本日からいくつか、海外で人気の「基本無料+課金型」のゲームを紹介したいと思います。
基本無料と言っても、日本のソーシャルゲームのような湯水の如くお金が必要になるものではなく、無料や微課金でも十分に楽しめるものばかりです。

どういった基本無料+課金型のアプリが海外では人気なのか、それが解れば日本の「ポチポチゲー」や「ガチャゲー」がなぜ欧米では伸びないのか、それも解ってくると思います。

と言う訳で本日は、箱庭型の村開発ゲームに RTS(リアルタイムの戦術シミュレーション)の要素を加えた、ちょっと変わった開発ゲームをご紹介します。
Clash of Clans」(クラッシュ・オブ・クラン)です。

このゲームは先日、ガンホーの パズドラ(パズル&ドラゴンズ) とコラボしたことで大きな話題になっています。
まさかこんな形でこのゲームが話題になるとは思わなかったのですが・・・
このゲームは欧米では非常に人気があり、基本無料のアプリなので先日の 世界各国のアプリランキング では取り上げなかったのですが、多くの国で無料アプリランキングのベスト3に入っていました
欧米ではまさにパズドラクラスの人気作です。

パズドラとコラボすることで、パズドラはパッとしない欧米での評価を高め、Clash of Clans はまだ低い日本での知名度を高めたいという狙いがあるのでしょうね。

Clash of Clans

ゲームは村開発シーン戦闘シーンに分かれています。

村開発は、Zynga 系と言うか、農園系と言うか・・・ そんな感じのものです。
作りたい建物を好きな場所に設置すると、必要な時間の経過後に完成します。
収入を得られる建物の場合は、しばらく時間が経過した後にタップすることで物資を回収できます。
海外に良くあるタイプの開発ゲームですね。

ただしこのゲームは、あくまで戦闘が中心にあり、開発は戦闘のための下準備です
そのためか開発ゲームとしては施設の種類は少なく、かなりシンプルに作られています。

物資にはお金(Gold)薬(Elixir、エリクサー)の2種類がありますが、生産施設はお金を回収できる金鉱(Gold Mine)と、薬を回収できる精製機(Elixir Collector)の2つしかありません。
お金の所持上限を増やす金庫(Gold Storage)と、薬の所持上限を増やすフラスコ(Elixir Storage)もありますが、生産に関わる施設はこの4つですね。

まずはこれらを建てて収入を増やすことが必要ですが、施設には建てられる数の上限があります。
しかし施設はアップグレードすることで効果を高めることができ、どちらかと言うとこのゲームはアップグレードが開発のメインです
ただし施設のレベルにも上限があり、施設レベルや設置数を増やすには街の中心となる「タウンホール」をアップグレードさせなければなりません。

建設やアップグレードは、建築家(Builder)の数しか行えません。
建築家は Builder's Hut という建物を作ると増えるのですが、この建物は課金通貨の「エメラルド」を使わないと建てられません
最初は2人しかいないので、同時に行える作業は2つまで。
もしそれ以上の作業を同時に行いたい場合は、課金によって Builder's Hut を増やさなければなりません。

Clash of Clans
※初期の村の様子。 メインとなる施設はここにあるものでほぼ全部。
とりあえず金庫&金鉱、薬の収集施設&貯蔵施設を作れるだけ作って、お金と薬が貯まり次第アップグレードさせておきましょう。
金鉱や兵舎などは薬で、それ以外はお金で建設やアップグレードを行います。


そして肝心の戦闘ですが、まずは兵舎(Barracks)で兵士の生産を行う必要があります。
兵士の生産は薬(Elixir)を使って行いますが、(序盤の兵士は)生産にかかる費用はそれほど高くなく、1人あたり 20 秒ほどで次々と作られていきます。

生産された兵士はアーミーキャンプという広場に集まり、最初は広場に待機できるのは 20 人。
十分な兵士が貯まったら画面左下の「Attack!」のボタンを押すことで、いつでも進攻に向かえます。

攻撃先はゴブリンの集落を攻め落としていく Single Player と、他プレイヤーの集落に攻め込む Multi Player があります
このゲームの醍醐味は他プレイヤーの集落を攻めることだと思いますが、普通に1人用のステージクリア型ゲームとして楽しむ事もできます。

戦闘は集落の外側をタップして兵士を出撃させるだけ。
出撃した兵士は自動で攻撃を行い、集落を破壊し、設備や貯蔵庫からお金や薬を収奪し、破壊の限りを尽くします。
ただし大砲ややぐらなどの防衛兵器が迎撃して来るため、まず防衛兵器を先に狙うのが定石です

村の破壊状況に応じて戦闘評価が付けられ、★1つ以上なら勝利、建物を全て破壊すれば★3つの完全勝利、★1つに満たないうちに全滅するか撤退ボタンを押すと敗北です。
出撃した兵士は生死に関わらず消費されます。

Clash of Clans
※他プレイヤーの集落で破壊の限りを尽くし中。 勝利すればお金と薬、名声を得られます。
まとまった物資を得られるので、兵士を生産しながらでも戦闘を繰り返した方が収入は増えます。
最初はシングルプレイで、ゴブリンの集落を相手に戦闘のコツを掴みましょう。


