※このアプリは 2015年3月 に運営終了しました。

コナミが発売した多人数オンライン対戦型のアーケードクイズゲーム「クイズマジックアカデミー」(QMA)。
ネットワーク対戦がメインのゲーム性と、魅力的なキャラクター、頻繁に開催されるイベントなどによって大きな人気を得たゲームですが、その iOS 用アプリが先日公開されました。
クイズマジックアカデミーSP」です。

しかしこのアプリ、オリジナルのクイズマジックアカデミーとは全然違う内容で、ステージクリア型のソーシャルゲームになっています。
舞台は原作を踏襲していますが、インターフェイスもゲーム性も関連がなく、内容はまったく別モノだと考えて下さい。

先日ご紹介した「アンサー×アンサー」は、まだインターフェイスや演出などに原作の雰囲気を残そうとしている感じがありましたが、このアプリはもうオリジナルの QMA とは異なるものになっています。

このアプリは Android 版の方が先行していて、昨年10月にはすでに公開されていました。
iOS 版はその移植ということになります。

クイズマジックアカデミーSP

ゲームモードは、お供キャラである「マジックペット」を育てる「迷Qクエスト」と、選択したジャンル/形式のクイズを6問だけ行う「授業モード」、細分化されたジャンルのクイズを 12 問行う「検定モード」の3つがあります。
メインは「迷Qクエスト」ですね。

どのモードもゲーム開始前にジャンルを選択します。
ノンジャンル、アニメ&ゲーム、スポーツ、芸能、ライフスタイル、社会、文系学問、理系学問に分かれていて、迷Qクエストの場合はこれが冒険にいくダンジョンになっています。
「検定モード」は日本文学や戦国時代など、さらに細分化されたジャンルを選択できます。

問題の形式は通常の4択問題、2択の○×クイズ、徐々にヒントが出る連想クイズ、文字を並べ替える並べ替えクイズ、解答を入力する文字パネルクイズがあり、「授業モード」以外はランダムで出題されます。

「○○の答えは~ですが・・・ では××は何?」といったひっかけ問題もあり、「ですが」の前で一瞬出題が止まるなど、クイズ大会らしい出題方法があるのも特徴ですね。

「迷Qクエスト」の場合は正解するごとにダンジョンを進んでいき、ゴールすると次のフロアに移動できますが、進むには MP と呼ばれるポイントが必要になります。
MP はソーシャルゲームの「スタミナ」や「エネルギー」に相当するもので、なくなるとしばらく待つか、課金アイテムを使わないと続行できません
MP は「解答時間を伸ばす」「進行距離を増やす」「強制的に正解にする」などの「魔法」を使う際にも消費します。

迷Qクエストではフロアの最後にモンスターが登場する事があり、これを倒すとマジックペットを成長させる「マナ」を入手できます。
マジックペットを成長させると姿が変わり、ステータスに応じて進行距離やモンスターに与えるダメージが増えるようです

授業モードは普通にクイズをするモードで、クリア回数が増えると問題の難易度が上がっていきます。
検定モードもクイズをするだけのモードですが、出題数が多めで、最後に D~SS の評価が行われます。
どちらも結果に応じてプレイヤーの経験値が得られ、レベルアップできます。(迷Qクエストは経験値は得られません)

クイズマジックアカデミーSP
※左は文字パネルクイズ。 正解の文字を下の候補から入力していきます。 難易度は高めですが、そのぶん進行距離やスコアが高めになります。
右は迷Qクエストモードでモンスターが出現したシーン。 クイズは並べ替え問題。
正解するとモンスターにダメージを与えられますが、倒す前に最終問題を過ぎると逃げてしまいます。(フロアクリア扱いにはなる)
マジックペットを成長させる「マナ」は、基本的にこのモンスターから入手します。


