モバイルの開発/経営シミュレーションゲームの老舗「カイロソフト」が、新しい iOS アプリを公開しました。
今回は回転寿司のお店を経営するゲーム。
海鮮!!すし街道」です。

ガラケーでは 2011 年の1月に公開されていたゲームで、オリジナルは最近発売された「アパレル洋品店」や「開拓サバイバル島」より古いゲームです。
Android では昨年の6月にすでに公開されていました。

昨年10月に発売された「アパレル洋品店」辺りから、カイロソフトのゲームは正式に Retina ディスプレイや iPad の画面に対応しており、ドットがクッキリ表示されフォントも滑らか、サイズも iPad なら大画面になります。
(ただし iPhone 5 の縦長ディスプレイには未対応です)

カイロソフトのゲームは「配置型」と「コマンド型」の2タイプに分かれますが、今回は配置型です。
ゆけむり温泉郷」や「名門ポケット学院2」のように施設を自由に配置して、好きな形のお店を作ることができます。
ちゃんとお客さんの動線も考慮されていて、店舗のレイアウトは売上に影響します。

ゲームバランスは(カイロソフトのゲームとしては)中間ぐらい。
決して難しい訳ではありませんが、攻略要素が多くて目標も高いので、やり応えはありますね。

海鮮!!すし街道

店内にテーブルとイスが付いた「回転レーン」があり、さらに入口、レジ、調理場職人がいれば、お店は自動的に運営されます。
これらのものは最初から一通りそろっているため、プレイヤーは拡張したい時に追加していけば OK です。

回転レーンを伸ばすと、自動的にレーンが1周するようなレイアウトが形作られます。
1マスずつ設置していく必要はなく、手軽にレーンの拡張が可能で、イスも自動で増やされます。

レーンはすべて繋がっている必要はなく、2つに分けることや、小さいレーンをたくさん作ることも可能です。
施設の位置やレーンの形状は自由で、好きなようにお店をレイアウトすることができますね

基本的にはレーンは繋がっていた方が良いのですが、レーンが長すぎると注文を受けたお寿司がなかなかお客さんに辿り着かず、キャンセルされてしまう事があります。
また入口から座席までの動線が長いと、閉店間近の場合は滞在時間の減少に繋がってしまいます。
この辺りを考慮して、レーンを複数に分けた方が運営しやすくなる場合もあります。

自動販売機やおもちゃ売場などの補助設備は副収入になると同時に、それ目当てで来たお客さんを食事に誘導する効果があります。
使った人の食欲が増す「ランニングマシン」といったユニークな設備もあります。
これらの設備の近くにもレーンを通していた方が、お客さんが食事をしてくれやすくなるので、これも店舗のレイアウトに関係する部分ですね。

海鮮!!すし街道
※これは2つのレーンに分けているレイアウト。 一方のお寿司がもう一方のレーンに行かない欠点はあるが、こちらの方が注文の品が届くのは早い。 また、中央をお客さんが通行できるので動線的にも良い。
どんな配置が正解かは一概に言えないが、それがこのゲームの面白いところ。


海鮮!!すし街道
※ちょっと解りにくいが、店舗の拡張は「ハンマー」を手に入れた後、お店の外の林を「撤去」することで実行される。
ただ、このゲームは拡張すれば売上が増えるという訳ではないので、拡張は座席が足りなくなってきてから考えれば良い。
施設の移動は「校内寿司コンクール」に優勝するまで行えないので注意。


ゲームのポイントになるのは、創作寿司の開発
ベースとなる寿司ネタを選び、調理人の「目利き」で素材を調達、さらにトッピングや複数の寿司ネタを組み合わせ、最後に試食が行われて完成します。

ポイントになるのはネタとトッピングの組み合わせ
例えば、甘エビにマヨネーズ、イカに甘ダレなどは相性の良い組み合わせで、試食の際にボーナスが付きます。
キュウリやイカに岩塩、コーンやサラダにマヨネーズなどは最良の組み合わせで、かなり大きなボーナスが加算されます。

ただしネタやトッピングには「旨味」「食感」「香り」「彩り」の4つのステータスがあり、旨味と食感は「美味しさ」、香りと彩りは「価格」に影響します。
旨味や食感だけが高い組み合わせの場合、美味しくてお客さんの評価は高くなりますが、価格は安くて儲かりません。
また相性が良くてもネタの基テータスが低い場合、最終的な能力は知れています。

相性と同時にステータスも考慮して作っていくことが重要で、これは後述する「コンクール」で優勝を狙う際にも必要になります。

海鮮!!すし街道
※調理人が市場で食材を「目利き」をするシーン。 市場に向かう前に「すしコイン」を投入できるが、すしコインで増加する数値はあまり大きくない。
すしコインは他にも色々と入り用なので、入手量に余裕が出来るまでは投入は控えるようにしよう。
開発に投入するぐらいなら、すしコインを使ってその職人をレベルアップさせ、「目利き」の能力を増やし、それから開発した方が有効。


