歴代ガンダム作品のモビルスーツとキャラクターが総登場する人気シミュレーションゲーム「Gジェネレーション」。
各ゲーム機で展開されている非常に有名なシリーズですが、それをソーシャルゲームにアレンジしたものが先日公開されました。
「SDガンダム ジージェネレーション フロンティア」です。
iPhone にとって「Gジェネレーション」は、まさに黒歴史でした。
2010 年に発売された SDガンダム Gジェネレーション タッチ は、スマホとは思えない汚い画面、最悪の操作性、高額な課金、致命的不具合を数ヶ月放置という iPhone アプリ史上に残るトップクラスの「クソゲー」であり、最後は新 OS への対応を拒否して、現行機種では動作不可能になりました。
そんなGジェネレーションが今度はソーシャルゲーム化した訳ですから、もう嫌な予感しかしなかった訳ですが、今回は意外にも相応に楽しめる内容になっています。
あくまでソシャゲ版Gジェネですから、オリジナルのGジェネレーションのようなターン制シミュレーションゲームではなく、戦闘は短時間で終わるのですが、Gジェネらしさは確かに感じられるし、「スマホ用の派生作品」として考えると悪くはありませんね。
もちろんグリーやモバゲー型の、いわゆる「ポチポチゲー」ではありません。
戦艦と艦長、数台のモビルスーツとそのパイロットで構成されたチームを編成し、歴代ガンダムシリーズの各話を元にした「クエスト」を戦います。
ソーシャルゲームなので、クエストを実行すると EN(エネルギー)を消費し、なくなるとしばらく待たなければ再プレイできません。
戦闘は簡易的な RTS(リアルタイムのシミュレーションゲーム)になっています。
ユニットをタッチしてドラッグすると、そこまでのラインが引かれ、それに沿ってモビルスーツが移動します。
敵ユニットを移動先にするとその敵を狙って動き、味方ユニットを移動先にするとその味方を追尾して、味方が狙った敵に攻撃を行います。
各ユニットは射程に敵が入ると自動で攻撃を行います。
よってプレイヤーがやることは移動先の指示だけですね。
チームには戦艦が同行しており、戦艦にユニットを帰投させると HP の回復を行えます。
戦艦がやられると他のモビルスーツが残っていても敗北です。
敵を全滅させると勝利で、1回の戦闘にあまり時間はかかりません。
1分程度、長くても2分ぐらいです。
よって本格的なシミュレーションゲームを期待していると拍子抜けすることになりますが、何度も戦闘を繰り返すソーシャルゲームであることを考えるとこのぐらいなのかな、とも思います。
ユニットの書き込みは結構細かく、多彩なモビルスーツのグラフィックが用意されていて、例えばシールドを飛ばして攻撃する「ガンダムデスサイズ」の場合はちゃんと刃の付いた盾を飛ばします。
モビルスーツには近接戦闘の S タイプ、中距離射撃の M タイプ、遠距離型の L タイプがあります。
あまり戦略性のある戦闘ではありませんが、S タイプばかりだと味方が邪魔になり、M や L ばかりだと防御に問題があるので、S・M・L をバランス良くそろえるのが攻略の基本になりますね。
※盾役となる S を前に出して、M と L はその後ろから攻撃する。 これが基本。
M と L は敵ではなく、前に出す S ユニットを追尾させる形にしておいた方が操作しやすくなります。
一応、L は M に強く、M は S に強く、S は L に強いという関係があり、強い側は与えるダメージが 1.5 倍になりますが、それよりも S で守りながら敵を1体ずつ片付ける方が重要です。
戦艦も一応戦えますが、やられたらヤバいので後方に控えておきましょう。
※各クエストではおなじみのキャラクターが登場し、そのシーンに合ったセリフが表示されます。
クエストで特定の条件(大抵は速攻で敵を撃破)を満たすと、特殊な敵の増援が出現し、勝利後の報酬と経験値が2倍になります。
基本的には待ち伏せる方が有利なのですが、クエストで速攻クリアを目指すならどんどん突っ込みましょう。
クエストをクリアすると、次のクエストをアンロックするための「クエストキー」と、ガチャをやるためのチケットを入手でき、さらに報酬のモビルスーツやキャラクターを獲得できます。
各ステージでゲット出来るモビルスーツやキャラクターの候補は決まっているようで、ガチャ以外でもこれらのものを集めていく出来ます。
ガチャはおなじみのものですが、このゲームはレベルアップや特定条件のクリア、ログインボーナスなどで、頻繁に「ゴールドチケット」という上位のガチャを引けるチケットを貰えます。
ゴールドチケットのガチャは無料ガチャと課金ガチャの中間のものであり、「ゴールドガチャだから課金と同じガチャなんだ」という訳ではありません。
しかしゴールドガチャなら高確率でレアカードが出るので、レアなモビルスーツやキャラクターの入手はそれほど困難ではありません。
