日本の同人シューティングを参考にしたゲーム性と、光彩が美しいサイバーで独特な雰囲気を持つグラフィックが特徴的な、人気の弾幕シューティング「Danmaku Unlimited」(ダンマク アンリミテッド、弾幕無限)に続編が登場しました。
Danmaku Unlimited 2 - Bullet Hell Shmup」です。

Sunny Tam さんという方がほぼ個人で作成されていたシリーズですが、今作はカナダを本拠地とする Doragon Entertainment(Dragon ではない)というチームでの作成となっています。
BGM は日本で同人作曲活動をされている方(BLANKFIELD)が製作されています。
ちなみにタイトル名に付いている「Bullet Hell Shmup」はサブタイトルではなく、海外でそのまま「弾幕シューティング」を意味する言葉です。

今回も大手メーカー製ではないシューティングとしては突出した完成度で、シューター必携のアプリとなっています。
同じ作者の方の前作 Storm Strikers は遊び辛さがあったのですが、今作はバランスも適度で遊びやすいですね。

Danmaku Unlimited 2 Bullet Hell Shmup 弾幕無限

縦スクロールのシューティングゲームです。
操作は俗に言う「相対移動」で、画面を触った位置に関わらず、指を動かした方向と速度で自機が移動します。
ショットは自動連射で、操作性はかなり良好

初期設定では外周に外枠がありませんが、スクリーンサイズはオプションで任意に調整可能で、好みのサイズの「指置き場」を外側に作ることも可能です。
ただ、このゲームはルール上、あまり画面端に追い詰められることがないので、外枠がなくてもプレイはしやすいです。 これについては後述します。

ボタンがないのも特徴で、特殊攻撃は自動発動か二本指タップ、もしくは二本目の指を下にスライドして実行します。
ボタンがあるとどうしても押しミスが起こりますが、この形式だと押しミスがないのでなかなか良いですね。

ダンマクアンリミテッドの特徴は、美しい弾幕と光の演出
その点はますます強化されていて、飛び散る火花や爆発は本当に綺麗です。

一時的に超パワーアップする「トランスモード」(極限解放)も健在で、画面を埋め尽くす程のハデな攻撃と、大量に降ってくる得点アイテムは相変わらずです。
撃って壊して回収しまくる、最近流行りの縦シューの面白さが追求されています。

一見すると敵弾が画面を覆い尽くしているので、ものすごく難しいゲームに見えますが、怒首領蜂 などと同じく自機の当たり判定は非常に小さいため、敵の攻撃は見た目よりかわしやすくなっています。

Danmaku Unlimited 2 Bullet Hell Shmup 弾幕無限
※今回のトランスモード(一時的なパワーアップ)の表示は「極限突破」に変わっています。
自機の周囲の円はアイテムの回収範囲を示していて、この範囲に入れたアイテムを吸い込みます。
今回はワザと表示をぼやかせる演出が加えられていて、より美しい表現になっていますが、敵弾は赤や紫のハッキリした色で表示されるため、弾が見辛いという事はありません。


Danmaku Unlimited 2 Bullet Hell Shmup 弾幕無限
※今回はボスの攻撃が「通常攻撃」と「弾幕攻撃」に分かれていて、弾幕攻撃の前には「極限解放」を反転させた文字が表示されます。 弾幕攻撃は敵のトランスモードという扱いのようですね。
右は弾幕をノーミスで撃破した時のボーナスで、いわゆる「スペカボーナス」ですが、特殊攻撃を使っても被弾しなければゲット出来ます。
誘導レーザーが廃止されたためか、画面下には東方っぽいボス位置マーカーが加えられています。


今作は自機のタイプ、ボム、ショット / レーザーの切り替えなどは全てなくなっていて、新しいシステムに改められています

まず、ボムがなくなった代わりに、自機が「耐久力制+残機制」になっており、1発被弾しただけではミスになりません。
前作もオートボムだったので、実質的に「ボム=耐久力」だったのですが、それが明確になった感じです。
今作の耐久力は「A.D.S. システム」と呼ばれていて、画面左に A.D.S. ゲージ(要するに耐久力ゲージ)が表示されています。

また、「BURST MODE」(バーストモード)と「CLASSIC MODE」(クラシックモード)の2種類が用意されていて、レーザーはバーストモードで使える特殊攻撃になりました

バーストモードでは敵を倒したり、硬い敵に撃ち込んでいると「オーブ」と呼ばれる青い玉が降ってきます。
これを取るとレーザーのゲージが溜まっていき、ある程度まで溜まると太いレーザーを発射できます。
このレーザーは敵弾を消せるので、ボムの代わりに使用することができ、点稼ぎにも重要になっています。

クラシックモードはこのレーザーがないので、そのぶん難易度は高いのですが、得点システムがシンプルで解りやすくなっています。

ゲームの終了後には得点に応じて経験値を獲得することができ、一定量たまると「昇進」が発生、パワーアップポイントを獲得できます
これを振り分けることで攻撃を強化したり、耐久力を増したり、残機やコンティニュー回数を増やすことが出来ます。

