ダークな西洋ファンタジーの世界観を持つ、ダンジョン探索型のターン制シミュレーション RPG が登場し、世界的な人気になっています。
Warhammer Quest」です。

このゲームは「ウォーハンマー」という「ミニチュアゲーム」をベースにしています。
ミニチュアゲームとはボードゲームのコマやボードを立体的なフィギュアやジオラマにしたもので、このゲームのグラフィックも実物の外観を模しています。
それにテーブルトーク RPG(TRPG)風のストーリーと、RPG らしいアイテム探しの要素を加えたような形ですね。

よってゲームシステムはコンピューターゲームの RPG よりも、ボード上のコマを進めていくボードゲームっぽい内容になっています。

Warhammer Quest

ダンジョン内は四角いマスで区切られていて、味方ユニットを移動力の分だけ進ませ、通路の端まで移動させると新しい通路や部屋が現れます。
部屋の中には敵がいて、そのまま戦闘に入ります。

戦闘になると敵と味方のターンが交互に繰り返されます
各キャラクターは近接攻撃回数(Melee Attack)と遠距離攻撃回数(Ranged Attack)を持っており、その回数だけ敵を攻撃できます
ただし遠距離攻撃を行うには弓を装備しておかなければなりません。
(剣や弓を持っていれば、戦士でも矢を撃てますし、魔術師でも剣を振れます)

魔術師は魔法を使うことが出来ますが、このゲームの MP はちょっと変わったシステムになっていて、ターンごとに「Winds of Magic」という数字が現れ、この数値が「そのターンに使える MP」になっています。
つまりターンごとに使える MP はランダムに変化します。
それとは別に、魔術師自身が保持している MP(Power)もあるのですが、最初は保持できる MP(Max Power)が 0 なので、ターンごとの MP 分しか魔法は使えません。

画面には表示されませんが、攻撃の命中判定は内部的にダイスを振って行っているようで、ミスすることも多く、いかにも TRPG やボードゲームっぽい判定になっています
ダンジョンはランダム生成で、入るたびに構成が変わります。

パーティーメンバーはバーサーカーの戦士、ドワーフの戦士、エルフの弓使い、赤魔道士的な魔術師の4人で、無課金だとこのメンバーで固定です。
課金すれば魔術師、僧侶、もう1人のドワーフ戦士も使えるのですが、1人あたり 250 円が必要になります。

とりあえず初期メンバーだけでも、近接攻撃、遠距離攻撃、回復&攻撃魔法が一通り使えるので、不便はありません。
ダンジョンの奧にはボスの部屋があり、そこの敵を全滅させるとクエストクリア。
経験値、お金、戦利品を獲得できます。

経験値はクリア後に清算され、途中でやられたり、「Leave Dungeon」のボタンで帰還したりすると、途中でいくら敵を倒していても、経験値は一切得られません
また、クリア時にやられていた場合も経験値は入りません。

ただ、獲得したお金やアイテムは途中で止めても持って帰れますし、負けてもペナルティーはありません。
序盤の展開が最悪だった時は一旦出直すことも出来ます。

Warhammer Quest
※画面下にはアイテムや魔法を使うボタンがあり、上にスライドすると種類を選択できます。
魔術師は MP が 5 あれば HP 回復の Healing Mist を使えますが、使えるかどうかはターンごとの Winds of Magic に左右されます。
レベルが低いうちは回復し辛いので、町で包帯を買って装備しておいた方が無難ですね。
攻撃魔法は味方も巻き込むので注意。


オリジナルのミニチュアゲームを再現しているためか、戦闘に細かいルールが多く、用語も独特で、しかもメッセージが英語なので、やや解りにくいのが難点です。

例えば、HP は Wounds、MP は Power、ターンごとの MP は Winds of Magic という呼び名です。
敵に隣接しても移動は可能ですが、敵に隣接した状態でターンを終えたり、急襲を受けたりすると Pinning(くぎ付け)という状態になって移動できなくなる場合があります。

敵を近接攻撃で倒すと高確率で Deathblow(デスブロウ)が発生し、隣の敵に連鎖攻撃を行えます。
Wounds(HP)が 0 になると「ノックダウン」しますが、まだ死んだ訳ではなく、そのターンの内に回復させれば復活できます

バーサーカーは敵がいる状態でターンを終えると暴れて行動できなくなる場合がありますが、バーサークしても自身をコントロール出来た場合は戦闘終了まで攻撃回数が1増えます。
そのターンで敵を倒していれば自身をコントロール出来る確率は増加します

これらのルールは重要なのですが、一般的な RPG と違うため、日本人には解り辛いですね。
理解できれば、ボードゲームらしくて面白いルールではあるのですが・・・

また、装備画面は本体を縦向きに回転させて表示します。(普段のゲームは横画面です)
これがかなり解りにくいうえに、いちいち回転させるのが面倒で、回転ロックも使い辛くなるので、正直言って煩わしいです。

