敵に見つからないように「潜入」するという、名作ミリタリーアクションゲームシリーズ「メタルギア」。
海外でも絶賛されており、国内外を問わず人気の高いコナミの代表作の1つです。
そんなメタルギアシリーズのキャラクターが総登場する、新しい作品の開発発表が行われたのが今年の8月です。
しかし、それは「ソーシャルゲーム」。
この時点でファンからは大ブーイングが起こった訳ですが、それでもメタルギアシリーズの開発元である小島プロダクションが直々に関わっていることや、3D グラフィックの美しいスクリーンショットが公開されたことで、期待する声も少なからず上がっていました。
しかし9月下旬、「東京ゲームショウ2012」で公開された新メタルギアの内容は、完全な「ポチポチゲー」のソーシャルゲームであり、メタルギアとは名ばかりのドリランド的なもの。
戦闘や潜入アクションも映像だけという、メタルギアファンの期待を完膚無きまでにぶち壊すものとなっていました。
実際に触れた方からの潜入報告にも悲壮感が漂っていて、海外でも悲鳴が巻き起こり、もう発売前から旧来のファンにとっては「ガッカリゲー」であることが解りきったアプリと言えました。
メタルギアがこんなに見え見えのクレイモア地雷になったことは、ゲーム史に残る事件だと言えるでしょう。
ただこのゲーム、旧来のメタルギアファンには残念なアプリなのですが、GREE の作ったソーシャルゲームとしては、私はこれで正解だと思います。
内容的にも、拡散性ミリオンアーサーやガーディアンクルスに続く「リッチなソーシャルゲーム」であり、それは従来の GREE の方針を考えると異質と言えます。
また、コンプガチャ規制問題の影響で制定された「ソーシャルゲームのガイドライン」に沿った、ガチャで出るカードの確率の表示なども行われていて、興味深い点が多いアプリだと言えますね。

まず最初に・・・ このゲームはゲームシステム部分をグリーが担当し、グラフィックや演出部分をコナミが、というよりメタルギアシリーズの開発元である「小島プロダクション」が担当しています。
そしてアプリの内容は、この開発体制がそのまんま現れているものになっています。
基本のゲームシステムは、「ドリランド型ソーシャルゲーム」です。
ぶっちゃけ「探検ドリランドの絵をメタルギアに変えたもの」と言ってよく、まさに「ド!ド!ドリランメタルギア!」ですね。
システム部分でドリランドから無理に変えている部分は見られません。
「ミッション」を選択し、画面をタップすると AP と呼ばれるポイントが減っていき、それに伴って進行度と経験値が増えていきます。
進行度が最大になればミッションクリアとなり、次のミッションに移ります。 基本部分はこれだけです。
AP がなくなったら回復するまでしばらく待たなければなりません。
回復は割と早く2時間かかりませんが、1回のプレイ時間も短めです。
ミッション進行中、たまに「CAUTION」と表示され、そこで見つかると「ステルス(潜入)モード」がリセットされてしまいます。
逆に見つからずに潜入し続けていると、その長さに応じて「ステルスボーナス」が得られます。
しかし見つかるかどうかは「運のみ」なので、単なる運試しというか、演出に過ぎません。
ミッションの進行において、あえて「ゲーム性」と言える部分は排除されている形です。
ミッションを進めているとたまに「レイドボス」と呼ばれるボスキャラが登場します。 ミッションのラストにもミッションボスが出現します。
ボスとの戦闘はセットしたカードによる「カードバトル」によって行われますが、戦闘は自動で進行するため、特に指令を出したりすることはありません。
カードには 攻撃力・防御力・スキル と言ったステータスがありますが、ほとんど戦略性はなく、単に強いカードをセットしておけば勝てる形ですね。
このボスとの戦闘は画面構成なども含め、ドリランドのボス戦そのまんまです。
カードはミッション進行中にも手に入りますが、主に「ガチャ」で入手します。
このゲームはガチャがシステムの中心にあり、ゲーム中にも頻繁にガチャガチャ言われます。
ガチャには通常のガチャ、課金ガチャ、ボスを倒して権利を獲得するレイドガチャがあり、グリーらしい「11連ガチャ」も当然のように存在します。

