昨今流行りの RPG + パズル。 それを欧米で定番の RPG シリーズ「Might & Magic」(マイト&マジック)と組み合わせたゲームが iOS に移植されています。
Might & Magic Clash of Heroes」です。

この「マイト&マジック」シリーズは欧米では Ultima(ウルティマ)や Wizardry(ウィザードリィ)と共に「三大RPG」の1つに数えられる程の有名タイトルです。
作品数が多く、基本的には 3D 視点の RPG ですが、2D のシミュレーション RPG になっている派生作品「heroes of might and magic」(ヒーローズ オブ マイト&マジック)もシリーズ化されています。

ただ、昨今は Ultima や Wizardry と同じく新しい作品が登場しておらず、シリーズは途絶えていました。
「Might & Magic Clash of Heroes」はそんな中で久々に登場したシリーズ作で、元は 2009 年に DS で発売されていたものです。(ただし欧米のみ。日本では未発売)
その後 XBOX360 や PS3、PC にも移植され、iOS 版はそれらをベースにしたものの様ですね。

元々のマイト&マジックは「ロード・オブ・ザ・リング」のようなリアルな表現の西洋ファンタジーだったのですが、今回はどちらかと言うと「ディズニー」です
親しみのあるデザインで、アメコミ調よりは日本人・アジア人が見ても違和感を感じないキャラクターですが、旧来のマイト&マジックらしさは全くありません。
国の名前や舞台設定には旧作の名残がありますが・・・ ゲームシステムも違うし、今までとは別物と考えた方が良いですね。

なお、販売/開発元は現在 Might & Magic の版権を持っている Ubisoft ですが、あの スキタイのムスメ(Superbrothers: Sword & Sworcery)を開発した Capybara Games も開発に加わっています。
セリフやメッセージは全文英語なので悪しからず。

Might & Magic Clash of Heroes

サイコロのマスのようになっているフィールドをフリックで移動し、イベントのマスをタップするとその場所を調査、敵に遭遇すると戦闘になる RPG です。
ただ、ランダムエンカウント(突発的に敵に遭遇すること)はなく、戦闘は基本的に、決められたマスでのみ発生します
※ある程度ストーリーが進むと、ランダムエンカウントが発生する地域も出てきます。

戦闘は前述したようにパズルで行いますが、パズルと言うよりは対戦型のボードゲーム / ドイツゲームに近いです。
コマを3つ並べて攻撃するため「マッチ3ゲーム」と表現される場合が多いようですが、ビジュエルドズーキーパーパズルクエストのような一般的なマッチ3ゲームとは全く違いますね。

プレイヤーは自分のターンになったら、縦列の一番手前のコマを、別の列に移すことが出来ます。
奧のコマは動かせませんが、押しっぱなしにすることで取り除くことは可能です。

同じコマを縦に3つ並べると、その兵士のコマが「チャージ」を開始し、チャージターンが経過した後に前方に攻撃を行います。
例えば、そのコマの攻撃力が 20 でチャージが2ターンの場合、3つ並べた時点で攻撃力が半分の 10 までチャージされ、次のターンに攻撃力が 15 まで高まり、さらに次のターンに 20 の攻撃が前方に実行されます。
もし発動前に敵の攻撃を受けた場合、その分だけチャージされた攻撃力が低下し、チャージが 0 になると発動前にやられてしまいます。

同じコマを横に3つ並べると、その兵士は「」に変化します。
壁は自動的に最前列に移動し、その列の攻撃を防ぐ盾となり、一定の耐久力を持ちます。

攻撃を行ったり、敵の攻撃を受けて耐久力がなくなったユニットは消えてしまいます。
しかし「援軍」のボタンを押すことで、ユニットを追加で呼ぶことが出来ます。
ユニットの総数は決まっており、敵の攻撃で 10 ユニットやられても、その後に援軍を呼べば 10 ユニット補充されます。

1ターンに動かせるのは3回まで。 援軍を呼んだり削除するのも1回動かしたとみなされます。
自分のターンが終わったら敵のターンになり、以後は繰り返しです。

攻撃が敵の最後尾まで達すると、その攻撃力の分だけ相手プレイヤーの HP が減少します。
相手の HP を先に 0 にすれば勝利ですね。

Might & Magic Clash of Heroes
※前面に壁を張って防衛中。 最初の主人公のエルフレンジャーの壁は徐々に成長していく特性があります。
ただし壁も総ユニット数に含まれるため、壁を作りすぎると援軍の数が減り、攻撃し辛くなるデメリットも。
なお、弱い壁は自動的に合体して強い壁1つになります。


