攻撃力=土マナ
Master Healer:味方全員とオーナーを毎ターン3回復
Hydra:攻撃が敵全員と敵オーナーに及ぶ。毎ターン自身を4回復

● illusion(幻術)
Madness:敵全員にその敵の攻撃力と同じ分のダメージ
Phantom Warrior:どんな攻撃も受けるダメージが1
Hypnosys:攻撃力が高い敵2体が敵オーナーを攻撃
Wall of Reflection:受けたダメージ分だけ敵オーナーにダメージ
Spectral Assassin:召還時、敵オーナーに12ダメージ
Spectral Mage:召還時、敵全員にコストと同じ分のダメージ
Oracle:毎ターン illusion マナの分だけ敵オーナーにダメージ
Hypnotyst:召還時、敵全員と敵オーナーに5ダメージ。illusion マナ増加+1