脳を活性化する」というフレコミで発売された DS のソフト「脳を鍛える大人の DS トレーニング」が大ヒットしたのは 2005 年のこと。 翌年には欧米でもヒットしています。
以後、様々な「脳トレ」系のソフトが登場してきた訳ですが、ドイツで開発されたクオリティーの高い脳トレアプリが先日 iOS と Android で公開されました。
アインシュタインの脳トレ」(Einstein Brain Trainer)です。

iOS ではあの有名な川島隆太教授が監修し、ナムコが発売した「全脳トレ」というアプリも2作公開されているのですが、これはアプリのクオリティーがイマイチで、お勧め出来ない完成度であったため、iPhone AC では扱っていません。

しかし今回取り上げる「アインシュタインの脳トレ」はセンスの良いグラフィックと演出を持ち、インターフェイスも良く、脳トレとして必要な機能もそろっていて、これまでの iOS の脳トレ系アプリの中では随一の完成度です
ドイツメーカーのアプリですが完全に日本語化されていて、翻訳におかしな点も見られません。

アインシュタインの脳トレ(Einstein Brain Trainer)

論理」「記憶」「計算」「視覚」の4つのカテゴリに分けられた、「脳トレ」のミニゲームを行うアプリです。
DS の「大人の DS トレーニング」と同じく、その日の最初のプレイ時に1日1回の「テスト」が実施され、各カテゴリの問題を1問ずつプレイし、その結果でその日の脳力の評価が付けられます
毎日少しずつプレイして、この評価を高めて行くのが目標となります。

テストの後、問題は自由に練習することが可能です。
各カテゴリの問題が6つずつ用意されていて、よって合計は 6x4 で 24 種類。
ただテストの時しか出てこない特殊な問題も6つ存在するため、それを含めると計 30 種類になります。

問題は単純な計算を繰り返すものや、おつり計算、条件に合った図形の数を答えるといった一般的なものの他に、どの方向から見ているかを当てる空間認識の問題や、親の特徴を元に子となる動物を当てるものなど、変わったものも存在します。

イラストが表示される問題も多いため見栄えが良く、サウンドも良いですね
この手のミニゲーム系のアプリは演出がチープなものが多いのですが、このゲームではそういった印象は受けません。

アインシュタインの脳トレ(Einstein Brain Trainer)
※「おつり計算」と「ジャンケン」の問題。 このタイプの問題は脳トレ系には良くありますが、ジャンケンの方は単に「勝ち」「負け」の答えを出すのではなく、「負けている方のシンボルに負けるものを出す」といった高度な質問も出てくるのが特徴です。
また、おつり計算は見てのように日本の硬貨になっています。 ドイツのアプリですが、ちゃんと日本語版は日本向けに作られているのが伺えますね。


アインシュタインの脳トレ(Einstein Brain Trainer)
※左の画像は結構難しい、正しいサイコロを当てる問題。
正しいサイコロは1つなので、正解を探すより、条件に当てはまらないものを除いていく消去法で考えた方が解りやすいです。
右の画像は「論理」の問題一覧で、スコア表示のボタンを押すとプレイごとのスコアの遍歴グラフなどを確認できます。
ちなみにこのゲームの開発には Unity が使われています。 最近 Unity のアプリが増えましたね。

問題の難易度は正解を繰り返すと上がっていき、誤答すると下がります
そして各問題ごとにハイスコアが記録されますが、終了時の難易度も記録されるようで、前回のプレイが好調だと次回は最初から難易度の高い問題が出て来ます。

難易度の高い問題の方がスコアが高いので、つまり正解率が高ければ、二度目以降の方がスコアが上がっていくことになります。 このスコアバランスの取り方はうまいですね。
逆に正解率が低い人だと難易度が最初から下げられているので、無理のない練習をすることが出来ます。

高いスコアを出したりテストを繰り返すとトロフィーを獲得でき、それを集める要素も存在します。

アインシュタインの脳トレ(Einstein Brain Trainer)
※ DS トレーニングと同じようにカレンダー機能が付いていて、プレイした日にはマークが付けられていきます。
また、その日の結果に応じて称号のようなものが与えられます。
問題の出題中に画面を左にスクロールさせ「科学的情報」を選ぶと、その問題が脳のどの分野に有効かの解説を見ることができます。


脳トレやミニゲームのアプリとしては、特に欠点はありません
若干気になったのは、「脳を鍛える大人の DS トレーニング」には脳医学の研究者である川島隆太教授の監修があり、盛り込まれているゲーム1つ1つに意味があったのですが、このアプリにはそうした背景がどこまであるのか疑問なこと。

ただ、テストの中に「声を出して数字を数え、終わったらボタンを押す」と言うプレイヤーの裁量に任されているものがあり、「声を出して答える」というのは脳医学的に重要らしいので、それが(やや無理やりに)盛り込まれているということは、相応に考えて作られているのだとは思います。
(一応 iTunes の解説文にも「科学的アプローチがある」と書かれています)

以下は Youtube で公開されている公式のプレイ動画です。



価格は 450 円とやや高めですが、脳トレ系のアプリをやるならこれが一番オススメです。
プレイに回数制限がありますが、無料体験版(Lite 版)も用意されています。

脳トレ系はタッチパネルにマッチしていて、需要も多いはずなのに、これまで本命と言えるものが出ていませんでした。
しかしこのアプリはその本命になり得る完成度を持っています。
気楽に楽しめるので、通勤通学時の暇つぶしにも良いですね。

アインシュタインの脳トレ (iTunes が起動します)
アインシュタインの脳トレLite (無料体験版。プレイ制限あり)