Might & Magic Clash of Heroes
※戦闘中に画面を3回連続タップすると、耐久力が表示された画面になります。
20 の攻撃力を持つユニットが8の耐久力の敵を倒すと、攻撃力の残りは 12 になり、途中で 0 になったらそこで止まります。
途中で止まらずに最後尾に達すると、残った攻撃力の分だけ敵本体にダメージを与えます。
攻撃したユニットは攻撃後には消滅します。


Might & Magic Clash of Heroes
※フィールド画面は道の上に丸い印が付いていて、それを1つずつ進んでいきます。
移動はフリックで行いますが、マスを調べたり、その場所にいる人と話す時は、自分のいるマスをタップ。
話す相手や調べる対象をタップするのではないので注意。


さらに特殊な攻撃として、「Link」(リンク)と「Fusion」(フュージョン)が存在します。

リンク」は同じ色の複数のユニットの攻撃を、同じターンに発動させれば発生し、攻撃時に威力が増加します。
リンクの発生条件を満たすとそれを示す演出が表示されますが、発動前にどちらかがやられてしまうと不発に終わります。
状況によっては3リンク、4リンクも可能です。

フュージョン」はチャージ状態の同ユニットを縦に2つ並べると発生し、両者が合体して、こちらも攻撃時の威力にボーナスが付きます。 また、発動までのターン数が短い方に合わせられます。
ただ、チャージ状態のユニットを縦に2つ並べるには6マスのスペースが必要になります。
自陣のマスは縦6マス分しかないので、壁があるとその列ではフュージョンは狙えず、そのため発生させやすいとは言えません。

また攻撃ではありませんが、間にあるユニットを「削除」してコマを縦か横に3つ以上そろえると、残りの行動回数が減りません
(ユニットの削除にも行動回数を1回使いますが、それでコマがそろったら1回分増えるので、差引ゼロです)
縦と横のラインを同時にそろえたり、連鎖が発生すれば、行動前より行動回数が増える場合もあります。

他に、2マス分の「エリート」と4マス分の「チャンピオン」という大型ユニットが存在します。
エリートは後ろに同色の通常ユニットを2つ、チャンピオンは4つ配置するとチャージを開始し、特殊効果のある攻撃を発動できます。
例えば、最初の主人公であるレンジャーは、壁をジャンプで飛び越える「シカ」と、相手のチャージターン数を増やす「ドルイド」を利用できます。

ただしエリートやチャンピオンを使うには、フィールド画面でお金や素材を集め、それを使って雇用所のマスで「購入」しなければなりません
ユニットは雇用した数だけ登場しますが、戦闘中にやられるとストックが減ってしまいます。(攻撃して消えた分はストックに影響しません)

ルールが解ってくると、どのようにコマを配置するか、なかなか考えることになります。
攻撃だけでなく、相手の攻撃を壁やユニットのチャージで防衛することも必要で、そのうえでリンクなども狙いたいので、奥深いゲーム性があります

どちらかと言うと、じっくり考えながらプレイするタイプのゲームですね。
相手側のコマの配置も気にする必要があり、さらに互いに攻撃し合う内容なので、前述したようにパズルと言うよりは「対戦型ボードゲーム」と言えます。

Might & Magic Clash of Heroes
※右側のユニットが「リンク」を発動中。 右側は敵の守りが薄いのでそこを狙う作戦。
リンクは同色なら、エリートユニットと通常ユニットの組み合わせでも発生します。
レンジャーの通常ユニットは、攻撃が早い弓兵、普通に強いオオカミ、攻撃力に残り MP に応じたボーナス(最大10)が付く妖精の3種類。
MP はヒーローが持つ必殺技ゲージのことで、技を使うと当然 0 になります。


Might & Magic Clash of Heroes
※エリートユニットやチャンピオンユニットは事前に雇用しておかないと使えません。 雇用に必要なお金や資材はストーリーを進めれば手に入りますが、討伐クエストを受けて達成することでも調達できます。
ただエリートはともかく、4マス分もあり、チャージの開始に4つのユニットが必要で、発動までの時間も長いチャンピオンは、あまり使いやすいとは言えません。
使っているユニットは経験値が貯まってレベルが上がり、徐々に強くなっていきます。


