本日は今話題のプロ野球をテーマにした「スマホ用のソーシャルゲーム」を2つまとめてご紹介しようと思います。

1つはコナミの「プロ野球ドリームナイン SUPER STARS」。
グリー / モバゲーで運営されていたガラケー用のソーシャルゲーム「ドリームナイン」をスマホ用に作り直したもので、「ドリナイ」の名前は踏襲していますが、グラフィックや内容は一新されています
運営もグリーやモバゲーから切り離され、コナミが独自に行っています。

もう1つはセガの「プロ野球チームをつくろう!」。
家庭用ゲーム機で人気となった同名の野球チーム運営シミュレーションゲームを、スマホ用のソーシャルゲームにアレンジしたものです。
すなわち「名作がソシャゲになっちゃった」シリーズ

この2つは同じ「日本のプロ野球を題材にした、大手ゲームメーカーによる、日本プロ野球機構公認のソーシャルゲーム」でありながら、そのコンセプトは全く正反対です。

「プロ野球ドリームナイン SUPER STARS」(以下 ドリナイSS)は、従来の「ポチポチ型ソーシャルゲーム」から離れた、変わったタイプのソーシャルゲーム
一方の「プロ野球チームをつくろう!」(以下 やきゅつく)は、従来の「ポチポチゲー」のシステムをそのまま踏襲した、旧来のタイプのソーシャルゲームです。

コナミやドリナイの方が「グリー/モバゲー型」のイメージが強いのに、意外にもこの2作についてはセガの方がグリモバ型。
ただじゃあドリナイはゲームとしての要素が強くなったのかというと、そんなことはなく・・・ むしろ逆。

どう言うことなのか? まず ドリナイSS の方からご紹介したいと思います。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS

このゲームはヘンな表現ですが、「ポチポチゲー」から「ポチポチ」を抜いたものです。

「試合」のボタンを押して対戦相手を選択すると、スタミナを消費して試合シーンになります。
試合シーンは自動で進み、最後に勝敗が表示され、出場選手が成長します。
試合ポイントがなくなったら、しばらく回復を待たなければなりません。

以上。

こう言うと「はぁ? なんだそりゃ? それってゲームなのか?」と思うかもしれません。

しかしスマホらしい優れた演出と、コナミらしい豊富な選手のデータ、リアルでかっこいい選手フィギュアなど、「プロ野球選手のカードを集めるアプリ」として見ると、非常に完成されたものになっています

試合のシーンで野球をやっているところは出て来ませんが、作戦やコンボが発動するシーンなどはスマホらしい綺麗なグラフィックになっていて、進行のテンポやサウンドも良いです
選手フィギュア(カード)の背景にはメラメラと燃えているエフェクトなどがあり、ショボいガラケーのソーシャルとは見た目が大きく違いますね。
基本的に見ていることしか出来ないゲームですが、見ていて楽しい演出になっています。

ゲームの目的は自動マッチングの「リーグ戦」で好成績を収め、上位のリーグに勝ち進んでいくことですが、このリーグ戦は一定時間ごとに自動で進行し、プレイヤーができるのは結果を見ることのみ。
この辺も非常にシンプルに作られています。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※試合のシーンでは選手が持っているスキルの「作戦」が発動し、特定の組み合わせで発生する「コンボ」が表示された後、点数が付けられていきます。 これを3回繰り返します。
コンボは「繋がる下位打線」「疾風迅雷」など選手の能力によって発動するものと、「1983年会」「メジャーの記憶」などの特定の選手を集めることで発生するものの2種類があります。
コンボの種類はかなり多く、野球に詳しい人なら思わずニヤッとしてしまうものも多いようですね。


プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※試合の後に選手が成長。 合成で作戦レベルを上げる要素もありますが、能力アップは基本的に自動です。
スタメンに入れる選手はコスト内に収める必要がありますが、「育成枠」はコスト無関係に入れる事ができ、ここの選手も試合で成長します。
右の画像は選手カード。 前年度の成績と、その選手の評論が掲載されており、この辺はさすがコナミといったところ。
ちなみに右のカードは「金台」と呼ばれている、レアリティは低いながら台座が金色のカード。
このタイプのカードはレアリティの割に能力が高く、成長力があります。


結局のところ、「ミリオンアーサー」とか(ソーシャルの)「アイドルマスター」とか言うものは、カード集めがメインな訳で、それを考えるとカード以外の部分はこれぐらいシンプルでも成り立つのかな、とも思えます。
選手の成長はほぼ自動ですが、成長速度は相応に速いので、意外とカードが強くなっていく楽しみもあります。

