携帯電話の開発/経営シミュレーションゲームの老舗「カイロソフト」。
もうおなじみのメーカーですが、そのカイロソフトが先日「洋服店」を経営する、新しい iOS 用アプリを公開しました。
アパレル洋品店」です。

このゲームはガラケーでは 2011 年の6月に公開されており、Android 版は 2011 年の12月にはすでに登場していました。
iPhone 版はそれから 10 ヶ月近く遅れた訳ですが、これはおそらく Retina ディスプレイへの対応を行っていたためだと思われます。
カイロソフトの1つ前の iOS アプリ「冒険ダンジョン村」はまだ Retina 対応が不十分で、拡大するとドットや文字が少しぼやけていたのですが、今作は文字は滑らか、画質もクッキリしています。
文字が綺麗になっただけでも、見栄えはだいぶ違いますね。

ゲームの方は俗に言う「施設配置型」で、自分の好きなお店を作れる「ゆけむり温泉郷」や「名門ポケット学院2」のタイプです。
「コマンド入力型」である「開幕!!パドックGP」や「サッカークラブ物語」などのタイプではありません。
ただ、他のゲームと違って施設の配置や組み合わせを深く考えなくても、ゲームは問題なく進みます。
おかげでプレイしやすくなっている反面、シミュレーションゲームとしては物足りなさもあります。

このゲームはライトユーザー向けに作られていた「冒険ダンジョン村」とほぼ同時期に発売されたゲームなので、この時期のカイロソフトは初心者向けのゲームデザインを重視していたのかもしれません。

アパレル洋品店

お店の中に棚やハンガーを設置し、商品となる衣類を置いて、レジと店員を配置すれば、お客さんがやってきてお店が自動的に運営されます。
と言っても最初から最低限の商品と設備、店員は配置されているので、プレイヤーはそこに欲しいものを追加していくだけで OK です。

お店の形(入口や階段などの位置)は決まっており、設備を配置できる場所も決められています。
よって施設配置型ではありますが、完全に自由に物を置ける訳ではありません。
ただ、1つのフロアに設備を 10~30 ほど置くことができ、何をどこに置くかは自由です。

レジや商品棚以外にも、試着室観葉植物ミラー自動販売機などを置くこともでき、それぞれ周辺の集客力を高めたり、利用者の購買意欲を高める効果があります。
なお、お店の形が縦型であるためか、今回は本体を回転させても横向きにはなりません

今回のお店はビルになっていて、最初は1階と2階だけですが、最終的には地下1階から地上7階までの大型店舗にすることができます。
また、同じフロアに特定の商品を置くと「相性」が発生し、双方の商品の人気がアップします。
ただ、今作の「相性」はそれほどゲームに大きな影響を与えません。
さらに組み合わせが豊富で、適当に配置しても相性が発生します。 よってそれほど気にしなくても構いません。

洋服には男性用・女性用・共用の3種類があり、男性用と女性用の間で相性が発生する事はないため、共用品以外、男性用と女性用は別のフロアに分けるのが良いですね。

商品にはそれぞれ製造メーカーがあり、同じメーカーの商品を一定数売ると、そのメーカーの新商品を入荷できるようになります。
入荷数は自分で設定する事もできますが、基本的には自動で構いません。
ゲームが進むとイベントを実行する「計画」が提示され、イベント会場にアイドルなどを招いて客寄せをしたり、悩むお客さんのコーディネートをしてそのお客さんの転職(購買力アップやスピードアップ)を促すこともできます。

アパレル洋品店
※左は入荷画面。 「在庫が○○以下になったら、○○個発注」みたいな設定を行えます。
「全体に適用」という選択があり、これを選べば入荷数を全商品に反映できますが、新たに導入した商品にはそれが適用されないので注意して下さい。 新商品を置くごとに「全体に適用」をやり直さないといけないのはちょっと面倒。
この在庫表示は画面を右にスライドすると現れます。 左にスライドすると客一覧が表示され、さらに上下にスライドすることで階層を移動できます。 今作はスマホや iOS に最適化しようとしているのが伺えますね。
右の画像はイベント「ラジオの生放送」のシーン。 ただしイベントを実行するにはイベントフロアの増設が必要です。


