人工島の下にある巨大海洋テーマパークで浸水事故が発生し、男女6人が閉じ込められたという設定の、元はプレステ2やドリームキャストで発売されていたノベル・アドベンチャーゲームが iOS に移植されています。
「Ever17-the out of infinity-」です。
シナリオの評価が高いノベルゲームで、「SF 恋愛アドベンチャーゲーム」と称されているのですが、内容としてはミステリーやサスペンスの要素の方が強いストーリーです。
このアプリは 1/15 に公開されたのですが、序盤のシーンが終わった後、ムービーになるところでアプリが必ず落ちてしまうという致命的な不具合があり、その状態が半月以上も放置されていました。
アドベンチャーゲームで「これから」と言うところで落ちるという最悪な状況で、ユーザーから悲鳴があがっていたのですが・・・
2/7 のアップデートで解消され、現在は問題なくプレイできることを確認しています。
この iOS 版 Ever17 の開発は当初、シュタインズゲート や カオスヘッド の開発元で、それらの iOS 移植も行っていた 5pb が担当し、さらに 2011 年末に 5pb とサイバーフロントの共同開発でリメイクされた XBOX 360 版をベースにしていると聞いていたので、ちょっと注目していました。
しかし今回発売されたものはサイバーフロント単独の開発のようで、5pb のロゴは一切出て来ません。
内容も XBOX のリメイク版ではなく、以前からのバージョンです。
どうしてこうなったのかは解りませんが・・・ その影響もあってか、アプリの完成度はシュタインズゲートなどより低いので、それらと同等のクオリティーは期待しないで下さい。
ただ、ノベルアドベンチャーゲームですからそんなにアプリの作りが影響する訳ではないので、普通に遊べる出来ではありますし、メッセージスキップやログ確認など一通りの機能は完備されています。
また、Xbox 360 版はキャラクターの絵が 2D から 3D になったのですが、それがユーザーから大不評だったようなので、むしろ昔ながらの 2D で移植されたことは良かったかもしれません

ジャンルとしてはアドベンチャーゲームですが、移動や調査などのコマンドはなく、選択肢が出てくるシーンもかなり少なめです。
基本的には文章を読み進めていくことのみで進行するもので、前述したようにアドベンチャーというより「ノベル(小説)ゲーム」ですね。
主人公は「武」という名前の大学生と、「少年」と呼ばれる少年で、序盤の選択肢でどちらの主人公になるかが決定されます。
同じ事件を2人の異なる視点で見ていくことになり、主人公が違えばシナリオも変わってきます。
ストーリーはとにかく「伏線張りまくり」で、さらに最初から最後まで「謎」が積み重なり続けます。
そして最初のプレイでは、それがグッドエンディングでもバッドエンディングでも、ほとんど解明されないまま終わりを迎えます。
必然的にプレイヤーは謎の解明のために繰り返しプレイすることになり、この辺の周回への誘導がうまいですね。
一応「恋愛アドベンチャーゲーム」と称されていることもあり、シナリオは各ヒロインごとのルートに分かれていて、謎の解明と言うよりは特定のヒロインの好感度を上げるような選択をしていくことで、そのヒロインのグッドエンディングに向かっていく形になっています。
ただ、ミステリーやサスペンスの要素が強いため、恋愛っぽい展開になるのは各ルートの終盤のみですね。

※ゲーム冒頭は武(大学生)と少年の両者の視点で進行しますが、上記の選択肢で「俺は-」を選ぶと武編、「ぼくは-」を選ぶと少年編となります。
それぞれに分かれた後は、もうその主人公の視点のみで物語は進みます。
とりあえず最初は武編(俺は-)でプレイするのをオススメします。