※最近は「脱ガチャ」を果たしているアプリもある中で、このゲームは完全にガチャ中心。 ここはやはりグリーらしいですね。
ガチャのカードは「ダンボール」で送られて来ますが・・・ 明らかに怪しい・・・w
カード合成の際も、多くの兵士が1つのダンボールの中に入って、中で色々なことが行われて(?)レベルアップします。

※ガチャのカードの出現率表示。 上からノーマルガチャ、レイドガチャ(ボスガチャ)、課金ガチャ。
ノーマルでもレア出現率は 1/20、ボスガチャなら約 1/5 あり、この手のゲームとしては高めです。
課金ガチャの SR 出現率は約 1/143 。 これが解るだけでも以前よりは健全ですが、ただ課金しないと出てこないカードも多いです・・・
こういう表示をしている以上、カードの出現確率の内部調整はもう行えなくなっているはずなので(やったら完璧に違法)、大手ソーシャルゲームメーカーの運営も変化しているはずです。
ただ問題は、このガイドラインに従っているのは大手メーカーだけで、中小のソーシャルゲームメーカーは参加していないと言うこと。
よって今後すべてのソーシャルゲームがこうなるという訳ではありません。
強化や育成面についても、従来のグリー / モバゲー型ソーシャルゲームと変わっていません。
カードは合成で強化する形で、それによって攻撃力と防御力が上がっていきます。
当然レアカードの方が強く、強化の上限値も高くなります。
しかし他に考慮すべき部分はほとんどなく、システムはシンプルに作られています。
デッキ(編成)は「キャラカード8枚+メタルギアカード1枚」で行われますが、自動編成も可能です。
カードによっては「スキル」が存在しますが、ほとんど攻撃力や防御力を上げるもののみで、変わった効果のカードは見られません。
編成には前列と後列がありますが、それによる変化はほとんど感じられません。
カードにも 陸・海・空 の3種類がありますが、スキルの効果の対象になるかどうかに影響するだけで、相性のようなものはありません。
この辺りは、それを利用したゲーム性を導入しようと思えば出来るはずですが、あえてそうしたゲーム性・戦略性はなくしている印象です。
全体として、非常にソーシャルゲームらしいソーシャルゲームと言えますね。
メタルギアファンにとっては、スネークがあの渋い声で「レッツ!ガチャ!」と叫ぶのは、悪夢以外の何者でもないでしょう。
ただソーシャルゲームを好む人からすると、何も考えずに気楽にプレイでき、無理にシステムを変えている部分や目新しい部分もないおかげで、スムーズにゲームを始められると言えそうです。

※カードと編成画面。 カードにはキャラクター解説も添えられています。
右は編成画面ですが、攻撃力と防御力を高めたキャラを並べておけば良い感じで、あまり配置を考える必要はありません。
ただ、自動編成にすると「スキルチップ」という強化アイテムを装備できないので、それを入手した後は一応自分で編成する必要があります。
スキルチップの装備枠はメタルギアのレベルアップで増え、メタルギアカードはメタルギアカードしか合成できません。

※左は他プレイヤーと対戦する「バトル」の画面。 でもバトルは相手を選んだらすぐ結果が表示されるだけのシンプルなものです。
誰に襲われたかとか、その結果どうなったかとか、その辺の情報はほとんど表示されません。
勝てる相手を選んで戦えば良いので、対戦と言うよりは勝利ポイントを貯めるのを競う感じですね。
対戦後にその戦闘の詳細を確認できますが、元がシンプルなのであまり詳しい表示ではありません。
右はバトルで稼いだポイントでメタルギアのパーツを入手している場面。 メタルギアカードは主に、このバトルのポイントと引き替えで手に入れます。
そして、コナミ側が担当しているグラフィック部分。
ここは従来のグリーのゲームとはかけ離れた、ソーシャルゲームとしては非常に高レベルなものになっています。
ミッションを進行させると、その都度 3D で描かれたスネークが敵地に潜入していく映像が表示されます。
CAUTION になれば敵が警戒しているシーンになり、見つかれば簡易的な戦闘シーンが表示され、見つからない場合はスネークが隠密裏に敵を処理するシーンになります。
使い回しが多いので、ミッションを繰り返していると同じ映像を何度も見ることになりますが、ほとんどのソーシャルゲームはミッション進行中に目立った画面の変化はないので、それよりははるかに良いです。
また、画面下部にはミッションごとに異なる、メタルギアのストーリーに沿った通信メッセージも表示されます。
ボス戦の戦闘グラフィックもなかなかカッコ良く、レイドボスやミッションボスには原作に沿った固有の攻撃シーンが用意されており、3D の RPG のような戦闘シーンが展開されます。
ゲーム中のグラフィックについては、現時点のソーシャルゲームの中では間違いなくトップクラスですね。