ただ、今作はぶっちゃけ・・・ やることが少なすぎ、変化も少ない印象です。
イベントの種類が少なく、「計画」も同じものが繰り返し出てくるし、商品も店舗画面では見た目の変化はありません。

最初はまだやることが多いので良いのですが、割と早い段階でやることがなくなり、延々と眺めているだけの時間が続きます。
まあカイロソフトらしいドットグラフィックのキャラがちょこまか動く様子は、眺めているだけでも相応に楽しいのですが。

前述したように施設を配置できる場所が決められているため、「ゆけむり温泉郷」のようにお客さんの動線を考慮する必要がなく、商品の組み合わせがあまり重要でないので「財閥タウンズV」のような計画性も必要ありません。
それはそれで難しい事を考えなくてもプレイできる良さがありますが、しかしここまでラクになっていると、例えば「新商品や新設備の登場に合わせてレイアウトを変える」みたいな作業も少なくなるので、ますますやることがなくなってしまいます。 新商品や新設備の登場ペースも遅いし。

当面のゲームの目標は最大規模の店舗を作り、アパレルショップの売上 NO.1 になることですが、これもあまり組み合わせや配置を考えなくても、容易に達成できてしまいます。
ゲームは 15 年あるのに、その半分の8年目ぐらいであっさり到達できてしまう。

「商品数ランキング」「店員ランキング」などの個別のコンテストもあり、1年で1部門にしかエントリー出来ないので、これの全制覇を目指すとかなり大変なのですが、これも難しいのではなく、単に「やたら時間がかかる」というだけな感じ。

カイロソフトのゲームは後半ダレて来る難点がありますが、このゲームはその「ダレ」が半分ぐらいの年数でやって来ますね・・・
これだったら最初から「高速モード」を解禁して欲しい・・・
ゲームスピードが他のゲームより遅く、やることが少ない割に時間がかかる印象です。

アパレル洋品店
※アパレルショップ1位は、なにかテキトーにやってても達成できてしまう。
トロフィーを獲得する個別ランキングは豊富に用意されていますが、豊富にあるのに1年で1部門しかエントリー出来ないうえに進行が遅いので、ちょっと全部集める気になれない。
倍速にできる2週目ならもっと楽しいんだろうけど・・・


価格は 450 円。 いつものカイロアプリの値段です。
なにか文句ばっかり書いたような感じになりましたが、カイロソフトのゲームにある各要素がシンプルにまとめられた形で入っていて、決して面白くない訳ではありません。
むしろいつものカイロソフトの面白さであり、その点はファンの期待を裏切るものではありません。

低めの難易度も、ゲームって「うまく行かないと面白くない」ので、そこを重視したライトユーザー向けの調整ということでしょうか。

難易度はともかくとして、もっと早く「高速モード」が解禁されるようになっていれば、イベントや新商品の発生ペースも上がるから、もっと楽しめると思うんだけどなぁ・・・
もう少しテンポは改良して欲しいところです。

アパレル洋品店 (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

攻略が必要なゲームではないような気もしますが、一応今回も攻略を掲載しておきたいと思います。
簡単なゲームではありますが、前述したように商品の相性や設備による売上アップ、店員の雇用やフロアの増設などが一通り入っているため、ゲームとしての攻略要素は多いです。
ただ、それらを気にしなくても楽勝で1位になれますが・・・

・商品は「集客」が高いと良く買われ、「売上」が高いと一度に買われる数が増します。
・しかし一番良く売れるのは「男女共用」の商品です。 男女を問わず買ってくれるこの商品を、もっとも人が多くなる1階に集中して配置するのが売上を高めるコツです。
・また、商品の強化は積極的に行いましょう。 商品は Lv5 まで強化でき、だんだん費用が高くなりますが、Lv1 から Lv2 にする費用は安いです。 商品単価も上がるため売上アップに必須です。