※武編のワンシーン。 武編に入ると少年は登場人物の1人となります。 少年編だとその逆です。
左のピンクの髪の少女は、ほぼ武編にしか登場しません。

※こちらは少年編。 少年編だと武が登場人物の1人として画面に現れます。
左の制服の少女は少年編にしか現れません。
同じ事件を異なる視点で見ているはずなのに、なぜか登場人物の一部が入れ替わっています。
この辺のプレイヤーにわざと違和感を感じさせる作り方がうまいです。
2人の主人公に2人ずつのヒロインがいるため、とりあえず計4ルートあることになります。
オープニングからラストまで、読み進めるスピードやシナリオにもよりますが、5~8時間ほどはかかります。
それで周回前提の内容ですから、完全クリアまではかなりの時間が必要ですね。
全体のボリュームは十分と言って良いでしょう。
また、左右にスライドすると「スキップモード」となり、メッセージが高速で流れていきます。
既読文章を飛ばすのに便利で、未読文になるとスキップが自動で止まる機能がないのが難点ですが、同主人公の2周目以降のプレイはサクサクと進められます。
他に、上にフリックでログを確認でき、下にフリックでウィンドウを一時的に OFF に出来ます。
メッセージの自動送りもあり、ノベルゲームの一般的な機能は一通りそろっています。
元々は 2002 年に発売されたゲームですから、家庭用ゲーム機から移植されたアドベンチャーゲームとしては 428 や シュタインズゲート などの作品より古く、それらと比べると劣ります。
でもこれらの作品と比較するのは酷でしょうし、そこいらのノベルゲームよりはよっぽど上の内容なので、iOS で登場している同タイプのゲームとしては明らかに上位です。
ただ、見た目がモロにアニメ絵なので、その手に抵抗がある人だとダメでしょうね。
また起動する度にサイバーフロントの会員登録ウィンドウが開くのが、かなりうっとうしいです。
現時点(2013/2)では iPhone / iPod touch 版しか発売されておらず、ユニバーサルアプリでもないので、iPad で2倍表示すると文字は粗くなります。 この辺も iPad ユーザーにとっては難点でしょうか。

※シーン選択、ムービーやイベント CG のアルバム、用語を解説する TIPS なども用意されていますが、そのほとんどは最初は利用できません。
新しいエンディングに到達することで利用できる機能が増えていくようになっており、この点からも周回前提のシステムである事が伺えます。

※登録するまで延々と表示され続ける会員登録ウィンドウ。 これさえなければねぇ・・・
価格は 900 円。 iPhone アプリとしては高めですが、家庭用ゲーム機からの移植ノベルゲームとしては、他よりも安めです。
ボリュームやクオリティーなどを考えると、妥当な価格ではないかと思います。
キャラクターボイスは 500 円の追加課金をしないと導入されません。
この点については賛否あると思いますが、ボイスは無理になくても良いと言う人もいるでしょうし、ボイスを導入すると約 850 MB のデータ量が約 1.5 GB に増加します。
それを考えると、プレイヤーが好みや容量に合わせて選べるようになっているとも言えるので、むしろこの方が良いかもしれません。
シナリオについては、発売から 10 年経って XBOX でリメイクされるぐらいですから、その高い評価が解ると思います。
知る人ぞ知るノベルゲームなので、この手のゲームが好きな方にはオススメです。
・Ever17-the out of infinity- (iTunes が起動します)
「Ever17-the out of infinity-」です。
シナリオの評価が高いノベルゲームで、「SF 恋愛アドベンチャーゲーム」と称されているのですが、内容としてはミステリーやサスペンスの要素の方が強いストーリーです。
このアプリは 1/15 に公開されたのですが、序盤のシーンが終わった後、ムービーになるところでアプリが必ず落ちてしまうという致命的な不具合があり、その状態が半月以上も放置されていました。
アドベンチャーゲームで「これから」と言うところで落ちるという最悪な状況で、ユーザーから悲鳴があがっていたのですが・・・
2/7 のアップデートで解消され、現在は問題なくプレイできることを確認しています。
この iOS 版 Ever17 の開発は当初、シュタインズゲート や カオスヘッド の開発元で、それらの iOS 移植も行っていた 5pb が担当し、さらに 2011 年末に 5pb とサイバーフロントの共同開発でリメイクされた XBOX 360 版をベースにしていると聞いていたので、ちょっと注目していました。
しかし今回発売されたものはサイバーフロント単独の開発のようで、5pb のロゴは一切出て来ません。
内容も XBOX のリメイク版ではなく、以前からのバージョンです。
どうしてこうなったのかは解りませんが・・・ その影響もあってか、アプリの完成度はシュタインズゲートなどより低いので、それらと同等のクオリティーは期待しないで下さい。
ただ、ノベルアドベンチャーゲームですからそんなにアプリの作りが影響する訳ではないので、普通に遊べる出来ではありますし、メッセージスキップやログ確認など一通りの機能は完備されています。
また、Xbox 360 版はキャラクターの絵が 2D から 3D になったのですが、それがユーザーから大不評だったようなので、むしろ昔ながらの 2D で移植されたことは良かったかもしれません

