※このゲームは 2014年3月31日 にサービスを終了しました。

本格的なアクション RPG のオンライン対戦と、「デーモン」を集めて育成するというソーシャルゲーム的な要素を組み合わせた、セガがかなり気合いを入れて作っているアプリが公開されています。
デーモントライヴ」です。

このゲームは昨年の秋に開催された「東京ゲームショウ2012」で発表されたもので、今年に入ってからデーモン閣下や壇蜜さんなど、芸能人を積極的に使った派手なプロモーションを展開していた話題作です。
しかしその一方でゲーム内容についてはほとんど公表されず、話題だけ先行させて実像はサッパリ見えてこないという、特徴的な話題作りをしていた作品でもありました。

実際のゲーム内容は「DotA 系」と呼ばれるゲームをスマホ向けに手軽にして、ソーシャルゲームの要素を加えた感じです。
DotA 系は「RTS(リアルタイムのシミュレーション)+アクション RPG」といった感じのゲームで、既存の iPhone アプリでは「ヒーローズ・オブ・オーダー&カオス」と同じタイプです。

さらに Tiny Tower っぽい基地の拡張要素も加えられており、深い世界観のダークなストーリーも用意されていて、セガらしい作り込みが伺える内容になっています。

デーモントライヴ

基地画面で「出撃」を選ぶと BP と呼ばれるポイントが減り、バトル画面に移行します。
バトル画面ではプレイヤーキャラである「エージェント」を操作し、進攻してくる敵を倒しながらレベルを上げて、自軍の勝利を目指します。

操作は移動方向に画面をスライドするか、移動先をタップして行います。
攻撃は対象をタップすれば半自動で行われ、操作性は良好ですね。

最初はザコ兵士もなかなか倒せない程度の強さなので、まずはザコを倒して経験値を貯め、レベル(グレード)を上げなければなりません。
レベル(グレード)はゲームごとに1からスタートなので、まずは経験値稼ぎが必要です。
道の脇に不気味な花が咲いていることがあり、これを倒すと多くの経験値を獲得できます。

ある程度進むと敵のエージェントやデーモン、タワー(ゲート)に遭遇します。
敵のエージェントやデーモンは強敵ですが、倒せば多くの経験値を得られると同時に、敵エージェントをしばらく行動不能に出来ます。
逆にプレイヤーが敵エージェントに倒されると、相手に多くの経験値を稼がれたうえに、しばらく動けなくなってしまいます
よってヤバイ時は一目散に逃げなければなりません。

スタート地点には回復ポッドがあり、この中に入ると HP がみるみる回復していきます。
また、回復ポッドにワープして帰還することも出来ます
ただ、ワープ動作中に攻撃を食らうとキャンセルされてしまうので、ワープで帰還する際にはまず安全な位置まで退避する必要があります。

タワー(ゲート)は敵と味方の双方に存在し、そこから自動で兵士が生み出され、敵陣の方に向かっていきます。
タワーはビームで相手を攻撃するうえに耐久力が高いので、敵のタワーに不用意に近づくと危険ですが、味方の兵士と一緒に近づけば味方が盾になっている間にタワーを攻撃できます。
この点は RTS (リアルタイムのシミュレーション)らしい部分と言えますね。

ここまでのシステムは DotA 系 や MOBA と呼ばれるゲームの基本ルール通りなので、同タイプのゲームをプレイした事がある方なら悩むことはないでしょう。

ゲームには1人用の「討伐」と、オンライン対戦の「対戦」があります。
討伐だと敵エージェントはおらず、よって相手の進攻を受けることはなく、レベルを上げて配置されているデーモンを全て倒せばクリアとなります。
ただ、敵のレベルが高いと少し無理をしないと時間内に倒せないので、1人用はタイムトライアルといった感じですね。

デーモントライヴ
※1人用の「討伐」でも、難易度「好敵手」の「3 vs 3」なら CPU 相手に対戦形式のバトルを行えるので、オンライン対戦の練習が出来ます。
DotA 系の基本は仲間と一緒に進むことと、ヤバくなったら無理せず撤退して回復すること。
ピンチになると左画像の矢印の場所にワープで帰還するボタンが現れるので、安全な位置まで下がってこれを押しましょう。
そこまでピンチじゃなくても帰還したい時は、画面左下を右にスライドすると右の画像のような全体マップが現れるので、ここで下の帰還ボタンを押します。
全体マップで任意の場所をタップすると、そこに移動することも出来ます。