※左の画像はミッション中に敵兵を背後から襲い、CAUTION(警戒)の状態を回避したシーン。
CAUTION の回避は運次第なので、単なる演出に近いのですが、こうしたものがあった方が、ないよりは楽しめますね。
右はミッションボスである、MGS3 の若いオセロット。 ちゃんとオセロットらしい早打ちシーンも流れます。
メタルギアがソーシャルゲームになってしまったこと、それがステルスアクション皆無のドリランド型ソーシャルゲームになってしまったことは、世界中のメタルギアファンにとって大きな失望であり、東京ゲームショウで体験した方々もこぞって嘆いていました。
特にこの作品は、原作者が不在で外注が開発した ロックマン Xover とは違い、総監督の小島さんが関わっている「小島プロダクション」制作の作品です。
それが ド!ド!ドリランメタルギア であったことは、「ゲームユーザー」にとってはショックでしょう。
ただ、中途半端にアクション性を入れても、それこそ「ゲームユーザー」も「ソーシャルゲームユーザー」も喜ばないものになってしまいます。
ドリランド型やロワイヤル型を好むコアなソーシャルゲームユーザーの多くは、ゲーム性や戦略性を「めんどくさい」と感じてしまうので、出来るだけシンプルに作る必要があります。
グリーで作って、グリーで運営する以上、グリーを好んでいるコアなソーシャルゲームユーザーに向けたものにする必要がある訳で、そこを割り切って作っているというのは、つまり正解なのでしょうね。
また、「スマートフォン向けのリッチなソーシャルゲーム」の分野は今のところスクエニの独壇場で、意外に追従してくるメーカーがなかったのですが、この分野に新たなメーカーが加わってきたと言うのも今後の注目点だと思います。
グリーやモバゲーはソーシャルゲームの開発に出来るだけお金をかけない方針で、以前から「低コスト・高収入」をセミナー等でも述べていたようですが、この規模のゲームになるとソーシャルゲームとは言え相応にお金と時間がかかります。
つまり、方針や考え方に変化があったということでしょうか?
いずれにせよ、たとえソーシャルゲームでも高度化していくのは避けられないし、ミリオンアーサーやガーディアンクルスが一定の成功を収めているのを見ても、「リッチなソーシャルゲーム」が成功する要素はあると思われます。
ソーシャルゲームですから本体は無料。 ただし「ガチャ」がメインにあるゲームなので課金は当然あります。
ただ、ボスから得られるガチャチケットでレアカードも普通に入手できるので、イベントで上位を目指そう! みたいなことを考えないのであれば、無課金でも普通にゲームは進められます。
ガイドラインによってガチャ確率を表示しなければならなくなったため、あまり絞るとユーザーはウンザリしますから、もう「課金しないと強くなれない」というソーシャルゲームは作りづらい環境になったのかもしれません。
ユーザーにとっては重課金しなくても相応に強くなれるので、遊びやすくなったとは言えますね。
グリーやモバゲー、その他のソーシャルゲームメーカーは「無理に高度なグラフィックやサウンドは必要ない」「本当に高クオリティーが求められているのか?」などと言っていましたが、そんなものはメーカー側の都合の話であって、ユーザー側の視点では「綺麗なゲーム」と「綺麗じゃないゲーム」があって、内容と価格が同じなら、当然綺麗なゲームの方が良いと言うのは、最初から常に不変で変わりようがありません。
リッチコンテンツが常識化してくるとグリーやモバゲーにとってはやり辛くなるでしょうが、そろそろそういう事を言っていられる時代じゃなくなってきているのでしょうね。
しょせんは「本道のソーシャルゲーム」であり、「ポチポチゲー」なので、「ゲームユーザー」が楽しめるようなものではありません。
ただ、気楽に遊べてグラフィックが良いので、ゲームではなく「映像やストーリーを見るもの」という気持ちでやってみるのであれば、そんなに悪くはないと思います。
少なくともこれまでのグリーのゲームにあった「ショボさ」は、このアプリからは感じませんね。
・メタルギア ソリッド ソーシャル・オプス (iTunes が起動します)
海外でも絶賛されており、国内外を問わず人気の高いコナミの代表作の1つです。
そんなメタルギアシリーズのキャラクターが総登場する、新しい作品の開発発表が行われたのが今年の8月です。
しかし、それは「ソーシャルゲーム」。
この時点でファンからは大ブーイングが起こった訳ですが、それでもメタルギアシリーズの開発元である小島プロダクションが直々に関わっていることや、3D グラフィックの美しいスクリーンショットが公開されたことで、期待する声も少なからず上がっていました。
しかし9月下旬、「東京ゲームショウ2012」で公開された新メタルギアの内容は、完全な「ポチポチゲー」のソーシャルゲームであり、メタルギアとは名ばかりのドリランド的なもの。
戦闘や潜入アクションも映像だけという、メタルギアファンの期待を完膚無きまでにぶち壊すものとなっていました。
実際に触れた方からの潜入報告にも悲壮感が漂っていて、海外でも悲鳴が巻き起こり、もう発売前から旧来のファンにとっては「ガッカリゲー」であることが解りきったアプリと言えました。
メタルギアがこんなに見え見えのクレイモア地雷になったことは、ゲーム史に残る事件だと言えるでしょう。
ただこのゲーム、旧来のメタルギアファンには残念なアプリなのですが、GREE の作ったソーシャルゲームとしては、私はこれで正解だと思います。
内容的にも、拡散性ミリオンアーサーやガーディアンクルスに続く「リッチなソーシャルゲーム」であり、それは従来の GREE の方針を考えると異質と言えます。
また、コンプガチャ規制問題の影響で制定された「ソーシャルゲームのガイドライン」に沿った、ガチャで出るカードの確率の表示なども行われていて、興味深い点が多いアプリだと言えますね。