ジャンルとしてはアドベンチャーゲームですが、移動や調査などのコマンドはなく、選択肢が出てくるシーンもかなり少なめです。
基本的には文章を読み進めていくことのみで進行するもので、前述したようにアドベンチャーというより「ノベル(小説)ゲーム」ですね。
主人公は「武」という名前の大学生と、「少年」と呼ばれる少年で、序盤の選択肢でどちらの主人公になるかが決定されます。
同じ事件を2人の異なる視点で見ていくことになり、主人公が違えばシナリオも変わってきます。
ストーリーはとにかく「伏線張りまくり」で、さらに最初から最後まで「謎」が積み重なり続けます。
そして最初のプレイでは、それがグッドエンディングでもバッドエンディングでも、ほとんど解明されないまま終わりを迎えます。
必然的にプレイヤーは謎の解明のために繰り返しプレイすることになり、この辺の周回への誘導がうまいですね。
一応「恋愛アドベンチャーゲーム」と称されていることもあり、シナリオは各ヒロインごとのルートに分かれていて、謎の解明と言うよりは特定のヒロインの好感度を上げるような選択をしていくことで、そのヒロインのグッドエンディングに向かっていく形になっています。
ただ、ミステリーやサスペンスの要素が強いため、恋愛っぽい展開になるのは各ルートの終盤のみですね。

※ゲーム冒頭は武(大学生)と少年の両者の視点で進行しますが、上記の選択肢で「俺は-」を選ぶと武編、「ぼくは-」を選ぶと少年編となります。
それぞれに分かれた後は、もうその主人公の視点のみで物語は進みます。
とりあえず最初は武編(俺は-)でプレイするのをオススメします。

※武編のワンシーン。 武編に入ると少年は登場人物の1人となります。 少年編だとその逆です。
左のピンクの髪の少女は、ほぼ武編にしか登場しません。

※こちらは少年編。 少年編だと武が登場人物の1人として画面に現れます。
左の制服の少女は少年編にしか現れません。
同じ事件を異なる視点で見ているはずなのに、なぜか登場人物の一部が入れ替わっています。
この辺のプレイヤーにわざと違和感を感じさせる作り方がうまいです。
2人の主人公に2人ずつのヒロインがいるため、とりあえず計4ルートあることになります。
オープニングからラストまで、読み進めるスピードやシナリオにもよりますが、5~8時間ほどはかかります。
それで周回前提の内容ですから、完全クリアまではかなりの時間が必要ですね。
全体のボリュームは十分と言って良いでしょう。
また、左右にスライドすると「スキップモード」となり、メッセージが高速で流れていきます。
既読文章を飛ばすのに便利で、未読文になるとスキップが自動で止まる機能がないのが難点ですが、同主人公の2周目以降のプレイはサクサクと進められます。
他に、上にフリックでログを確認でき、下にフリックでウィンドウを一時的に OFF に出来ます。
メッセージの自動送りもあり、ノベルゲームの一般的な機能は一通りそろっています。
元々は 2002 年に発売されたゲームですから、家庭用ゲーム機から移植されたアドベンチャーゲームとしては 428 や シュタインズゲート などの作品より古く、それらと比べると劣ります。
でもこれらの作品と比較するのは酷でしょうし、そこいらのノベルゲームよりはよっぽど上の内容なので、iOS で登場している同タイプのゲームとしては明らかに上位です。
ただ、見た目がモロにアニメ絵なので、その手に抵抗がある人だとダメでしょうね。
また起動する度にサイバーフロントの会員登録ウィンドウが開くのが、かなりうっとうしいです。
現時点(2013/2)では iPhone / iPod touch 版しか発売されておらず、ユニバーサルアプリでもないので、iPad で2倍表示すると文字は粗くなります。 この辺も iPad ユーザーにとっては難点でしょうか。

※シーン選択、ムービーやイベント CG のアルバム、用語を解説する TIPS なども用意されていますが、そのほとんどは最初は利用できません。
新しいエンディングに到達することで利用できる機能が増えていくようになっており、この点からも周回前提のシステムである事が伺えます。

※登録するまで延々と表示され続ける会員登録ウィンドウ。 これさえなければねぇ・・・
価格は 900 円。 iPhone アプリとしては高めですが、家庭用ゲーム機からの移植ノベルゲームとしては、他よりも安めです。
ボリュームやクオリティーなどを考えると、妥当な価格ではないかと思います。
キャラクターボイスは 500 円の追加課金をしないと導入されません。
この点については賛否あると思いますが、ボイスは無理になくても良いと言う人もいるでしょうし、ボイスを導入すると約 850 MB のデータ量が約 1.5 GB に増加します。
それを考えると、プレイヤーが好みや容量に合わせて選べるようになっているとも言えるので、むしろこの方が良いかもしれません。
シナリオについては、発売から 10 年経って XBOX でリメイクされるぐらいですから、その高い評価が解ると思います。
知る人ぞ知るノベルゲームなので、この手のゲームが好きな方にはオススメです。
・Ever17-the out of infinity- (iTunes が起動します)
ちゃんとこのゲームやってないやろ