クイズゲームとしては良く出来た内容だと思うのですが・・・
色々と難点も目に付きます。

まずなんと言っても、プレイできる時間が短い
迷Qクエストの場合、ゲームの進行に必要な MP はダンジョンのフロアを1つクリアするごとに4必要になります。
初期値は 20 なので、5階層のダンジョンに行ったら1回のプレイで尽きてしまいます。
プレイ時間は5分程度ですが、その後は3時間以上の待ち時間が必要。(10 分で MP 1 回復)

迷Qクエストは途中で「魔法」を使えますが、MP を 5 とか 6 とか消費するので、使ったらますますプレイ時間は短くなります。(つまりスタミナを削って魔法を使う)

さらに検定モードはジャンルを解禁するのに課金アイテムが3つ必要になります
課金アイテムの「賢者の石」は1個 85 円、3個 250 円で、最初に持っているのは2つのみ。
途中で増える事はないので、課金しないとプレイ自体できません。
多くのジャンルを楽しみたいならさらに課金が必要です。

加えて迷Qクエストでマジックペットを成長させるにはアイテムを持ったモンスターを倒さなければなりませんが、このモンスターの出現率が低い。
このモードでは経験値を得られないので、モンスターが出なかった場合、MP だけ消費して一切何も得られないまま終わります。
モンスターを必ず出現させる魔法もあるのですが、例によって MP を使います・・・

レベルが上がったら賢者の石を貰える、という事もないので、とにかく課金しないとまともに遊べない印象。
そのスタイルはまさに「キツキツ運営」ですね。

もう1つの難点は、昨年からコナミのアプリで始まった Kiwi という SNS に登録しないとまともに遊べないこと。
この Kiwi 、入力項目が多めで生年月日や所在地が初期設定で「公開」になっている、ゲームごとに ID とパスワードの入力が必要など、他の SNS と比べるとシステムがイマイチで面倒

そして何よりガッカリなのは、十数人でクイズ大会に参加しているような臨場感のあるオンライン対戦が楽しめた QMA のオリジナルの面白さが、何一つ反映されていないこと。

「アーケード連動」という機能はありますが、単に検定のジャンルが一部解禁されるのみです。
アンサー×アンサー はまだネットワーククイズっぽさを出そうと工夫している様子が見られましたが、そういう様子は何もなく、単なるクイズゲームになっているのは残念です。

QMA のファンの方からは、キャラが2人しか選べない点についての不満が多いようです。
アップデートでの追加は予告されていますが・・・ Android 版の公開から数えるとすでに半年が経っていて、それでも音沙汰なしなので、あまり期待しない方が良さそうですね。

クイズマジックアカデミーSP
※左は「マジックペット」の育成画面。 しかし育成に必要なアイテムが手に入りにくい!
それでなくても少ない MP を削ってモンスター召還の魔法を使わないとぜんぜん出ない。
出なかったら得るものなしで、出ても倒せなかったら最悪と、キツ過ぎる印象です。
右は「検定モード」の選択ジャンルですが、1つ解禁するのに課金アイテム3つ必要。
普通に遊ぼうと思ったらいくらかかるのか計算するのが嫌になる、まさに「タダより高いものはない」状態。


アプリ本体の価格は無料です。
クイズアプリとしての完成度は悪くなく、相応に楽しめるアプリではあります。

しかし無課金では遊べる時間が短すぎて、出来ることも少なく、これでは人にオススメとは言えませんね
昨年からのコナミのアプリは急激にソーシャルゲーム化とクオリティの低下が進み、課金形態も「キツキツ運営」で、良い印象がまったくないのですが、残念ながらこのアプリもその延長です。

そんなに「悪い」という程ではないのですが、「クイズマジックアカデミー」であることを考えるとガッカリ・・・ と言うのは、単なるファン心理に過ぎないのでしょうか?

あまり期待を持たず、1回数分クイズで遊べるんならまあいいや、という人には良いのですが・・・

・クイズマジックアカデミーSP  ※公開終了