私的には、これは「ソーシャルゲームが行き着いた姿」という印象を受けています。
ボタンを「ポチポチ」押すだけの行為にゲーム性なんてなかったのだから、実はそこはオミット(除外)しても良い部分だったのかもしれずパチンコが手打ち式からハンドル式になり、しかけが羽モノがスロットに変わっていったように、元々ゲーム性の少ない「ソーシャルゲーム」も、こうなっていくのが自然な流れなのかもしれません。

もう1つ特筆したいのは、このアプリで実際のプロ野球の情報も確認できること
私は家族がプロ野球好きのため、よくネットで試合結果や順位などを調べてくれと言われるのですが、今はもっぱらこのアプリで調べています。

ソーシャルゲームだけあって通信のレスポンスが速いので、起動してボタンを押すだけで試合結果や途中経過を簡単に確認でき、選手成績や野球関連のニュースも閲覧できます。

※現在は、実際のプロ野球の情報機能は削除されてしまいました。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS
※個人的にすごく便利に使わせて貰っているプロ野球情報。 選手成績には上位選手のカードが表示されるのでビジュアル的にも良いです。
おまけ機能と言うよりは、メイン機能ですね。


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一方、セガの「プロ野球チームをつくろう!」(やきゅつく)の方は・・・
冒頭でも述べたように、ドリナイSS とは正反対の「ポチポチゲー」です。

「ミッション」を選択すると試合の「視察」に向かい、ボタンを押すごとに試合が1回ずつ進み、「行動力」が減って、選手カードが1枚貰えます。
試合が終わったらボーナスが貰えて次の試合へ。
行動力がなくなったらしばらく待たないと回復しません。

たまに視察を続けていると「ライバル球団」が出現し、試合を行えます。
試合は自動で進行し、結果に応じてライバル球団に「ダメージ」を与えられます。
何度も試合をしてダメージを与え続け、その球団の HP をなくしたら撃破でき、ボーナスが貰えます。
強力な球団はフレンドと協力して倒せます。

プロ野球チームをつくろう

ここまで説明すれば、このゲームがいかに「グリー / モバゲースタイルの従来型のポチポチソーシャルゲーム」かが解るでしょう。
乱入してくるライバル球団の HP を減らして撃破とか、あまりのこじつけっぷりに思わず笑いました。
「自分が知っていた『やきゅつく』はどこへ行ったんだ」と。

オリジナルの「さかつく」や「やきゅつく」は施設建設やスタジアム整備などもゲームの大きなポイントになっていましたが、それを再現している「ホームタウン画面」というものは一応あります。

しかし町を発展させる方法は「試合を○回行う」とか、「合成を○回行う」「ライバル球団を○回倒す」などの条件を満たすと勝手に行われるもので、自分で施設を建設したりする要素は一切ありません。

プロ野球チームをつくろう
※左はミッション進行画面。 ボタンをポチポチするごとに行動力が減って試合が進みます。
イラスト調のグラフィックは味があって良いのですが、全体的にガラケーのインターフェイスですね。
右はライバル球団との試合画面。 結果はすぐに表示され、敵にダメージを与えられますが・・・ なんだよ「ダメージ」ってw


プロ野球チームをつくろう
※左はホーム画面。 最初見た時は「おおっ」と思ったけど、何のことはない、ただの達成項目の確認画面。
稼いだお金でスタジアムとか練習施設とかを自分で作るのが「やきゅつく」じゃなかったのか・・・?
右の画像は「選手ガチャ」の画面ですが、見ての通りグリー/モバゲーな感じ。


ゲームの目標は自動マッチングで進行するリーグ戦で勝利し、上のリーグに進んでいくことで、この点は ドリナイSS と変わりません。

他プレイヤーとの試合時には少し詳細な試合シーンが流れ、ちゃんと野球をやっているカットも表示されます
ここは ドリナイSS よりも野球ゲームらしいのですが、演出の綺麗さや派手さなどは ドリナイSS より劣ります。

グリー / モバゲーのポチポチ型ソーシャルゲームが好きな人もいるでしょうから、これはこれで楽しめる人もいると思いますが、今回の個人的な軍配は、セガよりコナミに上げたいと思います

ともあれ、ソーシャルゲームも本格的にスマホに移行しつつあるのが伺えますね。
ガラケーでは依然としてグリーとモバゲーが強いですが、スマホにおいてはグリー/モバゲーに利用料を払ってまで、その下で運営する必要はなくなりつつあります。

今のソーシャルゲームは「ポチポチ型」と「パズドラ型」に分かれていますが、ドリナイSS を見ていると「ポチポチ型」も今後変わっていくのかな、という気がしてきます。

プロ野球ドリームナイン SUPER STARS (iTunes が起動します)
プロ野球チームをつくろう! (iTunes が起動します)