女子高生の大統領が戦闘ロボットに乗って日本を救う、今時の美少女アニメの設定丸出しの 3D シューティングゲームがニンテンドー 3DS から移植されています。
解放少女」です。

このゲームは 3DS の「GUILD01(ギルドゼロワン)」というソフトに入っていた4つのゲームの1つでした。
GUILD01 は有名ゲームクリエイターや著名人が監修したゲームをカップリングしたもので、発売が昨今話題の「レベルファイブ」であることもあって注目されていました。

解放少女は「グラスホッパー・マニファクチュア」というメーカーのクリエイターが作ったもので、私はよく知らないのですが、PS3 や Xbox 360、Wii などでヒット作を出しているメーカーです。
ロリポップチェーンソーや NO MORE HEROES といったゲームが代表作でしょうか。

オープニングやエンディングにアニメが使用されているなど、設定だけでなく内容的にもアニメファン向けの印象があるのですが、ゲームはかなり爽快感のあるシューティングになっていて、純粋に「やっていて楽しい」内容ですね。
なお、アニメ部分は「鋼の錬金術師」などを製作していたボンズという会社が担当しています。

解放少女

左下の仮想スティックで移動、敵を直接タッチしてロックオン&攻撃を行う 3D シューティングゲームです。

3D シューティングというとフライトシミュレーターのような慣性が働く動きをするものが多いのですが、これは慣性が全くなく、スティック通りの動きをします。
つまりリアル系ではなく、完全にゲーム的な動作です。

攻撃はロックオンビームと、ステージ2から使えるレーザーの2種類があり、右下のボタンで切り替えられます。
ロックオンビームは敵をなぞることで連続でロックオンができ、指を離すとそれらの敵に一斉にホーミングビームが飛んでいきます。
レイフォース / レイストームのホーミングレーザーに似ているのですが、ロックオン間隔が短くバシバシ撃つことができ、発射数も多く、上空から地上の敵施設に好き放題ビームを撃ちまくる事ができます
この「破壊の爽快感」はかなりのものですね。

レーザーは画面押しっぱなしで出続け、発射方向をスライドして動かせます。
出始めは遅いのですが強力で、耐久力のある敵を狙うのに有効です。

攻撃は自機の周囲を回っている「シールドバレット」と呼ばれるオプションで行われるのですが、これはその名の通りシールドも兼ねていて、攻撃するとしばらくシールドとしては機能しなくなります。
よって敵の攻撃が激しい時は、シールドバレットを使い切らないように戦う必要があります

シールドバレットは敵を倒していると増えますが、被弾すると減少し、シールドバレットが機能していない時に攻撃を受けるとダメージになります。
1発ではミスになりませんが、残機はなく、耐久力がなくなるとゲームオーバーです。
ただ、ゲームの難易度はそれほど高くはありません

フィールドは自由に飛び回ることができ、特定のポイントにある「小クサビ」と呼ばれるタワーのような中ボスを撃破すると次の目標と敵の一群が出現。
最終的に「大クサビ」と呼ばれるボスが登場し、これを倒すとステージクリアとなります。
クリア条件とは無関係なサブミッションが現れることもあります。

解放少女
※地上の建物を破壊すると、その周囲がなぜか「緑化」されます。 ちょっと大神ぽい。
緑化率(つまり撃破率)に応じてクリアボーナスが増え、さらに緑化時にシールドバレットが増えるエネルギーが多く出るので、出てくるものはガンガン壊していきましょう。


解放少女
※ステージ1のボス「大型クサビ、閃光」。 輪っか状の攻撃を放ってきて、中央を抜ければ一見かわせそうですが、そうすると横から迫ってくるレーザーが不可避になる場合が多いので、外に大きくかわした方が良いです。
弱点は壁で守られていて特定の方向からしか狙えないので、コアが見えていない時は回転して攻撃が当たる位置まで旋回しましょう。
ただしボスがレーザーを撃ちながら回転する攻撃は、こちらもレーザーと一緒に回らないとダメなので、攻撃より回避を優先すること。


