ヤングジャンプで連載中の人気マンガ「キングダム」と、パズドラ系のゲームシステムを合体させた、パイプライン型パズルゲームがコナミから登場しています。
キングダム 激突パズル無双」です。

このゲームは昨年 12 月に発売されたもので、コナミ初のパズドラ系であったと同時に人気マンガとのコラボだったので、相応に注目作ではありました。
しかし昨年末は他にも ドラコイロードラクイキン などパズドラ系の秀作ゲームが次々と登場していたうえに、昨年のコナミのソーシャルゲーム / スマホゲームには良い印象がなかったので、今までスルーしていました。

ただ、先日試してみたところ・・・ 既存のパズドラ系とは大きく違うシステムになっている事が解りました。
なんと、ガチャがありません。 カード合成もありません。 (ただしアプリは有料
こう言っては何ですが、大手ゲームメーカーの中で最もソーシャルゲームに傾倒しているコナミのアプリとは思えない内容ですね。

ただ、ガチャはともかく合成がなく、カードのレベルアップもないため、ゲームが健全化している反面、育成する楽しみも失われており、物足りない印象があることも否めません。

キングダム 激突パズル無双

マンガ「キングダム」は 秦・楚・燕・斉・趙・魏・韓 でおなじみの(?)、中国の春秋戦国時代を題材にしています。
時代としては、春秋戦国時代で「秦」が中国を統一し、その後に「項羽と劉邦」の戦争が起こって秦が滅んで漢となり、その漢の後に有名な「三国志」の時代になります。
三国志よりも古い、7つの国が争っていた時代ですね。 キングダムの主人公は「秦」の武将の1人です。

ゲームはパネルを回転させて道を繋げるものになっています。
タップで任意のパネルを 90 度ずつクルクルと回転させられますが、縦や横にスライドする事はできません。
制限時間内に下に並んでいる味方武将と、上に並んでいる敵武将の間に道を作ると、繋がっている味方が敵に攻撃を行います。

4人の味方武将を敵に繋げると「4コンボ攻撃」になって、4人の合計攻撃力+α のダメージとなり、繋げた敵が3人いるならその3人にまとめてダメージを与えられます。

出来るだけ多くの敵と味方を繋げられるように道を作った方が良いのですが、1度道が繋がると、それから5秒後に攻撃が始まってしまいます。
よって多くの武将が攻撃できるように道を整えてから、最後に繋げた方が良いことになります。
ただ、途中で意図せずして繋がってしまっても、すぐに道を切れば攻撃が始まることはありません。
ただし制限時間がなくなってしまうと不発に終わります。

敵はこちらが何度か攻撃するごとに反撃を行ってきます
受けたダメージは光っている「回復パネル」を通過することで回復できます。
何ターンか経過すると味方が「スキル」を発動できるようになります。
この辺りは既存のパズドラ系のシステムと同じですね。

属性は、赤(心)青(技)に強く、青(技)緑(体)に強く、緑(体)赤(心)に強いという関係になっています。

スキルは体力回復や全体攻撃などの一般的なものの他に、「 r 型のパネルをT字型に変える」「-型のパネルを十字型に変える」などの、このゲームらしいものもあります。
また、全体に効果を及ぼす「リーダースキル」を持つ武将も存在します。

キングダム 激突パズル無双
※道を繋げると赤いラインが伸びていき、それから衝撃のようなものが走っていきます。
サウンドや演出はスマホらしいもので、チープな感じは受けません。
右はスキルを使ってパネルを入れ替えている様子。 パネルが悪いとどうしようもないゲームなので、パネル入れ替えをボス戦のために温存しておくのは基本です。


キングダム 激突パズル無双
※左は編成画面。 このゲームにソーシャル要素はなく、他プレイヤーの助っ人キャラの枠はありません。
キャラクターの能力値はしばらく押しっぱなしにしてから離すことで確認できます。
主力部隊の他に、自動で戦闘結果が表示される「派遣部隊」を編成することも出来ますが、派遣にも「スタミナ」を消費します。
進攻先は7ヶ国あり、それぞれ手に入る武将が違いますが、基本的には 奏→韓→趙→燕→魏→楚→斉 の順で攻めていきましょう。