Warhammer Quest
※ターン終了時、敵が急襲してくる場合があります!
こんな風に周囲を完全に囲まれ、フルボッコ状態になることも珍しくありません。
この急襲があるため、敵がいない時に HP が全快するまでパスし続ける・・・ ということはやり辛くなっています。
ただ、急襲で出てくる敵は弱い場合が多いので、連鎖攻撃のデスブロウで簡単に一掃できることも多いです。


Warhammer Quest
※装備画面は縦向き。 いちいち回すのが不便。 寝転がってやる時も不便。 外でもやり辛くなりそう。
装備の枠は「コモン」「アンコモン」「レア」の枠が4つずつあって、コモンの装備しか持っていない時は4つしか使えませんが、アンコモンやレアの装備を手に入れた時はそれを専用枠に装備し、空いたコモンの枠に薬を追加するといったことが出来ます。


ダンジョンから出るとマップ画面になります。
町に移動すると本が現れ、開かれたページにペーパークラフトのように町の建物が作り上げられていきます。
この演出が非常にカッコ良く、ミニチュアゲームらしさもあって良いですね

町で出来るのはアイテムの売買と、経験値が貯まったキャラのレベル上げ、パーティーメンバーの変更ぐらいで、あまり多くありません。
ただ、一旦町に移動しないと次のクエストは出現しません。

クエストには赤色のメインクエストと、街道上に出現する黒いサブクエストがあります。
サブクエストには強力な装備を得られるものがあり、さらに未到達地域に向かう街道のサブクエストをクリアすると、その先の町に進むことが出来るようになります。

Warhammer Quest
※マップ画面。 赤いクエストを選択すると適正レベルが表示されますが、あくまで目安であり、そのレベルに達してなくても挑戦やクリアは可能です。
サブクエストの報酬が装備の場合、タップすることでその性能と装備可能職業をチェックできます。
まずは優秀な装備を集めるのが優先ですね。


Warhammer Quest
※本の上に徐々に形作られていくミニチュアの町・・・ このシーンはすごく良いです。
一方、ゲーム中の真上視点のグラフィックは・・・ 非常に細かい書き込みではあるけど、個人的には真上ってのは、ちょっとダサく感じるのも本音。


ゲーム的には目立った難点はないのですが、個人的に残念なのは、TRPG(テーブルトーク RPG)らしさがあまり感じられないこと。

ゲーム中、町でスリに遭ったり、移動中に突発的な事件に遭遇したり、ダンジョンで危険を察知するロール(成否判定)が行われたり、TRPG ぽい部分は随所に盛り込まれています。
またゲームシステム自体が、解る人にしか解りませんが、「ロードス島戦記」や「ソードワールドSFC」などの既存の TRPG ベースのゲームによく似ています

にも関わらず、プレイした感じは単なるハック&スラッシュ(ひたすら敵を倒し、レベルアップとアイテム探しを繰り返すゲーム)になっている印象を受けます。

その理由の1つは、これは海外のゲームだから仕方ないのですが、メッセージが英文なこと。
TRPG 的なストーリーや解説は頻繁に表示されるのですが、長文なうえに字が小さいので、簡単に読めないし、がんばって読む気にもなれない
特に字の大きさは iPad でも小さく、iPhone / iPod touch では読んでられないレベルです。

また、プレイヤーキャラクターの職業やステータスなどが固定で、最初から決まっていること。
やっぱりこういう RPG は「キャラクターメイキング」したい訳ですよ。

このゲームはオリジナルのミニチュアゲームがあるので、そこに登場するキャラクターを再現しているのだと思うし、キャラについてはロードス島とかも決まっていた訳ですが、それでももうちょっと RPG らしい自由度が欲しかったのも本音
まあ課金すればキャラは何人か増えますが・・・

また、ただひたすら同じようなダンジョンの繰り返しなので、しばらくやってると変化がないのが気になってきます。
これはオリジナルのゲームボードのみを使っているからで、再現性という点ではそれで正解なのかもしれませんが、でもちょっとゲーム進行に対する変化が乏しすぎる印象があります

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 450 円
ゲームのボリュームやクオリティーなどを考えると高くない値段だと思います。

ただ、料金についても気になる点があって、このゲームは有料アプリにも関わらず、450 円では最初のエリアしかプレイできません。
ある程度ゲームが進んで他の地域に移動しようとすると、そこで追加の 450 円の課金を要求されます

私的には、ゲームの途中でいきなり「最後までプレイするには追加のお金が必要だよーん」というのは反則だと思っています
全章一括購入とかがあったり、その部分があくまで「追加のエリア」であるなら別ですが、このゲームはそこそこのプレイでその段階まで到達し、それ以上遊ぶには課金が「絶対必須」になるので、それはどうなのかと。
ですからこのゲーム、実際の値段は 900 円であると、ここで明記しておきたいと思います。

しかしそれでも、900 円で遊ぶ価値のあるゲームだと思います。
ソーシャルゲーム的な課金要素がある訳ではないし、長く楽しめるボリュームがあり、雰囲気も良いです。
装備やレベルアップによるキャラクターの成長を実感できるゲームなので、ハクスラ型 RPG として十分に楽しめます
ライトユーザー向けではありませんが、ゲーム好きの方にはオススメですね。

Warhammer Quest (iTunes が起動します)