ゲームロフトのディアブロ」。
ハック&スラッシュ」とも呼ばれる、次々と現れる敵をひたすら倒し続けながら、ダンジョンを進み、装備を集め、レベルアップして強くなる、上空見下ろし型のアクション RPG 「ダーククエスト」(Dark Quest)に最新作が登場しています。
Dark Quest 4 (ダーククエスト4)」です。

海外では4月中旬にすでに公開されていたのですが、なぜか日本では発売が遅れ、1ヶ月遅れての配信開始となりました。

このシリーズは Dark Quest 2 まではハクスラ系の定番 Diablo(ディアブロ)のようなゲームだったのですが、Dark Quest 3 になって内容が一新。
課金重視の、狭い範囲で敵と戦う、ランダム生成の装備がなくなったゲームに変わり、その変化に世界中で批判が続出!
「ソーシャルゲームの悪影響を受けた一般ゲームの代表格」のように言われる事となりました。

そして今回の Dark Quest 4 はどうなっているかと言うと・・・
Dark Quest 2 と 3 を合わせたような内容になっています。

本来のディアブロらしいアクション RPG に戻ってはいますが、Dark Quest 3 のような課金要素も含まれており、さらにこれでもかと言うぐらいに「課金演出」がてんこ盛りです
今回も相変わらず、賛否両論になりそうな内容ですね・・・

なお、このゲームの本来の名前(海外名)は「Dungeon Hunter」で、日本だけ商標登録の問題で「ダーククエスト」という名前になっています。
そのため前作までは「Dungeon Hunter」で検索しないとアプリが見当たらなかったのですが、今回は Dungeon Hunter でも Dark Quest でも見つかるようになっています。

Dark Quest 4 ダーククエスト4

美しい 3D グラフィックのゲームですが、操作やゲーム性は 2D のアクションゲームのスタイルです。
画面左下のスティックで移動、右下のボタンで攻撃ですね。

プレイヤーの職業は、ナイトのようなパワー型の近接攻撃職「バトルウォーン」、バーバリアンのようなスピード型の近接攻撃職「ブレードマスター」、範囲攻撃ができる魔術師型の遠距離攻撃職「ウォーメイジ」、弓矢を使うスピード型の遠距離攻撃職「センチネル」の4種類があります。

近接攻撃職の場合、攻撃はボタン連打で行います。 格闘アクションらしいタイプですね。
一方、遠距離攻撃職の場合は攻撃ボタンはボタンではなく、スティックになります
これを傾けている方向に自動で弾を連射する形で、つまり全方向スクロールシューティングのようになります。

緊急回避技を使ってヒット&アウェイの戦いが出来る人は遠距離攻撃職の方が有利ですが、そういった戦い方が苦手な人は体力に勝る戦士系の方が良いでしょう。

ストーリーは広いダンジョンを進みながら、「クエスト」を受けて目的地に向かい、そこでボスを倒して次のクエストを受ける、というのを繰り返して進行します。

ただ、あまり難しく進行を考える必要はありません。
ハクスラ系(ハック&スラッシュ)らしく、大量に出てくる敵をバシバシと倒しながら、ダンジョンを突き進んでいけば OK です
同時に出てくる敵の量や出現頻度はかなり多く、十分に「無双」する爽快感を得られます

Dark Quest 4 ダーククエスト4
※ゲームが進めば巨大なボスも登場します。 ボスや大型の敵は爆発する魔法を撃って来るので、素早く(もしくは先読みで)緊急回避スキルでかわす必要があります。
ただ、戦士系はどっちみち正面きって殴り合う必要があるので、「殺られる前に殺る」のが基本かも。


Dark Quest 4 ダーククエスト4
※ゲームが進むと、急に移動範囲が制限されて大量の敵が出現し、その敵を数ラウンド撃退し続けないと先に進めないアリーナ型のシーンが発生します。
ここは Dark Quest 3 の展開を引き継いでいるのでしょうか?
最初にこのシーンが現れる「魔法アカデミー」はかなり難易度が高く、無課金の場合はレベル上げをしてこないと厳しいです。


装備は Diablo や Dark Quest 2 のように、敵が落とすようになりました。
しかし Diablo や Dark Quest 2 のような、ランダムに追加効果が付いているものではなくなっています。

装備は種類ごとに能力が決まっていますが、3段階に強化可能で、強化するごとに「チャーム」と呼ばれる宝石をはめ込むスロットが増えていきます
チャームには「攻撃力アップ」「属性攻撃追加」「回復速度アップ」などの効果があり、これをはめ込むことで追加効果を得られるようになっています。

