パズドラ(パズル&ドラゴンズ)の大ヒット以後、その運営システムを真似た「パズドラ系」と言っても良いゲームが登場していますが、そのパズドラのシステムを踏襲しつつ、戦闘部分がクイズになっている、「クイズ+RPG」のゲームが登場して人気になっています。
冒険クイズキングダム」です。

開発したのは「面白法人カヤック」なる、「日本的面白コンテンツ事業」を業務にしているという謎な会社。
たぶんハイパーメディアクリエイター的なところだと思います。

過去にも多くのスマホアプリを公開しており、一風変わったものが多いのですが、今回の冒険クイズキングダムはゲームとしての完成度が高く、グラフィック・演出・サウンドなども全てしっかり作られています
意味不明なメーカーのパチモノ的な雰囲気はありません。

また、パッと見はソーシャルゲーム的ですが、ガチャが存在しないなど、やや独自の路線を行こうとしているのが伺えます。
なお、このゲームは Android の方が先行していて、10月に登場しており、iOS 版はそれから1ヶ月遅れての公開となりました。

冒険クイズキングダム

3人+助っ人1人の4人パーティーで冒険に向かい、モンスターと戦って経験値やアイテムを入手する RPG です。
戦闘シーンではクイズが出題され、正解するとパーティーの1人が敵を攻撃し、その後に(正解・誤答に関わらず)相手の攻撃を受け、どちらかの HP が尽きるまでこれを繰り返します。
画面上部にはちゃんとキャラクターが戦っている様子が表示されています。

クイズには正解が1つの「択一クイズ」と正解が複数ある「多答クイズ」が存在し、多答クイズの場合は正解した数だけコンボ攻撃を行えます。

また、正解するごとに各キャラクターの「フォース」(いわゆる MP)が貯まっていき、最大になるとキャラごとの必殺技が使えます
必殺技は問題を無視して相手にダメージを与える事ができ、魔術師の場合はパーティーの HP を回復させられます。
冒険中、任意に HP を回復する手段はこの魔術師の必殺技しかないので、パーティーに(回復技を持つ)魔術師は必須です。

敵を数回倒すとボスモンスターが登場し、これを倒すことでクエストクリア。
そのクエストが「キークエスト」の場合は新たに上位の冒険が出現します。

冒険する島は7つ用意されていて、それぞれ「文学・歴史」「科学・自然」「社会・地理」「エンタメ」「スポーツ」「生活・グルメ」の各ジャンルと、全ジャンルを扱う「オールジャンル」に区分されています。

冒険クイズキングダム
※クエストの名前は、そのクエストの特徴や冒険で手に入るものを表している場合が多いので注目です。
例えば「小銭稼ぎの○○」ならお金を多く入手できるし、「○○の宝物庫」なら特定のアイテムを入手しやすくなっています。
鍵の付いたクエストは「キークエスト」で、これをクリアする事で新しいクエストが出現します。
高難度ですが、パズドラでおなじみの「曜日限定クエスト」も存在します。


問題が出題される際には画面下部に「正解率」が表示されます。
さらに問題によっては、選択した解答に応じた「豆知識」が表示される事もあります
こうしたちょっとした表示があるのが嬉しいですね。

また最初の敵は2~3択ですが、後半は5択になるなど徐々に選択肢が増えていき、問題自体も初期のクエストは簡単ですが、上位のクエストになると難しくなっていきます。

RPG の要素だけでなく、ちゃんと「クイズゲーム」として良くできている点が、人気になっているポイントだと言えるでしょう。

冒険クイズキングダム
※このちょっとした解説がすごく参考になるし、間違ったときにも誤った理由が解ります。
こういう解説文を入れるのって結構めんどくさいと思うのですが、こういう配慮があると「クイズゲーム」としての評価が上がりますね。