強化できる自機の攻撃には「前方攻撃」「誘導弾」「ワイド攻撃」の3つがあり、同時にすべてのショットを使用できます。
前作は「前方集中型」や「ワイド型」などに自機のタイプが分かれていましたが、今回は3つの攻撃を1段階ずつ強化すれば、前方ショットが強くなって、ナナメにも弾を撃てて、誘導弾も発射する形になります。

Danmaku Unlimited 2 Bullet Hell Shmup 弾幕無限
※左画像はパワーアップの種類。 ポイントは自由に増減可能で、プレイごとにカスタマイズできます。
最初は攻撃力アップより、耐久力と残機を増やした方が良いでしょう。
右の画像は3つのパワーアップを1つずつ取った「全部アリ」の状態。 自機の形状も変化しますが、当たり判定は変わらないのでご安心を。
また、右の画像はスクリーンサイズを調整して、外周に指置き場を作っています。


このシリーズはスコアアタックも面白いのですが、今作の得点システムはちょっと複雑です。

まず敵弾に「かする」と、「グレイズポイント」が増えていきます。
これは敵を撃破した時のポイントに加算されます。

そしてそれとは別に得点の「倍率」が存在するのですが、これはバーストモード(レーザーありのモード)の場合、レーザーで敵を倒した時に出る四角いアイテムを取らないと増えません
よってレーザーを多用することがスコアアップにも繋がります。

また、レーザーのゲージが貯まる青い玉は、敵に近づいて倒した方が多く出ます
敵の得点自体も近づいて倒すほど増加し、さらに硬い敵に近づいて撃ち込んでいるとアイテムがボロボロ出るので、危なくない程度に敵に接近して戦った方がスコアもレーザー使用回数も増えることになります。

そして画面右のゲージ(トランスゲージ)がたまってトランスモード(極限突破)が発動すると、その間に倒した敵から高得点の金の★アイテムが大量に出て来ます。
これにも「倍率」がかかるので、つまりバーストモードで稼ぐには、レーザーで敵を倒して倍率を高めてから、トランスモードで金の★を回収しまくる、という形になります。

ただ、倍率はトランスモードが終わると減少します。 さらにステージクリアしてもリセットされます。
今回の倍率は一時的なものであり、ゲーム終了まで継続するものではありません。

一方、グレイズポイントはクリアしても蓄積されたままです
ただし1発でも被弾するとリセットされるので、究極のスコアを目指す場合は、出来るだけ被弾せずに進まなければなりません。
なお、敵弾にかするとトランスゲージも貯まるので、敵弾にかすりまくれば極限突破を発動できる回数も増えます。

クラシックモード(レーザーなしモード)の場合は、単に敵に近づいていれば倍率が上がる四角いアイテムが出てくるだけなので、あまり難しく考える必要はありません。

Danmaku Unlimited 2 Bullet Hell Shmup 弾幕無限
※左はレーザーで倍率アップアイテムを出しているところ。 倒した敵と、その敵が撃っていた弾がアイテムに替わるので、敵に弾を撃たせてからレーザーを当てた方がアイテムは多くなります。
右は連なった弾にかすってグレイズを稼いでいる様子。 でも今作はかすり辛い攻撃が多いので、あまり無理しない方が良いかも。
なお、ボスに近づいて攻撃していると倍率がどんどん上がるので、右の画像のように 100 倍を超えることもあります。


私は正直、敵に近づかないと高得点が狙えないゲームは好きではありません。
そういうゲームは敵の位置と攻撃を覚えないと攻略できない「パターンゲー」「覚えゲー」になってしまいがちだからです。
しかし今作は敵弾のスピードが全体的に遅く、敵にある程度近づいても不意打ちを食らうことが少ないので、近くから撃たれても反応することが可能で、プレイしやすくなっています。

また、このシステムのおかげで画面中央で戦う機会が多くなるので、あまり画面の端や下部に移動しません。
よって画面端だと操作し辛くなるタッチパネルのシューティングの欠点が幾分かカバーされています

1つ前の作品 Storm Strikers は敵に接近しないと得点を全く稼げないシステムだったにも関わらず、敵弾が速くて不意打ちレーザーも多く、パターン化しないとどうしようもないゲームだったのですが、今回はそこまでではありません。

難易度も EASY、NORMAL、HARD、EXTREME の4段階が用意されていて、EASY なら簡単とまでは言わないけど、遊びやすいレベルになっています。

初代 Danmaku Unlimited に比べると「気持ちよくかすりまくれる攻撃」が少ないので、その点の爽快感はやや薄れてしまった印象がありますが、目立った欠点は特にありません。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 450 円。 iPhone / iPod touch と iPad 共用です。
前作より高くなっていますが、内容を考えると高すぎない価格だと思います。

弾幕シューティングという、ちょっと好みが分かれるジャンルですが、間違いなく iOS のシューティングとしては上位のクオリティーです。
良い意味で「完成度の高い同人シューティング」であり、スコアシステムもやり込めるものだと言えますね。
iPhone らしいクールな見た目もポイント高いと思います。

前作のファンの期待を裏切らない内容で、シューティング好きには文句なくオススメですね。

Danmaku Unlimited 2 - Bullet Hell Shmup (iTunes が起動します)
Danmaku Unlimited 2 lite (無料体験版です)