昨年(2011年)世界中で絶賛され数々の賞を受賞した iPhone / iPad の音楽ゲームの最高峰「グルーヴコースター」。
そのグルーヴコースターの新作が発売されました。
グルーヴコースター ゼロ」です。

※現在、アップデートに伴い「グルーヴコースター 2 オリジナルスタイル」に名前が変わっています。

ゲーム内容は前作とほとんど変わらないため、続編と言うよりは「無料化(フリーミアム)バージョン」と言った感じです。
本体価格は無料で、課金で追加曲を購入する形になっていますが、本体のみでも前作の初期収録曲は一通りプレイすることが出来る、お得なバージョンです。
ただし追加曲の価格は相応に高いため、その点は賛否が出そうですね。

なお、前作を持っている場合は特別曲が4曲追加されるので、「前作を買って損した!」という事はないようになっています。

groovecoaster21

一本のラインの上を「アバター」と呼ばれるキャラクターが進んで行き、ラインの上に曲に合わせてマークが現れます。
アバターとマークが重なった瞬間に画面をタップし、タイミングが良ければ GREAT や GOOD という表示と共にゲージが上昇、曲の終了までにゲージが一定以上あればステージクリアとなります。

タップする場所は画面のどこでも良く、内容としては非常にシンプルです。
音楽ゲームですから目で見てタイミングを計るより、サウンドやリズムに合わせて押すことが大切ですね。

ちゃんとタップに反応した演奏が行われるため、押すタイミングがズレているとサウンドもズレます。
よって入力感というか、「自分で演奏している感」があります。

このゲームの特徴はラインが単なる直線ではなく、ジェットコースターのように立体的に曲がりくねり、美しい演出が表示されること。
静止画で見るとシンプルですが、実際はかなり激しくダイナミックに動きます

また「プレイの気持ちよさ」を重視して開発されており、とてもリズム感が良く、曲にノッてプレイできるよう調整されています
画面を押しっぱなしにしたり、フリックしたりする操作もあるのですが、「ノリ」を損なわないようそれらのマークは最小限しか出て来ません。
音質もかなり作り込まれているので、プレイ時にはイヤホンは必須です。

全体的に、ゲームの根本である「プレイすること自体の楽しさ」に重点が置かれている内容です
そうした作り手の理想はプレイヤーにはあまり伝わらないことが多いのですが、このゲームはやっててそれを実感できるので、それが大ヒットした要因だと言えるでしょう。

グルーヴコースター ゼロ
※左の画像は AD-LIB(アドリブ)が成功しているところ。
アドリブはいわゆる「隠しマーカー」なのですが、曲やリズムに合わせて隠されているため、マークがなくてもノリに任せてタップしていると見つかることが多いです。
タップ時の評価は GREAT、COOL、GOOD、MISS の4つで、前作は COOL 以上でないとコンボが繋がらなかったのですが、今作は画像のように GOOD でも繋がるようになりました。
右の画像は曲の選択画面。 この選択画面も一本のラインで表現されています。
S や A と言うのはクリア評価ですが、評価も前作より甘くなっていて、GOOD や MISS が多くても GREAT の比率が高ければ S にしてくれます。(ただしノーミスでも GREAT が少ないと A しか貰えません)


注目の曲の種類と数ですが、無課金でも「レベルアップ」により曲が増えていき、最大 18 曲になります。
さらに ID 登録などでも増えるので、無料でも 20 曲はプレイできます
(前作がインストールされていればさらに4曲増えます。 ちなみに前作の公開当初の曲数は 16 でした)

レベルアップによる曲の増加は、1つの曲を EASY / NORMAL / HARD の各難度でクリアしたぐらいのタイミングで発生するので、それほど必死になって経験値を貯める必要はありません。
音楽ゲームとしてのボリュームは十分と言えますね。

曲の多くはタイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」によるもので、様々なジャンルのものがそろっています。
アンビエントのような変わったものもありますね。

そして追加楽曲ですが、かなり豪華です
有名なパフュームのポリリズムや、木村カエラの TREE CLIMBERS、テクノミュージックの第一人者「ケン・イシイ」の曲もあり、奇々怪界の BGM は Rhythm Control 2 にも参加していた YMCK が担当しています。

さらにスクエニからは、FF13 の作曲担当である浜渦正志さん、すばらしきこのせかいの作曲担当である石元丈晴さん、ビーマニシリーズにも曲を提供していた鈴木光人さんが参加しています。

前作の追加曲であった ZUNTATA 初期メンバーの小倉久佳さんの曲や、インディーズバンド「エイプリルズ」の曲もそのまま含まれています。

ただし、これらの追加曲は全て1曲 200 コイン。 100 コインが 120 円なので、240 円になります。
これは音楽ゲームの曲単価としては最高値です。
太鼓の達人 でも5曲 600 円、ミクフリック2 でも3曲 450 円、Jubeat は4曲 450 円ですからね。
追加曲は(2012/11時点で)22 曲公開されていますが、全部導入すると約 3600 円かかります。
1曲ずつバラ売りされているのは購入しやすくて良いのですが・・・

ただ、このゲームは単に曲が追加されるだけでなく、演出も含めたステージ自体もセットなっているので、そのぶん高くなるのは仕方ないかもしれません。

※現在は楽曲パックを直接購入する方式になっています。
4曲600円のパックが多く、よって1曲の値段は 150 円です。


グルーヴコースターの追加曲の要望は世界的に多いはずなので、それが期待できる作りになったことはファンにとって喜ばしい事とは言えます。

グルーヴコースター ゼロ
※追加曲は前作より高くなっています。 ただ J-POP などもあって、ステージ演出もそれぞれ独自のものが用意されています。
まあ本格的な音楽ゲームになると、1曲 150 円ぐらいが相場なのかな。 グルーヴコースターは譜面の調整にかなり時間をかけてるらしいし・・・
ただ前作はコストパフォーマンスの良さも長所だったので、そこはちょっと損なわれた気も。
アプリの外見はあまり変わりませんが、中身は拡張性を重視したシステムに変更されていると思われます。


冒頭で述べたように、アプリ本体は無料。 追加曲を導入しない限り、無料のままでも遊べます。
曲の追加課金については賛否あると思いますが、とりあえず課金しなくても十分遊べるボリュームではあるので、未経験の人にはぜひ試して欲しいゲームですね。

こういう言い方は何ですが、無料の子供だましな音楽ゲームで満足していた人は、このゲームをやると「ゲームメーカーでちゃんと作られたアプリはこんなに凄いんだ!」と思うのではないでしょうか。
このタイプのゲームは幅広いユーザーにウケると思うので、無料にして間口を広げるという戦略は良いのではないかと思います。

まあこのゲームの良さについては、もう各所で散々賞賛されてきたので、いまさら言うまでもないでしょう
今後どう広げていくのか、これからの拡張や展開に期待したいですね。

グルーヴコースター 2 オリジナルスタイル (iTunes が起動します)