まず最初に・・・ このゲームはゲームシステム部分をグリーが担当し、グラフィックや演出部分をコナミが、というよりメタルギアシリーズの開発元である「小島プロダクション」が担当しています。
そしてアプリの内容は、この開発体制がそのまんま現れているものになっています。
基本のゲームシステムは、「ドリランド型ソーシャルゲーム」です。
ぶっちゃけ「探検ドリランドの絵をメタルギアに変えたもの」と言ってよく、まさに「ド!ド!ドリランメタルギア!」ですね。
システム部分でドリランドから無理に変えている部分は見られません。
「ミッション」を選択し、画面をタップすると AP と呼ばれるポイントが減っていき、それに伴って進行度と経験値が増えていきます。
進行度が最大になればミッションクリアとなり、次のミッションに移ります。 基本部分はこれだけです。
AP がなくなったら回復するまでしばらく待たなければなりません。
回復は割と早く2時間かかりませんが、1回のプレイ時間も短めです。
ミッション進行中、たまに「CAUTION」と表示され、そこで見つかると「ステルス(潜入)モード」がリセットされてしまいます。
逆に見つからずに潜入し続けていると、その長さに応じて「ステルスボーナス」が得られます。
しかし見つかるかどうかは「運のみ」なので、単なる運試しというか、演出に過ぎません。
ミッションの進行において、あえて「ゲーム性」と言える部分は排除されている形です。
ミッションを進めているとたまに「レイドボス」と呼ばれるボスキャラが登場します。 ミッションのラストにもミッションボスが出現します。
ボスとの戦闘はセットしたカードによる「カードバトル」によって行われますが、戦闘は自動で進行するため、特に指令を出したりすることはありません。
カードには 攻撃力・防御力・スキル と言ったステータスがありますが、ほとんど戦略性はなく、単に強いカードをセットしておけば勝てる形ですね。
このボスとの戦闘は画面構成なども含め、ドリランドのボス戦そのまんまです。
カードはミッション進行中にも手に入りますが、主に「ガチャ」で入手します。
このゲームはガチャがシステムの中心にあり、ゲーム中にも頻繁にガチャガチャ言われます。
ガチャには通常のガチャ、課金ガチャ、ボスを倒して権利を獲得するレイドガチャがあり、グリーらしい「11連ガチャ」も当然のように存在します。

※最近は「脱ガチャ」を果たしているアプリもある中で、このゲームは完全にガチャ中心。 ここはやはりグリーらしいですね。
ガチャのカードは「ダンボール」で送られて来ますが・・・ 明らかに怪しい・・・w
カード合成の際も、多くの兵士が1つのダンボールの中に入って、中で色々なことが行われて(?)レベルアップします。

