廃墟となったニューヨークの街でゾンビ軍団を銃で撃ちまくる、ガンシューティングの人気作「N.Y.Zombies」。
他の FPS と比べるとグラフィックはやや劣りますが、立ち止まったままで豊富な装備を使い分けながらゾンビを撃退していくゲーム性がウケて、ロングセラーとなったゲームです。
その N.Y.Zombies の続編が満を持して登場しました。
「N.Y.Zombies 2」です。
ただ、ずっと立ち止まって戦っていた前作とは異なり、今回は自由に動き回れるようになっていて、これにより「普通の FPS」になっています。
そのため「N.Y.Zombies らしさがなくなっているのではないか?」という懸念が発売前から言われていました。
そしてその懸念は実際に・・・ 現実の物となっています。
しかし N.Y.Zombies らしいゲーム性も残っているので、一風変わった FPS にはなっていますね。
左下のスティックで移動、画面下に並んでいるボタンで武器を変更します。
武器のスロットは4つもあって、タップで自由に切り替えが可能です。
弾がなくなるとその武器は「リロード」が必要になりますが、リロード中は他の武器を使えばよいので、よほど撃ちまくらない限り途切れずに攻撃することができます。
リロードが終われば弾は最大になり、残弾数の制限はありません。
また、このゲームには射撃ボタンがありません。
射撃はタップした場所に行うようになっていて、そのため敵に照準を合わせる必要がありません。
相手が画面内にいれば確実に当てることが出来るので、手軽に敵を撃ちまくることが出来ます。
この「武器が豊富で頻繁に切り替えながら戦う」「タップした場所に射撃を行う」というのが N.Y.Zombies の特徴で、大量のゾンビを撃ちまくる爽快感が重視されていると言えます。
ゾンビは四方八方からやって来るので背後からいきなり攻撃されることもありますが、画面左上にはレーダーがあって、敵の接近を察知することができます。
しかしレーダーの範囲は狭く、今作は敵のスピードが速いので、いきなり襲われてしまう場合もあります。
さらに背が低くて視認しにくい犬やネズミ、上空から攻撃してくるカラスなどもいるため、自由に動けてレーダーがあっても、ダメージを抑えるのはなかなか難しいですね。
※トンネル内のステージ。 ここは暗いため照明(Flare)を装備して使わないとレーダーが効きません。
壁を背にして戦えば何とかなりますが、このゲームは敵が多いので閉所に追い詰められると身動きが取れなくなって危険です。 逃げと迎撃の使い分けが重要です。
ステージをクリアすると「資金」「スキルポイント」「金塊」「書類」などの報酬を得られます。
資金や金塊は武器の購入とアップグレードに、スキルポイントはスキルの習得に使う事ができ、こうした装備や強化が豊富なのがこのシリーズの特徴です。
各ステージはメインミッションとサブミッションに別れており、メインミッションをクリアする事でストーリーが進み、新しいステージが登場します。
ただ、サブミッションを無視して勝ち抜いていけるほど甘い難易度ではないので、サブミッションで適度にお金やスキルポイントを稼いでパワーアップしながら進行していく必要があります。
ゲームが進むと青いピンで示された「サバイバル」のステージも現れます。
ここはいわゆるエンドレスモードで、大量のゾンビの襲撃からどれだけ耐えられるかを競います。
記録は Game Center のランキングに登録され、このサバイバルでも資金などを得ることが可能です。
※武器の豊富さがこのシリーズの特徴。 装備は銃火気、近接武器、グレネード系、防具の4つに分かれます。
銃火気だけだと追い詰められたときにピンチになるので、近接武器もあった方が無難。 グレネード系や特殊武器は使い捨てです。 また、防具も武器スロットを1つ使います。
高いものが使いやすいとは限らず、一番高い銃は「MINIGUN」ですが、これは撃ち始めるまで数秒かかるため使い勝手は良くありません。 それぞれの武器に一長一短がありますね。
なお、マシンガン系はダブルタップの後に画面押しっぱなしで連射します。
※画面切り替え時には黒い手が一斉に画面を覆い尽くします。 なかなかコワイ演出で GOOD です。
ステージの横に付いているマークは単なる矢印がメインミッション、時計付きの矢印はサブミッションです。