海鮮!!すし街道
※寿司には「にぎり」「軍艦」「巻き寿司」の3つがあり、にぎりは「ネタ+トッピング2つ」、軍艦は「ネタ2つ+トッピング1つ」、巻き寿司は「ネタ2つのみ」で作られます。
相性は「ネタ+トッピング」で発生するため、巻き寿司では利用できません。 ただ巻き寿司は価格が高い傾向にあります。
軍艦の場合、同じネタをダブルで乗せることも出来ますが、相性が発生するのは1度のみ。
ネタとネタには相性はないので、「ネギトロ+イチゴ」みたいなヘンな組み合わせでも、ネタ同士ならマイナスになることはないです。


ゲームの目標と言えるものは2つあり、1つは「コンクール」での優勝を重ねていくこと

ゲームが進むと「県民寿司コンクール」や「巻き寿司コンクール」などの大会が開かれ、優勝することで賞金と「すしコイン」、新しい設備や寿司ネタなどを入手することが出来ます。
すしコインは寿司ネタの入手や職人のレベルアップに必要なアイテムです。

優勝することで上位のコンクールが出現し、最終的には「日本一選手権」や「国際寿司コンクール」などで優勝するのが目標となります。

ただ、コンクールごとに重視されるステータスと審査員の年齢・性別が異なり、それに合わせた寿司を作らなければなりません
例えば「お誕生日コンクール」だと「彩り」が最重要視され、審査するのは若いパパ&ママと小さな子供なので、それに合わせた専用の寿司を開発しておかないと勝つことは出来ません。

もう1つの目標は全国寿司ランキングの「5つ星」の店舗を目指すこと。

これは2月と8月、半年ごとに発表されるもので、「料理」「接客」「エンタメ」「座席」の4項目が評価され、お店のポイントが集計されます。
ポイントが一定以上だとお店の格を示す「★」が上がっていき、寿司ネタや設備などの副賞が貰えることもあります。

海鮮!!すし街道
※コンクールで勝つには審査員の年齢や評価ポイントに合わせた「勝負寿司」を作っておく必要がある。
この「お誕生日コンクール」は中盤の壁で、「彩りが高い小さな女の子が喜ぶ寿司」を要求されるが、そんな寿司ネタはイチゴしかない。 しかしイチゴは組み合わせが難しい。
正直、「練り梅」がないと厳しいので、それが手に入るまで後回しにした方が良いかも。


海鮮!!すし街道
※「全国寿司ランキング」の採点表。 半年に1回行われ、結果に応じてボーナスが貰えるのが嬉しい。
料理で高い点を取るには高級なネタが必要なので、あまり背伸びせず、その時に出来る範囲のものを作っておこう。
接客は魅力が高い店員2人のレベルを上げていれば高得点になる。
エンタメは娯楽施設の周囲に植物などを置きまくって施設の魅力を高め、アイテムで品質を上げよう。
座席はレーンの中に植物などを置きつつ、レーンにお茶と「品質のタネ」を使って上げていく。


今回はなかなか上位の目標を達成できないため、ゲーム後半になってもあまりダラけることはありません。
ゲーム展開が早い訳ではないので、後半になると「中だるみ」は感じますが、中盤以降のコンクールでの優勝や店舗評価の向上は結構大変で、お客さんも新しい人がどんどん出てきます。
バランスはカイロソフトのゲームに慣れている人でも、十分楽しめるレベルですね。

やや気になるのは、一部の重要な寿司ネタの出現が「時限性」になっていること。
例えば、サーモンは2年目、はまちは6年目、かつおは9年目にならないと出ないようで、これらはネタとして優秀なので、どうしてもゲーム進行がそれに合わせられてしまいます。

「まぐろ」や「うに」などの高級なネタはお客さんからの紹介なので、時間の経過を待たないとどうしようもないと言う訳ではありませんが、時限性の寿司ネタを使い、やや無理やりにゲームの進行を調整している様子も見られますね
まあ、ゲームがうまく進んでない人でも時限性のネタなら必ず入手できるので、初心者救済も兼ねているのかもしれません。

あと、これを言うのは重箱の隅を突くような事かもしれませんが・・・
素材の相性で「えぇ~?」と思うものがあるのが気になります。

例えば、天ぷらに塩を組み合わせるとダメだとか、サラダにレモンを付けたらダメとか、納豆に七味を入れたらマイナスとか、納得いかない組み合わせが結構・・・
この辺は個人の好みもあるでしょうし、細かく言うような部分ではないかもしれませんが、食をテーマにしている以上、やはり気になりますね。