最初のうちはテキトーに大砲に向かって突っ込んでいくだけで勝てるので、何の問題もありません。
そもそも最初は、近くの施設に突っ込んで行くだけの戦士しか作れません。

しかし1人用の中盤以降のステージや、相応に慣れたプレイヤーの集落は、防壁で守られ、強力な迫撃砲などが設置され、大砲は攻撃し辛い場所に置かれていることでしょう。
こういった城砦に単に突っ込んで行くだけでは当然負けてしまいます。

しかし兵舎をアップグレードすれば、壁越しに攻撃できる弓兵、兵器を優先して狙う巨人、自爆して壁を吹っ飛ばす骸骨兵などを作ることができます。

開始前に集落の弱点を見極め、どこにどの順番で、どういうタイミングで兵士を出撃させるかが、ゲームの重要なポイントになってきます。

もちろん兵士が足りないと勝てないので、辛くなってきたらアーミーキャンプをアップグレードして、待機できる兵士を増やす必要もあります。
アーミーキャンプをアップグレードするにはまとまった量の物資が必要なので、貯蔵庫も拡張しなければなりません。
貯蔵庫の数やレベルを増やせない時は、タウンホールのアップグレードも考えなければなりません。
こうして、他の集落への攻撃と村作りは進んでいきます。

Clash of Clans
※外壁を骸骨兵で崩し、巨人を進撃させ、大砲を破壊し、家畜の安寧な街を襲撃する。
壁が薄いなら弓兵で狙うのも有効です。 迫撃砲は範囲攻撃なので、1ヶ所にまとまっていると危険ですが、間近は撃てません。
守りが固そうな場合は若干のお金を払って他の村にチェンジできます。
左上に収奪できるお金と薬が書かれているので、どうせなら物資が多い村を狙いたいですね。


相手に攻め込めるのですから、当然こちらも攻められます。
攻められるとその様子が戦闘ログに記録され、いつでもリプレイを確認することが出来ます

戦闘中は一時的にログインできなくなり、破壊された建物はその後にログインするまで壊れたままです。
ただ、ログインするとすぐに復旧作業が行われ、ものの数秒で元通りになるので、壊されても自分で直していく必要はありません。
施設に貯まっていたお金や薬は相手に収奪されてしまいますが、貯蔵庫にある分は一部しか取られないようです。
また、破壊状況に応じて「シールド」による保護が発生し、十数時間は他プレイヤーの攻撃を受けません

とは言え、どうせなら負けたくないものです。
防壁で守り、兵器を配備し、アップグレードで強化しておくことで、そう簡単に落とされない村作りができます。
防衛に成功すれば名声が得られますし、当然収奪も受けません。

壁や建物は自由に配置できるので、どんな風に配置して、どうやって守るか、それを考えるのもこのゲームの面白さと言えます。

Clash of Clans
※これはこちらが攻め込まれているシーンのリプレイ。 再生速度の調整も可能です。
このゲームは攻めるのも楽しいですが、攻められるのも楽しいゲームです。
せっかく壁や防衛兵器を配置したのなら、それがどう機能しているか見たいですからね。
やられた状況に応じて保護時間(シールド)が付きますが、これはこちらが攻め込むと解除されます。
倒した敵の墓はタップすると薬に変換されます。


難点は、前述したように開発ゲームとしては非常にシンプルで、施設の数も少ないので、純粋な村作りゲームをやりたい人には向かないこと。
このゲームはあくまで戦闘がメインなので、開発部分はあえて簡略化しているようです。

また、開発のペースはかなりスローです。
初期の建物は数十秒で完成しますが、それは本当に最初だけ。
すぐに建設やアップグレードに数時間、数十時間の経過が必要になり、おまけに同時に作業できる数に制限がありますから、なかなか拡張できません。

そして RTS として楽しくなるのはある程度村が発展して、兵士の種類が増えてからなので、ちょっと序盤が退屈で、その時間が長い印象がありますね。
日本だともっと速いテンポで進む RTS や開発ゲームが多いので、楽しくなる前に飽きてしまう人も出てくる気がします。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格はすでに述べたように、アプリ本体は無料で、 追加課金ありの形式です。
課金は最低 450 円からとやや高めで、同時に行える作業を1つ増やす(合計3つにする)には、その 450 円の課金がほぼ必要になります。
増やしておかないとゲームが辛いので、私的には「450 円のゲームです」と言ってしまいたいですね。
ちなみに2つ増やす(合計4つにする)には、さらに 850 円分の課金通貨が必要になります。

ただ、それ以外には課金は必要ありません。
課金通貨で作業をすぐに終わらせることは出来ますが、それは必須ではないし、課金アイテムのようなものも存在しません。
「ガチャで強力な兵士をゲット」みたいなものもないので、日本のソーシャルゲームよりも低額で遊べます

スマーフビレッジ 的な村開発システムや RTS 的な対戦モードは、色々な意味で「いかにも海外でウケそうなゲーム」と言えます。
日本においては、ややゲーマー向けの内容と言えそうで、いわゆる「ソーシャルゲームユーザー」にはウケなさそうですが、パズドラのプレイヤーは相応にゲームを楽しむユーザー層でしょうから、今回のコラボでどうなるか興味深いですね。

ルールが解り、相応に村が発展すれば、楽しめるゲームです。
興味のある方は、とりあえずやってみるのをオススメいたします。

Clash of Clans (iTunes が起動します)