激闘が続く WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。
台湾との激闘やオランダとのコールドゲームなどを経て、日本は遂に決勝トーナメントに進出しました。
そんな WBC の話題で持ち切りの中、コナミが「WBC 仕様のパワプロ」を公開しています。
パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic」です。

プロ野球の公式ライセンスを受けた iOS 版のパワプロは 2010 年から毎年発売されています。
しかし 2012 年のバージョンはソーシャルゲームの要素が加えられ、ゲームがワケの解らない方向に向いてしまい、ユーザーからの批判が続出。
そのためか 2011 年版で行われていた選手データの更新も放棄され、残念なことになっていました。
(現在 2011 年版以前のものは非公開となっています。 また 2012 年版の公開もこの3月で終了します)

現在のコナミはソーシャルゲームに注力しているため、このまま iOS 版のパワプロは消えるのではないかと心配していましたが・・・
今回、いきなりの WBC バージョンの発売。
2013 年版の公開も告知されており、今後もシリーズは継続していく模様です

今回発売された WBC バージョンはサクセスモードはありませんが、WBC のリーグ / トーナメントの形式で試合を行う事ができます。
登場するのはキューバやアメリカはもちろん、イタリアやプエルトリコなど別ブロックだったチームも含む16ヶ国
計 447 人の選手が登場し、WBC 特有の球数制限なども存在します。

パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic WBC

基本システムはこれまでの iOS 版のパワプロとほぼ同じです。

投球は球種を選んだ後、タップで投げる場所を指示する「タップ」と、投げる場所のカーソルを画面をスライドして動かす「スライド」の2種類が用意されています。
スライド操作のカーソル移動は「相対移動」です。(指の位置に関係なく、指を動かした方向にカーソルが動く)
ただしピッチャーの「コントロール」の能力に応じて、実際に球がいく位置にはズレが生じます

バッティングは3種類の操作があり、カーソルが自動で合わせられ、タップするだけで手軽にバッティングを行える「ロックオン」、カーソルをスライドして動かし(相対移動)、指を離した時にバットを振る「マニュアル」、タップでその場所にバッティングを行う「タップ」の3つです。

初期設定はロックオンですが、本格的なパワプロのプレイを iPhone / iPod touch でやりたい人はマニュアルがオススメでしょうか。
タップは打つ場所が指で隠れて見えない欠点があるので、画面が大きい iPad でないと勧められません。

守備は走塁は自動。 オプションで送球や進塁・帰塁のみマニュアルにする事ができます。

「実況パワフルプロ野球」だけあってよく喋る実況があり、プレイに臨場感を与えています
選手のキャラクターはいわゆるパワプロ君ですが、表情や仕草は豊かで、ゲームはちゃんと「パワプロ」していますね。

パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic WBC
※左が投球画面。 まずは球種をタップで選択。 ストレートは上、中央タップでスローボール。
ボールに書いてある数字はその変化球の曲がり具合です。
右の画像は顔面にボールが飛んできて目をつぶりながら避けているところ。 他にもきわどいボールだとバッターが審判を見たり、連打を浴びてピッチャーが目を回すなど、表情が面白いです。


ゲームには1試合だけを行う「エキシビジョン」と、WBC の日程で進行する「チャンピオンシップ」があり、エキシビジョンは3回で終わる簡易モードです。 球数制限はありません。

「チャンピオンシップ」にはピッチャーの球数制限があり、第1ラウンドは 65 球、第2ラウンドは 80 球、決勝トーナメントは 95 球投げたら、そのバッターの後にピッチャーは交代しなければなりません。
また7回以降に 10 点差、5回以降に 15 点差付いたらコールドゲームです。

もちろんチームは日本以外も選択可能で、予選リーグの組み合わせもシャッフル可能
どこが勝ち上がってくるかは毎回異なるので、常に違う展開を楽しめます。

チャンピオンシップの試合中にポーズ(タイム)して「高速試合」を選ぶことで、実際にプレイせず監督として采配を行うモードにすることも可能です。
パワプロ 2011 と同様、1打者ごとに守備体制やバッティング指示を行うことも出来ます。
これもこれで面白いモードで、ちゃんと投手交代や代打を行うことも出来ます。
(2011 は一旦通常モードに戻らないと投手交代や代打ができなかった)

また通常の試合でも、イニング終了時に「次のイニングをスキップ」して、攻撃や守りだけを行うことが可能です。

パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic WBC
※チャンピオンシップの日程&組み合わせ表。 シャッフルでバラバラの組み合わせにすることも出来ます。
右は第2ラウンドのトーナメント表ですが、今回の POOL B は史実とは全然違うチームが勝ち上がってますね。


パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic WBC
※左は高速試合での監督指示。「勝負だ!」は3回だけ使える気合いを入れるコマンド。
守備時のバントシフト、攻撃時のバントや盗塁は試合のポイントになります。
試合速度は「2倍速」だと指示が可能で、「4倍速」は指示なしで進行、「高速」はあっという間に終わります。
右は日本と台湾のスターティングメンバーの一例。 これから対戦するチームの能力とかを見るのも面白いかも。


難点は、やり込み要素に乏しいこと。
サクセスモードがないのはもちろん、基本的には1回1回のプレイを楽しむゲームなので、優勝したら何かの実績を獲得できるとか、そういった要素は何もありません。

そして最大の難点は、WBC の公式ルールであるピッチャーの登板制限がないこと。
WBC は 50 球以上投げたら中4日、30 球以上投げるか2試合連続登板した時は中1日の間隔をあけなければならないルールがあります。

しかしこのルールがないため、最初の試合でマエケンが先発して 65 球投げて、次の試合もマエケンが先発して、さらに次もマエケンが先発できるのです。
それは WBC のゲームとしてどうなんだと。
ここだけはホントに興醒めなので、何とかして欲しいですね。

※現在はアップデートで、ピッチャーの連続登板はできないようになっています。

パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic WBC
※左は試合中の守備位置変更画面。 画面下のボタンだけで簡単に変えられるので、バントシフトなどがラクに行えます。
1塁ランナーの所に「A」と書いてあるのは、そのランナーの足の速さ。
右はホームランを打った時の画面ですが、演出はあっさり気味。 まあ WBC はボンボン花火が上がるような事はないので、これはこれでそれらしいのかも。


価格は 450 円
野球ファンなら見逃せないアプリではないでしょうか。

育成要素のようなものはありませんが、2012 年版にあった課金で選手を作る「センシュクラッチ」はなく、不要なソーシャル要素や課金要素は消えていて、純粋な買い切りアプリになっているので、それはむしろ良くなったと思います。

球場が2種類しかないし、他のパワプロほどゲーム要素が豊富な訳でもなく、WBC に合わせて急ごしらえした印象は否めません。
ただ WBC が盛り上がっているこの時期に、それをテーマにしたパワプロが出たというのは嬉しいことですね。

パワフルプロ野球 2013 World Baseball Classic (iTunes が起動します)