何かのトラブルがあった時の「お詫び」のゴールドチケット配布も頻繁で、この辺はパズドラの「ポカポカ運営」を参考にしているのが伺えますね。
モビルスーツやキャラクターのレベルは、一般的なソーシャルゲームと同じく「強化」コマンドでいらないカードを合成することで上げて行きます。
ただ、クエストの戦闘で経験値が貯まることでもレベルアップしていくので、合成しなくても徐々に強くなっていきます。
この点はシミュレーション RPG であるGジェネらしくて良いですね。
Gジェネシリーズらしくモビルスーツの「開発」や「設計」も存在しますが、開発は正確には「武器開発」で、レベルの条件を満たしたカードを他の武装に変更するものです。
例えば、ビームサーベル装備のガンダムは Lv10 でビームライフルに変えられます。
しかし変更するとレベルが1に戻りますし、タイプが S から M に変わるため、それが有利とは限りません。
「設計」は特定のモビルスーツを組み合わせて新モビルスーツを作るものですが、素材に加えて「設計図」というアイテムが必要です。
この設計図はフレンドを増やすことで得られる「フレンドポイント」と引き替えで貰うか、「Gコロシアム」での連勝賞品として貰うもので、素材があればいつでも出来るという訳ではありません。
「Gコロシアム」は他プレイヤーのチームと戦うもので、連勝し続けることで様々な賞品を貰えますが、1回ごとにコロシアムのチケットを消費します。
上位の連勝賞品が欲しいなら、チケットを貯めて一気に行う必要がありますね。
戦う相手は候補の中から選べるので、弱めの人と戦えば無難に勝てます。
※編成画面。 搭載するモビルスーツとパイロットのコストは「搭載上限」以内に抑えなければなりません。
搭載上限と搭載枠は戦艦の種類ごとに決まっていますが、搭載上限は戦艦のレベルアップで上昇します。
(ファースト)ガンダムのクエスト4で高確率で戦艦が手に入るので、そこで戦艦を貯めて合成でレベルアップさせましょう。
戦艦やモビルスーツの地形適正は合ってなくても出撃可能です。(攻撃力と防御力は落ちます)
コロシアム対戦時、搭載枠の1つ目と2つ目は前列中央、3つ目と4つ目は前列の左右、5つ目は後列になるので、それに合わせたモビルスーツを配置しましょう。
※Gジェネと言えばコレ、MS 設計。 でも設計図が必要なので、無駄に実行する事は出来ません。
組み合わせは素材さえあれば「オススメ設計」のボタンで簡単にチェックできます。
でも正直、レアなモビルスーツはガチャで手に入れるのがメインになっているので、設計の必要性は下がっています・・・
なお、メニューの「図鑑」でモビルスーツやキャラクターの解説文を読むことが出来ます。
※Gコロシアムの模様。 ガンダムが入り乱れてます。
時間を気にせず戦えるので、待ち伏せて集中攻撃すれば良いため、格上の相手でも撃破は可能です。
ただ、相手が強くても弱くても、得られるものには変化はないようです・・・
連勝するほど良いものが貰えますが、チケットが大量に必要なので、3連勝ずつして「クエストキー」を3個ずつ貰った方が最初は良いかも。
コロシアムでの戦いによって「拠点レベル」を上げることが出来ますが、拠点レベルは条件を満たしても、ホーム画面左上にある拠点レベル表示をタップしないと上がらないので注意。
難点は、ゲームが単調なこと。
色々なガンダム作品の様々なステージが用意されていますが、どのステージも変わり映えしません。
敵の攻撃もシステムが簡略化されているが故に同じようなものしかなく、本家Gジェネのようなバラエティーに富んだ装備や演出はありません。
ソーシャルゲームらしく、ひたすら同じことを繰り返すのみです。
おまけに難易度が低すぎて、少しモビルスーツが強くなると簡単に敵を倒せるようになるため、ますます単調になって来ます。
戦法を駆使しないと倒せないような強敵や、回復なども考慮しないと勝てないような大量の敵が出てくるならゲームとして面白いと思うし、モビルスーツやキャラクターをパワーアップさせようという気にもなるのですが、手軽さを優先し過ぎているのか常に同じパターンで勝てるので、だんだん飽きてきます。
キャラが強くなり過ぎると突っ込むだけで終わるし。
さらにクエストをアンロックするのに「クエストキー」が必要なのですが、後のクエストになるとこれが十数個必要です。
クエストクリアで得られるキーは1つか2つなので、何度も同じクエストを繰り返して貯めなければなりません。
それでなくても単調なゲームが、さらに単調になります・・・
加えてこのアプリは(2013年4月時点で)まだ未完成です。
クエストが中途半端なところまでしか完成しておらず、そのため登場するモビルスーツやキャラクターの数も限られています。
例えば(ファースト)ガンダムだと、ランバラル隊との戦いまでしかクエストがありません。
ガンダムW、ガンダムSEED、第08MS小隊などのシナリオがありますが、どれも途中までのようですし、Z などはありません。