サブミッションは他のミッションをプレイすると変化します。
ただ、自由に移動出来るようになったため・・・ ゲームは前作より面倒になっています。
各ステージには「敵を一定数倒す」「一定時間粘る」「生存者を守る」などのクリア条件がありますが、移動できる今作には「物資を一定数集める」「救護ツールを見つけて負傷者に持って行く」などの探索(Scavenge)が必要なステージも存在します。
しかし探さなければならないアイテムが小さい上に、場所を示す案内のようなものもないため、手探りの状態でマップ内をくまなく探し回らなければなりません。
マップ内をぐるぐる回りながら地道にアイテムを探し、それでも見つからなくて困っていると、「こんなことやらなくても良かったのがこのゲームの良さだったのに・・・」と思わずにはいられません。
メインステージの中にも「収集品を4つ探して、その後に大型の敵を倒して鍵を拾い、それから扉を開けて中のゾンビを倒して最後のアイテムを取り、さらに脱出ポイントに移動してそこを一定時間確保する」みたいな複雑なミッションがあって、しかも各ミッションの説明が英文なので日本人には解り辛いです。
もうちょっと目標が解りやすく明示されていれば(もしくはマップがあれば)プレイしやすいのですが・・・
※こういう小さな収集品を集めていくステージが超めんどくさい。 これはまだ大きいけど、缶詰とかだと小さくてすごく解りにくいことも。
こうした収集品はレーダーに灰色の点で表示されるので、それを頼りに見つけていくのが基本ですが、レーダーの範囲はかなり狭く、何のヒントもなしで探さないといけないので、見つからない時はホントに見つかりません・・・
そしてゲームの欠点という訳ではありませんが、今となっては難点と言わざるを得ないのは、もはや iPhone / iPad には優秀な FPS が多数存在するため、それらと比べて見劣りすること。
前作は発売が 2010 年の初頭だったのでまだ他の FPS は少なかったし、ゲーム内容も FPS と言うより「オリジナルのガンシューティング」であったため、際立った存在と言えたのですが・・・
もはや今は超美麗なグラフィックの FPS がひしめいているので、グラフィックでは他より二回りほど落ちるし、ゲームも「普通の FPS」に近くなったのでオリジナリティーをあまり感じなくなっています。
さらにハッキリ言って、「狭いマップで短いミッションを繰り返し、お金を貯めて武器を買っていく」というゲーム内容が DEAD TRIGGER と激しくかぶっていて、その DEAD TRIGGER のグラフィックとコストパフォーマンスがハンパじゃないので、比較して厳しいのが否めません。
ゲーム自体も DEAD TRIGGER の方が収集物の方向を矢印で示してくれるなど、プレイしやすくなっています。
自由に動けるようになったのはゲームとしては正当進化と言えるのですが、私的には「立ち止まったまま豊富な武器で、ゾンビをバリバリ倒しまくる内容」のみに絞ってくれていた方が、このゲームは良かったかなぁという気がしています。
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
定価は不明ですが、現在(2012/10)はオープンセールで 170 円で販売されています。
前作もかなり安く、それでいてボリュームもあったのでコストパフォーマンスの良さで人気になったのですが、今回もコストパフォーマンスはかなり高いですね。
収集ミッション(Scavenge)がホントに面倒ですが、それを避けてプレイすれば遊びやすくなります。(メインミッションの場合はやるしかないですが)
長期的な強化要素があり、難易度も3種類用意されているので、長く楽しめる作品と言えるでしょう。
ゾンビなどがダメな人には勧められませんが、そんなに酷くスプラッタな訳ではありません。
ただ、あまり FPS をしない人に、このゲームと DEAD TRIGGER のどちらを勧めるかと言われたら、DEAD TRIGGER だなぁ・・・
他の FPS を一通りやっていて、さらに「変わり種」もやってみたいと思っている人に勧められる感じでしょうか。
でも価格が安いので、試して損のないアプリだと思います。
・N.Y.Zombies 2 (iTunes が起動、iPhone / iPad 両対応です)
これは同じ名前の違うタイトルだ…。