Might & Magic Clash of Heroes
※序盤の難関、巨大なタネ(?)を守るシーン。
タネが攻撃を食らったら即終了なので、速攻で壁を構築して防衛しなければなりません。
タネのラインに壁やチャージ中のユニットを作れば、タネは自動的にその後ろに配置されます。
他にも動くターゲットを狙うステージや、人質に攻撃を当てないように戦うシーンなど、特殊な勝利条件のステージが存在します。


Might & Magic Clash of Heroes
※マイト&マジックの世界をベースにした5つの国家が存在し、それぞれに5人の異なるヒーローがいます。
1つの章をクリアすると別の主人公に変わり、使用するユニットも一新されます。
もちろんレベルや装備も1からとなります。


ゲームの難点は・・・ まず、iPhone / iPod touch では非常に操作し辛いこと。

画面を見て解るように、このゲームはコマのサイズがあまり大きくありません。
ズーキーパーなどよりもかなり小さいです。
この小さなコマを直接スライドして動かす必要があるので、iPhone の小さな画面では操作ミスが起こりやすいです。

加えてユニットの削除は「対象のユニットをしばらく押しっぱなし」で行うため、指の真下にある小さなユニットを押さなければならず、視認性とサイズの二重の問題でますますミスしやすいです。
iPad なら問題ないので、ここでは iPad でのプレイを強く推奨します

※ iPhone / iPod touch 版はピンチ操作することでズームイン / ズームアウトが可能でした。
ズームして操作すれば操作ミスは少なくなります。
ただ、ズーム時は相手側の状態は確認できません。


また、対戦ボードゲームに近いパズルであるため、1回の戦闘が長く、気軽には遊べません
1回で 10 分前後、長い時は 15 分ほどかかるので、あまりテンポは良くありませんね。
このゲームはこの形が面白いとは思いますが、十分な時間のある時に、じっくりやるゲームと言えます。

そして難点というか、(現時点の)欠陥なのですが・・・ 戦闘中にたまに落ちます
本体のメモリが少なくて落ちるとかそういうのではなく、戦闘中や戦闘後のセーブ時にヘンな内部エラーが発生して落ちるようで、対処法がなくタチが悪いです。

前述したように1回の戦闘が 10 分とか 15 分とかかかるゲームですから、それで勝利後にゲームが落ちて、その戦闘が全部パーになると、思わず「フザケンナ」と言いたくなってしまいます・・・
オンライン対戦もあるのですが、オンライン対戦に至っては(当方の環境だと)選んだ瞬間に 100 %落ちます。(だからオンライン対戦は検証不可)

まあ、普段はそんなに落ちる訳ではないし、もしかすると日本語環境に起因した問題かもしれませんが、いずれにせよアップデートで治ることを期待したいですね。
(だから本当は、現時点で紹介するのは時期尚早かとも思っていたのですが・・・)

※現在はアップデートでかなり安定しています。

あとは、海外のゲームだから仕方ありませんが、ストーリーが全文英語なので、日本人だと理解し辛いことでしょう。
ただオープニングデモはボイスなどもあって、気合いが入っています。
ゲームのプレイ方法については、英語が読めなくても理解しやすいチュートリアルが用意されています。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 450 円。 元々 DS のゲームで、XBOX / PS3 / Steam(PC)版は共に 15 ドルなので、それを考えるとかなりお得と言えます。
クオリティーやボリュームを考えても、この価格は安いと言って良いでしょう。

DS 版の頃から海外では高い評価を受けていたゲームで、そんな日本未発売のタイトルがこうして普通に遊べるのは、iOS の良い点と言えるでしょうか。

今の時点(2013/2)ではまだ難点がない訳ではないし、ストーリーシーンにボイスがあるためか容量もかなり大きく、インストール後の容量で 1.87 GB もあります。

※アップデートで、なんと 1/3 近い約 650 MB まで削減されました。

ただ、ゲームの面白さは欧米での評価に違わぬものであり、類似したパズルゲームは他にないので、その点でも新鮮味があって良いです。
特に iPad を持っている人にオススメしたいアプリですね。

Might & Magic Clash of Heroes (iTunes が起動します)