ナムコは以前から「スケジュール通りにとりあえず発売、後のアップデートで完成させていく」という方法を取ることがあるのですが、今回もそのケースのようです。
でも、ちょっと今の段階では中途半端すぎて、まだ β 版的な印象が拭えませんね。
せめてファーストガンダムぐらいは完結させといて欲しいものです・・・
※クエストセレクト画面。 次のクエストを出すには「クエストキー」を貯めなければなりません。
同じステージの繰り返しを強要されるため、サクサク感のようなものはありません。
キーが無かったらすぐ先に進まれてしまうのは解るけど、こういう延命の仕方はちょっとなぁ・・・
こういうのは敵の強さなどのゲームバランスの方で調整すべきではないかと思うのですが、ソーシャルゲームだから誰でも簡単にクリア出来ることを優先したんだろうか・・・
ソーシャルゲームだから本体は無料。 もちろん課金ガチャは存在します。
ただ、前述したように課金しなくてもゴールドガチャでレアカードが手に入るし、そもそもレアがたくさん必要なほど敵が強くないし、課金する必要性は(2013/4 時点では)全く感じません。
色々と足りない部分も目に付くのですが、やっていて思うのは「それでもやっぱりガンダムだと楽しい」ということ。
知らないモンスターとかデーモンとかのカードより、「ガンダム」とか「ザクII」とかのカードの方がピンと来る訳ですよ、知っている人間だと。
その方が集めていて、育てていて楽しい訳で、「あぁ、やっぱり版権モノは強いわ」と言うのを改めて実感しましたね。
ちゃんとスマホらしい演出を持つネイティブアプリであり、全体のクオリティーは高いのですが、現状では飽きが来るのが早そうなので、今後の運営や拡張がどうなるかで最終的な評価は変わってきそうです。
とりあえず黒歴史となった「アレ」よりはマシなので、アレのせいで敬遠している方には、今回はまだ大丈夫ですと言っておきます。
冒頭でも述べましたが、本家のGジェネほどの面白さやゲーム性を期待したらガッカリになると思いますが、「スマホ用の別のゲーム」として考えると、少しずつ遊んでいく分には良いと思います。
・SDガンダム ジージェネレーション フロンティア (iTunes が起動します)
コメント一覧 (5)
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- 2013/04/20 10:34
- まったく関係ない話ですが、他に書く場所なさそうなのでここに失礼します。
久々にiPhone版カタンで遊んだら「騎士カタン」のアップデートが来ていました。
追加されたのは2012年8月で半年以上前ですが(笑)
暇を見て紹介ページ、可能なら攻略ページを作っていただけるとうれしいです。
なんせ英語が苦手で海カタンもiPhoneAC見ながらプレイしていたので(笑)
よろしくお願いします。
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- 2013/04/20 11:53
- スケジュール通りにとりあえず発売、後のアップデートで完成させていく
バンナムに限らず有料無料に限らずこれやめて欲しい。
まず完成。どうしても取りきれなかったバグ、不都合な使用等を後にアップデート。
普通はこれでしょ。
ユーザーにバグ取り等させるなよ。
そういう所で信用失くすってのが分からないのかな。
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- 2013/04/20 23:48
- >>2さん
あぁ、カタンの「騎士カタン」と、カルカソンヌの「商人と建築士」は、ずっとやろうと思っていながら今までそのまんまになってました・・・
もう半年以上も経ってたのか・・・
個人的にも特集したいと思っているので、近日中に作成開始しようと思います。
>>バンナムに限らず有料無料に限らずこれやめて欲しい。
ほんとそうですよね。
私が聞いた話では、スケジュールや制作費がなくなった場合、余裕がある企業ならそれを追加するんだけど、バンナムの場合は先に公開して、そこで得た収益で作業の続きを行うという、現地調達的な製作を強いられるそうです。
で、それがうまく回らなかったら未完成のまま放置されたりすると言う・・・
まあ今回は「それでもガンダムならなんとかしてくれる」的に何とかなるんだろうけど、それはメーカー側が思っている以上にユーザーの信頼を下げますよね。
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- 2013/04/26 02:50
- その制作方法は、いろいろピンチなエrゲのそれと変わらない……。
コンシューマ開発としては、末期的ですよー。
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それでもネームバリューでホイホイ買う人がいるんだから楽な商売だ