※ガチャのカードの出現率表示。 上からノーマルガチャ、レイドガチャ(ボスガチャ)、課金ガチャ。
ノーマルでもレア出現率は 1/20、ボスガチャなら約 1/5 あり、この手のゲームとしては高めです。
課金ガチャの SR 出現率は約 1/143 。 これが解るだけでも以前よりは健全ですが、ただ課金しないと出てこないカードも多いです・・・
こういう表示をしている以上、カードの出現確率の内部調整はもう行えなくなっているはずなので(やったら完璧に違法)、大手ソーシャルゲームメーカーの運営も変化しているはずです。
ただ問題は、このガイドラインに従っているのは大手メーカーだけで、中小のソーシャルゲームメーカーは参加していないと言うこと。
よって今後すべてのソーシャルゲームがこうなるという訳ではありません。
強化や育成面についても、従来のグリー / モバゲー型ソーシャルゲームと変わっていません。
カードは合成で強化する形で、それによって攻撃力と防御力が上がっていきます。
当然レアカードの方が強く、強化の上限値も高くなります。
しかし他に考慮すべき部分はほとんどなく、システムはシンプルに作られています。
デッキ(編成)は「キャラカード8枚+メタルギアカード1枚」で行われますが、自動編成も可能です。
カードによっては「スキル」が存在しますが、ほとんど攻撃力や防御力を上げるもののみで、変わった効果のカードは見られません。
編成には前列と後列がありますが、それによる変化はほとんど感じられません。
カードにも 陸・海・空 の3種類がありますが、スキルの効果の対象になるかどうかに影響するだけで、相性のようなものはありません。
この辺りは、それを利用したゲーム性を導入しようと思えば出来るはずですが、あえてそうしたゲーム性・戦略性はなくしている印象です。
全体として、非常にソーシャルゲームらしいソーシャルゲームと言えますね。
メタルギアファンにとっては、スネークがあの渋い声で「レッツ!ガチャ!」と叫ぶのは、悪夢以外の何者でもないでしょう。
ただソーシャルゲームを好む人からすると、何も考えずに気楽にプレイでき、無理にシステムを変えている部分や目新しい部分もないおかげで、スムーズにゲームを始められると言えそうです。

※カードと編成画面。 カードにはキャラクター解説も添えられています。
右は編成画面ですが、攻撃力と防御力を高めたキャラを並べておけば良い感じで、あまり配置を考える必要はありません。
ただ、自動編成にすると「スキルチップ」という強化アイテムを装備できないので、それを入手した後は一応自分で編成する必要があります。
スキルチップの装備枠はメタルギアのレベルアップで増え、メタルギアカードはメタルギアカードしか合成できません。

※左は他プレイヤーと対戦する「バトル」の画面。 でもバトルは相手を選んだらすぐ結果が表示されるだけのシンプルなものです。
誰に襲われたかとか、その結果どうなったかとか、その辺の情報はほとんど表示されません。
勝てる相手を選んで戦えば良いので、対戦と言うよりは勝利ポイントを貯めるのを競う感じですね。
対戦後にその戦闘の詳細を確認できますが、元がシンプルなのであまり詳しい表示ではありません。
右はバトルで稼いだポイントでメタルギアのパーツを入手している場面。 メタルギアカードは主に、このバトルのポイントと引き替えで手に入れます。
そして、コナミ側が担当しているグラフィック部分。
ここは従来のグリーのゲームとはかけ離れた、ソーシャルゲームとしては非常に高レベルなものになっています。
ミッションを進行させると、その都度 3D で描かれたスネークが敵地に潜入していく映像が表示されます。
CAUTION になれば敵が警戒しているシーンになり、見つかれば簡易的な戦闘シーンが表示され、見つからない場合はスネークが隠密裏に敵を処理するシーンになります。
使い回しが多いので、ミッションを繰り返していると同じ映像を何度も見ることになりますが、ほとんどのソーシャルゲームはミッション進行中に目立った画面の変化はないので、それよりははるかに良いです。
また、画面下部にはミッションごとに異なる、メタルギアのストーリーに沿った通信メッセージも表示されます。
ボス戦の戦闘グラフィックもなかなかカッコ良く、レイドボスやミッションボスには原作に沿った固有の攻撃シーンが用意されており、3D の RPG のような戦闘シーンが展開されます。
ゲーム中のグラフィックについては、現時点のソーシャルゲームの中では間違いなくトップクラスですね。