バトルにおけるこのゲームの特徴は、時間経過や道の脇にある「花」を倒すことで「オーブ」というゲージが貯まっていき、これが最大になると「デーモン」に変身できること。

デーモンは事前に5体までセットでき、どのデーモンに変身(デモナイズ)するかは変身時に選べます。
デーモンにはそれぞれ射程や能力、スキルがあるため、ゲームが進んで多くのデーモンが集まったら、どれを使っていくかが攻略のポイントになるでしょう。

デーモンには属性があり、火→風→土→水→火 という形の有利不利があるので、相手の属性に強いデーモンに変身すれば有利に戦えます
ただ、同じ属性ばかりを集めるとステータスにボーナスが付くので、汎用性を取るかステータスを取るか難しいところですね。

デーモン化は一定時間で解除され、エージェント(人間)の状態に戻ります。
エージェントも数人いて、近距離型や遠距離型など異なる特性を持っており、出撃時に誰を使うか選ぶことが出来ます。

オンライン対戦は「個人」と「チーム」の2つが用意されていますが、どちらも 3 vs 3 の戦いになります
個人戦の場合、プレイヤーキャラ1人と CPU キャラ2人という形で戦います。
今はプレイヤーも多いので、マッチングされるまで1分もかかりませんね。

チーム戦は6人集まらないと出来ないので、クラン(俗に言うギルド)に入って事前に示し合わせておかないと、まともにマッチングされない印象です。

オンライン対戦は敵のタワー(ゲート)を破壊していき、最深部にある敵の本拠地(プライマリゲート)を壊せば勝利となります。
ただし 10 分で勝負が付かなかった場合は獲得ポイントの多寡で勝敗が決まります。
だいたい 6~7 分ぐらいで決着する場合が多いですね。

デーモントライヴ
※有利な属性のデーモンで敵デーモンを攻撃すると「WEAK POINT」の表示が出て大ダメージを与えられます。
よって各属性のデーモンをそろえているなら、「後出し」で変身する方が有利。
右の画像は敵本拠地を集中攻撃中。 本拠地でも一斉に攻撃すれば割とあっさり壊せるので、狙える時は一気にいきましょう!
レベル(グレード)は5が最高なので、敵より早く5にしてタワーと本拠地を狙っていくのが基本戦略です。
オンライン対戦時はマップ中央付近に経験値の多い大きな花が現れるので、これもうまく利用しましょう。


デーモンの召還(つまりガチャ)や合成を行う基地画面には、ちょっとした開発要素があります。
資金を使って地下を掘り、そこに様々な施設を建設可能で、さらに資金があれば施設をアップグレードすることもできます。
開発 SLG みたいに頻繁に建設できる訳ではありませんが、縦に拡張されていく基地は Tiny Tower 系の開発ゲームっぽくて良いですね

施設には「任務」を実行できる「作戦室」などもあり、ここで任務を選んでデーモンを派遣すると、しばらく経った後に結果報告を見ることができます。
その報告書はなかなか文章量が多く、内容もシリアスで、そこいらのソーシャルゲームとはちょっと違う雰囲気があります
開発のための資金や装備を強化する「素材」は、主にこの任務で調達します。

デーモンの召還と合成については、既存のソーシャルゲームやパズドラ系と大差ありません。
戦闘で得たアイテムで「ガチャ」をやり、いらないデーモンを合成してレベルを上げます。
ただデーモンのグラフィックは全て 3D になっており、しかも召還時に良い感じの発音でデーモンの名前をボイスで読み上げます。
演出はさすがセガと言ったところで、ショボいガラケーベースのソーシャルゲームとはレベルが違います。

スキルの継承、及びスキル強化合成などもあり、将来的にはこれがゲームのキモになってくると思いますが、とりあえず序盤はデーモン自体を強くする方が先決ですね。
スキル回りのシステムはキングダムコンクエストっぽい感じなのですが、戦闘がアクションですから、スキルがどの程度まで影響するかはまだ未知数です。

デーモントライヴ
※左は本部画面。 地底にどんどん部屋を増やして施設を増設します。 増設できる施設は本部レベルのアップによって増えていきます。
確かに基地の拡張を Tiny Tower っぽくするのは、パクリと言えばパクリだけど良いアイデアですね。
右は召還画面。 3D のデーモンがクルクル回ります。 メガテンばりに各デーモンには、神話っぽい感じの解説文が付属されています。