・商品の「相性」は、男性か女性の各年代の人気をそれぞれ +10 します。 これにより「集客」は +15 されます。
・しかしこの集客は、設備によって +50 や +60 することが出来ます。 つまり相性はあった方が良いのですが、設備でカバー出来る程度のものと言えます。
・集客を高める有用な設備は、実は序盤から使える「ミラー」と「試着室」です。 これらは使用されると購買意欲が増したり試着が行われたりしますが、上下左右の商品の「集客」を高める効果もあり(ナナメはダメ)、観葉植物などより高い効果を持ちます。 ゲームが進むと手に入る「マネキン」「ライト」「噴水」も有用です。

・「チラシ置き場」や「最新カタログ」「ポスター」などは上下左右の商品が買われるときの購入数を増やしますが、商品の「売上」のステータスを増やすものではないので、効果は感覚的にしか解りません。 補助的なものとして使用しましょう。
・「自動販売機」や「カプセルマシーン」に周囲への集客効果はなく、単に使われたときにメダルとお金が貰えるだけです。 ゴミ箱などの清潔度を底上げするものも、周囲への効果はありません。

・設備には相性の良い場所があり、そこに置くと ○ や ◎ のフキダシが出ます。  ミラーカタログマネキンなどは中央、試着室サービスカウンターは壁際が ○ で窓際が ◎、ポスターも窓際、カプセルマシーンテレビは店員の休憩室の前、噴水ライトも休憩室の前が ◎ ですが中央でも ○ です。
・そして ◎(絶妙な配置)の場所に設備を置いておくと、新商品が追加される場合があります。 サービスカウンター、ミラー、最新カタログの追加商品は「男女共用」であるため特に有用です。
・商品も、棚は壁際、ハンガーやワゴンやショーケースは中央に置くと ○ になります。

増設のフロア選択はやり直しが効きません。 慎重に選択して下さい。
・2階と4階は増築後に「渡り廊下」を設置すると、お客さんが直接入店できるようになります。 よって1階・2階・4階はメインの売場になります。 4階は増築時に棚の多いフロアにしておきましょう。
・5階以上にはテナントを多く置ける「テナントフロア」を、6階以上には「豪華フロア」を、7階には「極上フロア」を設置できます。 と言うことは、5階テナント、6階豪華、7階極上というのは確定することになります。
・よってイベントフロアの候補は地下1階と3階になります。 ただ、イベントのお客さんの多くは1階に現れるので、地下1階にしておいた方が移動時間を短縮できます
・商用テナントはあまり有用ではありません。(ぶっちゃけなくても構いません) 在庫を増やす「倉庫」は最低2つは欲しいところで、「アイテム室」はいくつかあった方がアイテムが増えますが、トイレや商用テナントは移動によってお客さんの買い物時間が減り、むしろ減収になります。 ただ、各テナントを1度は設置しておかないと、対応したお客さんが増えません。(増えたら壊して構いません)
・よって5階をテナント型にしない手もあります。
・エレベーターは注意して下さい。 お客さんの移動時間が逆に増えます。 6階か7階ができるまで作らない方が良いかもしれません。

・資金が増えると3月に税金の支払いがやってきます。 この時、資金と商品在庫が共に多い場合、ビックリするぐらいの支払い(と言うか大赤字)を強制されます。 赤字になると商品の入荷ができなくなるので、場合によっては致命的な事になりますが、税金の支払いと同時にオートセーブされるため、事前にセーブしてなかったらアウトです。
・税金の警告が来たら、必ず1月か2月にセーブしておきましょう。 そして資金を商品強化などで使い切って下さい。 資金が少なければ税金は1円も払わなくて構いません。

アパレル洋品店
※3月に多くの資金と在庫を持っていると、本当に驚くぐらいの税金を取られ、しかも同時にセーブされる。 ゲームオーバーになるよりタチが悪い。
売れる商品の在庫が十分あればそれでも何とかなりますが、赤字を挽回できなかったら文字通り「終わる」。
初心者向きに作られているゲームなのに、何故かここだけプレイヤーを突き放すような仕様になっています・・・
とりあえず、1月辺りでセーブしておくのを忘れずに。