※左の画像はミッション中に敵兵を背後から襲い、CAUTION(警戒)の状態を回避したシーン。
CAUTION の回避は運次第なので、単なる演出に近いのですが、こうしたものがあった方が、ないよりは楽しめますね。
右はミッションボスである、MGS3 の若いオセロット。 ちゃんとオセロットらしい早打ちシーンも流れます。
メタルギアがソーシャルゲームになってしまったこと、それがステルスアクション皆無のドリランド型ソーシャルゲームになってしまったことは、世界中のメタルギアファンにとって大きな失望であり、東京ゲームショウで体験した方々もこぞって嘆いていました。
特にこの作品は、原作者が不在で外注が開発した ロックマン Xover とは違い、総監督の小島さんが関わっている「小島プロダクション」制作の作品です。
それが ド!ド!ドリランメタルギア であったことは、「ゲームユーザー」にとってはショックでしょう。
ただ、中途半端にアクション性を入れても、それこそ「ゲームユーザー」も「ソーシャルゲームユーザー」も喜ばないものになってしまいます。
ドリランド型やロワイヤル型を好むコアなソーシャルゲームユーザーの多くは、ゲーム性や戦略性を「めんどくさい」と感じてしまうので、出来るだけシンプルに作る必要があります。
グリーで作って、グリーで運営する以上、グリーを好んでいるコアなソーシャルゲームユーザーに向けたものにする必要がある訳で、そこを割り切って作っているというのは、つまり正解なのでしょうね。
また、「スマートフォン向けのリッチなソーシャルゲーム」の分野は今のところスクエニの独壇場で、意外に追従してくるメーカーがなかったのですが、この分野に新たなメーカーが加わってきたと言うのも今後の注目点だと思います。
グリーやモバゲーはソーシャルゲームの開発に出来るだけお金をかけない方針で、以前から「低コスト・高収入」をセミナー等でも述べていたようですが、この規模のゲームになるとソーシャルゲームとは言え相応にお金と時間がかかります。
つまり、方針や考え方に変化があったということでしょうか?
いずれにせよ、たとえソーシャルゲームでも高度化していくのは避けられないし、ミリオンアーサーやガーディアンクルスが一定の成功を収めているのを見ても、「リッチなソーシャルゲーム」が成功する要素はあると思われます。
ソーシャルゲームですから本体は無料。 ただし「ガチャ」がメインにあるゲームなので課金は当然あります。
ただ、ボスから得られるガチャチケットでレアカードも普通に入手できるので、イベントで上位を目指そう! みたいなことを考えないのであれば、無課金でも普通にゲームは進められます。
ガイドラインによってガチャ確率を表示しなければならなくなったため、あまり絞るとユーザーはウンザリしますから、もう「課金しないと強くなれない」というソーシャルゲームは作りづらい環境になったのかもしれません。
ユーザーにとっては重課金しなくても相応に強くなれるので、遊びやすくなったとは言えますね。
グリーやモバゲー、その他のソーシャルゲームメーカーは「無理に高度なグラフィックやサウンドは必要ない」「本当に高クオリティーが求められているのか?」などと言っていましたが、そんなものはメーカー側の都合の話であって、ユーザー側の視点では「綺麗なゲーム」と「綺麗じゃないゲーム」があって、内容と価格が同じなら、当然綺麗なゲームの方が良いと言うのは、最初から常に不変で変わりようがありません。
リッチコンテンツが常識化してくるとグリーやモバゲーにとってはやり辛くなるでしょうが、そろそろそういう事を言っていられる時代じゃなくなってきているのでしょうね。
しょせんは「本道のソーシャルゲーム」であり、「ポチポチゲー」なので、「ゲームユーザー」が楽しめるようなものではありません。
ただ、気楽に遊べてグラフィックが良いので、ゲームではなく「映像やストーリーを見るもの」という気持ちでやってみるのであれば、そんなに悪くはないと思います。
少なくともこれまでのグリーのゲームにあった「ショボさ」は、このアプリからは感じませんね。
・メタルギア ソリッド ソーシャル・オプス (iTunes が起動します)
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