最初から何段階か強化されているものや、すでにチャームが付いている装備が出現することもあり、この点のランダム要素はあるのですが、Diablo や Dark Quest 2 ほど多様な装備がある訳ではありません
ただ、はまっているチャームを外したり、チャームを融合して強化することができ、この点の装備をカスタマイズする要素はあります

完全にアイテムの能力が決まっていた Dark Quest 3 よりは、アイテムを集める楽しさはありますね。

Dark Quest 4 ダーククエスト4
※Diablo は良い追加効果が付いた装備を探すのがメインでしたが、こちらは追加効果が「チャーム」という宝石になっているので、それを集めるのがメインとなります。
装備は強化するとチャームを付ける穴が増え、付けたチャームは後で外すこともできるので、使っている装備は早く強化しましょう。
チャームが付いてない、自分が使っているものより弱い装備は、売る以外に価値はありません。


「ゲーム自体」の完成度は非常に高く、グラフィックやサウンドも素晴らしく、ザコを倒しまくるハック&スラッシュの面白さも十分で、演出なども非常に高レベルです。
ゲームロフトらしいクオリティーの高さは相変わらずで、メッセージも日本語に対応しています。

しかし Dark Quest 3 から導入されたソーシャルゲーム的な課金要素が、その内容に影を落としています

まず、アイテムの強化に5分から数十分の待ち時間が必要になりました。
チャームの融合や取り外しにも待ち時間が必要で、課金アイテムのジュエルを消費しないとすぐには終わりません。
ただ、今作は強化中の装備も使用できるので、この点は大きな問題にはなっていません。

待ち時間で問題なのは「薬」で、今作は HP 回復薬を普通の手段では入手できません。
回復薬は3つまで持つことができますが、使ったら補充するのに課金通貨を使うか、「1つあたり2時間」の時間経過が必要です
ソーシャルゲーム的なプレイ時間の制限は、ここに加えられている訳ですね。

また、装備は当然ながら、課金装備の方が強力です。
この手のゲームはより良い装備を探すのが大きな楽しみですが、どんなにがんばって探したって、課金装備には敵いません

さらにゲームの難易度も課金を考慮した、かなり高難度なものになっています。
最初は簡単なのですが、無課金でスムーズに楽しめるのは序盤のみ。
途中から急に難しくなり、課金装備を買うか、クリア済みのマップを繰り返して地道なチャーム集めとレベル上げを行わないと、かなり辛くなってきます。

同じステージでレベル上げが出来る分、「絶対に課金必須」という訳でもないのですが、「課金しないと大変」というバランスであることは否めません

そして何より気になるのが、押し売りのごとく繰り返される「課金演出」
場面が切り替わると「オススメ課金装備」が表示され、レベルアップした時も課金装備のアピールが行われ、アイテム欄には入手していない課金装備を買うためのアイコンが混ざっていて、とにかく至るところで課金を意識させる仕組みになっています。

ソーシャルゲーム以外で、こんなに押し売り的な課金アピールが繰り返されるゲームは最近なかったので、かなり気になりますね
ここまで「課金課金! お金お金!」という感じになっていると、だんだんウンザリしてくるのが本音です。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



アプリ本体は無料。 しかし無課金だと途中から遊び辛くなることは否めません。

改めて言いますが、「ゲーム自体は」素晴らしいです。
普通の市販ゲームソフトぐらいのクオリティーはあるので、それなら市販のゲームを買うつもりで 1000 円や 2000 円の課金をして楽しめば良いのかな、とも思うのですが、でもその課金で最後まで快適にプレイできる保証はないうえに、嫌になるほど繰り返される課金アピールが消える訳ではありません。

多くの人は「課金や待ち時間を気にせず、思う存分プレイできる買い切りゲームに戻して欲しい」というのが本音ではないでしょうか?
Dark Quest といい、Real Racing といい、本来素晴らしいはずの「一般ゲーム」が、余計なソーシャルゲーム型の課金要素によって、思う存分楽しめないものになっているケースが最近目に付きます。

今更こんなことを言うのもおかしいのですが、「どうして今のゲームはこんな風になったんだろう?」と、改めて思わずにはいられません

とは言え、ゲーム自体のクオリティーは高いし、スマホのディアブロ型ゲームとしては完成度は突出しています。
試してみて損のないアプリであることは確かですね。

Dark Quest 4 (ダーククエスト4) (iTunes が起動します)