デーモントライヴ
※左は任務報告画面。 単に「達成しました」で終わるのではなく、なかなかシリアスな文章が表示されます。
右はストーリーシーン。 本部は「オラクル」というコンピューターによって制御されているようですが、これが正体不明なうえに、どうもイカれているようで・・・
エージェントと個別に会話するシーンなども用意されています。


全体的に、良い感じで DotA 系(RTS+アクションRPG)をスマホ用に落とし込んでいると思います。
メガテンな雰囲気もマッチしていて、グラフィックや演出、サウンドなどもハイレベル、キャラクターもよく喋ります。
ソーシャルゲームというと簡易的なイメージがあり、実際に対戦もやらずに「ソーシャルだから云々」みたいな言い方をしている人もいるようですが、これはソーシャルゲームと言うより、セガが本気で作った「ゲームソフト」という印象を受けますね。

私的にはソーシャル要素があるゲームも、こうした本格的な「ゲーム」になって欲しいと常々思っているので、応援したくなる内容ではあります。
ヘンに萌え要素を入れていないのも好印象です。

ただ、このゲーム、日本ではあまりヒットしない気もします・・・
その理由は、「本格的なゲーム過ぎる」から

そもそも「DotA 系のオンライン対戦ゲーム」という時点で、ゲーマーにとっても敷居はかなり高い訳です
ライトユーザーやソーシャルゲームユーザーにとっては、もうバリバリに高すぎる壁でしょう。
実際、ゲームに慣れていない人がオンライン対戦をやっても、フルボッコになって終わるだけだろうなと予想できます。
しかし1人で「討伐」だけをやってても、このゲームの本当の面白さは体験できません。

萌え要素皆無のデーモンといい、シリアスで玄人好みだけど万人ウケする要素が全くない雰囲気といい、もう何から何まで既存のソーシャルゲームとは真逆の方向に走っていて、その時代を無視した様子はまさに S E G A
まあ、この「作りたいゲームを作るんだ」という姿勢がセガマニアの心をくすぐるのだとは思いますが。

一方、ゲーマーにとっての不満要素は、やはり課金ガチャ。
課金しまくった人の方が有利になるのは否めませんからね

対戦のゲームバランスについてはちゃんと練られているようで、レアデーモンをゲットしてもそんなに極端に強い訳じゃないし、合成しても上昇するステータスはわずかです。
ある程度ならバトルのテクニックや戦略、ゲーム展開でカバー出来るレベルで、実際にレアデーモンをそろえている人と対戦しても、そんなに極端に苦戦はしない印象です。
また対戦レートがあって、それに合わせたマッチングが行われているようです

ただ、それでもデーモンのレベル差が 20 とか 30 とかあったら厳しいし、そういう人に一方的に負けたら納得いかないものがあるし、課金がある対戦ゲームである以上、負けたのを課金のせいにして「課金ゲーだ」と騒ぐ人は後を絶たないでしょう
それでなくても難しいゲームですから、勝てない人は勝てないでしょうし、勝てないゲームは面白くないし。

結果として、ライトユーザーにとってはコアゲーマー向けの内容であり、ゲーマーにとってはソーシャルゲームに見えてしまう、損な内容である気もしています。
ゲーム自体はとても面白いし、セガもそこに自信があるから派手なプロモーションをかけているのだと思いますが、日本ではちょっと厳しいかも、と言う印象もありますね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



もしかするとこのゲームは、日本がメインターゲットではないのかもしれません。
RTS の世界的定番であるウォークラフトや、DotA 系の定番である League of Legends は、日本での知名度はサッパリですが、欧米や韓国、中国沿岸部では人気があります。
先日 iOS で公開された ヒーローズ・オブ・オーダー&カオス も韓国と中国で人気です。
世界的に見れば、このゲームは十分ヒットが狙える作品と言えるでしょうね。

私的には、このゲームには キングダムコンクエスト に続くヒット作を、という狙いがあるような気もします。
ただ、手軽に遊べるゲームではないので、キンコンとはちょっと訳が違うよなー。
日本であまり普及していない RTS 系 / DotA 系 を、この機会に広めよう、みたいな考えもあるのでしょうか?

ともあれ、現時点でもっともスマホに最適化されている RTS 系のゲームだと言って良いと思います
合う合わないがあると思いますが、出来れば 3 vs 3 のゲームが出来るところまで進めて、DotA 系の面白さを体験してみて、それから判断して欲しいかなと思います。
(そこまでちょっと時間がかかるのが難点・・・)

・デーモントライヴ (2014/3/31 サービス終了)