ボス戦では 3D 特有の解り辛さもありますが、基本的には画面に出てくるものをなぞってビームを乱射し、片っ端から破壊しまくれば良いゲームなので、シューティングの基本である「壊す面白さ」を存分に楽しめます
ゲーム展開もスピーディーでテンポが良く、再三になりますが、本当に爽快感がありますね

ただ気になる点もいくつかあって、1つは操作の切り替え。
操作に対する反応は非常に良く、操作性が悪い訳ではないのですが、「旋回モード」と「平行移動モード」を切り替える時、スティックの上にあるボタンを押さなければなりません。

この2つは頻繁に切り替えるのですが、スティックの上にボタンがあると言うことは、スティックから指を離してこれを押さなければならない訳で、これが非常に面倒

3DS 版はこの操作を「Lボタン」で行えたので問題なかったようですが、iOS 版はボタンの位置を変更できるようにするか、二本指ドラッグや二本指タップなどを使ったスマホ専用の操作にして欲しかったですね。

もう1つ気になるのはスコアシステムとやり込み要素。
地上の建物を撃破すると緑化率(撃破率)が上がっていき、これが 100 %になると大きなボーナスを得られるのですが、このためマップ全体をくまなく飛び回り、全ての建物を残さず破壊していかないと高いスコアは得られません
(しかしそれなのにレーダーに建物は表示されておらず、現在の緑化率の表示もない)

またミッションを1つクリアするごとに出現する砲台や敵を、じっくり残さず掃討しながらゲームを進める方がスコアが高くなり、一方でテクニックがスコアに反映されるようなシステムにはなっていません。
よって「うまくなったらスコアが上がる」というゲームではありません

破壊することが楽しいゲームなので、そこをスコアに反映するのはゲーム性に合っているとは思いますが、シューティングゲームとしてのスコアアタックが楽しめる感じではありませんね。
そのため何度もやり込もうとはあまり思えません。

こんなシステムだからかスコアアタックとは別に、ステージごとの「タイムアタック」が用意されているのですが、それもちょっと違う気が・・・

ただ、難易度は EASY / NORMAL / HARD の3つが用意されていて、条件を満たすとアンロックされる「ギャラリー」というものも存在するので、そうした点のやり込み要素は用意されています。

解放少女
※オープニングアニメのワンシーン。 ゲームのオープニングと言うより、普通にアニメです。
この辺はレベルファイブらしいですね。


解放少女
※このシーンはちょっと解りにくいです。 これはボスの攻撃や演出ではなく、バリアを張っているところ。
周囲にある小さな4つの円を攻撃して全て破壊しないと、ボスに攻撃が通用しません。
よく見ると円には 壱、弐、参、肆 と書いてありますが、壊す順番はどれからでも構いません。
このボスには5つのターゲットがありますが、両翼のターゲットを壊すとウェーブ攻撃がなくなるので、そこから狙いましょう。


価格は 600 円。 昨年発売されたばかりの、4つのゲームが入って 3980 円で売られていたソフトの一部なので、それを考えるとお得と言えますね。
残り3つのゲームも相応に評判が良いようなので、登場を期待したいものです。
3DS のゲームがこんなに早く iOS に移植されたということも注目点の1つかもしれません。

レベルファイブは「レイトンブラザーズ・ミステリールーム」で iOS に参入しましたが、巷ではあまり評価されていなかったので、このまま撤退するのではないかと心配していました。
しかしどうやら、まだ iOS 市場、スマホ市場に向けた開発は続けていくようですね。

ともかく、シューティングとしての深みのようなものはありませんが、逆にライトに遊ぶゲームとしては非常に楽しめる作品です。
ハマるゲームと言うよりも、思い出した時にちょくちょくやりたくなる、そんなゲームですね。

アニメ要素が強いので、それが逆に好き嫌いを生むことになると思いますが、私的にはオススメです。

解放少女 (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式の iOS 版プレイ動画です。