海鮮!!すし街道
※コンサルの「広報」で PR をすることで、新しいお客さんがやってきます。 お客さんに美味しいお寿司を提供して「ファン」を増やすことで、次の広報が出現したり、新ネタが登場したりします。
PR はかなりお金がかかりますが、「ここが遅れる=ゲーム進行が遅れる」ということなので、お金が出来たら優先して実行しておきましょう。


価格は 450 円。 いつものカイロソフトのアプリの値段です。

今回は「開拓サバイバル島」のような追加課金はなく、「課金しないと高速モードが利用困難」「課金で広告を消さないと横向きに出来ない」みたいな制約はありません。
元の買い切りアプリに戻っているのでご安心下さい。

施設配置型のゲームではありますが、「ゆけむり温泉郷」や「財閥タウンズV」ほど拡張や改修を頻繁に行う訳ではありません。
よって配置型としては「眺めている時間」が長めなのですが、出来ることが少ない訳ではないし、かといって複雑すぎる訳でもないので、バランスとしては悪くないかなと思います。

いつものカイロソフトの面白さなので、カイロのゲームが好きな方、経営 SLG が好きな方にはもちろんオススメです。
なにより「回転寿司」というテーマが身近で良いですね。

海鮮!!すし街道 (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

今回も主に前半を対象とした基本攻略を掲載しておきますので、プレイされる方は参考にして下さい。

今回の基本的な流れは、「コンサルの『広報』で新しい客層を増やす」→「美味しいお寿司を『開発』する」→「美味しい寿司を食べたお客さんの『ファン』が増える」→「ファンが一定値になると次の広報を紹介してくれる。もしくは新しい寿司ネタや施設が提供される」→「新しく増えた広報を実行して次の客層を呼び、新ネタでより美味しい寿司を作る」という形の繰り返しになります。

・職人のレベルが低いのにランクの高い寿司ネタを使って開発しても、良い結果は得られません。 ランクが高い寿司はにぎるのも遅くなります。 身の丈に合わせたネタを選ぶことが重要です。
・開発で良い結果を得るには、まず職人のレベルが必要。 「目利き」の高い職人をどんどんレベルアップさせましょう。
・開発時、市場で素材を探す時には3つの評価点が表示されます。 最初は職人の「目利き」による点数、次は職人の目利きと投資したコインで得られる経験値、最後はコインによって得られた点数。 コインによる点数はそれほど多くないので、コインが足りない時は無駄使いは禁物です。

・アイテムによる料理の「強化」は、その料理を強化するのではなく、その料理のベース素材を強化します。 例えば「たまご」を使った寿司を強化すると、素材のたまごの能力が上がり、それによってたまごを使った別の寿司の価格や価値も変動します。
・施設の強化も、同じ施設すべてに影響します。 使った施設だけを強化するのではありません。
・施設や食材にアイテムを使うと、そのアイテムとの相性が「◎ ○ △ ×」で表示されます。 同じ食材に同じアイテムを繰り返し使うと効果が下がっていきますが、相性表示にはそれも加味されます。 基本的にアイテムは ◎ が ○ に変わるまで使い続けると良いでしょう。
・施設の品質は「品質のタネ」を使えばいくらでも上げられます。 レーンに「品質のタネ」を使って座席をグレードアップさせるのは攻略のポイントです。 ただし初期レールの品質はリニアレールや水流レールには引き継がれないので注意して下さい。

・序盤の食材のうち「たまご」は低価格ですが、岩塩や海苔をトッピングして香りを補強すると価格を上げられます。 「サラダ」はマヨネーズと相性が良いですが、基本数値が低いのがネックです。
・「ハンバーグ」はバカに出来ません。 ランクが低くて目利きしやすく、相性の良いアイテムやトッピングが多く、美味しさに関するパラメーターが高いので、客の評価を早く上げられます。 「コーン」も岩塩やマヨネーズと組み合わせれば優秀です。
・アイテムと食材の相性、ネタとトッピングの相性は、1度試すとその評価が表示されるようになります。 この相性表示は2周目以降も引き継ぎます。
「旬」がある食材は価格にボーナスが付くので有用です。 序盤だと甘エビが冬、イカが春から夏、サーモンは春が旬です。 これらは優先的に強化していきましょう。

・コンテストは審査員の好みに合わせることが重要ですが、上位のコンテストで勝つには高級食材が必須です。 どんなに工夫してもサーモンや甘エビだけでは限界があるので、どうしても無理だと思ったら上位食材の登場を待ちましょう。 ただ、優勝できなくても参加賞は貰えるので、参加はしないよりはした方が良いです。
・中盤以降の、審査員が中年以上のコンテストは「まぐろ」か「はまち」がないと優勝は困難です。