プレイごとに「スタミナ」が減少し、なくなると回復するまでしばらく待つか、課金アイテムを使うまでプレイできなくなるという、ソーシャルゲーム的なシステムが存在します。

しかし、ソシャゲっぽいのはここまで。
前述したようにこのゲームには「ガチャ」がなく、武将(カード)は敵がドロップするもののみです。
またカード合成もないので、課金でキャラを成長させるような要素はありません。

課金カードや課金アイテムはあるのですが、カードは決められたレアカードを買うものになっています
例えば「R 羌瘣 170 円」「R 王騎 170 円」みたいに決まっていて、「何が手に入るか解らない」「課金ガチャをしてもダメカードばかりだった」みたいなことはありません。
さらにカード価格は(現時点では)170 円のみで、高額なものは存在しません

課金アイテムも経験値やスタミナ回復速度を「永続的に」1.5 倍にするといったもので、消費アイテムはスタミナ回復とコンティニューのみです。

一般的なソーシャルゲームのような、湯水の如くお金を費やすようなゲームにはなっていません
私的には、こういうスタイルのゲームにしている事には好感が持てます。

ただ、カード合成がないために、いらないカードは捨てて経験値にするしかありません
カード(武将)をレベルアップさせたり、上位のものにクラスチェンジしたり、スキルを強化するといった育成の楽しみもありません

成長要素と言えるのはプレイヤー(部隊)のレベルだけですが、パズドラ系ではプレイヤーのレベルはあまり重視されないのは言うまでもありません。
部隊を強くするには上位カードのドロップを待つ(もしくは課金カードを買う)しかなく、この点は物足りないのが本音です。
(だからパズドラ系は「○○+RPG」という感じのジャンルですが、このゲームに RPG 要素はほとんどないです)

また、ゲームバランスもよくありません
このゲームには「防御力」があるのですが、それに関するダメージ算出が悪く、ザコに 100 とか 200 とかのダメージを与えていた部隊が、ボスには 2 や 3 のダメージしか与えられなかったりするのです。
それでいてボスの HP は 400 とか 500 とかあるため、こうなると当然倒せません。

部隊の攻撃力が足りないと「どうしようもない」状態で、ちょっと頑張れば何とかなるというレベルではないので、これじゃコンティニューがあっても全く無駄。
こちらも防御力が高い場合、ザコから受けるダメージが 1 になったりするので、強さがやたら極端です。

さらに原作のファンにとって残念なことは、登場する国と武将が合ってない場合があること。
私は原作をよく知らないのですが、それでも主人公である「信」が全然関係ない他国にザコ武将として何度も登場してるのを見ると、「どーなんだそれは」と思ってしまいます。

キングダム 激突パズル無双
※課金要素であるレアカードとアイテムの購入。 課金ガチャ1回 300 円とかが相場になっている昨今、この価格は安めと言って良いでしょうね。
販売されているレアカードは6枚しかなく、カード総数も 61 枚と、そんなに多くありません。


パズドラ系ですが、アプリは有料で 250 円
しかし追加課金は必須ではなく、レアカードなしだと途中から辛くなりますが、「課金の上限が解らない」みたいなゲームではありません。
その分、終わりも早く見えてきそうですが。

このアプリは一種のテストケースなんでしょうか?
「パズドラ系だけどガチャじゃない」というのを試してみた、という感じがあります。
ソーシャルゲーム(ガチャゲーム)ではなく、あくまでフリーミアム(アイテム課金型ゲーム)という考えなのかもしれませんね。

一般的なソーシャルゲームよりは健全化しているので、それは良いと思うのですが、やや中途半端な印象も否めません。
特に有料アプリなら「スタミナ」はいらないだろ、というのが本音。
最初から買い切りゲームとして作ってくれれば良かったのに、と思ってしまいます。

コナミ初のパズドラ系ということで注目作ではありますが、基本的には「キングダム」のファン用のアプリかなぁ、という印象ですね。
でも相応にパズルとしての面白さとゲーム性、収集要素は備わっているので、キングダムのマンガやアニメを知っている方なら楽しめると思います。

・キングダム 激突パズル無双 (現在非公開)