今回ご紹介するゲームは新しいアプリではなく、既存のアプリにアップデートで追加されたものなのですが・・・
名作と言われる非常に有名なゲームの移植なので、個別に取り上げたいと思います。

まだポリゴングラフィックが出始めたばかりの頃、それをフル活用して映画的な演出を表現し、コンピューターグラフィック発展の礎の1つとなったナムコの 3D シューティングゲーム
STARBLADE」(スターブレード)です。

このゲームはナムコのオールドゲームがカップリングされたアプリ「NAMCO ARCADE」(ナムコ アーケード)に先日追加されました。

原作は 1991 年に登場したアーケードゲーム(ゲームセンターのゲーム)で、時期的にはスーパーファミコンが出てすぐの頃。
ポリゴン(3D の多角形 CG)を使った本格的なアーケードゲームの先駆けで、この後バーチャレーシングやバーチャファイターなどの作品が続き、ゲームと CG は 3D 化への道を歩んでいきます。

STARBLADE スターブレード(NAMCO ARCADE ナムコアーケード)

3D のシューティングゲームですが、自機の移動はありません。
プレイヤーがやることは照準を動かして、そこにビームを撃つことのみ
背景は様々な方向にダイナミックに動きますが、完全に自動処理であり、移動方向を操作するようなことはありません。

iOS 版はタッチした場所に照準が表れ、ビームも自動で連射されるため、単に出て来た敵をなぞっていくだけでよく、ますますシンプルな形になっています。

移動がないので、敵の攻撃を回避するということは出来ません。
敵が撃ってくるミサイルやエネルギー弾は、すべて着弾前に撃って破壊して防ぎます
撃って壊せない敵のビームは、「撃たれる前に倒す」ことで対処します。

よって攻略は攻撃してくる敵の出現位置とタイミングを覚え、出来る限り出現と同時に破壊すること。
こう言ってしまっては何ですが、「覚えゲー」と言えますね。
ただ、非常に解りやすいルールで、単純に「出てくるものを撃てばよい」ので、誰でも楽しめる作品といえます。

敵の攻撃を受けるとシールドゲージが減っていき、なくなるとゲームオーバー。
画面右下には目的地までの距離が表示されていて、この距離に達すると次のシーンに移ったり、最終ターゲットが表れます。

ゲームはシンプルですが、被弾時のシールド減少量はかなり大きく、最初のうちはすぐにゲームオーバーになってしまいます。
私的には、オリジナルはもうちょっと耐久力があった気がするのですが・・・
タッチパネルだと敵を非常に狙いやすいため、その点を考慮してバランスを取っているのかもしれません。

STARBLADE スターブレード(NAMCO ARCADE ナムコアーケード)
※敵基地上空での空中戦。 隕石地帯、敵艦隊との戦闘、渓谷、基地内部など、多彩なシーンが展開されます。
全ての敵の攻撃が当たる訳ではないので、危険な敵とそうでもない敵を覚え、危険な敵から倒していくのが基本になります。


STARBLADE スターブレード(NAMCO ARCADE ナムコアーケード)
※ゲームオーバーになると、どこまで進んだかが表示されます。
事前にプレイコインを買っておけばコンティニュー可能。
敵要塞に到着し、基地の制御装置を破壊すると、ミッションコンプリートとなりますが・・・


ゲーム内容はオリジナルそのままで、解像度が高いので、より滑らかなグラフィックとなっています。
iPhone だと Retina 解像度で表示されるため、数あるスターブレードの移植版の中で、最も綺麗な画質だと言って良いでしょう。

サウンドもイヤホンを付けてプレイすれば、実際の筐体さながらの臨場感のある音質を楽しめます。
このゲームは低音の響く爆発音やリアルな通信士の音声なども魅力だと思うので、イヤホンを付けてプレイすることを推奨します

iTunes のレビューでは「音声がオリジナルより高い」という批判が見られますが、私が聞いた限りでは、そんなに違うようには思えませんでした。
もしかすると使用している機種とそのスピーカーの影響かもしれませんが、大半の人は気にならないレベルだと思います。

ただ問題なのは、操作について。
照準が指の真下に位置するので、撃っている場所が指で隠れて見えないのです
これは撃つ場所の調整が重要なこのゲームでは大きな欠点。
画面が小さい iPhone / iPod touch だと尚更です。(iPad だと幾分かマシ)

照準を相対移動に出来れば解消されるのですが、残念ながらそういった操作設定はありません。
本来このゲームはタッチパネルとの相性は良いはずなんですけどね・・・

自動連射も連射速度がやや遅めなのが気になります。 でも連打してもあまり速くなっているように思えません。
ここはゲームバランスに直結する部分なので、調整が難しいところかもしれませんが・・・

STARBLADE スターブレード(NAMCO ARCADE ナムコアーケード)
※これが攻撃目標、敵要塞「デススター」。 ・・・じゃなくて「レッドアイ」。
演出や構成はスターウォーズを参考にしている部分が見られ、実際「スターウォーズ・シミュレーター」という表現をされることもあります。
本文にも書きましたが、演出における音響の影響が大きいので、イヤホンは必須。 ちなみに実機は 4ch スピーカーが搭載されていたそうです。


STARBLADE スターブレード(NAMCO ARCADE ナムコアーケード)
※ナムコアーケードのメニュー画面。 ちゃんと筐体が表示されます。
上級者のプレイを見れるリプレイ機能もありますが、相変わらず正常に機能していない模様・・・


NAMCO ARCADE(ナムコ アーケード)の一部なので、アプリ本体は無料。
ただしタダでプレイできるのは1日1回のみ。 プレイコインは 10 枚で 85 円
スターブレードの買い切り(フリープレイ化)は 500 円です。

スターブレードは相応のタイトルなので、単体のアプリで出しても注目されるとは思うのですが、ナムコアーケードに含めてきたというのは、このアプリを今後も拡張していくという事なのでしょうか?
それはそれで、色々入れて欲しいものはたくさんあるので、ゲーマーとしては嬉しいことですね。

今となっては「思い出補正」がないと評価し辛いゲームだとは思います。
ただ1日1回タダでプレイでき、さらに課金しても1プレイ 8.5 円分なので、オリジナルを知らない方でも「ポリゴン初期の名作」とは一体どんなものなのか、試してみるのは悪くないと思います。

前述したように画面が指で隠れる問題があるので、iPad がある方はそちらでのプレイをお勧めします。
(っていうか、ナムコアーケードは全般的に iPad 推奨です)

NAMCO ARCADE (iTunes が起動します)