育成面でこのゲームがパズドラやロードラなどの、既存のパズドラ系と違うのは、キャラクターを強化するのにキャラクター同士の合成を行わないこと。

冒険で新キャラが手に入ることもありますが、このゲームでキャラが見つかるのは希で、基本的には「強化アイテム」が手に入ります。
この強化アイテムをキャラクターに合成することで、任意のキャラのレベルアップを行います。

冒険で入手したものを合成するという点は変わりませんが、このようなシステムのためか、このゲームには冒頭で述べたように「ガチャ」がありません
この手のシステムで「脱ガチャ」をしていると言うのは、健全で好感が持てますね。

このゲームにも課金通貨となる「賢者の石」というアイテムがありますが、これは冒険するごとに減っていく「行動力」の回復と、冒険の途中でゲームオーバーになった時のコンティニューのみに使います。

ただ戦闘がクイズである事もあって、よほど誤答しまくったり、無理に戦闘数が多いクエストに挑んだりしない限り、コンティニューが必要になることはありません。

冒険クイズキングダム
※クエストの中には特定の職業のキャラを入手しやすいものがあります。
例えば「魔女の森」なら魔術師を、「落ち武者の森」なら足軽をボスがドロップしやすく、キャラクターはガチャではなく、こうした特定のクエストで「狙って獲得するもの」になっています。
現金と運だけでレアキャラを手に入れる、既存のガチャ型ソーシャルゲームとは一線を画しています。


やや難点なのは「行動力」でしょうか。
最大は 100 で、5分で1回復するのですが、クエストには 15~25 が必要で、中には 50 必要なクエストもあります。
20 使ったとして5分で1回復ですから、回復に必要な時間は 100 分。 1時間半以上必要になります。
100 全部使い切ったら8時間以上経たないと回復しません・・・

1回のプレイ時間が相応に長いし、レベルアップで回復するので、序盤はそれほど気にならないのですが、しかし全快に8時間は長すぎる印象があります。
なお、1つ 85 円の賢者の石を使うと行動力は全快します。 この点はパズドラなどと同じです。

もう1つ気になるのは、まだ問題数が十分でなく、同じような問題が連発される場合が多いこと。
地理の多答問題の「○○県に含まれる市を応えよ」や、エンタメの「○○年のヒット曲の中で女性ボーカルのものを答えよ」、さらに科学の元素記号に関する問題などは、「またコレか」と思うぐらい出てくる事があるので、もうちょっと問題にバラエティーさが欲しいところです。
まあ問題はサーバーから読み込んでいると思うので、随時増えていくとは思います。

冒険クイズキングダム
※左は合成によるキャラクター強化の画面。 パズドラなどと同じく、合成に必要な費用はベースとなるユニットのレベルによって決まります。
よって細かく合成を繰り返すより、効果の高いアイテムを複数まとめて合成し、一気にレベルを上げた方が資金が無駄にならずに済みます。
お金がないときは効果の低いアイテムは売った方が良いでしょう。
右は課金通貨の「賢者の石」の購入画面。 1つ 85 円ですが、ガチャに使うことがないので購入する機会はそれほどないはず。
行動力回復に多用したり、いきなり「曜日限定ダンジョン」とかに挑む場合は別ですが・・・


課金要素はありますが、本体は無料
行動力の回復に必要な時間が長いですが、基本的には無料のままでも十分楽しむ事が出来ます。

特に「ガチャ」がないため、無理せずに遊ぶ場合、本当に課金する必要が全くありません
今後どうなるか解りませんが、最近はソーシャルばかり、ガチャばかりのご時世ですから、運営にもお金がかかると思いますが、出来ればこのスタイルを維持して欲しいものです。

「クイズ+○○」というゲームは昔から結構ありましたが、このゲームはスマホのアプリとしては、かなり理想に近いクイズゲームになっているのではないかと思います
クイズが嫌いな人っていないと思うので、万人にお勧め出来るアプリですね。

冒険クイズキングダム (iTunes が起動します)